著者
齋藤 和樹 前田 潤 丸山 真理子 Kazuki SAITO Jun MAEDA Mariko MARUYAMA 看護学科(臨床心理学) 室蘭工業大学共通講座(災害心理学) 秋田赤十字病院心療センター
出版者
日本赤十字秋田短期大学紀要編集委員会
雑誌
日本赤十字秋田短期大学紀要 = Bulletin of the Japanese Red Cross Junior College of Akita (ISSN:13430033)
巻号頁・発行日
no.10, pp.23-32, 2006-03-15
被引用文献数
1

日本赤十字社から海外に派遣された救援要員のストレス要因を50人のアンケート結果から分析した。アンケートでは、時系列に沿って「I.海外派遣が決まってから出発するまで」、「II.現地に到着直後」、「III.現地で活動中」、「IV.帰国が決まって帰国するまで」、「V.帰国後仕事に復帰して」の5つの時期に、「1.どのようなストレスを感じたか」、「2.それらにどのように対処したか」、「3.その対処はどの程度有効であったか」、「4.感じているストレスに対して所属する機関や周囲の人にどのように対応してもらいたかったか」を聞いた。各時期にさまざまなストレスがあり、対処法もさまざまであったが、いくつかの時期に共通して見られるストレス要因も見いだせた。それらは「情報不足」、「コミュニケーション・言語の問題」である。これらを解決することは、派遣要員のストレスの軽減になるだろう。また、対処法の効果の10段階評価を見ると、「V.帰国後仕事に復帰して」が他の時期に比して低かった。帰国後の職場での派遣員への理解と配慮の必要性も伺われた。Stress factors of 50 delegates who were sent abroad from the Japanese Red Cross Society were analyzed. A special questionnaire was created to analyze stress factors at 5 situation points throughout the time line, which included" I. Pre-departure", "II. Initial arrival in the field", "III. During the mission", "IV. Mission completion, before returning to Japan.", and "V. After returning to Japan and the workplace." There were 4 questions for each situation included; "1. What kind of stress did you experience?", "2. How did you cope with the stress?", "3. How effective was your coping strategy?", "4. What did you want your workplace to do to assist you in coping?". Various kinds of stress factors in each situation and various coping styles are found. "Lack of information" and "communication and language problems", however, were common stress factors throughout all the situations. Solving these problems is expected to reduce their stress levels. In addition, the mean score of question 3 (coping effectiveness) in Situation V (after returning) showed lower scores than the other situations. The necessity for understanding and care given to the delegates after they come back to Japan was suggested.
著者
前田 高弘
出版者
日本科学哲学会
雑誌
科学哲学 (ISSN:02893428)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.67-81, 1999

注意されたいのは,私はスワンプマンがある種の生物学的機能や心的特性(ないしそれに似た何か)をもつことを否定してはいないということだ.スワンプマンが通常の照明の下で赤いリンゴを目の前にしたとき,彼はあなたが同様の条件下でもつ経験と同じ経験をもつという直観は,内在主義というより,物理的スーパーヴィニエンスに基づく自然主義に由来するものであるように思われる.だが他方で,心的特性を進化論的な観点によって捉えようとする外在主義も同様の自然主義によって動機づけられており,本稿は,この自然主義の内部における対立を調停する試みであると言える.この試みによって,外在主義者たちがスワンプマンに悩まされなくなれば幸いである.だが,たとえそうならなくても,スワンプマンを自然法則に関する形而上学的問題の中に位置づけることによって,志向性や感覚質に関する哲学的議論の場そのものからはスワンプマンに別れを告げることができれば私は満足である.そこではドッペルゲンガーだけで十分だろう.
著者
古庄 敏行 吉丸 博志 前田 徹
出版者
北里大学
雑誌
北里医学 (ISSN:03855449)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.205-215, 1987-06-30

