著者
木村 泰知 近藤 隆史 門脇 一真 加藤 誠
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.FIN-029, pp.32-38, 2022-10-08 (Released:2022-10-01)

This paper proposes an Understanding of non-Financial Objects in Financial Reports (UFO) task. The UFO task aims to develop techniques for extracting structured information from tabular data and documents, focusing on annual securities reports. We will provide a dataset based on annual securities reports and organize an evaluation-based workshop for participants. The UFO task consists of two subtasks: table data extraction (TDE) and text-to-table relationship extraction (TTRE). The table data extraction subtask aims to extract the correct entries and values in the tables of the annual securities reports. The text-to-table relationship extraction subtask aims to link the values contained in the tables with the relevant statements in the text. In this paper, we describe an overview of the UFO task.
著者
加藤 司 C. R. Snyder
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.76, no.3, pp.227-234, 2005-08-25 (Released:2010-07-16)
参考文献数
50
被引用文献数
43 44

We conducted three studies to translate the Snyder Hope Sales into Japanese, examine reliability and validity of the Japanese version, and investigate the relationship between the tendency to be hopeful and subjective well-being. In Study 1, confirmatory factor analysis was performed of the Hope Scale in the Japanese version: agency and pathways. Its test-retest reliability coefficients for the data from 113 undergraduates ranged from .81 to .84. In Study 2, concurrent validity of the Japanese version Hope Scale was examined with the data from 550 respondents, which looked at the correlations between hope and optimism, self-esteem, and self-efficacy. Results suggested that the Japanese version had high validity. In addition, the tendency to be hopeful had negative correlations with stress response, hopelessness, depressive tendency, and trait anxiety, and positive one with feeling of happiness. In Study 3, 175 undergraduates completed the Hope Scale and State-Trait Anxiety Inventory (STAI) immediately prior to final examinations. Results of regression analysis suggested that the tendency to be hopeful moderated examination anxiety. Taken together, results of the studies supported the hypothesis that hope had positive effects on subjective well-being.
著者
油野 規代 加藤 真由美 坂本 めぐみ 藤田 結香里
出版者
日本転倒予防学会
雑誌
日本転倒予防学会誌 (ISSN:21885702)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.33-44, 2022-05-09 (Released:2023-01-26)
参考文献数
21

【目的】転倒したがん患者の特徴と,転倒による損傷および治療の状況を文献レビューから明らかにすることを目的 とした。【方法】医学中央雑誌Web 版Ver.5 のデータベースからがん患者の症例報告について文献検索し,除外基準,採択基 準に基づき,95 編の原著,100 事例,104 件の転倒を分析対象とした。【結果】患者の特徴は75 歳未満が78 名(78.0 %)であり,乳がん患者が26 名(26.0 %)であった。転移を認めた患 者は70 名(70.0 %)であり,そのうち骨転移のある患者は44 名(44.0 %)であった。転倒による損傷は97 件(93.3 %)に発生していた。そのうち骨折が71 件(68.3 %)であり,大腿骨骨折が52 件(50.0 %)であった。非定型大腿骨骨折18 件(17.3 %)が,病的骨折13 件(12.5 %)より多い傾向にあった。大腿骨骨折に対して骨接合術,人工骨頭・股関節置換術が47 件(45.3 %)に行われ,病的骨折に対して腫瘍切除術が10 件(9.6 %)同時に行われていた。【結論】転移のあるがん患者に転倒が発生する傾向がみられ,転倒したがん患者において損傷の約半数が大腿骨骨折 であった。薬剤の使用が影響した非定型大腿骨骨折と病的骨折が,がん患者の転倒における損傷の特徴であった。病的骨折に対して腫瘍切除術が同時に行われていた。
著者
森本 晃司 桜井 進一 内藤 慶 青柳 壮志 奥井 友香 加藤 大悟 遠藤 康裕 中澤 理恵 坂本 雅昭
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.37 Suppl. No.2 (第45回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.C3O1119, 2010 (Released:2010-05-25)

