著者
古田 悦造
出版者
日本地理教育学会
雑誌
新地理 (ISSN:05598362)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.20-29, 1985-06-25 (Released:2010-04-30)
参考文献数
13

During the Edo Era many fishermen emigrated from Kansai to Kanto District, especially for fishing sardines, and some of them formed fishing villages there. Main purpose of this paper is to clear the transformations of these areas and then to analize these factors. In particular, the auther paid attention to the following three points: the fishing method, the relationships between the fishermen and the wholesalers dealt with dried sadines as fertilizer, and the ways of getting the fishing or business informations.The summaries of this research are as follows:1. The transformations of fishing areas by fishermen emigrated from Kansai District are divided into three periods according to the heavy or poor catch: the developing period (1555-1677), the diffusing period (1678-1725) and the migrating period (1726-1815). In the first period, they were fishing along the rocky coast in Kanto District. In the second period, their fishing area expanded to the sandy coast as well as the rocky coast, and during the last period they migrated to the rocky coast again and formed their fishing villages.2. The shore seine in the sandy coast needed many fishermen and they were engaged in the various parts. Another side, in the rocky coast, the fishermen used the pair-boats lift net. Judging the fishing gears and the changes of the fishing areas, there are two types of areas. Namely, one is the shore seine type in sandy coast and the pair-boats lift net type in rocky coast.3. In the area of the former type, the fishermen came there in small groups and took the higher position among the fishermen. On the other hand, in that of the latter type the fishermen came there in large groups. The area of the latter corresponded with the collecing area of the wholesalers at Uraga in the easternpart of Miura Peninsula. Generally, the fishermen got the fishing or commercial informations in Kanto District from another fishermen who had come there before.
著者
川上 佐知 羽原 浩史 篠崎 孝 鳥井 英三 古林 純一 菊池 泰二
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.1231-1235, 2003-10-10 (Released:2010-03-17)
参考文献数
4
被引用文献数
2 1

自然再生を目的として人工干潟が各地で造成されているが, 造成後の人工干潟がどの程度干潟本来の機能を発揮しているかを評価する技術は未だ確立されたものがない. 本研究では, 干潟生態系の中核をなす底生生物に着目し, 環境条件の類似する自然干潟と比較することにより人工干潟の成熟性を評価する方法について提案した. その結果, 底生生物の生態的特徴により分類することで,(1) 生息状況の類似性,(2) 新たに提案したPW図による底生生物の大型化,(3) 干潟への依存性の高い注目種の生活サイクルの確認が可能となり, 概ね人工干潟の成熟性の評価が可能であることが明らかとなった.
著者
荒古 道子 中 啓吾 貴志 豊 江川 公浩 澳 親人 西 理宏 古田 浩人 中尾 大成 佐々木 秀行 南條 輝志男
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.221-225, 2004-03-30 (Released:2011-03-02)
参考文献数
9
被引用文献数
1

症例は71歳の女性で, 1999年よりプランマー病と診断されるも, 甲状腺機能異常は認めずβプロッカ-のみで治療されていたが, 2001年8月より甲状腺機能亢進症が出現し, バセドウ病の合併 (Marine-Lenhart症候群) と診断した.チアマゾール (以下MMIと略す) による治療を開始するも肝障害が出現したため入院した.肝機能障害の精査中に高インスリン血症 (IRI 82-4μU/ml, CPR 2.18ng/ml, IRI/CPRモル比0.79) の存在が確認され, 75gOGTT 2時間後でIRIは最大1, 785μU/mlまで上昇し, 3時間後には低血糖 (28mg/dl) を認めた.インスリン負荷試験で感受性は正常, インスリンレセプター抗体は陰性, インスリン抗体は7396と高値であった.HLAタイプはクラスIIのDR4, HLA-DR遺伝子解析ではDRB 1*0406であり, インスリン注射歴がないことよりインスリン自己免疫症候群 (以後IASと略す) と診断した.プロピルチオウラシルに変更後は肝機能は正常化し, 低血糖症状も認めずインスリン抗体価の低下も認められた.-ASはその発症にSH基を有する薬剤の関与が指摘されており, MMI服用により発症したと考えられるIASを経験したので報告した.
著者
古田足日 編
出版者
ポプラ社
巻号頁・発行日
1968

