著者
加藤 のぞみ 小沼 純一 生島 美紀子 沖 あかね 高木 雅也 奥平 一 林 淑姫 Nozomi Kato Jun'ichi Konuma Mikiko Ikushima Akane Oki Masaya Takagi Hajime Okudaira Shu ji Lin
出版者
東京音楽大学付属図書館
雑誌
ライブラリーレポート (ISSN:21884706)
巻号頁・発行日
no.2, pp.3-17, 2014

シンポジウム主催:東京音楽大学付属図書館、オーケストラ・ニッポニカ開催日時:2013年12月7日 (東京音楽大学付属図書館5階)総合司会:林淑姫
著者
玉野 雅裕 加藤 士郎 岡村 麻子 星野 朝文 高橋 晶
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.275-280, 2018 (Released:2019-02-27)
参考文献数
15
被引用文献数
1 2

高齢の慢性心不全患者は増加しており,感染の合併などで高率に急性増悪を来し,フロセミド静脈注射,トルバプタン内服治療が行われている。しかし,一定の頻度で難治性患者(フロセミドやトルバプタンに対するノンレスポンダー)が存在し,臨床上問題になっている。今回我々は,難治性の心不全に五苓散が著効した2症例を経験した。五苓散投与により2症例とも尿量が増加し,症状,理学所見,各種の検査所見は著明に改善した。さらに退院後,これらの薬剤は継続投与され,心不全の増悪による再入院は約1年間にわたって回避された。この結果は,五苓散の臓器,組織の水の偏在を正常化する作用,および腎集合管におけるトルバプタンの作用を再活性化させた可能性が考えられ,今後,慢性のうっ血性心不全に対する五苓散併用の有用性が示唆された。
著者
森沢 孝行 蔵本 博行 上坊 敏子 加藤 良樹 脇田 邦夫
出版者
公益社団法人 日本臨床細胞学会
雑誌
日本臨床細胞学会雑誌 (ISSN:03871193)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.520-526, 1982 (Released:2011-01-25)
参考文献数
25

子宮内膜の新しい擦過細胞診 (Endocyte) を吸引チューブ法と併用して247例に行い, その有用性を検討した. (1) Endocyte (以下End.) は190例 (76.9%) に挿入容易, マルチン使用で可能は44例 (17.8%) だったが, 13例 (5.3%) は挿入不能であった. (2) 使用時に軽い疼痛を68例 (29.1%) が訴え, 23例 (9.8%) に軽度の出血が認められた. (3) 内膜採取は良好で, 71例 (51.1%) はチューブ法に比べ多量の内膜が採取された. (4) 標本上に内膜細胞が採取されていなかった症例はEnd.法3例 (2.2%), チューブ法では出血の4例を含む7例 (5.0%) であった. また両者ともに挿入可能であった閉経後患者の比較では, 14例中11例はEnd.法に多量の内膜細胞が認められ, 本法は出血や閉経後の症例に優れていた. (5) 標本上の扁平上皮混在率はEnd.法51例 (36.7%), チューブ法115例 (82.7%), 同様に組織球のそれは, 15例 (10.8%), 47例 (33.8%) で, ともにEnd.法に低率であった. (6) 細胞像としては, End.法では正常の場合でも, より大型の重積する細胞集塊を作りやすく注意を要するが, 細胞個々の保存は良好である. 体癌ではブドウ房状形態よりは, 組織により近い腺管構造の断片として現れやすい.
著者
京田 亜由美 神田 清子 加藤 咲子 中澤 健二 瀬山 留加 武居 明美
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.111-118, 2010-05-01 (Released:2010-06-10)
参考文献数
46
被引用文献数
2

【背景・目的】 インフォームド・コンセントと患者の意志決定が重要視され, がんなどの病を抱える患者は, 否応なく自らの死を意識するため, 患者の自分らしさを支える看護が求められている. 本研究の目的は, 死を意識する病を抱える患者の死生観に関連する研究を分析し, 死生観の内容を明らかにすることである. 【対象と方法】 1999年から2009年までの原著論文を対象とし, 医学中央雑誌を使用し, "死生観" and "患者" と, "病気体験" をキーワードに検索を行い, 死に至る病を抱える患者を対象とし, テーマ内容に沿った42論文を対象に, 分析を行った. 【結 果】 死生観に関する研究内容は,《生かされていると感じながら, 最期まで精一杯生きたいという死生観》《周囲との関係性を最期まで大切にしたいという死生観》《逃避と希望という両側面の死への願い》《逃れられない死への恐れと孤独感》の4つのカテゴリから形成された. 【結 語】 死を意識した患者への看護は, 症状マネジメントと自律への支援, 患者・家族の関係性の強化と死について語る場の提供への支援の必要性が示唆された.
著者
加藤 新一
出版者
古今書院
雑誌
地理 (ISSN:05779308)
巻号頁・発行日
vol.41, no.11, pp.48-53, 1996-11
著者
加藤 謙介 渥美 公秀 矢守 克也
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.155-173, 2004 (Released:2004-04-16)
参考文献数
39
被引用文献数
2 3

