著者
野村 真治 桂 春作 久我 貴之 河野 和明 加藤 智栄
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.570-574, 2003-03-25 (Released:2009-03-31)
参考文献数
15
被引用文献数
3 1

2000年2月から2002年3月までに7例の上肢急性動脈閉塞症を経験した.年齢は61歳から91歳で平均77.3歳.男性4例,女性3例であった.全例に不整脈を認め,うち6例は心房細動で, 1例は洞不全症候群であった.症状は冷感6例,知覚異常1例,疼痛3例,脱力感2例であった.閉塞部位は鎖骨下動脈2例,腋窩動脈1例,上腕動脈2例,橈骨動脈2例で,右4例,左3例であった.全例にまず血栓溶解療法を施行し, 4例で改善を得た.他の3例で,経皮的血管形成術, Fogartyバルーンカテーテルによる血栓除去術,バイパス術をそれぞれ1例ずつ追加した.全例手指の機能障害なく改善した.本疾患への治療の第一選択として血栓除去術が頻用されているが,当科ではまず血栓溶解療法を施行し, 7例中4例で有効であり,第一選択の治療法となりうると考えた.
著者
加藤 久和
出版者
明治大学政治経済研究所
雑誌
政經論叢 (ISSN:03873285)
巻号頁・発行日
vol.91, no.5-6, pp.47-76, 2023-03-30
著者
笹嶋 宗彦 石橋 健 山本 岳洋 加藤 直樹
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第37回 (2023) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.1N4GS1003, 2023 (Released:2023-07-10)

兵庫県立大学社会情報科学部では,実践力のあるデータサイエンティストの育成を目標に,学部1年生,2年生を対象として,連携企業の実データを用いた課題解決型演習(PBL)を実施しており,今年で4年目となる.本学部が育成を目指すデータサイエンティストとは,ITスキルと統計学の知識を用いてデータを分析する力だけではなく,実社会の課題を定式化し必要なデータを収集する力や,分析の結果を用いて社会をよくする提案が出来る社会実装力を備えた人材である.低学年はデータ分析力が低いが,ツールを利用して実データを分析し,実店舗へ向けた販売施策を提案する過程を体験することで,経営を改善することへの興味を持たせることや,データだけでなく現場を見て考えることの重要性を学ばせることを狙いとしている.2019年の学部創設以来1年生向けのPBLを4回実施し,今年度は新しい試みとして,実習対象となる店舗を1店舗に限定して実施した.事後に学生アンケートを取ることで,演習を評価した.本稿では,2022年度実施したPBL演習の概要と,これまでのPBL演習を通じて得られた,実データを利用するPBLの長所と課題について述べる.
著者
星 宣次 折笠 精一 吉川 和行 鈴木 謙一 石戸谷 滋人 伊藤 明宏 近藤 丘 今井 克忠 木崎 徳 鈴木 康義 加藤 正和
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.88, no.1, pp.46-52, 1997-01-20 (Released:2010-07-23)
参考文献数
20

(背景と目的) 腎癌肺転移切除例を検討し, その有用性と手術適応を明らかにする.(対象と方法) 1981年より1994年末までに腎癌肺転移の切除術を行った17例 (男性14例, 女性3例) を対象とした. 肺転移手術時の年齢は, 45歳から73歳で平均年齢61歳. 原発巣術後に肺転移が出現したのが11例, 6例は腎癌診断時肺転移があり, 3例は肺手術を, 3例は腎摘を先行した. 他臓器転移が4例に見られ, 脳転移摘出, 対側腎転移に対する腎部分切除, 胸壁と肋骨転移部切除, 対側副腎転移の切除がそれぞれ行われた. 肺の片側手術例14例, 両側手術例が3例であり, 12例に肺部分切除が行われ, 5例に肺葉切除術が行われた.(結果) 肺手術後生存期間は10ヵ月から10年9ヵ月で, 肺手術による合併症は認められなかった. 疾患特異的生存率, 無病生存率はそれぞれ5年で55, 48%, 10年で27, 14%であった. 癌なし生存例はすべて10個未満の肺転移例であった.(結論) 腎癌の肺転移切除により長期生存例が得られ, 症例によっては大変有用であった. 肺転移数が10個未満の症例に予後良好例が認められた.
著者
石山 由香里 加藤 清司 松崎 重之
出版者
THE JAPAN SOCIETY FOR CLINICAL ANESTHESIA
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.17, no.5, pp.324-327, 1997-06-15 (Released:2008-12-11)
参考文献数
12