他に、石井桃子「山のねこ・トム」、坪田譲治「どろぼう」、今江祥智「いつでも夢を」等12編の作品を収む。 (日本図書館協会)
著者
橋本 智 山木 朝彦 山木 眞理子 古賀 美千留
出版者
日本語教育方法研究会
雑誌
日本語教育方法研究会誌 (ISSN:18813968)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.2-3, 2012-03-10 (Released:2017-05-25)
被引用文献数
1

Visual Thinking Strategies (VTS) were developed by Abigail Housen and Phillip Yanawine. VTS is a new concept in the art education field, and it is considered to be an effective tool not only to develop students' artistic ability but also cultivate their critical thinking ability and communication skills. At the VTS session, a facilitator asks students one question, "What's going on in this picture?" The facilitator paraphrases their statements and helps them continue the discussion. This paper discusses the possibility for the application of VTS in Japanese education and a case study to examine it.
著者
古賀 佳代子 木村 裕美 西尾 美登里 久木原 博子 池田 智
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.104-113, 2021 (Released:2021-09-16)
参考文献数
30

熊本地震の震災関連死に認定された者のうち3割が車中泊を行なっていたことが報告されている。車中泊による影響は,身体のみならず精神的負担も大きく,車中泊が及ぼす影響についての報告は少ない。そこで,本研究は被災就労者を対象に,熊本地震1年後の車中泊者の特性と精神的健康に影響を及ぼす要因を検討する。対象者は,熊本県上益城郡にある工業団地13社の被災就業者460名を対象者とし,車中泊あり群,車中泊なし群の2群に分類し分析した。結果,車中泊あり群は181名(72.7%)を占めていた。車中泊なし群に比べて,アテネ不眠尺度(Athene Insomnia Scale以下AIS),PTSDスクリーニング尺度(Impact of Event Scale-Revised以下IES-R),精神的健康調査票(General Health Questionnaire 以下GHQ 28)が有意に高いことが明らかになった。次に,精神的健康(①IES-R,②GHQ 28)の関連について重回帰分析を行なった結果,IES-R得点には,「身体機能(PF)」,「社会生活機能(SF)」,「不安と不眠」,「車中泊の有無」が,GHQ 28得点には,「活力(VT)」,「回避症状」,「車中泊の有無」,「自覚症状の有無」が影響を及ぼす要因として明らかになった。災害時の就労者の精神的負担は,累積された業務負担の上に課されている。長引く精神的負担は,改善されない可能性が指摘されており,早急に支援対策の在り方について検討する必要性が高いことが示唆された。
著者
古澤 優佳 斉藤 正一 千葉 翔 高橋 文
出版者
東北森林科学会
雑誌
東北森林科学会誌 (ISSN:13421336)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.66-70, 2016 (Released:2017-12-01)
参考文献数
22
被引用文献数
2

全国的に個体数が増加傾向にあるニホンジカは,多雪地帯のため冬季の生存が困難とされてきた東北地方の日本海側でも急速に分布を拡大しており,山形県でも目撃され始めた。このため,初期動態の把握を目的に,寄せられた目撃情報の内容や目撃地の立地環境を分析した。その結果,シカは全県に生息している可能性が高く,近年は庄内地方南部と西置賜地方で目撃が多い傾向が見られた。また,目撃地は,周囲が森林で近くに道路や河川がある平坦な耕地で,特に,開けていて見通しが良く人的利用が多い場所の傾向が高く,日中に森林から一時的に出てきた際に目撃されている可能性が高かった。
著者
土井 紗世 須古井 和美
出版者
一般社団法人 日本在宅医療連合学会
雑誌
日本在宅医療連合学会誌 (ISSN:24354007)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.26-29, 2022 (Released:2022-06-04)
参考文献数
4

小児在宅療養指導管理における医療・衛生材料支給の現状把握および今後の課題検討を目的に,県の小児等在宅医療推進事業と連携し,「小児在宅医療に係る医療・衛生材料についてのアンケート調査」を実施した.その結果,ほぼすべての医療機関において,必要かつ十分量の材料を調整して支給していたが,診療報酬の範囲に収まらないことが想定された.また,医療機関による支給内容の相違が,円滑な在宅移行を推進していく上で障壁となっていることが示された.今後は小児在宅医療における医療・衛生材料の支給に関するガイドラインの作成等,適切な支給体制の整備を図る予定である.
著者
古川豐雄 監修
出版者
圖南閣
巻号頁・発行日
vol.第1卷, 1942
著者
内田 脩斗 吉川 大弘 古橋 武
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第34回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.214-216, 2018 (Released:2019-01-09)

