著者
加藤 翔太 佐久間 康富
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
日本都市計画学会関西支部研究発表会講演概要集 (ISSN:1348592X)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.13-16, 2020 (Released:2020-07-25)
参考文献数
10

近年、民間事業者による都市公園の管理運営が進められてきている。本研究では、天王寺公園エントランスエリア「てんしば」を対象に、大阪市と近鉄不動産の公共性と収益性ならびに事業評価の実態を把握し、公共性と収益性の担保のあり方を目的としている。調査の結果、収益性よりも公共性を重視し、多くの利用者が利用する場所を確保するために芝生広場を維持管理していること、イベントやテナントの選定の際には誰もが利用しやすい環境を担保していることがわかった。公共性に配慮し公園機能を充実させることによって、集客力を向上させる。その結果、持続的な公園運営を可能にし、ひいては賑わいの拠点としてエリアの活性化が期待される。
著者
加藤 京里 菱沼 典子 田上 恭子 加藤木 真史 細野 恵子 田中 美智子 留畑 寿美江 丸山 朱美 酒井 礼子 井垣 通人 塚本 紀子 野月 千春 加藤 祥子 山崎 好美
出版者
日本看護技術学会
雑誌
日本看護技術学会誌 (ISSN:13495429)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.28-37, 2012-08-20 (Released:2016-07-08)
参考文献数
38
被引用文献数
2

本研究の目的は,4週間の排便記録を通して排便パターンの実態を調査し,排便状態の判断基準を検討することである.20歳以上の男女に4週間にわたり排便ごとに便形 (水様便,泥状便,普通便,硬便),排便量 (母指頭大,手拳大以上と,その中間) について排便記録をつけてもらった. 排便記録は便宜的標本抽出にて224名より回収した.データに不備があるものと疾患による影響が考えられる5名の記録はのぞき,男性50名,女性169名の計219名 (平均年齢38±14歳) を分析対象とした.排便パターンはあらかじめ基準をおかず排便状況が似ているもので分類し,排便日数,回数,便形,排便量から帰納的に各基準を抽出して「問題なし (n=147) 」「便秘 (n=51) 」「下痢 (n=13) 」「下痢と便秘 (n=8) 」と命名した.薬剤の服用者27名をのぞいた192名での分析においては,「便秘」の排便日数は平均3.5日/週であり,同時に便形や排便量も考慮して便秘かどうかが判断されていた.「下痢」は日数や量よりも泥状便,水様便があることが基準になると考えられた.性別では女性が,年齢では「20歳代」に便秘の傾向が認められた.
著者
松本 紘典 中田 康城 蛯原 健 加藤 文崇 天野 浩司 臼井 章浩 横田 順一朗
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.10, pp.877-885, 2013-10-15 (Released:2013-12-30)
参考文献数
20

飲食物による咽喉頭および食道熱傷は臨床上,しばしば経験されるが,その報告例は少ない。今回,我々は90℃の高温飲料の摂取後に緊急気道確保を要する咽喉頭熱傷および遅発性瘢痕狭窄を来した食道熱傷の1例を経験したので報告する。症例は28歳の男性。飲酒の席で約90℃のコーヒーを約200ml飲用し,呼吸苦・嚥下痛にて当院受診となった。来院時,上気道粘膜の腫脹が強く,喉頭ファイバーにて喉頭蓋および声帯の腫脹も認め,気道緊急の状態にあり,気管切開による緊急気道確保を行った。咽喉頭熱傷については,経時的に粘膜腫脹は軽快してきたものの喉頭蓋の腫脹が遷延し,容易に誤嚥する状況が続いた。喉頭蓋の腫脹改善とともに第39病日に気管切開チューブを抜去でき,その後も瘢痕形成などは来さなかった。食道熱傷について,受傷早期は食道穿孔等を来さずに経過したが,第25病日に吐血のため,上部消化管内視鏡検査をしたところ,下部食道を中心として食道全長に渡る粘膜の易出血性びらん,潰瘍所見を認めた。第40病日に再度上部消化管内視鏡検査を施行したところ,内視鏡通過は可能であったが,散在性に瘢痕狭窄所見を認めた。粘膜所見は治癒経過にあり,流動食より食事を開始し,第48病日の食道透視検査にて全体的に伸展不良を認めたが,普通食まで摂取可能となったため,第53病日に退院となった。しかしながら,その後も緩徐に食道狭窄は進行し,食道拡張術も奏功せず,第264病日に食道切除術施行となった。温熱熱傷においても,上気道閉塞および遷延する喉頭蓋腫脹に伴う嚥下障害に対する気道管理や,食道瘢痕狭窄に対する経時的な評価,治療が必要である。
著者
日向 博文 片岡 智哉 青木 伸一 加藤 茂
出版者
愛媛大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

