著者
大橋 寿美子 加藤 仁美 Sumiko Ohashi Hitomi Kato 湘北短期大学生活プロデュース学科 東海大学建築学科
出版者
湘北短期大学・図書館委員会
雑誌
湘北紀要 (ISSN:03859096)
巻号頁・発行日
no.35, pp.41-51, 2014-03-31

少子高齢社会では、家族を超えた人と人とがつながるしくみづくりが必要である。本報告では、郊外住宅地での高齢者の居場所づくりの実践活動初期の様子を中心に報告する。伊勢原市愛甲原住宅は、高度成長期に開発された国家公務員のための住宅地である。高齢化が進む中、地域住民が主体的にディサービスセンターや小規模多機能居宅介護施設を開設するなど、地域の高齢者の暮らしを支えてきた。その地域住民によるNPO「一期一会」と東海大学および湘北短期大学の学生が、高齢者や地域の人が気軽に立ち寄れる居場所づくりの活動を平成25 年度から開始した。1 年間で6 回のイベントを実施するなど、少しづつ活動を広げている。In an aging society with fewer children, we need social networks supported not only by one family but also the community as a whole. In this research I report mainly about the initial stage of these activities that make alternative place for the elderly in suburban residential area. Aikohara residence in Isehara city, the location Icarried out this project, is one of the residential area for government service developed in the period of rapid growth in the postwar era in Japan. Local residents there have been supporting the lives of the elderly people independently, establishing day care facilities and multifunctional long-term care in a small group home. In 2013,the NPO "ichi-goichi-e"and the university students (Tokai and Shohoku University) started the project to build a comfortable place which is available for local residents and elderly adults. We are now gradually spreading the activity, holding six events in a year.
著者
趙 丁選 山田 宏尚 加藤 英寿 武藤 高義
出版者
一般社団法人 日本フルードパワーシステム学会
雑誌
日本フルードパワーシステム学会論文集 (ISSN:18803121)
巻号頁・発行日
vol.33, no.7, pp.141-148, 2002-11-15 (Released:2011-03-03)
参考文献数
16
被引用文献数
1

This study deals with a calculation method for the forward kinematics of a 3 DOF parallel link manipulator. As a method for such a calculation, up to the present, the Newton method, or Newton-Raphson method alternatively, has been generally used. Nevertheless, this method is difficult to apply to on-line control systems, since it requires significant computation time and a large capacity of computer memory for calculations. In this study, therefore, a new algorithm for calculating forward kinematics is proposed. Fundamentally, the algorithm consists of two processes. The first is to calculate in a very short time an approximate solution of the kinematics. The second is to compensate the approximate solution in order to obtain the accurate one. It was confirmed that the computation time for the new algorithm was decreased to as little as 1/69-1/81 that for the Newton method. It was also confirmed experimentally that the algorithm was successfully applicable to an on-line control system.
著者
井本 貴之 加藤 千春 横地 隆 吉兼 直文 翠 尚子 別所 祐次 酒井 康子 岩田 全充
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.541-549, 2010 (Released:2013-07-31)
参考文献数
30
被引用文献数
2

目的:メタボリックシンドロームのリスク集積を検出する内臓脂肪面積(visceral fat area:VFA)および腹囲の最適カットオフ値を男女別に検討し,VFAと血漿アディポネクチン濃度との関連からその妥当性を確かめること.方法:健康支援センターウェルポにて節目健診を受診した男性:8,470人(47.3±8.2歳),女性:1,626人(47.5±4.7歳)を対象とした.ROC曲線分析により高血圧,脂質異常,高血糖のうち2つ以上の合併を検出するVFAおよび腹囲の最適カットオフ値を男女別に求めた.また,VFAと腹囲の単回帰分析からVFAの最適カットオフ値に対応する腹囲を求めた.対象者のVFAを0cm2から20cm2毎に群別し,各群に属する対象者の血漿アディポネクチン濃度の平均値を多重比較した.結果:ROC曲線分析の結果,VFA・腹囲の最適カットオフ値は男性76.3cm2・84.2cm,女性47.3 cm2・80.5cmであった.また,単回帰分析の結果,VFAの最適カットオフ値に対応する腹囲として男性85.2cm,女性80.1cmが得られた.さらに,VFAについて男性60~80cm2より大,女性40~60cm2より大の群間において血漿アディポネクチン濃度の平均値に有意な差が示されず,それらの値はVFAの最適カットオフ値と近似していた.これはVFAの増大に伴うアディポネクチン分泌の減少に下限が存在する可能性を示唆する.結論:VFA・腹囲の現行基準,特に女性の腹囲基準90cmについては見直す必要がある.
著者
杉浦 学 小舘 亮之 来住 伸子 加藤 大志 植村 弘洋 國枝 和雄 山田 敬嗣
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.12, pp.1-8, 2010-02-27