遺伝的形質の中には,支配する遺伝子が常染色体上に座位するものでも,表現や浸透度などに性差を表わすものがある。それらは程度の差こそあれ,従性遺伝の傾向がある。しかしながら,Snyderら^<4)>による若禿に関する有名な報告以来,従性遺伝の分析に関する報告はほとんどない。また,完全浸透と無淘汰を仮定した従来の分析法では必ずしも現実に適合せず,解析が困難な場合もある。そこで著者らは,浸透度,出生前淘汰,突然変異率,遺伝子頻度を考慮した上で,4つの従性遺伝モデル(A: 男女とも優性,B: 男で優性かつ女で劣性,C: 男で劣性かつ女で優性,D: 男女とも劣性)を仮定し,その検定法について考察した。その結果,(1)男女別発端老の両親の近親婚率,(2)両親の表現型組合せ別に,男女別発端老の男女別同胞における分離比,を推定することにより有効な検定が可能であることが示唆された。
著者
前田 亜紀子 井上 桃香 山崎 和彦 井上 桃香 イノウエ モモカ Inoue Momoka 山崎 和彦 ヤマサキ カズヒコ Yamazaki Kazuhiko
出版者
群馬大学教育学部
雑誌
群馬大学教育学部紀要. 芸術・技術・体育・生活科学編 (ISSN:05336627)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.145-150, 2015

Gunma prefecture is famous for a strong wind in winter. For this reason, this study examined how anatural feature influence clothes by seeing fixed point observation images which were recorded with videocamera. The images were recorded from 8:10 to 8:40 in a morning.Also,the period of this recording was fromDecember 12th in 2013 to January 22nd in 2014. The number of people who were analyzed is 745 males and597 females. The total is 1,342 people.The air temperature and Wind Chill Index (hereafter WCI)is effectivein order to assess the relationship between a natural feature and the rate of clothes worn by the people.As aresult, females usually put on a coat regardless of the air temperature. Males were likely to put on a coatdepending on the lowest air temperature. In addition,when a strong wind blew, females fastened the buttonson their coat and stooped. In case of males,the lower temperature became,the more males were likely to puton down coats. As we can see, there were differences between males and females. Also, females were morelikely to put a mask on their mouth regardless of weather.
著者
前田 紘弥 関本 義秀 瀬戸 寿一 樫山 武浩 小俣 博司
出版者
一般社団法人 交通工学研究会
雑誌
交通工学論文集 (ISSN:21872929)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.A_1-A_8, 2018-04-01 (Released:2018-04-01)
参考文献数
15

課題先進国と言われる日本のインフラ維持管理は、財源・専門家不足が深刻な問題となっている。一方で、ここ数年の深層学習等の技術発展により高度な画像認識が可能になっており、さらに世界中広く普及しているスマートフォンのカメラ機能は高精細化している。そこで本研究では、7 つの自治体の道路管理者と連携し、深層学習により路面損傷のリアルタイム検出を行うとともに、ランダムフォレスト法により自治体ごとの修繕対応決定における各特徴量の重要度比較を試みた。その結果、一般的なスマートフォンのみを用い、路面損傷を検出率(真陽性率)87%で検出することができ、自治体ごとの維持対応基準の違いを定量化することができた。この成果により、安価で簡易なインフラ点検が可能となり、財源・専門家不足に悩む諸地域においてブレークスルーとなる可能性がある。
著者
前田 剛希 下地 格 宮城 克浩 手登根 正 下地 浩之 上地 克美 知念 潤 伊志嶺 弘勝 砂川 正幸 まえだ ごうき しもじ いたる みやぎ かつひろ てどこん ただし しもじ ひろゆき うえち かつみ ちねん じゅん いしみね ひろかつ すながわ まさゆき Maeda Goki Shimoji Itaru Miyagi Katsuhiro Tedokon Tadashi Shimoji Hiroyuki Uechi Katsumi Chinen Jun Ishimine Hirokatsu Sunagawa Masayuki 沖縄県農業研究センター 沖縄県農業研究センター宮古島支所
出版者
沖縄農業研究会
雑誌
沖縄農業 (ISSN:13441477)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.3-16, 2015-02-12

