著者
前田 拓也 上出 直人 戸﨑 精 柴 喜崇 坂本 美喜
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.29-36, 2021 (Released:2021-02-19)
参考文献数
46

【目的】本研究は地域在住高齢者の呼吸機能に対する運動機能,認知機能,体組成との関連性について検討した。【方法】対象は要介護認定のない65 歳以上の地域在住高齢者347 名とした。呼吸機能として努力性肺活量および1 秒量,運動機能として握力,下肢筋力,Chair Stand Test,Timed Up and Go Test(以下,TUGT),5 m 快適・最速歩行時間,認知機能としてTrail Making Test part A(以下,TMT-A),体組成として骨格筋指数および体脂肪率を評価した。呼吸機能と運動機能,認知機能,体組成との関連を重回帰分析にて分析した。【結果】年齢,性別,体格,喫煙などの交絡因子で調整しても,努力性肺活量は握力,TUGT,TMT-A と有意な関連を示した。同様に,1 秒量は握力,TMT-A と有意な関連を示した。【結論】地域在住高齢者の呼吸機能は運動機能,認知機能が関連することが示唆された。
著者
山本 頼正 藤崎 順子 大前 雅実 平澤 俊明 五十嵐 正広
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.58, no.9, pp.1492-1503, 2016 (Released:2016-09-20)
参考文献数
66

ヘリコバクター・ピロリ菌は慢性的な胃炎を惹起し,それに引き続き胃癌を引き起こす要因のひとつである.本邦では衛生環境の改善や,除菌治療の普及により,その感染率は徐々に低下している.しかし最近,ピロリ菌未感染の胃癌が報告されており,その頻度は全胃癌の0.42-5.4%であり,おおよそ1%である.ピロリ菌陰性胃癌の診断基準は,報告によって様々であり,いまだ確立されていない.われわれは,ピロリ菌陰性胃癌の必要最小限の診断基準として,内視鏡所見,病理所見,血清ペプシノーゲン法の2つ以上で陰性で,尿素呼気テストまたは血清IgG抗体が陰性,かつ除菌歴がない事を提案する.ピロリ菌感染以外の胃癌の原因としては,生活習慣,ウイルス感染,自己免疫性疾患,遺伝的疾患などいくつかの要因が関連することが知られているが,ピロリ菌陰性胃癌の主な原因はいまだ不明である.ピロリ菌陰性胃癌は,未分化型癌の頻度が高く,主に印鑑細胞癌であり,比較的若年者の胃中―下部の褪色調病変で,平坦・陥凹型の肉眼型が多い.一方で分化型癌は,未分化型癌に比して相対的に高齢者の胃中-上部に認める胃底腺型胃癌であり,粘膜下腫瘍様や陥凹型の肉眼型である.ピロリ菌陰性胃癌を早期診断することで,内視鏡切除などの低侵襲治療が可能となるため,内視鏡医はピロリ菌陰性胃癌の臨床所見,内視鏡所見について十分理解しておくことが重要である.
著者
大野 恭秀 前橋 兼三 松本 和彦
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.34, no.8, pp.426-431, 2013-08-10 (Released:2013-08-17)
参考文献数
9
被引用文献数
1

Chemical and biological sensors based on graphene field-effect transistors (FETs) were described. The transfer characteristics of the graphene FET were changed by the solution pH and the protein adsorption. Especially, the detection limit of the solution pH was 0.03, indicating the high sensitivity. In order to achieve the specific biomolecule sensing, aptamers were used as a receptor material. The aptamer was the single-stranded DNA binding to the specific molecules. The aptamer-modified graphene FET can detect only the target molecule while the graphene FET with the bare graphene channel detects all proteins with charges. These sensing results show that the graphene FET has high potential for the high sensitive biological sensors.
著者
李 康穎 Batjargal Biligsaikhan 前田 亮
雑誌
じんもんこん2017論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.125-130, 2017-12-02