Worldview-2(Wv2)画像がもつ可視光域から近赤外域までの波長域におけるプラスチックのスペクトルを把握するため,ハイーパースペクトルカメラ(以下HSC)を用いた撮影実験を実施した.撮影実験は国総研屋上(標高12m) から真下にHSCを向けて行った.撮影実験にはNH-7(EBA JAPAN社製)を使用した.被写体は木片,海岸砂の上に設置したポリプロピレン(PP)とポリスチレン(PE)である.RGBの3バンドを使用してプラスチックを検出した場合,PPおよびPEが検出可能であるが背後の海砂もプラスチックとして検出されるが,Wv2の8バンドを使用した場合,海砂の誤検知はほとんど起きなかった.
著者
加藤 圭造 伊藤 彰則
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.14, pp.1-6, 2012-01-27

本研究ではデスメタル,メタルコアなどエクストリームメタルと言われるジャンルで頻繁に用いられる,グロウル及びスクリーム歌唱について音響的特徴の分析を行った.先行研究で特殊な発声の音響的な特徴として示されたサブハーモニクスの存在や macro pulse 構造の調査,病的音声の分析になどに使われる jitter,shimmer,HNR の値について測定を行った.In this study, we analized acoustic feauture of growl and scream singing voices used in extream metal music, such as death metal, metal core, and so on. We observed sub-harmonics and macro pulse structures those are reported as accoustic features of rough voice. We also measured jitter, shimmer, and HNR values.
著者
久保田 雅史 山村 修 神澤 朋子 五十嵐 千秋 松尾 英明 成瀬 廣亮 嶋田 誠一郎 加藤 龍 横井 浩史 内田 研造 馬場 久敏
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.13-20, 2014-02-20 (Released:2017-06-28)

【目的】本研究の目的は,急性期脳梗塞患者に対する歩行中の機能的電気刺激(functional electrical Stimulation:FES)が運動学的・運動力学的歩行パラメータおよび内側感覚運動皮質(medial sensorimotor cortices:mSMC)のヘモグロビン濃度に及ぼす即時的影響を検証することである。【方法】対象は発症後14日以内の脳梗塞患者8名とし,FESは遊脚期に前脛骨筋を,立脚後期に腓腹筋を刺激した。歩行パターンの変化は三次元動作解析システムを用い,mSMCのヘモグロビン濃度変化は近赤外線分光法を用いて計測した。【結果】FES実施前と比較してFES実施中に,歩行速度や,麻痺側立脚期の股関節屈曲モーメント,膝関節伸展モーメントおよび足関節底屈モーメントが有意に上昇し,FES終了後にも持続した。また,FES実施中の非損傷側mSMCの酸素化ヘモグロビン濃度は,FES非実施時と比較して加速期・定速期とも有意に低下していた。【結論】FESは麻痺側立脚期の支持性向上や麻痺側立脚後期のroll-off機能向上といった歩行パターンを変化させ,さらに非損傷側mSMCの過剰な脳活動を抑制している可能性が示された。
著者
加藤 康男 梅田 祐司 水澤 純一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.355, pp.35-40, 2010-12-12
参考文献数
11

網膜神経節細胞の入力に対する応答を定量化する際に,相互情報量が用いられている.観測データから相互情報量を求めるために,刺激が影響している間のスパイクパターンを離散化し,そのヒストグラムにより確率分布が求められている.しかし確率分布から相互情報量を直接的に求める手法は,離散化の幅により結果が左右され,データ数が限られている場合に推定誤差が大きいという問題を持つ.そこで本研究では,網膜神経節細胞のスパイク列に情報量解析を適用するための実際的手法の確立を目指し,べイズ推定を用いた情報量推定手法を導入する.さらに,べイズ推定のシミュレーション実験を通して,スパイク発火モデルの情報量解析を行い,様々な手法の妥当性や問題点の検討を行った.