33歳,妊娠27週に発症した急性妊娠性脂肪肝の妊婦の帝王切開の麻酔管理を経験した.著明な凝固障害と出血傾向を合併していたため,全身麻酔のみで管理した.診療上,輸血は不可避であったが,患者は「エホバの証人」だったため,最初は手術そのものを拒否していた.患者の全身状態と手術,輸血の必要性を十分説明し,「最大限の努力をしたうえで,最小限の輸血にしてほしい」という了解を得たうえで輸血を行ない,救命しえたが,患者の希望を尊重した結果,輸血開始時期の判断に苦慮した.
著者
畑中 久美子 木村 博昭 村本 真 加藤 亜矢子
出版者
一般社団法人 芸術工学会
雑誌
芸術工学会誌 (ISSN:13423061)
巻号頁・発行日
vol.72, pp.113-120, 2016 (Released:2018-12-24)

本論文では、「団子積み」と「練り土積み」と呼ぶ古来から日本にある、湿った土を積み上げる土壁構法に焦点を当てる。本論文の目的は、建築における土壁構法の選択肢を増やす事や、2つの構法の活用可能性を広げることを最終目標と捉え、その第一歩として、今後の建築のための記録を残すことと、2つの構法の違いおよび、版築や2つの構法に類似する土を積み上げる土壁構法に対する位置付けを明確にすることである。「団子積み」と「練り土積み」の施工特性を把握するため、以下の方法で研究を進めた。 1)「団子積み」と「練り土積み」構法の定義 2)「団子積み」と「練り土積み」の検証実験 2つの構法のいずれか、もしくは両方を用いた3つの建築や工作物によるプロジェクトの検証実験について、計画と概要、材料、道具、施工の要領をまとめ、工程、施工日数、人数等を比較、考察する。 3)1)〜2)を総合して、「団子積み」と「練り土積み」を用いた土壁構法の施工特性をまとめる。3つのプロジェクトと使用構法は下記のとおりである。 1.「公園灰屋」における「団子積み」 2.「藁葺き泥小屋」における「練り土積み」 3.「かまど」における「団子積み」と「練り土積み」の混合 検証実験の結果 「団子積み」と「練り土積み」の施工特性をまとめると、①施工速度が「団子積み」より「練り土積み」の方が速かったこと。②土に混ぜる水の量の目安が、「団子積み」の方が「練り土積み」より多かったこと、③土を練る際の藁は、「団子積み」では加え、「練り土積み」は加えなかったこと。などが挙げられた。本研究をとおして明らかになったことは、①「団子積み」「練り土積み」共、建物平面に曲面が多用されている場合は、型枠コストと、造形のしやすさの面で、型枠を必要とする版築よりも優位である。②「団子積み」より、「練り土積み」の方が施工速度が速く、乾燥期間も短いため、総工期を短かくすることができる。③ 1 日の壁の施工可能高さは「団子積み」「練り土積み」共600㎜程度である。さらに、版築や、2つの構法に類似する湿った土を積み上げる土壁構法に対する関係性を図示した。
著者
加藤 千明
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.63, no.8, pp.447-448, 2014-08-15 (Released:2015-02-03)
著者
加藤 秀一
出版者
日本法社会学会
雑誌
法社会学 (ISSN:04376161)
巻号頁・発行日
vol.2016, no.82, pp.69-80, 2016 (Released:2021-05-05)

Gender equality nowadays is (re)defined as equality not so much between men and women as equality between individuals, whose gender identities are various and often complicated. Although such a definition may show the progress in gender studies, what is important is whether or not it is useful as a tool to uncover and criticize inequalities in the real world. In this regard, it seems more and more obvious that the concept has been fraught with considerable difficulties. This paper illustrates some aspects concerning such difficulties and tries to suggest how to overcome them by means of reexamining the concepts of both “gender” and “equality.” First we propose a somewhat newly modified concept of gender, instead of traditional one based on dichotomy such as “biologically determined sex vs. socially constructed gender,” as social norms with respect to which we perform everyday practices of classifying and dividing people into just two groups. As for equality, from the perspective with regard to social norms that are present in our societies, it is necessary to pay much attention to the paradox such that to promote legal and institutional equality sometimes results with the reinforcement of stereotypical notions of masculinity and femininity under the condition that some women themselves desire the gendered norms. There is no sure remedy against such practical dilemma, but at least we can suggest a possible prescription for it: that is, to put greater emphasis on human rights that are provided in Article 13 of the Constitution of Japan than principles of equality in Article 14 when regarding to gender issues.
著者
坂井 明日香 丸橋 弘明 羽室 行信 笹嶋 宗彦 加藤 直樹 宇野 毅明
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.WI2-I_1-12, 2021-01-01 (Released:2021-01-01)
参考文献数
12