MIT Media Lab の子供向けビジュアルプログラミング環境である Scratch を拡張した制御プログラムエディタにより,NEC のコミュニケーションロボット PaPeRo を制御可能な 「ぱぺろっち!ツール」 を,NEC と津田塾大学で共同開発した.体験型学習のワークショップで 「ぱぺろっち!ツール」 を利用することにより,PaPeRo の対人コミュニケーション機能を活用して,人間と PaPeRo の対話的な要素を含むロボットの利用シナリオを考案し,シナリオの実現に必要な機能をプログラミングするといった活動が可能になり,アイデアの創出を重視した創造的な学習活動が実現できる.女子高校生を対象とした利用実験では,多様なロボットの利用シナリオが発想され,プログラミングの初学者でも比較的短時間で制御プログラムを記述できることが確認できた.We developed the "PaPeRochTool", a robot programming environment for "PaPeRo", based on Scratch. PaPeRo is a communication robot developed by NEC Corporation, which has various functions of human-robot interaction. PaPeRochTool supports a creative robotics workshop, such as drawing up a scenario which includes human-robot interaction, and developing robot control programs to perform the scenario. The result of experiment carried out for high school female students shows the fact that students could get diverse scenario ideas and developed control programs within a relatively short time.
著者
加藤 真
出版者
京都大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1992

日本に産する潜葉虫のファウナとその寄生植物がおおむね明らかになった。潜葉虫は鞘翅目でタマムシ科44種、ハムシ科52種、ゾウムシ科53種、オトシブミ科1種、双翅目でクロバネキノコバエ科約20種、ハモグリバエ科282種、ショウジョウバエ科2種、ミギワバエ科34種、ミバエ科23種、フンバエ科5種、ハナバエ科16種、膜翅目ではハバチ科16種、鱗翅目で田スイコバネ響4種、モグリチビガ科79種、マガリガ科11種、ツヤコガ科13種、ムモンハモグリガ科6種、ハマキガ科20種、チビガ科10種、ハモグリガ科19種、ホソガ科242種、コハモグリガ科20種、アトヒゲコガ科5種、スガ科2種、ササベリガ科1種、メムシガ科5種、アカバナガ科1種、クサモグリガ科15種、ツツミノガ科34種、カザリバガ科14種、キバガ科20種、メイガ科5種、シジミチョウ科2種、ヤガ科1種、合計1013種とみつもられた。潜葉虫の羽化を待ち、分類の仕事が進めば、この種数はさらに増えるものと思われる。潜葉虫の寄主植物は、147科605属に及んだ。今年度新たに寄主植物として記緑されたのは、ヒルギ科とタコノキ科であった。潜葉虫は利用されていない植物の科は68科(29,7%)あり、そのうちわけは以下のとおりであった。A.葉が極めて小さいか全くない科(12科)、B.水草(6科)、C.国内の分布が極めて限られる科(38科)、D.その他(12科)である。最後の12科は、キジノオシダ科、フサシダ科、サンショウモ科、ソテツ科、イヌガヤ科、ドクダミ科、ドクウツギ科、ケマンソウ科、ケシ科、カツラ科、フウチョウソウ科、ジンチョウゲ科であり、これらは強い化学防衛によって潜葉虫から解放されたらしい。採集された潜孔葉の標本は、すべてさく葉標本として保管されている。潜葉虫の潜孔様式と寄主範囲について、現在記載をしつつある。植物と寄生植物の共進化の歴史をふまえつつ、これらのぼう大なデータも群集生態学的に解析中である。
著者
加藤 隆 佐伯 昌子 宅間 三起 亀井 美砂 向田 茂 赤松 茂
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.452, pp.25-30, 1999-11-19
被引用文献数
1

顔情報の微妙な違いに対する人の感受性について,認知的・感性的観点から検討を加えた.実験1では,個々の顔と平均顔をモーフィング合成する際にテクスチュア情報と形状情報の混合比率を独立に操作し,記憶ベースの類似性判断におけるテクスチュア情報と形状情報に対する感受性を検証した.その結果,テクスチュアの違いが顕著に表れない場合のみ,微妙な形状の違いを認知できることが示された.実験2では,顔の見え方(view)によって印象が異なるかを検証したところ,「やさしそう-こわそう」という顔の形態に依存する印象は見え方による影響をあまり受けないが,「たのしい-かなしい」という心の情動状態を表す印象は顔の見え方によって比較的強い影響を受けることが示された.
著者
加藤 康男
雑誌
自動車技術 (ISSN:03857298)
巻号頁・発行日
vol.63, no.7, pp.114-115, 2009-07-01
著者
西垣 正勝 安倍 史江 山本 匠 藤川 真樹 加藤 康男
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.53, no.9, pp.2182-2193, 2012-09-15