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著者
加藤一夫 著
出版者
竜宿山房
巻号頁・発行日
1943
著者
加藤 邦子 石井クンツ 昌子 牧野 カツコ 土谷 みち子
出版者
一般社団法人日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.30-41, 2002-04-20
被引用文献数
5

本研究の目的は,3歳児の集団場面における社会性の発達に及ぼす父親・母親の影響について,父親の育児かかわり要因,母親の育児不安要因をとりあげてモデルを仮定し,バス解析によって関連を明らかにすることである。その際,父親の生活において,最近家族とともにすごす時間が多くなったとされていることから,背景の異なる2つの時期の親子,つまり1997〜1998年のデータ(コホート2)と1992〜1993年のデータ(コホート1)とを比較する。その結果,3歳児の社会性に関しては,父親の育児かかわり要因がどちらのコホートにおいても有意な関連を持つことが明らかとなり,子どもの社会性の発達に父親の育児かかわりが直接的な影響を与えていた。間接的要因として夫婦の会話の頻度が父親の育児かかわりに関連を示しており,夫婦関係による影響が示唆された。
著者
臼元 洋介 一二三 亨 霧生 信明 井上 潤一 加藤 宏 本間 正人 乾 昭文
出版者
Japanese Association for Acute Medicine
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.174-179, 2008-03-15

電撃傷は生体内に電気が通電することによって発生する損傷を総称しており,雷撃傷も同様に扱われることがある。しかしながら,雷撃傷は受傷時の状況,臨床症状,予後などにおいて,電撃傷とは異なる特徴をもっている。今回我々は,登山中同時に落雷にあい,当院へ救急搬送された雷撃傷の 2 例を経験した。66歳の男性と52歳の女性が大木の下で雨宿りをしている最中に落雷にあった。男性は心肺停止(cardio pulmonary arrest; CPA)状態で搬送され蘇生せずに死亡,女性は第 7 病日に後遺症なく独歩退院した。 2 例とも搬送時に,雷撃傷に特徴的である電紋を認めた。電紋は,体の表面に沿って火花放電(沿面放電)が起きたときに生じる熱傷であるが,電気学的な観点からこの放電は樹枝状に伸展することがわかっている。また電紋の枝の広がる方向を観察することにより,電流の流れた方向が推測できる。今回経験した 2 症例をもとに,生存者の問診から得た情報と電紋の観察から,電流の流れと転帰について考察した。CPA症例では,側撃雷といわれる現象がその転帰に大きく関与していたと考えられ,従来の直撃雷のみではなく,側撃雷についてその啓蒙的意義をふまえて報告する。
著者
加藤 源太郎
出版者
プール学院大学
雑誌
プール学院大学研究紀要 (ISSN:13426028)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.121-134, 2011-12

One of the dominant trends in recent STS studies is the discussions which try to capture the problems of science and technology in the context of civil society. They emphasize active oppositions towards the expert systems and autonomous decisions by the public people as a means to solve scientific issues. In these arguments, to express one's mistrust in experts is often considered as an important action, which is deferent from as has been the case in thepast. However, to mistrust in experts is never autonomous decision, but is equivalent to trust in experts when you see it as an individual action. When one needs to trust, he/she is stranger in the scientific confines : for example, whenone take an airplane, or when one has some food additives. Ordinary people rarely confirm the knowledge which is heard from the others or mass media. We often make decisions with trust in systems and being lack of any comprehensions. We invariably have to trust something unless we are like Robinson Crusoe. STS has often eliminated such as deficit model especially in the context of civil society. However, this paper reconsiders about the deficiency and tries to draw the attitude towardsscientific system in more realistic sense.