著者
加藤 徹郎 Kato Tetsuro
出版者
法政大学サステイナビリティ研究所
雑誌
サステイナビリティ研究 (ISSN:2185260X)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.145-162, 2015-03

This paper uses metadata on terrestrial broadcasting programs in the greater Tokyo area collected and stored by the Hosei University Environmental Media Archive to analyze reporting on radiation in lifestyle information programs. Our analysis used the KH Coder text-mining software to analyze content by the terminology used in the metadata. First, the results of studying data split into half-year segments showed that while the topics reported on in each period did show some changes over time, when viewed from an overall perspective there were no sudden changes in the topics themselves. Rather, it could be pointed out that the structure of reports on radiation was formed through various coexistent topics increasing and decreasing in volume. At the same time, a look at the interrelations between words and phrases in monthly data shows that sporadic topics not directly related to the earthquake that was a topic of interest at the time, such as the criteria for choosing foods, issues related to resumption of operation or accidents at other nuclear power plants, and issues related to leakage of radioactive water, were reported in ways loosely connected to reporting on the accident at the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant. Lastly, this paper reconsiders the results of the above analysis within a theoretical interpretive framework, pointing out the importance of such an analysis for elucidating how the sequence of the flow of reporting on television forms what Derrida called an "artifactuality." We also discuss the limitations and possibilities of media theory analytical methods in the handling of archive data as case studies. 本稿は、法政大学環境報道アーカイブが収集・保管している関東地上波放送番組のメタ・データを使用し、生活情報番組における「放射」報道について分析したものである。分析にあたっては、テキストマイニング・ソフト、KH Coder を使用し、メタ・データにおいて使用される語彙についての内容分析を行った。まず、半年ごとに区切ったデータについて検討した結果、ここでは各期間に取り上げられるトピックは、その時々によって変化はみられるものの、全体的にみるとトピックそのものが突然入れ替わるわけではなく、むしろ並立する様々なトピックがそのボリュームの増減を変えていることで、「放射」報道の構成が成り立っていることが指摘できる。一方、月ごとのデータにおける語句の相関関係を見ると、食品の選定基準や他の原発における再稼働・事故問題、汚染水漏れ問題など、その時々で話題となっている震災とは直接に関係のない散発的なトピックが、福島第一原発の事故報道と緩く結びつけられて報道されていることが分かった。本稿では最後に、以上の分析結果を理論的な解釈枠組みのなかで捉えなおし、テレビの「流れ」としてのシークエンスが、J・デリダのいう「人為時事性」をどのような形で構築しているかを明らかにするためにも、こうした分析の重要性を指摘している。併せて、アーカイブデータを事例として取り扱う際の、メディア論的な分析手法の限界と可能性についても言及している。
著者
野原 佐知世 加藤 邦人 山本 和彦
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, no.34, pp.77-80, 2010-08-30

人は食品の画像を見ただけでも「おいしさ」を感じることができる.しかし,食品画像中には「おいしさ」に影響を与える要因が多く含まれており,人の食に対する感性を定量化することは非常に難しいとされている.この食品画像が持つ多量な要因に対し,提示する画像情報をコントロールすることができれば人の「おいしさ」に対する要因を抽出することが可能であると考えられる.本稿では,画像提示時間を変化させることで画像情報コントロールを行うアンケート方法の提案と,その有効性の検証を行った.
著者
豊川 裕之 加藤 知己 佐伯 圭一郎 矢ケ崎 信子 岸田 謙一 李 廷秀
出版者
The Japanese Society of Health and Human Ecology
雑誌
民族衛生 (ISSN:03689395)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.192-200, 1987
被引用文献数
1

A-mode式超音波皮脂厚計(TATT TH-500)を用いて,日本人の皮下脂肪厚の性・年齢別度数分布を作成するために,今回は小学生(1~6年生)の皮脂厚の計測を行なった.1986年5月から7月にかけて東京都にある4つの某小学校の児童1925人(男子:984人,女子941人)を対象にして,4部位の皮脂厚を計測した.主な結果は以下の通りである. (1)小学生の全学年(7~12歳)において,いずれの部位でも女子の皮脂厚の方が男子よりも厚い傾向が認められた. (2)小学生における4部位(biceps,triceps,subscapular,suplailiac)の皮脂厚は,年齢に伴い概ね漸増する傾向が示唆された. (3)超音波皮脂厚計を用いて,4部位における小学生の皮脂厚の度数分布を作成した. (4)部位別皮下脂肪厚と身長,体重,Kaup指数との関連を,年齢の影響を除去して男女別にそれぞれ全例について検討したところ,以下に示す結果が得られた. 1)身長と各部位別皮下脂肪厚及びこれらの合計値との間には男女ともに正の相関(0.2~0.3)が認められた. 2)男女ともに,体重が重いほど各部位別皮脂厚値及びこれらの合計が大きいという関係が認められた. 3)Kaup指数が体重,比体重,Rohrer指数よりも皮脂厚値と最も強い正の相関が認められた.
著者
加藤 稔 久原 理央 森 澄人 今崎 充智
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICM, 情報通信マネジメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.132, pp.17-22, 2014-07-03