近年,事故・災害現場で行われるトリアージを電子的に支援する電子トリアージシステムの開発が進められている.その中で,トリアージ実施者が判断した優先順位等のタグ情報を電子トリアージタグへ入力する方式の検討は重要な課題の1つである.本論文では,医療スタッフの作業負荷・感染症予防等といった現場の状況を考慮し,人体通信と音声入出力を利用したタグ情報入力方式を提案し,その有用性の評価を行った.An electronic triage system, which electronically supports medical triage conducted at accident or disaster sites, has been focused recently. One of the biggest issues in the electronic triage system is how to input data into electronic triage tags. In accident or disaster, medical staff shortage is expected and the areas must be in a mess and panic. Therefore it is strongly desired that the operations of the triage devices and tags are as simple as possible. Plus, the data transmission should be robust against stains (e.g., dirt or blood etc), which assures the availability of the electronic triage even in such a terrible circumstances. This paper proposes and evaluates that data input to electronic triage tag using intra-body communication and voice input/output could be an efficient way to satisfy the requirements.
著者
加藤 康男 佐久田 博司
出版者
The Japan Institute of Electronics Packaging
雑誌
エレクトロニクス実装学会誌 (ISSN:13439677)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.224-229, 2014

Recently, intra-body communication using electric-field technology is attracting attention. However, it has not yet been put into practical use due to the difficulty of engineering these devices. At the same time, the apparatus design of modern simulation technology is essential. However, in the voltage method of intra-body communication technology, only an electromagnetic field simulator is used. If a circuit simulator like SPICE is applicable, intra-body communication device design may become markedly simpler. Therefore, we examined whether SPICE is usable for the voltage method of intra-body communication technology. Our results confirmed the possibility of using SPICE for the analysis of intra-body communication.
著者
加藤 耕平 及川 哲郎 花輪 壽彦
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋醫學雜誌 = Japanese journal of oriental medicine (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.374-381, 2011-05-20
被引用文献数
1 1

〔背景と目的〕漢方医学は食事を重視してきた医学であり,漢方薬には食用となる様々な植物が用いられている。したがって,栄養学との関連性があり,栄養学科の学生に対する漢方医学教育の必要性があると考えられる。しかしこれまで栄養学科の学生を対象にした意識調査は行われていない。このため栄養学科の学生に対して漢方薬(漢方医学)の意識調査を実施した。<br>〔方法〕管理栄養士養成課程の3年生に質問項目13のアンケートを行った。<br>〔結果〕9施設延べ509名から回答を得た。漢方薬(漢方医学)に「興味がある」と答えた学生は全体の59.3%であった。「興味がない」と答えた学生の86.4%は,その理由は「漢方薬(漢方医学)に触れる機会が少なく,よく分からない」と回答した。一方「授業で漢方薬を取り扱って欲しいですか」という問いに対して81.3%が「そう思う」と回答した。<br>〔結論〕漢方医学は,栄養学科の学生に対して教育的ニーズがあることが示唆された。
著者
所 光男 加藤 樹夫 後藤 喜一 渡辺 実 山田 不二造 酒向 俊雄 大塚 一幸 杉山 治 古川 雅宏 丹羽 昭司 長山 千秋
出版者
The Japanese Association for Infectious Diseases
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.58, no.10, pp.1038-1045, 1984
被引用文献数
2

1983年7月から9月にかけて岐阜県内で2事例の集団下痢症が発生した. 2事例の患者総数は31名であり, 患者の主症状は下痢 (100%), 腹痛 (93.5%), 嘔気 (80.6%), 嘔吐 (58.1%), 発熱 (35.5%) であった. 原因食品は事例1が鯛の塩焼き, 事例2が卵焼きであった.<BR>これら2事例の患者ふん便12件中11件 (91.7%) から腸炎ビブリオが, 8件 (66.7%) から<I>Vibrio fluoialis</I>が検出された. 腸炎ビブリオ分離株の血清型は事例1の患者5名から分離された15株がO5: K15であり, 事例2の患者7名から分離された28株のうち25株がO10: K19, 3株がO5: K17であった.<BR><I>V. fluvialis</I>分離株のうち, 事例1の患者由来の15株中8株, 事例2の患者由来の30株中12株および原因食品の卵焼きから分離された1株を任意に選び東京都立衛生研究所に依頼して血清型別試験を行った. その結果, 事例1の患者2名から分離された3株がTFO-12に, 事例2の患者2名から分離された2株がTFO-4に, 患者4名から分離された5株がTFO-17に型別され, 両事例とも患者間に血清型の一致が認められた. しかしながら, 事例1の残り5株, 事例2の残り5株および卵焼き由来の1株は型別不能であった.<BR>以上の結果から, これら2事例の集団下痢症は腸炎ビブリオと<I>V. fluvialis</I>の混合感染による食中毒事例であると結論した. 腸炎ビブリオと<I>V. fluvialis</I>の混合感染として細菌学的にも, 血清学的にも証明された食中毒事例はこれら2事例がわが国では最初のものと思われる.