本研究では,高齢者に対するロボット介在活動(Robot Assisted Activity: RAA)の事例を取り上げ,RAAを,ロボットをめぐる物語の共同的承認の過程であるとして検討した。筆者らは,有料老人ホームに入所する高齢者を対象とした,ペット型ロボットを用いたRAAを実施し,参与観察するとともに,RAA実施中における参加者群の相互作用を,定量的・定性的に分析した。定性的分析の結果,RAA時には,対象となった高齢者のみではなく,施設職員やRAAの進行係等,RAAの参加者全員が,ペット型ロボットの挙動に対して独自の解釈を行い,それを共同的に承認しあう様子が見出された。また,定量的分析の結果,RAA実施中における参加者群の「集合的行動」のうち,最も頻度が多かったのが,「ロボットの動きを参加者群が注視しながら,発話を行う」というパターンであることが明らかになった。筆者らは,RAAを,参加者によるロボットの挙動に対する心の読み取り,及びその解釈の共同的承認を通して物語が生成され,既存の集合性とは異なる集合性,<異質性>が生成される過程であると考察した。
著者
稲本 万里子 加藤 拓也 小長谷 明彦
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.36, no.6, pp.F-L12_1-16, 2021

<p>"Phantom Genji Scrolls "are one of the most debatable artifacts whose painter school is still unknown in the history of art. In this study, the authors have reached a conclusion that the Phantom Genji Scrolls would have been painted by the painters who studied Kyoto-Kano and Tosa painter schools but not Edo-Kano painter school.</p><p>As a learning data set, more than 1500 face images are extracted from well-known the Tale of Genji pictures painted from Heian (12 Century) to Edo (17 Century) periods whose painter schools are all established in the history of art. The face images are written in typical old painting style so called"line-eye and hook nose (hikime-kagihana)" which often represents the characteristics of the painter schools.</p><p>The authors not only identified the painter school of the Phantom Genji Scrolls but also discovered the inconsistency in Iwasa painter school by means of artifact-based painter school learning model. The t-SNE scatter plots clearly indicated that the 266 face images extracted from the Phantom Genji Scrolls were surrounded by the Kyoto- Kano painter school learning data sets. It should be also noted that the 266 face images were far from the learning data set of Ujinobu Kano, one of the typical Edo-Kano painter. Interestingly, the Phantom Genji Scrolls and Ujinobu Kano were intercepted by Mitsuyoshi Tosa, one of the typical Tosa painter in scatter plot. This suggests that the painters of the Phantom Genji Scrolls may have been affected by both Kyoto-Kano and Tosa painter schools, instead of Edo-Kano painter school.</p><p>As for the Iwasa painter school, the authors came across strange behavior that the artifacts of Katsutomo Iwasa were identified as the Tosa painter school, even if the validation data of Katsutomo Iwasa were all included in the learning data set of Iwasa painter school, mostly constituted by Katsutomo Iwasa (244 face images). After careful observation and discussion, the authors have concluded that Matabei Iwasa and Kastutomo Iwasa may be too different to be categorized into the same Iwasa painter school with regards to face characteristics.</p>
著者
舘 和彦 小川 宣子 下山田 真 渡邊 乾二 加藤 宏治
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.9, pp.456-462, 2004-09-15 (Released:2009-02-19)
参考文献数
13
被引用文献数
1 3

乾熱卵白を生中華麺に添加した時の影響について力学物性値の測定と官能試験の結果より評価した.また走査型電子顕微鏡を用いて中華麺の表面および断面構造を解析することにより,以下の結論を得た.(1) 中華麺に乾熱卵白を添加することで茹で伸びを抑制し,破断応力,瞬間弾性率は上昇し,硬さおよび弾力性に改善が見られた.さらに付着性の低下より舌触りが良くなること,引っ張り時の歪率の上昇から伸長が良く切れにくくなっていることが推測された.(2) 官能試験の結果より,乾熱卵白を添加した中華麺は噛みごたえ,弾力性,つるみ感,伸長度において無添加麺や乾燥卵白を添加した麺よりも良い評価となり,且つ高い嗜好性を示した.(3) 走査型電子顕微鏡による観察結果より,乾熱卵白を添加した麺の表面構造は,無添加麺や乾燥卵白を添加した麺と比較して隙間が狭く,滑らかであった.また乾熱卵白を添加した麺の断面構造も,蛋白質によって構成される網目構造が細かく,密であった.
著者
田村 哲樹 千葉 眞 加藤 雅俊 藤田 菜々子 武田 宏子 杉田 敦 森川 輝一 五野井 郁夫 乙部 延剛 齋藤 純一 吉田 徹 中田 瑞穂 山崎 望 高橋 良輔
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究は、資本主義と民主主義は今後も両立可能なのか、もし両立可能だとすればどのような形でなのか、というテーマを探究する。これは大きな問題であり、かつての社会科学あるいは政治学の主題の一つだったが、次第に顧みられなくなった。本研究は、このテーマそのものを今日的状況を踏まえつつ復興するとともに、両立可能性と不可能性のあり得る複数のシナリオを政治理論的に解明する。そして、この作業を通じて、「経験的事象に根差した政治理論」研究の新たなモデルの提示を目指す。
著者
加藤 宏
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.95-100, 2017-12