【目的】ラグビーやアメリカンフットボールなどのコンタクトスポーツにおいて,脳震盪などの頭・頚部の外傷は時として重大な事故を引き起こすことから,安全対策上重要な問題として取り扱われる.国際ラグビー評議会の定款では,未成年のラグビープレイヤーは脳震盪を生じた場合,3週間の練習・試合を禁止するとされており,頭・頚部の外傷は頚部筋力を向上させることで予防可能との報告もある.本研究の目的は,高校生ラグビープレイヤーにおける頚部筋力と周径の関連,脳震盪と頚部筋力の関連について検討し,脳震盪予防の一助とすることである.【方法】 対象は全国大会レベルの群馬県N高校の高校生ラグビープレイヤー69名(1年生30名,2年生18名,3年生21名)とした.評価項目は経験年数,過去8カ月間の脳震盪の有無(1年生を除く),頚部周径,頚部筋力とした.頚部周径はメジャーを使用し直立位にて第7頸椎棘突起と,喉頭隆起直下を通るように測定した.頚部筋力の測定にはアニマ社製ハンドヘルドダイナモメーターμTasMF-01を使用した.測定肢位は臥位とし,両肩と大腿部を固定した.センサーはベッドに固定用ベルトを装着した状態で額,後頭部,側頭部の各部分に当て,頚部屈曲,伸展,左右側屈の等尺性筋力を3秒間測定した.各方向3回ずつ測定し,最大値を採用した.統計学的処理にはSPSS ver.13を用い,頚部筋力と周径,経験年数の関係にはspearmanの順位相関係数を用い,各学年間の頚部筋力,周径との関係には一元配値の分散分析後,Tukeyの多重比較検定を行った.また脳震盪経験の有無と頚部筋力・周径の関係には対応のないt-検定を用い有意水準は5%とした.【説明と同意】チーム指導者並びに対象者に対し本研究の主旨及び個人情報保護についての説明を十分に行い,署名による同意を得て実施した.【結果】2,3年生計39名のうち,脳震盪経験者は28名であり非経験者は11名であった.脳震盪経験の有無で頚部筋力を比較した結果,頚部筋力,周径ともに有意差は認められなかった.頚部筋力と周径では有意な相関関係が認められた(P<0.05,R=0.52~0.65)が,経験年数と頚部筋力及び周径との間には相関関係は認められなかった.学年間の頚部筋力の比較では全項目において有意差が認められ,また,学年間の周径においても有意な差が認められた(P<0.05).多重比較検定では,頚部筋力では1年生に対して2,3年生の筋力が有意に高く(P<0.05),2年生と3年生との間に有意な差は認められなかった.頚部周径では1年生と3年生にのみ差が認められ、3年生の周径が有意に大きかった(P<0.05). 【考察】本研究における脳震盪の有無と頚部筋力の検討では,両群で有意差は認められなかった.タックル動作において,脳震盪となる場面ではタックル時に頭部が下がる,飛び込むなどのスキル的な要素や,瞬間的に頚部を安定させる筋収縮の反応などの要素も関連していると考えられる.今回の研究ではそれらの要素は検討できていないため,両群で差が見られなかったものと考える.また,各学年と頚部筋力の検討では1年生と他学年との間に有意な差が認められたが,経験年数と頚部筋力との間に相関関係は認められなかった.群馬県では中学校の部活動としてラグビー部はなく,経験者も週1回程度のクラブチームの練習に参加する程度である.このため,1年生では経験者であっても十分な頚部筋力トレーニングが行えていない可能性が考えられる.また,頚部筋力と周径ではすべての項目で相関関係が認められたことから,選手のコンディショニング管理の一つとして,筋力測定器などがない場合には,頚部周径を確認しておくことの意義が示唆された.頚部筋力は脳震盪予防のための重要な一要因であるが,今回は頚部筋力と脳震盪経験の有無とに関連は見られなかった.今後はタックル動作のスキルや,筋の反応時間なども検討することが課題である.【理学療法学研究としての意義】本研究の結果から,高校1年生と2・3年生の頚部筋力の違いが明らかとなり,新入生に対する早期からの筋力評価とトレーニングの重要性が示唆され,スポーツ障害予防のための基礎的資料となる.
著者
伊達 聖伸 渡辺 優 見原 礼子 木村 護郎クリストフ 渡邊 千秋 小川 浩之 西脇 靖洋 加藤 久子 安達 智史 立田 由紀恵 佐藤 香寿実 江川 純一 増田 一夫 小川 公代 井上 まどか 土屋 和代 鶴見 太郎 浜田 華練 佐藤 清子
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究は、加速する時代のなかで西洋社会の「世俗」が新局面に入ったという認識の地平に立ち、多様な地理的文脈を考慮しながら、「世俗的なもの」と「宗教的なもの」の再編の諸相を比較研究するものである。ヨーロッパ大陸とアメリカ大陸の政教体制を規定している歴史的文脈の違いを構造的に踏まえ、いわゆる地理的「欧米」地域における世俗と宗教の関係を正面から扱いつつ、周辺や外部からの視点も重視し、「西洋」のあり方を改めて問う。
著者
加藤 伸江
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.85, no.776, pp.2227-2232, 2020 (Released:2020-10-30)