Word2Vecを用いて単語の意味関係をベクトルへ埋め込む分散表現型単語ベクトルが近年注目を集めている.さらに,この単語ベクトルは,構文解析や文書分類など,言語処理分野において幅広く利用され,その有効性も報告され始めている.一般的に,単語ベクトルとして利用されるのは,Word2Vec学習ネットワーク上の入力側重みであり,同時に生成される出力側重みは利用されない.これに対し著者らは,対となる出力側重みの有用性に着目し,本稿において,前者と後者を併用した単語ベクトルを提案する.また,実際に単語ベクトルの性能評価実験を行い,その有効性を示す.
著者
池田 耕二 山本 秀美 古家 真優 梅津 奈史 大塚 佳世
出版者
奈良学園大学
雑誌
奈良学園大学紀要 = BULLETIN OF NARAGAKUEN UNIVERSITY (ISSN:2188918X)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.7-17, 2021-12-17

株式会社ハーフ・センチュリー・モアが運営しているサンシティ木津ロイヤルケアにて新たにリハビリテーションうららかを開設するにあたり、筆者ならびにサンシティスタッフが共に取り組み、約2年間にわたりリハビリテーション(以下、リハビリ)を実践してきた。今回、これらの振り返りを通して、介護付き有料老人ホームにおけるリハビリの効果や役割、その可能性、課題を考察した。その結果、筆者とサンシティスタッフが共同で取り組んでいる介護付き有料老人ホームのリハビリは、リハビリスタッフと入居者、家族とのコミュニケーションや関係性を基軸に、喜びや安心感という感情表出、全身調整機能や生活リズムの再構築、集団リハビリというコミュニティ、環境変化からくる多様な効果や役割が総じて、入居者や家族の生活の質(Quality of Life:QOL)向上の可能性を高めていると考えられた。これらを考慮したリハビリが実施できれば多様な障害像を有する入居者のQOL向上が図れると期待することができる。これらについてはさらに検証を加える必要があり、今後の課題となった。
著者
石原 匠 松岡 紘史 長澤 敏行 古市 保志 辻 昌宏 千葉 逸朗
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.47-60, 2021-06-30 (Released:2021-07-08)
参考文献数
32

歯周病が循環器疾患の発症に影響を与えることを示唆した報告はいくつかあるが,交絡因子となる幅広い因子を一度に調整した研究は殆どない。本研究の目的は,多数の交絡因子を調整するために健康保険の大規模なレセプトデータを用い,歯周病の病態や歯周治療が循環器疾患の発症に及ぼす影響を明らかにすることであった。全国健康保険協会(協会けんぽ)北海道支部に所属し,2014年に特定健康診査を受診し歯科受診をしていない者235,779名を対象とし,特定健診データ,医科及び歯科レセプトデータを用いて分析を行った。2015年の歯科レセプトを使用し「歯科受診なし」,「歯科受診1~4回」,「歯科受診5回以上」の3つの対象者分類に区分した。2015年と2016年における脳梗塞と心筋梗塞の新規発症の有無を目的変数,2015年の対象者分類と交絡因子を説明変数とするロジスティック回帰分析を行った。2015年の脳梗塞の発症を用いたロジスティック回帰分析の結果,歯科受診なしを基準とした場合,1~4回及び5回以上の脳梗塞発症に関するオッズ比が有意であり(1~4回:1.95,5回以上:1.63),歯周病によって脳梗塞の新規発症リスクが高まる可能性が示唆された。また,2016年の脳梗塞の発症を用いた場合でも同様の結果が得られており(1~4回:1.63,5回以上:1.61),歯周治療の開始から1年が経過しても脳梗塞発症のリスクは変化していない可能性が示唆された。
著者
柳澤 さおり 古川 久敬
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.185-192, 2004 (Released:2004-04-16)
参考文献数
18