篆文は今でも広く使用されている古代の書体である.しかしその字形は抽象性が高いため,専門的な知識を持たない人にとって篆文字形を読むのは非常に難しい.また,現存の篆文の記載に使用する文献資源が極めて少ない状況であり,利用できる篆文の画像データも不足しているため,篆文に基づくOCR システムもほとんど存在しない.本研究は小篆の篆文書体を研究対象とし,白川静の漢字研究の成果に基づく「白川フォント」中の小篆書体の文字と「説文解字フォント」中の白川フォントと対応する文字をGenerative Adversarial Network に基づくzi2zi モデルの入力データとして利用し,生成された画像の変形処理を行う.処理した後の画像ファイルを訓練データとして使用し,文字認識の実験を行った.本論文では,生成した画像を手書き篆文の認識モデルの訓練データとして用いる手法を提案し,今後の手書き篆文文字の検索支援の実現に向けた基礎を構築することを目指す.
著者
前﨑 信也 Maezaki Shinya
出版者
意匠学会
雑誌
デザイン理論 (ISSN:09101578)
巻号頁・発行日
no.79, pp.15-28, 2022-01-31

学術論文
著者
湧田 健一郎 前川 陽子 渡辺 蔵人 神谷 乗史 屋良 朝博 城間 勲
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.369-375, 2016-05-30 (Released:2016-06-01)
参考文献数
24

2型糖尿病で加療中の85歳女性.入院2か月前より水泡性天疱瘡に対してステロイド治療が開始された.3日前からの発熱を主訴に当院を受診し,肺炎を契機とした糖尿病性ケトアシドーシスの診断で入院した.入院後ステロイドを中止し,インスリン,抗菌薬を開始したが,翌日の喀痰鏡検にて糞線虫の幼虫を多数認めたため糞線虫過剰感染症と診断しイベルメクチンを開始した.また,意識障害,呼吸不全を認め,細菌性髄膜炎,非心原性肺水腫と診断し,抗菌薬の変更,非侵襲的陽圧換気も開始した.本例の抗HTLV-1抗体は陽性であり,イベルメクチン14日間連日投与で糞線虫は陰性化し,約60日間かけて意識状態,呼吸状態も改善を認めた.本例は抗HTLV-1抗体陽性2型糖尿病患者がステロイド投与を契機に糖尿病性ケトアシドーシス,細菌性髄膜炎,非心原性肺水腫を伴った重症糞線虫症を発症し,イベルメクチン連日投与により救命し得た希少な症例である.
著者
久和 茂 谷口 怜 水谷 哲也 吉川 泰弘 明石 博臣 宇根 有美 前田 健
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

翼手目(コウモリ類)は生物学的多様性とその分布・移動域の広さ、巨大なコロニー形成などの特徴をもつ特異な生物である。また、エボラウイルスなどの高病原性病原体の自然宿主と疑われており、病原体レゼルボアとして高いリスクをもつ。本研究はフィリピンにおいて翼手目の保有病原体の疫学調査を実施し、翼手目の人獣共通感染症のレゼルボアとしての評価を行うことを目的とした。ミンダナオ島、ルソン島中央部、ルソン島北西部においてそれぞれ捕獲調査を行い、合計266匹の翼手目を採取した。これらのサンプルより新規のレオウイルス、ハンタウイルスを見出し、さらに病原性細菌や原虫を保有していることも明らかにした。
著者
日本 PDA 製薬学会 電子記録電子署名委員会 クラウド CSV グループ 荒井 健太郎 荒木 澄江 石川 明水 稲葉 光治 荻本 浩三 杉浦 明子 坪田 浩之 峠 茂樹 西山 宇一 平野 勝久 古市 正 前田 豊
出版者
一般社団法人日本PDA製薬学会
雑誌
日本PDA学術誌 GMPとバリデーション (ISSN:13444891)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.25-122, 2016 (Released:2016-12-20)
参考文献数
7

It could be worthwhile to make proposals related to practical methods for CSV of cloud-based GxP business systems, given that any guidelines for CSV of those systems have not yet been issued by the Ministry of Health, Labor and Welfare. In this study, we will show development activities, verification activities and a supplier audit, all of which our group experienced, for a SaaS-type electric document management system for GxP businesses, leading to an attempt to share the best practices in CSV of cloud-based GxP business systems. The feasibility of our proposal related to the CSV life-cycle management of cloud-based GxP business systems at the previous PDA Japan Annual meeting will also be discussed in this study.
著者
堀 大輔 染川 晋作 前田 朗(MD)
出版者
九州理学療法士・作業療法士合同学会
雑誌
九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 (ISSN:09152032)
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.21, 2010