「人の情報入力は視覚から8 割と" いわれる"。」,だから,「視覚を失うことはほとんどの情報のない世界に生きることになる」は妥当か。これらフレーズの出どころをたどろうとすると引用元が明記されていない場合が多い。広く語られることの多いこの視覚優位について,この言説の出処と科学的根拠をたどってみた。さらに,人口に膾炙したこの言葉がなぜその根拠についてあまり疑問にも付されず繰り返し引用され再生されてきたのか,そして,人間への情報入力の問題をどのように考えるべきなのかを考察する。
著者
山野 泰穂 松下 弘雄 田中 義人 吉川 健二郎 原田 英嗣 吉田 優子 加藤 文一朗 久保 俊之 菅井 有 仲瀬 裕志
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.48-56, 2019-01-25

要旨●大腸腫瘍性病変に対する拡大内視鏡診断は腺腫・早期癌に対する質的診断,量的診断において欠くことのできない診断手法となった.しかし,SSA/Pという新たな疾患概念の登場により,鋸歯状病変の拡大内視鏡診断は新たなステージを迎えている.今回筆者らはHPを除いた大腸鋸歯状病変180病変に対して従来のpit pattern分類にII型・IV型の亜分類(開II型,伸II型,鋸IV型)を加えて分類し,病変全体の均一性の観点からpit pattern単一群とpit pattern複合群とに分けて検討した.その結果,単一群において,SSA/Pでは81病変中69病変(85.2%)と高率に開II型を示し,TSAでは12病変中10病変(83.3%)と高率に鋸IV型を示すことが判明し,各々高い感度,特異度,陽性的中率を認めた.一方,複合群においては,SSA/P+CDでは31病変中24病変(77.4%)と高率に開II型+鋸IV型を示し,開II型+何らかのpit(α)で,またTSAでは何らかのpit(α)に鋸IVが付随することで高い感度と陰性的中率を示したが,特異度,陽性的中率は劣っていた.Ca in SSA/Pでは開II型+VI型が高率に認められたが,Ca in TSAでは特徴は見い出せなかった.その理由として,TSAの病理組織学的診断上の問題などの関与が示唆された.以上より,大腸鋸歯状病変に対する拡大内視鏡観察では均一性の確認が重要であり,複合したpit patternを有する病変では慎重な対応が望まれると結論した.
著者
渡辺 京子 谷口 裕子 西岡 清 丸山 隆児 加藤 卓朗
出版者
The Japanese Society for Medical Mycology
雑誌
日本医真菌学会雑誌 (ISSN:09164804)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.183-186, 2000-07-30 (Released:2009-12-18)
参考文献数
12
被引用文献数
7 7

銭湯や温泉,プールなど裸足となる環境では,足白癬患者によって散布された皮膚糸状菌(以下,菌)が健常人の足底に付着し,足白癬感染のきっかけとなる.そこで,菌は靴下をはいた状態でも足底に付着するのか,それとも予防できるのかをFoot-press培養法を用いて実験的に検討した.足白癬に罹患していない被験者は,右足に綿靴下,ナイロンストッキング,毛靴下,足袋をはき,先に足白癬患者によって菌が散布されているバスマットを踏んだ後にFoot-press培養法を行い,靴下をぬいだ直後に,再度Foot-press培養法を行った.その結果,すべての靴下には菌が付着していたが,ナイロンストッキングの場合には,靴下より脱いだ足底に多数の菌が付着しており,綿靴下でも菌の一部が靴下を通過し,足底に付着した.毛靴下,足袋の場合は足底にほとんど菌が付着しなかった.各靴下を顕微鏡で観察すると,綿靴下やナイロンストッキングは,繊維の編み目が菌よりも大きく,菌を容易に通過させると考えられた.毛靴下や足袋は,編み目が密である上に,繊維の毛羽立ち,伸縮性の少なさによって菌を通過させないものと考えられた.ナイロンストッキングでは菌の付着の予防にはならず,綿靴下でも十分ではないことを示した.