宮古島は台風常襲地域であり,台風通過後,海岸付近の圃場では,サトウキビが葉の枯れ上がりや裂傷などの潮風害を受けている様子が観察される.多くの農家は,潮風で葉に付着した塩分を洗い流す目的で,台風直後はスプリンクラーによる除塩散水を行う.しかしながら,実際には葉に付着した塩分がサトウキビの生育に及ぼす影響については不明な点が多い.また,除塩に必要な散水量も除塩の効果自体不明である.そこで本研究では,生育旺盛期の7月下旬と登熟期の11月上旬に,春植えサトウキビに高濃度塩水を散布して葉の枯れ上がりを人工的に再現し,その後の生育や収量,晶質の変化を調べた.あわせて,塩分に曝されたサトウキビに生じる葉の枯れ上がりや,品質変化に対する除塩散水の効果を調べた.また,実際の台風時の塩分暴露による影響を考察するための資料として,台風接近時の飛来塩分量をドライガーゼ法で測定した.試験の結果から次の知見が得た.1)塩化ナトリウム(NaCl)濃度8.8% (葉面付着塩分量とし30FLg-NaCleq./cm_2) 以上の塩水散布により,サトウキビに葉の枯れなど目視で判断できる生育障害を人工的に発生させられる事が明らかになった.2)生育旺盛期の塩水暴露による葉の枯れ上がりは,登熟期までに葉が回復する事から糖度に対する影響は小さいと推察さたが,茎の伸長を一時的に抑制した.3)登熟期の塩水暴露による葉の枯れ上がりは,生育緩慢で茎の伸長がほとんど停止している時期なので,収量への影響は小さいが,糖度低下の原因になる事が推察さた.4)10mm以上の散水で,サトウキビの葉に付着した塩分を約80%程度除塩できた.
著者
友清 衣利子 前田 潤滋
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
日本風工学会年次研究発表会・梗概集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.9, 2005

2004年は10個の台風が日本に上陸し、全国で住家等の構造物に甚大な被害を及ぼした。本報告では、2004年に九州地区に上陸した台風16,18,21号と南海上を通過した台風23号による住家被害を示すとともに、台風0423号接近時に佐賀県で観測された強風と住宅被害に着目して報告した。台風16、18、21号では台風経路の南東側で被害が拡大していたが、台風23号では経路から離れた佐賀県で甚大な住家被害が見られた。台風接近当日の佐賀県内の風観測記録によれば、台風によって北東風が吹いた時に山裾の地域で強風が吹き、構造物への被害が起こっていることが分かった。山稜を越える「おろし風」のような局所風が吹いたと推定されるが,強風の継続時間が長く続いたことも被害拡大の要因と考えられる。
著者
友清 衣利子 内田 孝紀 前田 潤滋
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
風工学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.19, pp.205-210, 2006

2004年の台風23号は九州に上陸しなかったものの,九州北部に強風をもたらし台風経路から300km以上離れた佐賀県小城市に構造物被害が集中した。被害が当地に集中した要因として,小城市北部に位置する天山山系の地形形状の影響が考えられる。また,大気の安定度が強くなった場合には,いわゆる「おろし風」が吹いて山麓周辺でさらに増速する可能性がある。本報では,台風0423号時の強風分布状況を検証するために風速場シミュレーションを行い,周辺地形が小城市周辺の風況に及ぼす影響を検討した。数値計算で実際の風の乱れの強さを再現することは困難であるが,中立状態であれば平均風速分布が実際の風観測記録とやや対応すること,大気安定度を変化させると小城市で強風発生領域が局所化することが分かった。大気の成層状態を把握することは困難であるが,台風接近時には大気が安定状態となって小城市の一部地域でおろし風のような強風が吹いた可能性を示した。
著者
伊藤 歩 七里 守 江口 駿介 安藤 萌名美 竹中 真規 前田 眞勇輔 任 隆光 鈴木 博彦 神谷 宏樹 吉田 幸彦 平山 治雄 室原 豊明
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.724-730, 2015

