著者
川村 恭也 松原 隆 古賀 義亮
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.48, pp.101-102, 1994-03-07

フラッシュ型のA/D変換器は、nビットの2進コードに変換するのに2_n-1個のコンパレータを必要とするため、個々のコンパレータの特性のばらつき等が起因して変換誤差を生じる場合がある。実際に高周波入力のときに、コンパレータ出力が変化点付近で伝播遅延等によりまだらになる場合が多い。また、内部素子の故障の影響を受ける場合もある。これらのA/D変換器の機能に損失を与える原因をフォールトと称することにする。もし、A/D変換器内部のフォールトが2進コードの上位のビットに影響を与える場合には、入力したアナログ値から大きくかけ離れた変換誤差が生じることになる。コンパレータ又はA/D変換器内部の回路素子等のフォールトに対して、変換誤差を許容範囲に抑えるための誤り検出・訂正回路を構成する方法については、既に文献で紹介されている。本報告では、誤り許容符号の特性を用いることにより同様の目的のA/D変換器を構成する方法を提案する。誤り許容符号は、既に文献等で紹介されており、一般に距離を持つ情報空間の符号化について、情報の誤りがある程度許される場合に定義される符号である。コンパレータ出力の変化点にばらつきが生じた場合等に、コンパレータ出力を誤り許容符号に変換することにより適切な出力に補正することができる。ここでは、コンパレータ7つで構成されるフラッシュ型A/D変換器を例に考えることにする。
著者
藤原 鎮男 荒田 洋治 渡部 徳子 石塚 英弘 磯谷 順一 古田 直紀 山崎 昶
出版者
The Japan Society for Analytical Chemistry
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.23, no.13, pp.88R-111R, 1974

本進歩総説は前回に続き, 1972年初めから1973年末 (一部1974年のものも含む) までの文献を採用した.磁気共鳴に関する論文は近年その数を著しく増し (1973年にはNMR約8000件, ESR約4000件), しかもきわめて広い範囲にわたっている.したがってこれらの文献を漏れなく集録することはもはや不可能であり, また単に測定法のごく一部として磁気共鳴を利用したものまで含めて網らすることは意義があるとは考えられない.この点を考慮し, 本総説では重要と考えられる項目にっいて重点的に文献を集録する.なお, 合成高分子については別に項目があるのでここでは省略する.
著者
古谷 彰教 ボベ C 吉川 博 田邊 隆也 山本 学 タイヤード P ブエ L デスパックス C プレスマネス L ロセ A
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.24, no.21, pp.43-48, 2000-03-06

光・磁気記録膜において, スパッタ時における堆積速度, 結晶性及び組成変動抑制を本研究の目的とした.我々は, (セルフ)バイアス電圧に着目し, そのバイアス電圧をカソード磁界により制御して, 長期間連続して初期設定条件の堆積速度を得ることが可能で, かつ, ターゲット組成と膜組成を一致させることが可能な磁界制御型マグネトロンスパッタ方法を提案する.本手法により, Fe膜, ガーネット膜を堆積したところ, 前者は, 長期間のスパッタ後でも堆積速度は一定で, かつ, 結晶性の再現性が良好な膜が得られ, 後者においては, 膜組成ずれが起こらない膜形成が可能となり, 本スパッタ法は成膜時の堆積速度, 結晶性及び組成の変動抑制に有効であった.
著者
伊藤 智宏 伊藤 裕子 水谷 峰雄 藤城 克久 古市 幸生 小宮 孝志 樋廻 博重
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.339-344, 2002-05-15
被引用文献数
1 15

アズキ熱水抽出物(アズキ煮汁)の抗腫瘍活性及びその作用機構の一つであるアポトーシス誘導について検討を行った.<BR>アズキ熱水抽出物をDIAION HP-20で処理した後,蒸留水,40%エタノール,60%エタノール,80%エタノールと順に溶出溶媒を切り換え,各溶出画分を得た.これらの溶出画分を用いてヒト胃癌細胞(KATO III cells)の形態学的変化,増殖抑制作用及びアポトーシス誘導により生じるDNAフラグメントの検出を行った.その結果,40%エタノール溶出画分に小球状のアポトーシス小体が観察され,さらにアポトーシス誘導により生じるDNAの断片化を示した.<BR>また,40%エタノール溶出画分によるアポトーシス誘導についてDNA断片化の濃度及び培養時間依存性に関して検討した.その結果,アポトーシス誘導は濃度及び培養時間依存的であることが判明した.また,40%エタノール溶出画分によるヒト正常細胞に対する影響は観察されなかった.以上より,40%エタノール溶出物による抗腫瘍活性機構にはアポトーシス誘導が関与していることが示唆された.
著者
古山 明夫
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.Supplement, pp.S308-S308, 2015 (Released:2016-06-18)