【はじめに】<BR>アメリカンフットボールは傷害発生率の高いスポーツであり、これまで多くの傷害報告がある。<BR>我々はメディカルサポートをしている大学アメリカンフットボール部に対して2007年から傷害調査を行い、過去の報告と比較するとハムストリングス肉離れの発生率が高いという特徴的な傾向があることを第31回本学会で報告した。<BR>肉離れのリスクファクタ―として筋力不足や不均衡、筋柔軟性の低下、不適切なウォーミングアップ、ランニングフォーム、神経・筋協調性の欠如、環境条件の不良など多数あげられ、発生原因を断定するのは難しくあらゆる方向から予防することが必要とされている。しかし医療機関に勤務しながら限られた時間の中でチームサポートしている我々にとっては、それを実行することは困難である。<BR>そこで今回、比較的簡便に測定可能かつ客観的に数値化できる筋力測定を行い、測定結果を選手にフィードバックすることで発生予防のための一手段となり得るか検討したので、ここに報告する。<BR>【対象】<BR>2009年、某大学アメリカンフットボール部に所属する2,3,4年生の選手33名、平均身長173.5±5.9cm、平均体重83.2±12.2kg。<BR>【方法】<BR>・2009年2月(シーズン前)、CYBEXを用い60deg/sec・180deg/secにおける膝の伸展・屈曲トルク値を測定しQH比を算出した。<BR>・理想のQH比を60deg/secでは0.58以上、180deg/secでは0.66以上とし、測定結果を選手個々にフィードバックした。<BR>・2009年も継続して傷害調査を行い、2008年におけるハムストリングス肉離れの発生率との比較を行った。<BR>なお、これらはヘルシンキ宣言に則り、チームにおける選手・スタッフに十分に説明し同意を得て行った。<BR>【結果】<BR>・指標とするQH比より低い傾向にあった選手は26人/33人(78.78%)であった。<BR>・ハムストリングス肉離れの発生は 2008年:13件/37人(0.35件/人)→2009年:8件/33人(0.24件/人)、と減少した。<BR>・特に春シーズン(3月、4月、5月、6月)の発生は2008年:8件/37人(0.22件/人)→2009年:2件/33人(0.06件/人)、と減少した。<BR>【考察】<BR>肉離れの発生状況とQH比の関係や、QH比を用いた肉離れの予防の効果についての報告は多く、QH比が低いとハムストリングス肉離れの発生率が高値を示すことがこれまでの統一した見解である。<BR>今回の測定にて、当部においては指標とするQH比より低い傾向にあった選手が多く、測定結果を選手にフィードバックするとともにハムストリングスの選択的強化の必要性を同時にアドバイスできたこと、またそれらを発生率の高い春シーズン前に行うことができたことが、ハムストリングス肉離れの発生率を低下させた要因となったのではないかと示唆される。<BR>今回は、チーム事情で1回のみの測定に終わり、実際にその後QH比に変動があったかは定かではない。また2月に測定したQH比が数ヶ月以降の秋シーズンの肉離れの発症にどれほど関係しているかは不明瞭であるため、今後は測定回数を増やしQH比の推移と発生状況を更に分析する必要性がある。
著者
井関 貴博 谷川 智洋 中澤 敏明 中村 覚 野見山 真人 前沢 克俊 美馬 秀樹 柳 与志夫
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.5, no.s1, pp.s122a-s123a, 2022 (Released:2022-02-28)

現在東京大学情報学環DNP寄付講座では、書籍・電子書籍のようなパッケージ型ではなく、デジタルコンテンツ本来の特性・メリットを生かしたネットワーク型・オープン型の知的構成物(「ビヨンドブック」略してBB)の研究開発に取り組んでおり、その最初の成果としてプロダクトデザインがまとまったところです。本セッションでは、その成果を披露し、パネリスト、会場からのご意見をいただき、今後の改善の参考にしたいと考えています。また、出版界が担ってきた書籍・電子書籍の制作・流通の中で、BBがどのような新たな役割を果たせるか、社会的側面の議論も行いたいと思います。
著者
前田 寿
出版者
JAPAN ASSOCIATION OF INTERNATIONAL RELATIONS
雑誌
国際政治 (ISSN:04542215)
巻号頁・発行日
vol.1960, no.12, pp.80-92, 1960-05-15 (Released:2010-09-01)
参考文献数
11
著者
前田 昌調
出版者
養賢堂
巻号頁・発行日
vol.65, no.7, pp.703-706, 2011 (Released:2012-12-03)