慢性心不全では睡眠呼吸障害を高率に合併することが知られている. 特にチェーン-ストークス呼吸を伴う中枢性睡眠時無呼吸の割合が多く, 予後不良因子とされている. 一方, 睡眠呼吸障害に対し治療介入することで, 左室駆出率や生命予後の改善が期待できるとの報告がある. 具体的な治療法として, 閉塞性睡眠時無呼吸においては持続陽圧呼吸療法 (Continuous Positive Airway Pressure ; CPAP) の有用性が確立されている. しかし, 中枢性睡眠時無呼吸にはnon-responderが存在し, CPAPの有用性については議論がある. 中枢性睡眠時無呼吸の治療において, 新しいデバイスとしてadaptive servo ventilation (ASV) に注目が集まっている. 症例は体重増加, 労作時呼吸困難を主訴に来院した74歳, 男性. 外来にて利尿薬等による内服管理をしていたが, 経胸壁心臓超音波検査にて推定収縮期右室圧の上昇を認めた. さらにSwan-Gantzカテーテル検査では, 左心不全を認めるとともに, 右房圧・右室圧の上昇を認めた. 原因精査のため終夜ポリソムノグラフィを施行したところ, チェーン-ストークス呼吸を伴う中枢性睡眠時無呼吸を認めた. CPAPにて治療を開始したが, 十分な治療効果が得られず, ASVに変更し継続したところ, 無呼吸イベントの抑制とともに左室駆出率は上昇し, 右房圧・右室圧・肺動脈楔入圧はいずれも低下した. ASVはチェーン-ストークス呼吸を伴う中枢性睡眠時無呼吸を合併した心不全において有効な非薬物治療法と考えられた.
著者
石川 大瑛 尾田 敦 前田 健太郎 浦本 史也 横山 寛子 藤林 直樹 鹿内 和也 伊藤 亮太 川口 陽亮
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会 東北ブロック協議会
雑誌
東北理学療法学 (ISSN:09152180)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.60-63, 2017-08-31 (Released:2017-09-15)
参考文献数
11

【目的】健常者における静的立位での外反母趾角と後足部アライメントの関連性を明らかとすることである。【方法】対象は健常大学生178名(男性107名,女性71名,年齢22±3歳,身長167.5±8.1cm,体重60.0±9.2kg,BMI21.3±2.4)である。評価項目は,第一趾側角,第五趾側角,足底接地率,足部アーチ高率,Leg-Heel-Angle(以下,LHA),Floor-Heel-Angle(以下,FHA)である。統計学的処理は,第一趾側角を従属変数とし,第五趾側角,足底接地率,足部アーチ高率,LHA,FHA,BMIを独立変数とした重回帰分析を行った。【結果】足部アーチ高率(β=-0.25,p<0.05)と内反小趾角(β=-0.16,p<0.05)が選択された(R2=0.11,p<0.05)。【結語】足部アーチ高率は外反母趾の原因としての報告があり,それを支持するものとなった。また,足趾の変形は足部の内外側どちらに荷重が集中しているかで異なると考えられる。しかしそのR2は0.11と低く,外反母趾角に影響を与える因子はこの他にもあるものと考えられる。
著者
前田 昌信
出版者
社団法人 日本流体力学会
雑誌
日本流体力学会誌「ながれ」
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.281-291, 2006

計測したものは真実であると大見得を切るケースを見る事もあるが, 計測器にもセンサーが正しく動いているか, また同様にソフトの内部でどんな処理を行つているか, 半信半疑のケースも少なくない. 現在, 間違った使い方をしなければ, おかしい結果が出てくるケースはそれほどなくなつてきたのは先人のご苦労あればこそであろう. 今を思えば, なんでも無い事が, 一時代前は頭を捻る毎日であつた. 本章では熱線流速計の進展と同時進行ながら信号周波数高さ故に苦労するレーザー流速計の発展経過を述べよう.
著者
前田 司郎
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.423-440, 1938