厚生労働省は今後の医療体制を「病院から在宅へ」とその転換を進めている。そこで在宅医療を担う医療機関は、在宅医療機能の強化や24 時間体制への対応を求められている。在宅医療をさらに進めるためには、在宅医療を実施する在宅医、そして在宅医療に送り出す病院医などがより連携し、相互の理解をさらに深めると同時に、在宅における医療介護間の連携をより密にしなければならない。そこで、名古屋市医師会が展開しようとしている在宅医療・介護支援システムの構築や在宅医療・介護連携支援センターの設置は、切れ目のない医療連携を推進するために必要不可欠であり、また、ICTを活用した情報共有システムの導入は、在宅における医療と介護のサービスをより充実したものにするため、その意義は大きいものと考えられる。今回、名古屋市の委託事業として名古屋市医師会が中村区をフィールドとして実施した名古屋市在宅医療・介護連携推進事業の経験を報告する。
著者
小泉 忠史 古家 乾 馬場 英 定岡 邦昌 関谷 千尋 服部 淳夫
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.104, no.6, pp.1167-1174, 2015-06-10 (Released:2016-06-10)
参考文献数
6
被引用文献数
2 3

症例は60歳代,インド国籍の男性.2カ月前からの水様性下痢で12 kgの体重減少を認めたため,当科を初診した.初診5日後には脱水による腎機能の悪化を認め,入院となった.血液検査,検便検査,大腸内視鏡検査では特記すべき所見はなく,CT検査では膵の軽度の萎縮を認めた.薬剤等によるcollagenous colitisやceliac spurue,膵外分泌機能不全による下痢を考え加療するも,症状の改善を認めなかった.下痢が出現する約1年半前にオルメサルタンの内服が開始となっていたため,同剤によるenteropathyを疑い,同剤を休薬したところ,水様性下痢は速やかな改善を認めた.重症の下痢症の原因の1つとして記銘すべき疾患と思われた.
著者
古川 忠延 松澤 智史 松尾 豊 内山 幸樹 武田 正之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.88, no.7, pp.1258-1266, 2005-07-01
被引用文献数
2

最近注目を集めているWeblog(以下Blog)では, ブックマーク(ユーザが自身のBlogページ内からリンクしているお気に入りのBlog)やコメント, トラックバックなどによりBlog同士の関係性を把握することができる.このようなBlogのつながりは全体としてBlogネットワークを構成し, ユーザへの情報推薦に有用な情報源であると考えられる.本論文では, Blogネットワークにおいて, ユーザがどのようなページを頻繁に閲覧しているのかを, Blog間の関係性に着目して分析し, その把握を試みた.機械学習アルゴリズムを用いてユーザが閲覧する要因を分析した結果, Blogネットワークにおいてはブックマークを経由しての閲覧が大きな割合を占めていることが分かった.また, ユーザが閲覧している先のBlog運営者がコメントやトラックバックといったアクションを起こしている先のBlogも, ユーザにとって興味深いBlogとなっている可能性が高いことを裏づけるデータを得ることができた.

2 0 0 0 OA 嘉納治五郎

著者
古賀残星 著
出版者
同光社
巻号頁・発行日
1944
著者
遠藤 邦彦 古橋 昭子
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌
巻号頁・発行日
vol.1990, no.6, pp.611-614, 1990
被引用文献数
3