Recently, data-driven sales management is widely recognized and sales at the real super-market is not the exception. For designing such strategies, first of all, we have to analyze consumers’ behavior. However, such an analysis is difficult, especially for the managers of the real shops, since they only have customers’ data of their own shops. Generally, the customers buy things not only from the managers’ shops but also other shops. The goal of this research is to develop a general method to transfer sales promotion strategy, derived from analysis on wide area, to local real shop. The authors analyzed such consumers’ characteristics who buy olive oils in Kansai region. For the analysis, we used QPR(Quick Purchase Report system, developed and managed by MACROMILL, Inc). Firstly, we divided the consumers on the QPR into five clusters, according to the simultaneous buying pattern. Then, we analyzed each of the clusters and found some emerging patterns of the purchasing behavior. Observing the patterns, we designed a marketing strategy for the real shop in Hyogo prefecture belonging Kansai district. Finally, we carried out an experiment at the shop to evaluate whether the strategy promotes the sales of the olive oil or not for six weeks. The result of the experiment showed that the marketing strategy is effective in one view. At the same time, we learned many lessons from the research, especially difficulty of the evaluation at the real shop.
著者
加藤陸奥雄 [ほか] 監修
出版者
講談社
巻号頁・発行日
1995
著者
加藤 千幸 Kato Chisachi
出版者
宇宙航空研究開発機構(JAXA)
雑誌
宇宙航空研究開発機構特別資料: 風洞技術の開発と応用シンポジウム講演集: 第1回-第4回 = JAXA Special Publication: Proceedings of the Symposium on Developments and Applications of Wind Tunnel Technologies: 1st meeting - 4th meeting (ISSN:1349113X)
巻号頁・発行日
vol.JAXA-SP-15-021, pp.59-64, 2016-03-01

第3回風洞技術の開発と応用シンポジウム: 風洞シンポジウム2014 (2014年10月24日. 日産自動車株式会社テクニカルセンター), 厚木市, 神奈川県
著者
髙村 康之 平田 勝弘 新口 昇 加藤 雅之 大川 明美 東條 威士 髙口 大樹
出版者
The Japan Society of Applied Electromagnetics and Mechanics
雑誌
日本AEM学会誌 (ISSN:09194452)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.87-93, 2020 (Released:2020-10-13)
参考文献数
13

In this paper, we propose a mathematical model for evaluating the performance of an onboard energy harvester. First, the static analysis results using the finite element method and the measurement results using a prototype are compared, and the parameters are supplemented as table data. In addition, the parameters necessary for a mathematical model are identified using a damping vibration. In order to easily evaluate the harvester, we propose a mathematical model that combines the results of using the finite element method with the identified parameters. Finally, a power generation experiment is conducted, and the experimental results are compared with the simulation results to discuss the validity of the proposed mathematical model.
著者
木島 弘道 坂井 恵子 増田 創 加藤 雅彦
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.8, pp.665-668, 2006 (Released:2009-01-19)
参考文献数
3

症例は69歳女性.2型糖尿病,橋本病,高血圧症の治療を受けていたが,失神・脱力発作を繰り返すようになり当科に入院となった.失神発作の原因は冠血管造影にて右冠動脈起始部の完全閉塞がみられたことから,房室ブロックあるいは洞停止によるものと考えられた.入院前に使用していたグリベンクラミド,ボグリボースに代えて,塩酸メトホルミン(メデット®,以下Met)ならびに混合型インスリンを併用し血糖コントロールを改善したうえでペースメーカー植込み術を行った.しかし,この前後から乾性咳,微熱,呼吸困難感を自覚.画像検査で間質性肺炎と大量の胸水貯留が認められた.Metの中止とプレドニゾロン投与で改善がみられたが,Met再投与で微熱と息切れの再燃がみられた.Netによる薬剤リンパ球刺激試験の結果も陽性であり,同剤の投与による薬剤誘起性間質性肺炎と考えられた.