In this study, I clarify meaning and how to read ‘Block’. ‘Block’ is described in ‘The Tale of Genji’ of the Heian era. ‘Block’ is included in the words indicating the model of Shindenzukuri. It is generally a Chinese‐style reading now. The diary which a noble of the Heian era left is written in a kanji mainly. Therefore, It is not revealed how this kanji was read. The literary work of the Heian era is a hiragana letter. ’Block’ is written by a hiragana letter in ‘The Tale of Genji’. ‘Block’ has two meanings. It is ‘Block’ and ‘Distance’. Ancient ‘Block’ is a block based on ‘Jobo’ City System. The biography book of ‘The Tale of Genji’ says ‘Yomachi’ by a hiragana letter. As for how to read ‘Block’, biography book notation of ‘The Tale of Genji’ becomes the evidence. It applies to the diary which a noble wrote. Both were written in the Heian era. The interpretation about ‘Yomachi’ comes to be referred to a supplementary explanation book of ‘The Tale of Genji’ afterwards. The confusion of the meaning of the word ‘Machi’ occurs. The biography book of ‘The Tale of Genji’ writes ‘Yomachi’ by a hiragana letter. This study clarified how to read ‘Block’ indicating the division of ‘Jobo’ City System.
著者
加藤 正宏 山中 俊夫 小林 知広 渡部 朱生
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会 論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.285, pp.17-27, 2020-12-05 (Released:2021-12-05)
参考文献数
14

大面積の窓を有するエントランス・吹抜空間や,窓性能が低く暖房時に窓近傍の温熱環境悪化が懸念される場合にはペリメータファンおよび自然対流型ペリメータヒータなどの窓対策設備の使用が検討される。本報告では冷却された窓面下部に機器を設置した場合の詳細な現象の把握とシミュレーション検証データ取得を目的とした温度分布およびPIV による風速分布測定を行った。また,特に上下温度分布予測モデルの検証やモデル化に反映するため,窓面近傍の上昇流・下降流風量の推定と,室温・窓面熱流の測定値より,対流・放射熱伝達率を算出した結果について報告する。
著者
加藤 雅彦
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会誌 (ISSN:18835864)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.427-434, 2021-11-30 (Released:2022-11-30)
参考文献数
8
被引用文献数
1

下水汚泥には肥料養分が下水から濃縮されるといえ,下水汚泥肥料・堆肥の耕種利用が期待されている。家畜ふん堆肥の利用が進んでいる一方で,下水汚泥堆肥の耕種利用は進んでいない。本報告では,下水汚泥堆肥の施用で期待されること,また懸念されることを整理し,下水汚泥堆肥の利活用に向けてどのような下水汚泥堆肥が求められるか,研究事例等にも触れながら述べる。下水汚泥堆肥は,加里を除けば家畜ふん堆肥と同等,あるいはそれ以上の有機物や養分 (窒素,りん,カルシウム等) を含んでいる。また,有害 (半) 金属量も家畜ふん堆肥と同量程度である。難溶態りんを多く含むが,これらはク溶性である。凝集剤や微量物質の影響等も考慮に入れながら下水汚泥堆肥の理化学性を評価し,その利用用途を整理する必要がある。また下水汚泥堆肥の評価点,評価方法,品質目安等も提示する必要がある。
著者
田中 圭 大塚 将之 清水 宏明 吉留 博之 加藤 厚 古川 勝規 吉富 秀幸 岸本 充 中谷 行雄 宮崎 勝
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.11-17, 2014-01-01 (Released:2014-01-21)
参考文献数
9
被引用文献数
2 1

