著者
松山 美和 古谷野 潔 松下 恭之 山口 貞子
出版者
徳島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

補綴治療効果を栄養学的見地から評価することを目的として、自記式3日間食事記録にスケール付きの摂取食品の写真撮影を加え、摂取食品と摂取量を推定する方法を次世代型栄養評価法とした。 本法を用いて栄養摂取に対する補綴治療効果および治療後の専門的栄養指導効果を検討したところ、補綴治療は短期間では栄養摂取に影響を及ぼさないものの、補綴治療後の専門的栄養指導は患者の質的栄養改善に有効であることが示唆された。
著者
間邊 哲也 長谷川 孝明 松岡 義大 古川 誠治 福田 朗
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J95-A, no.3, pp.268-282, 2012-03-01

本論文では,ポジショニングサブシステムのマイグレーションを考慮したプラットホーム指向の歩行者WYSIWYASナビゲーションシステムを提案している.提案システムでは,建物内や建物付近の屋外でシームレスに動作し,かつ,WYSIWYASナビゲーションの実現に必要な位置情報と方向情報を他の位置特定手法と協調することなく取得可能なポジショニングサブシステムとして,タイルカーペットを用いたM-CubITSと可視光通信を採用している.大型商業複合施設内で目的地の名称のみが分かっている状況での移動を想定した評価実験では,提案システムにおけるポジショニングサブシステムの位置特定成功率,処理時間,移動所要時間,ユーザビリティについて評価を行っている.その結果,提案システムを用いることで,固定の案内板や手持ちの地図などを用いるよりも短時間で確実に目的地に到達できることから,提案システムの歩行者ナビゲーションシステムとしての有効性を確認している.
著者
古川 宏 野田 和恵 渡邊 信 白川 卓
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究は、切断者が自ら気にしているソケットの悪臭と断端部の湿疹の改善を目的に消臭・抗菌ソケットの開発を2年間で行う、切断者のQOLを高めるための研究である。平成17年度は金属フタロシアニン処理の断端袋(KSS)の抗菌性、他の断端袋との抗菌性の比較、水分吸収性、臭気試験の検討および金属フタロシアニンをソケットの材料・材質であるリゴラック、リボキシとどの様に混合させるのかの検討を行った。平成18年度は以下の検討を行った。1.消臭抗菌ソケット(金属フタロシアニン処理含有ソケット)の試作金属フタロシアニン処理の断端袋(KSS)の枚数を変えた材質を基盤にソケットを3種試作した。2.消臭抗菌ソケット(金属フタロシアニン処理含有ソケット)の抗菌作用の検討「JIS L 1902:繊維製品の抗菌性試験方法・抗菌効果」に準拠し、混釈平板法で行った。検定用菌株はStaphylococcus aureus NBRC(ATCC6538P)およびKlebsiella pnumoniae NBRC13277(ATCC4352)を用いた。消臭ソケットは金属フタロシアニン含有と非含有のものを作成した。各ソケットを4cm角に切断し、その上に3cm角の標準布を置き、菌液を接種して18時間後に菌量を測定した。その結果、金属フタロシアニン含有ソケットで両菌に対して静菌作用があることが確認されたが、殺菌活性は認められなかった。金属フタロシアニン非含有ソケットでもS.aureusでは弱い静菌作用が認められた。3.臭気試験日本防菌防黴学会臭気試験検定法に従い、ハンディーにおいモニターおよびポータブル型ニオイセンサーを用いて臭気の測定を行った。試験菌体はProteus vulgalis(ATCC13315,NBRC3815)を用いた。3種類の布を規定のバイアルビンに入れ、菌液を接種し18時間後に各バイアル中の臭気をニオイセンサーで測定した。その結果、漂白布および生成布に比較してKSSで臭気の減少が認められ、E減少幅はアンモニア臭以外の臭気で顕著であった。
著者
八谷 満 古山 隆司 福森 功 市戸 万丈 平田 晃 桑名 隆
出版者
日本家畜管理学会
雑誌
日本家畜管理学会誌 (ISSN:13421131)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.115-127, 2000-12-15
被引用文献数
4

