著者
松原 豊
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本研究は、太陽表面で加速された陽子により生成された高エネルギー(>100MeV)中性子を地上で観測することにより、太陽表面における高エネルギー粒子加速機構を解明することを目的とする。中性子は磁場の影響を受けず、加速時の情報を保持しているので粒子加速の研究には最適である。しかし、大気中では減衰してしまうので、名古屋大学太陽地球環境研究所を中心とするグループは、世界7箇所の赤道付近の高山に太陽中性子検出器を設置し、太陽中性子の24時間観測網を実現している。本科研費の申請は、その中で最も太陽中性子観測に最適な場所に設置されながら、最も旧式のデータ収集を行っていたボリビア・チャカルタヤ(高度5,250m,南緯16度)の太陽中性子観測システムを最新のものにおきかえ、2007年から始まる第24太陽活動期での太陽中性子観測に備えることを目的としていた。2年間の科研費使用の結果、チャカルタヤのデータ収集系は最新のものに置き換わり、無人の状態で停電してもその復帰時には自動的にデータ収集が再開できるシステムとなった。その間、観測網で2番目に好条件に位置するメキシコ・シェラネグラ(高度4,600m,北緯19度)側の研究者から同様システムを渇望され、本科研費の余力でシェラネグラのシステムも最新のものになった。従って、次期太陽活動期に備えて非常に強力な観測体制ができあがったと言えよう。科研費によるこの整備が進行中の2005年9月7日に大規模太陽フレアが発生した際、これまで我々が観測した中で最もきれいな太陽中性子イベントがチャカルタヤとシェラネグラの両検出器で検出された。これは、まさに本科研費で狙った通りのことである。このイベントは、チャカルタヤとメキシコ市にある我々の検出器ではない、中性子モニターでも検出されており、現在詳細な解析を行っている。
著者
竹下 享典 沼口 靖 新谷 理 柴田 怜 室原 豊明
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

血管新生は既存の血管から新たな血管枝が分岐して血管網を構築する生理的現象であり、その制御は、虚血をきたした組織の血流の改善、あるいはがん細胞増殖の抑制のために重要な治療ポイントである。本研究では、受精卵から成体になる過程で重要な役割を果たすことで知られるNotchシグナルが、成体の虚血組織の血管新生においても重要であることを、細胞内シグナル解析および遺伝子改変マウスを用いて明らかにした。
著者
礒田 正美 小川 義和 小原 豊 田中 二郎 佐々木 建昭 長崎 栄三 清水 静海 宮川 健
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究の高次目標は、世界で有効に活用しえる算数・数学教材・教具を開発することである。具的には、数学を学ぶ意欲を喚起し、さらに深く知る契機を提供する機関として科学系博物館の展示・教育システムを活用し、科学系博物館向け数学展示、実験教材を開発し、数学における具体的で体験的な教育プログラムを提供することを目的とする。国立科学博物館、牛久市教育委員会、つくば市教育委員会、埼玉県立春日部高等学校、埼玉県立大宮高等学校の協力を得て、3年間を通して、科学博物館等で活用しえる数学展示、実験教材の事例開発を行った。蓄積した事例を領域でまとめれば、次の6領域になる:(1)透視の数理、(2)変換の数理、(3)機構の数理、(4)音階の数理、(5)測量の数理、(6)それ以外。開発教材の特徴は、学年、学校段階によらず、様々な学習が可能である点である。報告書は事例を示した。開発教材は、内外で注目を浴びた。国内では、小中接続・連携、中高接続・連携、高大接続・連携の立場から注目され、飛び込み授業のための事例集の出版を依頼された。変換の数理ではソフトウエア開発も行い、WEB上で閲覧可能である。国外では、国際会議で招待講演を2回(韓国、香港)、全体講演を1回(台湾)、研究発表を1回(ローマ)、海外での講習を2回(フィリピン、ホンジュラス)行った。特に数学教育国際委員会100周年記念国際会議では、ヨーロッパにおける教具の歴史的発展からの系譜をたどった。また、効果的な発表の方法についての調査もあわせて行った。既にフィリピン、ホンジュラスで開発したソフトウエアが利用される見込みとなった。成果をWEB公開することで、当初の予定通り様々な場で役立つ数学展示教材の開発が実現した。SHH, SPPなどでも成果を利用したい旨、依頼を得ている。博物館に展示することは将来的な課題であるが、成果は教育の場で活用しえる状況にある。
著者
松原 豊
出版者
こども教育宝仙大学
雑誌
こども教育宝仙大学紀要 (ISSN:18847617)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.65-81, 2010-03-15