cit,trans-亜硝酸午チルの<SUP>13</SUP>C同位体種 (<SUP>13</SUP>CH3CH2ONO, CH3<SUP>13</SUP>CH2ONO) のマイクロ波スペクトルを10から34GHzの領域で測定し,基底状態におけるa型R枝およびb型Q枝遷移を帰属して,つぎの回転定数を得た。<BR>A B C<BR><SUP>13</SUP>CH<SUB>3</SUB>CH<SUB>2</SUB>ONO 18018. 90 ± 0. 08 MHz 2931. 14 ± 0. 01 MHz 2604. 6 81 3 ± 0. 01 MHz<BR>CH<SUB>8</SUB><SUP>13</SUP>CH<SUB>2</SUB>ONO 17868. 37 ± 0. 10 MHz 3008. 28 ± 0. 01 MHz 2662. 09 ± 0. 01 MHz<BR>ノーマル種および上記の<SUP>13</SUP>C同位体種の回転定数の解析から,CiS,trans一亜硝酸エチルのC-C結合0距離としてr6(C-C)=1.517±0.004Åを決定した。ここに得られた亜硝酸エチルのC-C結合距離およびすでに報告されている類似分子のC-C結合距離は,エチル基に結合する原子の電気陰性度が大きくなるにしたがい結合距離は短くなる直線的な傾向がみられる。
著者
坂野 純子 菊澤 佐江子 的場 智子 山崎 喜比古 杉山 克己 八巻 知香子 望月 美栄子 笠原 麻美
出版者
岡山県立大学
雑誌
岡山県立大学保健福祉学部紀要 (ISSN:13412531)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.19-25, 2010

本研究では、大学生の精神障害者への否定的な態度をスティグマ的反応尺度により把握し、その因子構造と関連要因を明らかにすることを目的とする。青森県、大阪府、岡山県、東京都、奈良県の大学生を対象にビニエット方式で質問紙調査を実施した。ビニエットの事例疾患はうつ病、統合失調症、ぜんそくの3種類を用意し、それらを無作為に対象者に振り分けた。分析項目はビニエットの人物に対するスティグマ的反応、疾患事例、回答者の性別、専攻分野とした。大学生のスティグマ的反応を検討するために最尤法を用いたプロマックス回転による探索的因子分析を行った。その結果、「精神障害者と接することへの不安」「精神障害者の責任能力への不信」「精神科医療を受けていることへの抵抗感」「精神障害者の知的能力や生産性への期待」「精神疾患への恥辱」の5因子が抽出された。一元配置分散分析と多重比較の結果、「精神障害者の責任能力への不信」「精神障害者への恥意識」因子は、ぜんそく群よりもうつ病群および統合失調症群にスティグマ的反応が強い傾向がみられたが、両者の間には差はみられなかった。専攻分野別では「精神障害者の責任能力への不信」「精神障害者の知的能力や生産性への期待」「精神疾患への恥意識」3因子では、看護系が社会福祉系、人文社会系理工系に比べてスティグマ的反応が小さい傾向がみられた。そのうち「精神疾患への意識」因子は社会福祉系が理工系に比べてスティグマ的反応が小さい傾向がみられた。
著者
古牧 徳生
出版者
神戸市看護大学短期大学部
雑誌
紀要 (ISSN:13428209)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.101-117, 2004-03-01

本橋は現代アメリカの倫理学者ジェームズ・レイチェルズが提唱する道徳的個体主義を紹介し、その問題点と現代思想に占める位置を論じたものである。一章では、レイチェルズの議論の前提になっている進化論の人間観を説明する。レイチェルズによれば、人間は動物から進化したものであり、両者のあいだには程度の差しかない。それゆえ人間だけに特別な価値を認めるには無理があり、そのため伝統的な「人間の尊厳」も根拠の弱いものになるとする。二章では、このような人間観に対応する新しい倫理としてレイチェルズの提唱する道徳的個体主義が説明される。それは個体の扱いは(1)扱いの内容と(2)その個体の個別的性質、によって決定されるべきとするものであり、各個体は種別とは無関係に、似ている程度に応じて似た扱いを受け、異なる程度に応じて異なる扱いを受けるべきとされる。三章では、筆者の疑問が示される。筆者は進化論という大前提には賛成するが、人間と動物は、こと理性に関しては、程度の差ではなく根本的に質的に違うと思う。だから理性の能力については進化論を踏まえても人間を特別視できるのであり、従って「人間の尊厳」という概念は守られるべきであることを指摘する。だが身体に関しては、レイチェルズが言う通り、人間と動物には程度の差しかないから、もっと人間に準じた配慮が為されてもよいことを述べ、「動物の権利」を条件つきで認める。最後に、今後、我々が地球上で生存していくために必要とされる第三惑星の倫理について、その基本線を延べ、レイチェルズの提唱がそれに益すること大であることを認める。