繋ぎ飼い用搾乳ロボットシステムの開発に向けて、特にマニピュレータ機構の設計指針を得ることを目的として、ホルスタイン種泌乳牛111頭を供試して体尺測定調査を実施した。ロボットはストール後方より牛に接近して、牛体位置検出機構は牛体において変形量の少ない部位として坐骨端と左右の腰角を捕捉する。本機構に自動搾乳ユニットを搭載することによって、機械系の原点と牛体との水平面上での相対的位置関係をほぼ確定し、牛体の動きに追従して両者の位置関係を維持する。これを基本的な機械設計概念とする。その上で、牛体とロボット機械系双方の安全性を確保するために、ロボット作業環境内の四肢や乳房等の配置から干渉あるいは衝突の可能性の低い部分を抽出し、動作可能な空間領域をモデル的に示した。これを考慮した機械系, 特にロボットマニピュレータの関節構成と軌道生成を提案した。マニピュレータ機構は、平面的な位置決めと姿勢決めの回転自由度を各々2と1、これにティートカップ装着動作のための並進自由度1を加え、計4自由度の基本仕様で対応可能と判断された。マニピュレータの標準作業域は、牛体軸上の坐骨端からの距離380mmの点を中心とする、350×350mm区画が4乳頭の散在する領域である。この領域においては、エンドエフェクタを有する第3アームを常に牛体軸に平行な姿勢に制御することによって、後肢を回避しながら、狭降な後肢内側空間においてテイートカップのマニピュレーションが可能であると推察された。マニピュレータ機構をモデル的に単純化して、位置制御するための関節変数ベクトルを求める逆運動学問題の解を示した。X-Y平面内での運動特性を考慮して、第1、第2および第3アームリンク長をそれぞれ400mm、350mmおよび200mmと設定した。また、マニピュレータ台座の適正な位置をX、Y座標それぞれ580mm、520mmと設定した。日本家畜管理学会誌、36(3)115-127、2000 1999年4月12日受付2000年9月1日受理
著者
古賀 啓一 角野 康郎 瀬戸口 浩彰
出版者
日本植物分類学会
雑誌
分類 : bunrui : 日本植物分類学会誌 (ISSN:13466852)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.121-130, 2006-08-20
被引用文献数
3

キンポウゲ科バイカモRanunculus nipponicusは,分布の南限にあたる近畿地方で絶滅が危惧されている水生植物である.近畿地方における本種の生育地の特定と,生育地の現状について2004年に調査を行った.その結果,標本に記載された生育地15ヵ所のうち, 6ヵ所でバイカモの生育が確認されず,過去に存在していた生育地の40%が失われたことが明らかになった.その一方で,滋賀県では新たな生育地3ヵ所を発見した.バイカモは近畿地方において現在12ヵ所で残存しており, 5ヵ所が滋賀県に, 7ヵ所が兵庫県に分布していることが明らかになった.今回の調査で確認できた生育地の半数以上は,河川改修工事によって川岸や川底をコンクリートで護岸された水路や河川であり,この場合には河床に土砂が堆積していた.土砂には埋土種子が含有される可能性があり,生育地の復元に利用できることも考えられる.近畿地方に現存するバイカモの生育地12ヵ所のうちで保護されている場所は2ヵ所のみであり,他の生育地においても保護施策が必要である.
著者
鶴内 孝之 古屋 忠彦 村山 祥子 島野 至 松本 重男
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.185-190, 1988-10-31

1 . lvyleaf speedwell plants were grown in four air conditioning rooms at constant temperatures under natural day length, from 1982 to 1983. In the 15℃ room, they formed a pair of opposite leaves on each of the lower 4 to 6 nodes of the stems, and then an alternate leaf and a flower on each of the upper nodes. In the 20℃ room, they formed opposite leaves on the lower 5 to 7 nodes, and then an alternate leaf and a flower, but fruiting was not prominent. In the 25℃ room, they developed only opposite leaves without a transition to alternate leaf arrangement. In addition, vegetative growth continued and no flowers was produced (Fig. 2) . In the 30℃ room, they did not grow and died within 1 or 2 weeks. 2 . Germinating seeds of ivyleaf speedwell were treated in a 4℃ incubator for 8 or 26 days, and young green plants of ivyleaf speedwell and birdseye speedwell were grown in at air conditioning box at 10℃ under diffused sunlight for 16 or 28 days, from 1984 to 1985 (Table 1) . Thereafter the materials were transferred to the 15, 20 and 25℃ rooms. The exposure of the germinating seeds to 4℃ and of the green young plants to 10℃ promoted the transition from opposite to alternate leaf arrangement, flowering and fruiting. The most remarkable results were as follows : the ivyleaf speedwell plants did not flower in the 25℃ room (Fig. 2), but the exposure to the low temperatures of 4℃ and 10℃ for 26 (VL) or 28 (GL) days, promoted the transition from an opposite to an alternate leaf arrangement, as well as flowering and in some cases fruiting (Table 2) .
著者
古木 圭子
出版者
京都学園大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