近年のクラウドサービスでは,テナントのユーザが自由に自身のネットワークトポロジを仮想化環境上に構築でき,複数のテナントが同じIPセグメントを重複作成しても通信制御が可能となっている.この技術は,通信制御ノードがネットワーク名前空間を用いることによって実現している.しかし,ネットワーク名前空間は,ノード固有のOSカーネル空間に作成されるため,他ノードと共有することができず,故障した通信制御ノードに収容されていたネットワーク名前空間を使用するテナントは,他の通信制御ノードが正常であっても通信できなくなる.したがって,このネットワーク名前空間を用いる通信制御ノードは,通信システムにおける単一故障点となり得る.本稿では,OpenStackのネットワーキングコンポーネントであるNeutronを使用した,ネットワーク名前空間を用いる通信制御ノードにおけるフェイルオーバ手法について検討し,テナントの通信遮断時間を短縮するための新たな高可用基盤を提案する.
著者
加藤 佳子
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.58, no.8, pp.453-461, 2007-08-15
被引用文献数
3

This study investigated the relationship among the drive for thinness, stress, and attitude toward sweets. It was clear that the drive afor thinness is related to stress, and it has been reported that sweets induce a comfortable feeling. Although a previous study had recognized the drive for thinness as explaning a positive attitude towards sweets, the drive for thinnes did not seem to directly explain this positive attitude. Rather, the stress induced by the drive for thinness did seem to explain the positive attitude towards sweets. A questionnaire survey was conducted on 258 university students (74 males and 184 females). The results indicated that the drive for thinness only explained a positive attitude towards sweets with the female subjects. A second questionnaire survey was then conducted on the 184 female university students. The results demonstrated that the drive for thinness itself did not lead to a positive attitude towards sweets, but that the combination of stress and the drive for thinness did lead to this positive attitude towards sweets.
著者
加藤 浩介 坂和 正敏 片桐 英樹 小川 篤
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 : 日本知能情報ファジィ学会誌 : journal of Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.402-411, 2007-08-15

多目的確率計画問題に対して,従来,期待値最適化モデルや分散最小化モデルに基づいて意思決定者の満足解を導出するための方法が提案されてきている.しかし,これらのモデルに基づいて得られる解と,不確実な意思決定状況で意思決定者が目的関数に対する満足度を表す効用関数の期待値を最大化しようとするという期待効用最大化原則に基づいて得られる解の整合性は保証されていない.一方,確率変数の分布関数を積分した二次分布関数の大小関係により確率変数を順序付けする二次確率優越という概念があり,目的関数に対する意思決定者の効用関数がリスク回避的である場合には,二次確率優越は期待効用最大化原則と整合的であるという性質がある.そこで,本研究では,多目的確率計画問題に焦点をあて,二次確率優越の概念に基づくパレート最適性を定義し,期待効用最大化原則と整合的な満足解を導出するための対話型ファジィ満足化手法を提案する.
著者
于 麗玲 塩見 佳也 加藤 穣 宍戸 圭介 池澤 淳子 粟屋 剛
出版者
日本生命倫理学会
雑誌
生命倫理 (ISSN:13434063)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.125-133, 2013-09-26