(1) 從來知られて居るアミノ酸十數種を混合し,白鼠を用ゐて飼育試験を行ぴ榮養上蛋白の代用となるか否かを檢した.その結果は全然陰性に終つた.<br> (2) 魚肉蛋白硫酸分解物のモノアミノ酸部分を與へると通常の生長をする.<br> 故に魚肉蛋白分解物モノアミノ酸部分に從來未知の新要素が存するものと考へられる.<br> (3) 魚肉蛋白分解物を諸種の方法にて分別し,既知のアミノ酸混合物飼料を基礎飼料として研究した結果,所謂モノアミノモノカルボン酸區分,木精可溶銅鹽の區分,酒精可溶亞鉛鹽の區分等に有效物質が來る事を知り得た.<br> (4) 薪有致物質が蛋白の一構成分子である事を種種の實験から推定した.<br> (5) グリシンアンヒドリド,グリシルグリシン,尿素,尿酸,アミノヴアレリアン酸無水物(小玉氏),&alpha;-アミノイソ酪酸,&alpha;-アミノー〓-酪酸,ヴアリン,イソヴアリン等は,無效である事を實験した.<br> (6) 以上の實驗結果を參照し,オキシアミノ酪酸に一致する物質を分離し,この添加によつて既知アミノ酸混合物が榮養上完全に蛋白の代用となの得る事を實験した.一方クロトン酸から合成したオキシアミノ酪酸に就ても,その有效な事を動物試験によつて確めた.
著者
前田 紀子 工藤 俊輔 Krishna Pyari NAKARMI
出版者
秋田大学
雑誌
秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要 (ISSN:18840167)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.77-85, 2013-03-31

ネパールにおいて, 障がい児(者) とその家族の生活の実態は充分把握されていない. 障がい児(者) とその家族の現状を知ることを目的に, カトマンドゥ郊外の郡内3市において, アンケート調査を聞き取り法にて行った. 調査は障がい児(者) ID (Identity Document) カード{障がい児(者) 証明書} 取得者で重度の障がい認定された児(者) とその家族を対象に実施した. 調査結果から, 障がい児(者)・家族が抱える問題解決には経済的支援としての手当てだけでなく, 介護支援・教育の機会・健康管理・地域とかかわりを持った活動・雇用へ繋げるための生活支援の必要性が示唆された. 加えて, 障がい当事者とその家族らがお互いの情報や現状を共有できる場をもつことや, 地域住民ともつながりを持ち, 相互理解を深めることは, 生活改善の方策として重要であることが同様に示唆された.さらに現在ある障がい児(者) ID カード制度の充実や普及による国の政策改善が望まれることを指摘した.Not enough is understood about the lives of Persons With Disabilities (PWDs) and their families in Nepal. A questionnaire survey was carried out in three cities in the suburbs of Kathmandu to know the situation of PWDs and their families. The targets of the survey were PWDs holding ID cards identified as having the most serious disabilities, and their families. As a result, it is found that not only financial support but also assistance with care, education opportunities, health management, social activities and employment are needed in order to improve the life of PWDs. In addition, it was found that there needs to be a platform for exchange and sharing idea or information with each PWD and their family, to connect with the local community to improve mutual understanding each other. The use of ID cards will increase and the system will improve. A change of local and national policy is clearly necessary.
著者
益子 典文 前田 康裕
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌
巻号頁・発行日
vol.41, pp.141-144, 2018