企業組織における人事考課に関わる研究では,評価目的が評価者の情報処理過程や評価に及ぼす影響について重視されてきた。しかし,そこで問題とされているのは評価目的の内容の差異が及ぼす影響であり,評価目的を与えること自体が及ぼす影響については言及されてこなかった。また,評価目的が,情報処理過程に及ぼす影響についても十分に検討されているとはいえない。本研究は,(a)評価目的を与えること,および評価目的を与える場合には(b)評価目的の内容が異なることが,被評価者の情報の記憶および評価に及ぼす影響について検討した。99名の被験者のうち,評価目的を提示した群には,昇給の査定(昇給査定群),もしくは再教育の必要性の査定(再教育査定群)のために,被評価者を評価することが教示された。評価目的が提示されない群(目的無し群)には,そのような目的が示されなかった。被験者は,被評価者の職務行動に関わる情報を読み,その後にその情報を再生し,被評価者に対する評価と好悪感情について評定した。評価目的が与えられた群は,目的無し群と比較して,多くの情報を再生していた。また,評価目的が与えられた群は,目的無し群よりも,評価と好悪感情が独立した評価を下していた。評価目的が与えられた昇給査定群と再教育査定群の間では,再生した情報および評価と好悪感情との関連に差異はみられなかった
著者
吉井 武輝 古田 将吾 小林 正和 三浦 博己
出版者
公益社団法人 日本鋳造工学会
雑誌
鋳造工学 (ISSN:13420429)
巻号頁・発行日
vol.93, no.10, pp.604-611, 2021-10-25 (Released:2021-11-01)
参考文献数
10

Image-based finite element (FE) simulation, based on images of a model built with 3D images obtained by synchrotron radiation nano-tomography, was performed to investigate the point of preferential damage on Si particles in the early stage of tensile deformation in Al-10%Si casting alloys. By reproducing stress concentration on Si particles with the FE simulation, the effects of particle parameters such as (1) particle size, (2) particle orientation to loading direction, and (3) particle shape on damage were evaluated. Nano-tomography observation suggested that the parameters influence damage. The increasing rate of maximum hydrostatic stress differed depending on the Si particle size. Larger particles showed rapid increment in stress, suggesting that preferential damage may occur in large particles at an early stage of tensile deformation. In the study on the influence of particle orientation, particles whose longitudinal direction are more or less parallel to the tensile direction tend to also show rapid increment in stress. However, the most rapid development of the maximum hydrostatic stress was observed in particles possessing small Gaussian curvature which corresponds to severe necking. Comparisons of particles having specific parameters with damaging behavior revealed that the most influential parameter of particles on stress concentration was particle shape possessing necking.
著者
新里 玄徳 矢崎 明美 濃野 正博 吉川 昭仁 日越 博信 新城 明久 古田 賢治
出版者
Japan Poultry Science Association
雑誌
日本家禽学会誌 (ISSN:00290254)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.407-411, 1994-11-25 (Released:2008-11-12)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

食鳥処理場でブロイラーの解体作業に使用した爼板,包丁及び作業時に履いた作業靴を60, 80及び100°Cに保った湯にそれぞれ30及び60秒間浸漬し,汚染した細菌の除去について検討した。1. 使用後の爼板から1cm2当り104.7,包丁の柄と刃(金属部分)から104.9及び103.8の菌が検出された。洗剤で洗った後で80又は100°Cの湯に浸漬すると検出された菌数は60°C浸漬の場合に比べ有意に少なく101.0/cm2以下となった。2. 使用後の作業靴の底から1cm2当り104.6,踵から104.5,爪先から104.0,脛から103.6の菌が検出された。洗浄することなく浸漬を行ったが,浸漬温度が高くなるに従い検出された菌数は減少し,浸漬温度が80°Cの場合検出された菌数は1cm2当り100.3-101.2の範囲にあり,60°Cの場合の菌数101.2-102.5より有意に少なかった。100°C浸漬後には底と踵の菌数は80°C浸漬に比べ有意に少く100.5/cm2以下となった。3. 爼板,包丁及び作業靴のいずれにおいても60秒浸漬としても30秒浸漬と比べて検出された菌数に差が認められなかった。以上の結果から,食鳥処理場における爼板,包丁及び作業靴に付着した細菌を除去するには,洗浄した後に温度80°C以上の湯に,30秒以上浸漬するのが実用的と考えられた。