症例は61歳の女性で,嘔気を主訴に近医を受診した.上部消化管内視鏡で十二指腸第2部に潰瘍性病変を認め,生検で低分化腺癌と診断された.CTで門脈前後区域枝分岐部に接する造影効果の乏しい腫瘤を認め,十二指腸癌,肝転移の診断で全身化学療法が提案された.本人・家族がセカンドオピニオンを希望され,2病院を受診したのち症状出現から4か月後に当院紹介となった.精査で十二指腸癌,および肝炎症性偽腫瘍などを含めた肝腫瘤の診断にて膵頭十二指腸切除術,拡大肝後区域切除術を施行した.病理組織学的検査で十二指腸および肝臓ともに癌は認めず,壊死巣を伴う肉芽腫を認めた.壊死巣では術前に十二指腸生検で見られた癌細胞に類似する壊死細胞が認められ,免疫組織学的に壊死細胞はcytokeratin陽性であった.以上から,十二指腸癌および肝転移が自然消失したものと考えられた.十二指腸癌の自然消失の報告はなく,文献的考察を加えて報告する.
著者
髙橋 健一郎 本間 哲 鈴木 恵子 加藤 文代 杉原 茂孝
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.87, no.Extra1, pp.E118-E124, 2017-05-31 (Released:2017-07-31)
参考文献数
30

We present a case of Kawasaki disease (KD) complicated by clinically mild encephalitis/encephalopathy with a reversible splenial lesion (MERS). A 2-year-old boy was brought to the emergency outpatient unit because of recurrent convulsions. He had experienced two episodes of KD at the age of 1 year. Both episodes had been treated with high dose intravenous immunoglobulin therapy (IVIG; 2 g/kg/day) and the patient had recovered from both episodes without any sequelae. He was diagnosed as having KD based on the presence of 5 out of 6 criteria. After hospitalization, the patient exhibited a persistent disturbance of consciousness and was diagnosed as having MERS based on the presence of enhanced signals in the splenium of the corpus callosum on the 3rd day of illness. Initial treatment with IVIG plus pulsed methylprednisolone (30 mg/kg/day×3 days) for MERS was started. However, a high fever recurred on the 7th day. Additional treatment with IVIG plus intravenous prednisolone (2 mg/kg/day) was started on the 8th day. The patient's body temperature normalized on the 9th day and maintenance therapy with prednisolone was continued until the 28th day. Despite some risk factors for coronary artery lesion, the patient was discharged without any sequelae because of twice IVIG and aggressive steroid therapy including steroid pulse therapy.
著者
加藤 みゆき 田村 朝子 水落 由美子 大森 正司 難波 敦子 宮川 金二郎
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.44, no.7, pp.561-565, 1993-07-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
12
被引用文献数
4

後発酵茶の一種である阿波番茶についてその製造工程中の成分の変化について検討した.浸出液の色については, 製造工程が進むにつれて380nmの比色値は高くなりポリフェノール含量も増加の傾向を示した.しかしカテキン含量は製造工程が進むに従って減少していた.呈味成分であるアミノ酸は, 阿波番茶では減少していた.有機酸としては修酸, クエン酸, 乳酸, 酢酸等が認められた.カフェイン含量についてはあまり変化は認められなかった.
著者
坂場 成昭 大橋 弘史 佐藤 博之 原 輝夫 加藤 竜馬 國富 一彦
出版者
Atomic Energy Society of Japan
雑誌
日本原子力学会和文論文誌 (ISSN:13472879)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.242-256, 2008 (Released:2012-03-02)
参考文献数
30
被引用文献数
6 6

Nuclear hydrogen production is necessary in an anticipated hydrogen society that demands a massive quantity of hydrogen without economic disadvantage. Japan Atomic Energy Agency (JAEA) has launched the conceptual design study of a hydrogen production system with a near-term plan to connect it to Japan's first high-temperature gas-cooled reactor HTTR. The candidate hydrogen production system is based on the thermochemical water-splitting iodine sulphur (IS) process. The heat of 10 MWth at approximately 900°C, which can be provided by the secondary helium from the intermediate heat exchanger of the HTTR, is the energy input to the hydrogen production system. In this paper, we describe the recent progresses made in the conceptual design of advanced process heat exchangers of the HTTR-IS hydrogen production system. A new concept of sulphuric acid decomposer is proposed. This involves the integration of three separate functions of sulphuric acid decomposer, sulphur trioxide decomposer, and process heat exchanger. A new mixer-settler type of Bunsen reactor is also designed. This integrates three separate functions of Bunsen reactor, phase separator, and pump. The new concepts are expected to result in improved economics through construction and operation cost reductions because the number of process equipment and complicated connections between the equipment has been substantially reduced.
著者
伊藤 美紀子 坂上 元祥 加藤 陽二 田中 更沙
出版者
兵庫県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