<p>現職教師が学校に勤務しながら教育実践研究を展開するためには,自らを実践知の生産者と位置づける「知識生産型」の認識を持つことが重要である.本研究では,働きながら学ぶ大学院を修了し,持続的に教育実践研究を展開している現職教師(第二著者)を対象とし,PAC 分析による教育実践研究のイメージの分析を行った.その結果,特徴的なクラスターの存在が見いだされた.この結果に基づき,現職教師が持続的に教育実践研究を推進するための条件について,研究者・実践者相互の立場から考察を行った.</p>
著者
佐竹 唯 大谷 幸利 前田 勇
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2012年度精密工学会秋季大会
巻号頁・発行日
pp.479-480, 2012-09-01 (Released:2013-03-01)

近年,化石燃料の枯渇化が問題となっていて新たなエネルギー資源や変換技術が求められている.そこで新たなエネルギーとして光合成細菌を利用したバクテリア燃料電池が報告されている.本研究では,光合成細菌である紅色非硫黄細菌の利用を試みた.また,従来のバクテリア燃料電池よりも発電効率を向上させるため,細菌から直接電子を抽出できる電極を作成した.今回は,紅色非硫黄細菌からの発電を確認したので報告する.
著者
服部 幹 前田 幸嗣 外園 智史 高橋 昂也
出版者
食農資源経済学会
雑誌
食農資源経済論集 (ISSN:03888363)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.11-19, 2013-10

わが国では現在,環太平洋経済連携協定(TPP)への交渉参加の是非が議論されている。TPPは全ての品目の関税を撤廃することを原則としているため,特に大きな影響を受けると予想される農業分野では,議論が活発に行われている。農業分野について,TPP参加に賛成する立場からは,TPP参加による農業保護の削減が,生産性の向上をもたらすという主張がなされている。たとえば,星・カシャップ[6]は,「農業分野の生産性低下を止めるためには農業保護を削減していく必要がある」と述べ,農業の生産性低迷の理由として,保護措置を挙げている。また,日本経済新聞[8]によると,アンケート調査を行った農業法人のうち33.5%がTPP参加に「賛成」もしくは「どちらかといえば賛成」と回答し,その理由の一つとして「生産性の向上」を挙げている。しかし,このような農業保護の削減が生産性の向上をもたらすという主張や期待は,計量的に裏付けられているわけではない。本稿の課題は,農業保護水準と全要素生産性の関係性について計量的に分析することである。分析にあたっては,世界的な傾向を捉えるため,クロスカントリー・データを用いて分析を行う。また,全要素生産性の指標としてはMalmquist指数を,農業保護水準の指標としてはパーセンテージ生産者支持推定量(Percentage Producer Support Estimate,以下%PSE)を用いる。そして,農業保護水準と全要素生産性に関するこれらの指標について,統計的な分析を行うことにより,その関係性を計量的に明らかにする。本稿の以下の構成は次の通りである。まず第2節において,分析の概要,および包絡分析法(Data Envelopment Analysis,以下DEA)を基にしたMalmquist指数の計測方法について説明する。第3節でMalmquist指数の計測に使用したデータ,および%PSEのデータについて述べる。第4節では各指標の計測結果について述べ,第5節において農業保護水準と全要素生産性の関係性について,計量的に明らかにする。最後に,第6節で本稿のまとめと残された課題を述べる。
著者
髙橋 昂也 前田 幸嗣 前田 幸嗣
出版者
九州大学大学院農学研究院
雑誌
九州大学大学院農学研究院学芸雑誌 (ISSN:13470159)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.39-49, 2015-09

The purpose of this paper is to econometrically clarify the current demand for beef in Japan by classifying beef into four classes and to suggest implications for the impact of beef tariff reduction. In the analysis, an appropriate model is selected and the existence or non-existence of habit formation and its type are clarified. The main analysis results are as follows. First, rational habit formation exists in the demand for beef. Second, each class is a substitute for classes adjacent in quality and seldom a substitute for other classes. Third, if tariff is reduced, import quantity will increase in the short run. By contrast, domestic beef production will be affected in the long run and the sharpest decrease will be seen in daily beef production.