発達障害は早期に発見をしてその障害の状況等に応じた適切な支援を行うことが大切である。平成19年4月に特別支援教育がスタートし、小学校、中学校では体制整備が進んでいるが、幼稚園においては特別支援教育体制整備の取組は十分ではない。特に発達障害のある幼児に対する具体的な目標設定及び,指導内容の選定が大きな課題となっている。本研究では、発達障害のある幼児の二つの事例に対して、自立活動の考え方に基づく個別の指導計画作成及び実践を行った。その結果、自立活動の内容から幼児一人一人の教育的ニーズに応じた具体的な指導の内容を導き出すことができた。
著者
藤井 良知 阿部 敏明 田島 剛 寺嶋 周 目黒 英典 森 淳夫 佐藤 肇 新納 憲司 砂川 慶介 横田 隆夫 秋田 博伸 岩田 敏 佐藤 吉壮 豊永 義清 石原 俊秀 佐野 友昭 中村 弘典 岩井 直一 中村 はるひ 宮津 光伸 渡辺 祐美 久野 邦義 神谷 齊 北村 賢司 庵原 俊昭 桜井 實 東 英一 伊藤 正寛 三河 春樹 久保田 優 百井 亨 細井 進 中戸 秀和 西村 忠史 杉田 久美子 青木 繁幸 高木 道生 小林 陽之助 東野 博彦 木野 稔 小林 裕 春田 恒和 黒木 茂一 大倉 完悦 岡田 隆滋 古川 正強 黒田 泰弘 武田 英二 伊藤 道徳 松田 博 石川 純一 貴田 嘉一 村瀬 光春 倉繁 隆信 森田 秀雄 森澤 豊 浜田 文彦 辻 芳郎 横尾 哲也 林 克敏 冨増 邦夫 木戸 利彦 上原 豊 森 淳子 森 剛一 内田 哲也 大塚 祐一 本廣 孝 半田 祥一 山田 秀二 沖 眞一郎 吉永 陽一郎 荒巻 雅史 織田 慶子 阪田 保隆 加藤 裕久 山下 文雄 今井 昌一 鈴木 和重 岡林 小由理 金子 真也 市川 光太郎 曽田 浩子 清水 透子 長田 陽一 木葉 万里江 石橋 紳作 高橋 耕一 杉山 安見児 三宅 巧 荒木 久昭 垣迫 三夫 前野 泰樹 下飛田 毅 高岸 智也 松隈 義則 平田 知滋 田中 信夫 永山 清高 安岡 盟 林 真夫 天本 正乃 津村 直幹 小野 栄一郎 神薗 慎太郎 中嶋 英輔 永光 信一郎 野正 貴予 松尾 勇作 樋口 恵美 長井 健祐 末吉 圭子 橋本 信男 弓削 健 久保田 薫 川上 晃 渡辺 順子 藤澤 卓爾 西山 亨 岩永 理香子 牛島 高介 山川 良一 山村 純一 富永 薫 臺 俊一 安藤 寛 久田 直樹 藤本 保 元山 浩貴 丸岡 隆之 伊達 是志 杉村 徹 西依 淳 朝木野 由紀 山田 克彦 是松 聖悟 早川 広史 佐々木 宏和 木村 光一 山田 孝
雑誌
The Japanese journal of antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.48, no.7, pp.921-941, 1995-07-01
被引用文献数
19
著者
礒田 正美 大谷 実 二宮 裕之 溝口 達也 岸本 忠之 小原 豊 讃岐 勝
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、授業力を改善する教師教育教材書(含むビデオ)を海外共同研究者等と日本語・英語で開発することを目的に行われた。ビデオ教材と日本語の教員研修書、英語版教材書の開発がおこなわれ、教師向け日本の指導法教材書出版、算数教科書英語版、教師教育用算数問題解決教科書が開発された。 本研究の成果を教員研修ツールとして採用した国・機関は、オーストラリアNSW州教育省、タイ教育省教員研修プロジェクト、東南アジア教育大臣機機構などである。成果は、国際的に注目され、筑波大学・アジア太平洋経済協力国際会議をはじめとする著名な国際会議で全体講演の形などで報告された。
著者
西村 涼平 菅原 豊 入江 英嗣 平木 敬
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.75, pp.79-84, 2008-07-29

近年,半導体の製造技術の向上によって,1 チップに多数のプロセッサコアを集積することが可能になった.これを実現するために,多くの場合,チップを計算能力当たりで簡素にできる SIMD アーキテクチャが採用されている.この流行に沿ったアーキテクチャとして,Cell プロセッサや GPU が挙げられる.この 2 つのアーキテクチャは,マルチコアで SIMD という点では共通しているものの,細部においては様々な差がある.我々は,これらの差がメモリレイテンシの隠蔽やプログラミングの複雑さなどにおいてどのように表れてくるかを,行列積,FFT,ソーティング,そして ZIP ファイルのパスワードクラッキングの 4 つのアプリケーションを使って調べた.Recently, improvement of manufacturing technology of semiconductors has enabled to accumulate a lot of processor cores to one chip. In order to realize this, in a lot of cases, the SIMD architecture that can enable a chip to be simple per computing ability is adopted. We mention the Cell processor and GPUs as the architectures in accordance with this trend. These architectures are common in points of multicore and SIMD, but they are different in various particulars. We investigated how these differences appear in concealment of memory latency and complexity of programming using the four applications of matrix multiplication, FFT, sorting and password cracking of ZIP files.