透析患者では低栄養によるサルコペニア・フレイルの発症率が高い。その要因として高リン血症による心血管疾患を予防するためのリン摂取制限がある。リン摂取制限はたんぱく質の摂取不足につながる。マグネシウムは石灰化を抑制する。そのためマグネシウムの摂取は透析患者の血管石灰化と低栄養を抑制できる可能性がある。本研究では動物モデルを用いて、食事中のリン/マグネシウム比が血管石灰化と筋肉量に与える影響を明らかにする。さらに透析患者の食事調査を行い、リン/マグネシウム比と低栄養との関連を解析する。これらの研究結果にもとづいて栄養療法を開発する。
著者
黄 孝根 加藤 信介 関根 賢太郎 吉冨 透悟
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会 論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.229, pp.47-56, 2016-04-05 (Released:2017-05-01)
参考文献数
8

一般に、人を除く内部発熱源は定位置で、室内設定温度以上の比較的高温で放熱する。この発熱の多くを室内空間に広く拡散させず、その直近で、室内設定温度程度の冷却水で直接吸熱処理できれば、室内空間での温度分布が低減され、室内の温熱環境が改善されるとともに、冷却水温度の上昇により、冷却熱源用ヒートポンプのCOP(成績係数)が増加し、空調の省エネルギー化が促進できる。本報は、このような室内空調設計の基本思想を素直に具現化する「液冷空調システム」の実現を図る研究の一環である。本研究は複数の連続する報告により構成されるが、本報は、一般業務ビル(オフィスビル)を対象とし、代表的な建物内の内部発熱源として、人の温熱環境に大きな影響を与える可能性のある天井設置LED照明とPC(Personal Computer)の室内空間への放熱特性を詳細に分析した結果を示す。この分析は、LED照明やPCからの発熱を直接冷却水に吸熱させ、「液冷空調システム」の重要な室内パーツとなる内部発熱源の「液冷熱回収ユニット」の設計基礎資料、およびオフィスワーカーのワークスペース周りの温熱環境分析を行う基礎資料となる。検討したPCは、2013年現在で一般的であるノート型およびデスクトップ型の市販品であり、天井付きのLED照明も同時期の市販品である。検討は、対象発熱機器を室内温度25℃前後の恒温チャンバに設置し、発熱体の表面温度分布、機器への投入電力を測定するとともに、測定値に基づく対流放射連成CFD(Computational Fluid Dynamics)解析により行う。対流放射連成CFD解析により、表面からの詳細な対流、放射熱放熱性状、並びに機器の隙間から生じる隙間換気による放熱が、同定される。その結果、これら機器からは、総発熱量(投入電力量)の約35(ノートPC)〜75%(LED照明)が表面からの対流・放射伝熱で周囲に放熱され、残りが機器の排気ファンや隙間などで生じる隙間換気で放熱されること、機器表面で生じる放熱のおよそ40%が対流成分で60%が放射成分であることが明らかになった。なお、本報で検討した結果は、これらの発熱機器の発熱温度が、室温設定温度より相当高温のため、室内設定温度の若干の上昇あるいは下降の場合にも準用可能と考えられる。
著者
加藤 進
出版者
石油技術協会
雑誌
石油技術協会誌 (ISSN:03709868)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.131-143, 1988 (Released:2008-03-27)
参考文献数
36
被引用文献数
1 2

Several hydrocarbon deposits have been found in volcanic rocks of the Nanatani stage (so-called Green Tuff) in the Niigata basin, Japan.Their characteristics are summarized as follows.1) Hydrocarbon deposits are formed in anticlinal structures and are mostly located close to depressions.2) Oil accumulations have been found in anticlinal structures which are formed in the early stage.3) All hydrocarbon deposits except for the Shiunji gas field are located in the Chuetsu sub-basin.4) Larger oil and gas fields are located in or close to the kitchen areas of oil and gas. This suggests the short lateral migration of hydrocarbons together with the distribution of oil and gas in neighboring areas of the Mitsuke oil field.5) In larger gas fields, the Teradomari formation shows a typical abnormally high pressur e, whereas the Geen Tuff is hydrostatical or slightly highly-pressured. On the other hand, formation pressure in the Mitsuke oil field increases toward lower straigraphic horizons that is similar to the pressure distribution in the Shiiya and Nishiyama reservoirs. These pressure patters are closely related to the manner of accumulation of oil and gas.6) The migration of oil and gas in larger oil and gas fields is thought to have occurred during and after the Nishiyama stage.7) The distributions of oil and gas in the Green Tuff depend rather on the kinetics of hydrocarbon expulsion from source rocks than on the type of organic matter. The kinetics of expulsion is controlled by the relative positions of the hydrocarbon generation zone and the overpressured zone.The Niigata basin can be sub-divided into three parts according to their geologic conditions: Kaetsu sub-basin, Kakuta-Sanjo uplift and Chuetsu sub-basin. Considering the combination of trap, source rock, reservoir and migration mechanism, it is concluded that the Chuetsu sub-basin is the most prospective for future exploration.
著者
松田 岳士 近藤 伸彦 岡田 有司 重田 勝介 渡辺 雄貴 加藤 浩
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.47017, (Released:2023-09-18)
参考文献数
20