平成14〜16年度にわたり、主にニューヨークとロサンゼルス、およびミネソタ州ミネアポリスにおけるアジア系アメリカ演劇集団の調査を行い、合衆国におけるアジア系アメリカ演劇の受容と今後の発展性について考察を試みた。それぞれの地域において、アジア系アメリカ演劇集団は一定のコミュニティを築き、アジア系アメリカ文化を流布する芸術媒体として注目されている。しかし、地域コミュニティとの連携性にも関わらず、観客の多くはアジア系であり、非アジア系の観客が極めて少ない。また、今後もアジア系以外の観客に、アジア系演劇が広く受容される可能性が薄いこと、ブロードウェイを含むメジャーなアメリカ演劇界でのアジア系アメリカ演劇作品の上演はきわめて困難な状態にあることが、実際の劇場調査と演劇関係者との対談から明らかになった。ニューヨークやロサンゼルス、サンフランシスコを主な拠点とする西海岸では、アジア系アメリカ演劇は、アジア系のコミュニティによってサポートされているが、その恵まれた状況が、逆説的に、これらの集団がアジア系コミュニティの外に出ることを阻んでいると言える。しかし、アジア系の層が比較的薄いミネアポリスのTheater Muは、その幅広い活動によって、アジア系コミュニティの外側と交流を持つことに少なからず成功しているようである。新たな課題は、日系アメリカ演劇と日本国内の劇団および演劇関係者との交流を基盤としたアメリカ演劇の拡大である。ここ数年、日本国内ではWakako Yamauchi、Philip Kan Gotanda、Rick Shiomiを初めとする日系アメリカ/カナダ人劇作家の作品が次々と上演され、彼らの講演を中心とした意欲的なシンポジウムも東京、大阪で開催され、日本国内におけるアジア系(日系)アメリカ演劇の発展の可能性をうかがわせた。今後この分野における研究を進める予定である。
著者
佐道 明広 小針 進 浅野 豊美 古川 浩司
出版者
中京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

本研究では「韓国研究者、日本政治外交(史)研究者、国際関係研究者を中心に、韓国の研究者の協力も得て、包括的な視点での資料収集を行なおうというものである。その際、文書資料はもちろんであるが、(略)近年ようやく方法論的に定着しつつあるオーラル・メソッドを用いて日韓関係に関する基礎的資料の収集を行う。(略)(第二に)今後の研究を発展させるためにはこれまでの研究状況の把握も必要なことから、日韓双方で行なわれた研究状況の確認や、収集したインタビューや収集資料に基づく研究課題の整理などを日韓両国の研究者で行なう」という2点に焦点をあてて研究した。そこで軍事政権下における韓国民主化運動の中心的リーダーの一人である金泳三元大統領、軍事政権下で国会副議長まで務めた張聖萬氏のオーラルヒストリーを実施し、それぞれ記録を公刊した。その内容および収集した文書資料等を韓国側研究者も交えて議論したところ、以下のような点が明らかになった。第一に、金元大統領・別の研究で実施した塚本三郎元民社党委員長(韓国の政党と交流があった)の証言等から、軍事政権下の韓国において、政府側だけでなく民主化運動の中心となった野党政治家も米国や日本との深い関係を背景に活動していたことである。第二に、民主化運動の中心である政党の活動について、これまで具体的な内容はあまり明らかにされてこなかったが、党内の状況、選挙運動の実態などが金元統領、張元副議長等の証言でその一面が表れてきたことである。第三に、大統領制のもとにおける大統領のリーダーシップの在り方や政策決定の一面が明らかにされたことである。以上の点は本研究で明らかにされたことであり、これを基礎に今後の研究に発展させていきたいと考えている。
著者
ルスリ メイファル 古谷 克司
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
年次大会講演論文集 : JSME annual meeting
巻号頁・発行日
vol.2008, no.4, pp.247-248, 2008-08-02

Electrochemical discharge machining (ECDM) is one of nontraditional processes for micro-fabrication of non-conductive materials. In this research, the effect of ultrasonic vibration in ECDM gravity-feed drilling of soda lime glass is investigated. The ultrasonic vibration is applied on a workpiece and affects ECDM in two ways; to change discharge behavior by influencing gas bubbles and gas film formation, and to improve electrolyte circulation. However, the discharge behavior by changing the gas bubbles and the gas film gives more dominant influence on machining result rather than the electrolyte circulation. It is found that the ultrasonic reduces material removal rate, but improves surface integrity of the hole.
著者
古川 匡恵
出版者
昭和大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

オフィスブリーチは現在審美歯科において人気のある漂白法である。しかしながら、オフィスブリーチ法は熟練した術者においても術中に歯肉や口腔粘膜に漂白剤が付着してしまうことがある。その場合、歯肉に一過性の疼痛および白色化が起こるが、数時間後には症状は緩和し、白色化も消失してしまう。この漂白剤の歯肉に対する影響については文献などでは知られていないため本研究では、漂白剤の歯肉に対する為害性をin vitroで検討した。
著者
古川 明徳 曹 銀春 大熊 九州男 眺野 貴裕 渡邊 聡
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.67, no.657, pp.1184-1190, 2001-05-25
被引用文献数
11

Demands for higher performance of axial flow pumps have led pump designers to consider the creative strategies for the new type. As a solution, contra-rotating rotors might be applied to a pump. Comparative experiments were conducted for two types, consisting of contra-rotating rotors and a rotor and a stator respectively, which were designed under the same specifications of pump head, flow rate and rotor specific speed. The measured pump performances and flow distributions are shown and the advantages of using contra-rotating type are clarlfied as follows. Contra-rotating type is superior in pump efficiency and cavitation performance in range of partial flow rates to conventional one though the specified pump head and maximum efficiency were not satisfied at design point in the case of contra-rotating test rotors. Results demonstrate that the rear rotor design is important to improve the pump efficiency.