中国「優生優育」政策は、「中華人民共和国母嬰保健法」(以下、母嬰法と称する)及びその下位法令(「母嬰保健法実施方法」、「出生前診断技術管理方法」、「新生児疾病検査管理方法」ほか)から看取される。「優生」に関して、母嬰法及びその下位法令は、婚姻予定のカップルや一定の医師に、以下のような義務を課している。すなわち、同法等は、まず婚姻予定のカップルに対して、(1)婚姻前の一定の時期に「婚前医学検査」を受ける義務、及び(2)婚姻登記機関へ「婚前医学検査証明」を提出する義務を課している。次に、一定の医師に対して、一定の場合に、(3)カップルに婚姻の時期を暫く延期するように勧告する義務、(4)カップルに「婚前医学検査証明」を発行しない義務、(5)カップルに長期間の避妊もしくは避妊手術を行うよう勧告する義務、(6)妊婦に出生前診断を実施する義務、(7)妊婦に人工妊娠中絶をするよう勧告する義務を課している。母嬰法及びその下位法令は「優生」に関する義務を課すのみではない。「妊産期医療サービス」(母嬰法第14条1項と2項、「母嬰実施方法」第26条)、「新生児保健」(母嬰法第14条4項、「母嬰実施方法」第26条)等をも規定している。これは、「優生優育」政策における「優育」の側面を表すものである。
著者
加藤 和夫 松田 甚一 斉藤 義明
出版者
日本ハイパーサーミア学会
雑誌
日本ハイパーサーミア学会誌 (ISSN:09112529)
巻号頁・発行日
vol.1, no.4, pp.171-177, 1985-12-01 (Released:2009-09-29)
参考文献数
3
被引用文献数
1

We will present a new RF capacitive heating method in order to heat a human deep seated tumor effectively. In our method, a human body is immersed in a water bath and dielectric plates are used to control the RF electric current distribution throughout the human body.From the computer simulations, it is shown that a deep seated tumor may be heated safely without generating dangerous hot spots, when a subcutaneous fat layer, bone, etc., are shielded electrically by these dielectric plates.
著者
加藤 秀章 高橋 和明 中村 誠 池内 寛和 平野 敦之 安倍 夏生 新井 雅裕 三代 俊治
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.52, no.8, pp.524-527, 2011 (Released:2011-08-29)
参考文献数
5
被引用文献数
2 3

Two 71-year-old males (Case 1 and 2) with liver dysfunction were admitted to our hospital and diagnosed with acute hepatitis E due to detection of hepatitis E virus (HEV) RNA or IgM class anti-HEV in their sera. Since they ate the same rare wild boar meat at the same ritual, the boar meat was considered to be the infection source. Phylogenetic analysis showed that HEV strain identified in Case 1 segregated to a cluster of "Aichi/Shizuoka Strains". It seems that the "Aichi/Shizuoka Strain", an atypical genotype 4 strain compared to those found in other part of Japan, is prevailing within this small geographic area.
著者
井上 俊輔 加藤 久幸 飯塚 康治 山脇 正雄 櫻井 克仁 上野 勇武 小泉 徹 樋山 拓己 浅羽 哲朗 須川 成利 前田 敦 東谷 恵市
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.37-41, 2001
参考文献数
6
被引用文献数
9 5

一眼レフディジタルカメラ用, APS-Cサイズ総画素数325万のCMOSイメージセンサを開発した。画素サイズは10.5μm^□で, 埋め込み型フォトダイオードと4つのトランジスタより構成した, 完全電荷転送構造を採用し, 列毎に設けたノイズ除去回路で画素リセットノイズと固定パターンノイズを低減した。0.35μmルールCMOSプロセスをセンサ向けに専用化したプロセスを用い, 暗電流密度60pA/cm^2(60℃), ランダムノイズ0.27mVrms, 消費電力250mWを達成した。
著者
加藤 佳孝 藤田 哲朗
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.368-371, 2008 (Released:2008-08-27)
参考文献数
7

多くの都市開発や地域開発において利害対立が発生しており, その調整を図ることは重要な課題となっている.その中でも「開発」対「環境」という構図は典型例の1つである.社会運動は主として社会学分野で研究されるが, 活動の理念や主張に焦点が当てられることが多く, 戦略面での研究は少ない.本研究では公共事業に関する社会運動のうち, 事業が中止となった例と事業が中止にならなかった例を対象に, その運動における社会運動組織の戦略について考察し, その成否を分ける要因を明らかにすることを目的とした.[本要旨はPDFには含まれない]
著者
加藤 博和 金原 宏
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会研究発表会講演要旨集 第1回日本LCA学会研究発表会(会場:産業技術総合研究所)
巻号頁・発行日
pp.94, 2005 (Released:2005-11-29)

本研究では、製品のライフサイクルのうち特に流通・販売段階に着目して詳細に推計を行い、環境負荷削減策を評価する。携帯サイズの容器に入った清涼飲料水を対象に、郊外型大店舗、自動販売機、コンビニエンスストアの各販売形態で、流通・販売経路別に環境負荷を推計した。輸送時の積載率や在庫時間、冷蔵の有無、買物行動の違いについても検討し、さらに容器の違いやリサイクル実施による変化との比較も試みる。