本研究では,学生が自分自身のすべての学習状況を記録し可視化するシステムの試用版の実証評価を通して,自己主導学習レディネスがシステムの継続的な使用に与える影響を考察した.4大学の1年生から3年生が参加した実証評価における使用継続状況を決定木分析した結果から,自己主導学習レディネスの構成因子のうち,自己責任感が強く,自己効力感も高い学生の中に,外部からの介入がなくても長期間継続して使用する者の割合が高いことが示された.また,様々な状況で効果的な学習ができると考えている程度が高い学生ほどシステムを学習プランニングのツールとみなしておらず,学習記録のモニタリングシステムとして使用する傾向にあった.
著者
投野 由紀夫 三宅 登之 周 育佳 パルマヒル フロリンダ 川本 渚凡 根岸 雅史 西畑 香里 藤縄 康弘 秋廣 尚恵 ティプティエンポン コシット 王 ウェイトン 山田 洋平 望月 圭子 加藤 晴子 森田 耕司
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2022-04-01

本研究は、ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)を我が国の外国語教育に応用するため開発された CEFR-J の開発成果を応用し、多言語教育資源をコーパス言語学や自然言語処理の手法を援用して組織的に整備する手法の考案と、その資源を具体的な教育システムに結びつけるための言語共通の汎用シラバスを開発、実際のコースコンテンツを開発し東京外国語大学の28言語専攻のうち、実験的に実装をいくつかの言語で試みるものである。特に汎用のCan-Do リストと汎用シラバスを組み合わせた教材を開発し、その教授結果を測定評価する Can-Do テストをセットで考案することで、国際的に価値のある言語教育資源の開発を目指す。
著者
伊東 賢生 川瀬 敬三 平田 修 柳瀬 龍二 加藤 貴史 高岡 昌輝 日下部 武敏 高橋 史武
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第33回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.397, 2022 (Released:2022-11-30)

廃水銀の中間処理・処分方法に関しては廃水銀を硫化設備で硫化し、硫化水銀の固化体を処分すると定められている。筆者らは、水銀廃棄物の埋立手法を確立するため、埋立地における水銀の環境リスクを低減させる最適条件として、黒色硫化水銀のセメント固化体を準好気性埋立地の中層部(非滞水部)に処分する手法を提案した。そこで、水銀廃棄物の埋立処分において、さらに水銀の流出リスクの低減化手法を確立させるため、水銀廃棄物固化体に注目し、作成手法の異なる3種類の固化体(改質硫黄固化体、エポキシ樹脂固化体、低アルカリセメント固化体)を用いた埋立実験を2020年7月より開始した。その経過20ヶ月間の浸出水への水銀流出は、水銀廃棄物固化体を実験槽中央部に埋立処分した場合、いずれの埋立手法においても、水銀流出率は0.000006%以下となり、固化体から浸出水への水銀流出はほとんどないと考えられた。
著者
吉野 博 村上 周三 赤林 伸一 倉渕 隆 加藤 信介 田辺 新一 池田 耕一 大澤 元毅 澤地 孝男 福島 明 足立 真弓
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.10, no.19, pp.189-192, 2004-06-20 (Released:2017-04-14)
参考文献数
18
被引用文献数
2 1

The purpose of this survey is to clarify the status of standards on ventilation requirements for residential buildings in European and North American countries. This paper reports the minimum ventilation rate for the residential buildings in eleven countries which are described in the literatures. The airflow rate and air change rate are calculated for a model house proposed by The Architectural Institute of Japan. As a result, the values of air change rate is around 0.5 ACH in almost all countries.