著者
上間 裕二 古川 正紘 常盤 拓司 杉本 麻樹 稲見 昌彦
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.2_153-2_161, 2011-04-26 (Released:2011-05-26)

猫やチンパンジーなどはコミュニケーション方法の1つとして,毛を逆立てて威嚇行動をとることが知られている.この毛を逆立てるという行動は,動物ならではのコミュニケーションの中でも,人に対してわかり易い表現手法といえる.つまり同手法を工学的に再現することで,毛皮がもつ視覚的な審美性を損なうことなく,毛を逆立てるという機能をもちながらも,身につけたり撫でたりすることが可能な出力インタフェースの実現が期待できる.そこで本稿では,本表現手法をユーザインタフェースへ適用するための技術要素として,簡便な機構で実装可能な毛並み制御手法の提案を目的とする.実験の結果,毛皮に対して振動を印加することで瞬時に毛を逆立てることが可能であることが確認された.また,ユーザスタディにより毛を逆立てることが人に対して驚きを与えたことから,十分な視覚的変化を実現できたことが確認された.以上のことから,本提案手法は動物的な表現手法の工学的な実装として有効であり,動物的な表現を用いた出力インタフェースへと応用可能であることが示された.
著者
古田 好治
出版者
福岡国際大学・福岡女子短期大学
雑誌
福岡女子短大紀要 (ISSN:02860546)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.37-49, 1999-02-10

2次元での線図形の特徴を解析するために, 線図形を長さ一定のベクトルに分解し, フーリエ変換による方法で周波数スペクトルとの対応を調べ, またウェーブレットによる方法でウェーブレット成分との対応を調べた。さらにフーリエ変換による方法, ウェーブレットによる方法を比較し, おのおのの変換方法の特徴を検討した。
著者
関口 博之 八村 広三郎 崔 雄 古川 耕平
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

布の表現モデルとして今日広く用いられている、「バネ=質点モデル」の妥当性を検証するとともに、新しい布表現モデルの検討を行った。サテン、縮緬(ちりめん)、日本舞踊衣装(今回は振袖生地を使用)の3種類の生地について、モータとソレノイドを用いて外力を加えたときの布を動きを、光学モーションキャプチャシステムを用いて取得した。それぞれの生地の実際の動きと、バネ=質点モデルを用いて生成した布の動きを、生地に付けた反射マーカーの座標値をもとに比較した。その結果、縮緬のような薄く、柔らかな生地に対しては質点質量やバネ係数の変更によりバネ=質点モデルでほぼ近似することが可能であることがわかった。一方、我々がターゲットとする、振袖のような厚みのある固い生地に対しては、この種の生地で生じる、部分的な折れ曲がり現象を再現できず、従来のバネ=質点モデルによるシミュレーションには限界があることがわかった。そこで、このような生地に対する新しいモデルの開発に着手した。基本的なアイデアとして、従来モデルのように布全体を質点の集合として表すのではなく、不定型な剛体の集合体として表すことを考えた。これを検証するために、まず、互いにリンクさせた剛体の動作検証プログラムをマリオネットを題材として作成した。次のステップでは、このプログラム上で、布を剛体のリンク構造として表したモデルの動作シミュレーションを行い、その挙動を見ながらモデルの改良をを進めていく。
著者
古崎 昭
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.209-215, 2011-04-10 (Released:2011-04-19)
参考文献数
20
被引用文献数
1 1 1

A brief review is given on the symmetry-based classification of topological insulators and topological superconductors for spatial dimensions 1, 2, and 3. Several representative examples are discussed.
著者
翁長 博 古江 嘉弘 池田 哲朗
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.65, no.533, pp.1-8, 2000
被引用文献数
1

Calculations of STI for several modeled sound fields show that the values of STI for the field consist of direct sound and single reflection, which is higher or lower by a dB than the former, are same, the sound reflections at any delay time raise up the value of STI and even the high level early sound reduces the value of STI under certain condition. The early sound energy might be useful for high speech intelligibility, whereas the concept of STI contradicts with that. There are problems to consider STI to be an adequate measure of speech intelligibility.
著者
菊池 文誠 名古屋 光男
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.240-243, 1988

放射線に関係した実験で従来から半減期の短い核種を授業で用いることはほとんど不可能であった.今回^<42>Ar-^<42>Kジェネレータから抽出した半減期12.5時間の^<42>Kを用いていくつかの実験を試みた.その結果,教育現場で充分利用出来ることがわかったのでジェネレータの概要と実験の具体例および教材としての有用性について紹介する,
著者
古沢 常雄 岩橋 恵子 小野田 正利 夏目 達也 藤井 佐知子 池田 賢市 服部 憲児 小澤 浩明 上原 秀一 園山 大祐 藤井 穂高
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、学習者が学校教育の主流から排除されるメカニズムに注目する。すなわち、早期離学者、進路変更を余儀なくされる生徒たち、高等教育における中退、などに焦点を当てている。こうした学校「内部から排除」するメカニズムに対して制度的にどのように包摂が可能か検討し、具体的な対策として郊外における優先教育の試み、障害児の包摂に向けた取組、学校ガバナンスの方法、高等教育における学業継続支援策や社会経験認定制度の整備、余暇センターの活動など現地調査をもとに考察を行った。
著者
若林 源一郎 山西 弘城 杉浦 紳之 伊藤 哲夫 堀口 哲男 芳原 新也 稲垣 昌代 小島 清 村田 祥之 古川 道郎
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集 2011年秋の大会
巻号頁・発行日
pp.832, 2011 (Released:2011-10-19)

福島県川俣町で環境放射線調査を行なった。学校の校庭や広場においてNaI(Tl)シンチレーションサーベイメータを用いた空間線量率の測定を行って線量の分布を把握した後、地表から約5 mmの表土を除去することにより、空間線量率の低減効果を調べた。学校校庭では半径2 m及び5 m、広場では半径2.4 mの表土を除去した結果、表土を除去した領域の中心で線量率は70~80%に減少した。
著者
伊藤 哲夫 古川 道郎 杉浦 紳之 山西 弘城 堀口 哲男 芳原 新也 若林 源一郎 稲垣 昌代 小島 清 村田 祥之
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集 2011年秋の大会
巻号頁・発行日
pp.831, 2011 (Released:2011-10-19)

福島県川俣町で環境放射線調査を行なった。NaI(Tl)シンチレーションサーベイメータを用いて空間線量率の状況を把握するとともに、空間線量率の成因を分析するために、土壌を深さ毎に採取した。土壌試料について、ガンマスペクトロメトリで放射性物質濃度を定量した。その主な成分はCs-134とCs-137で、ほぼ同濃度であり、全量の90%以上が、地表面から1cmまで深さにあった。表土除去による空間線量率の低減効果についても確認した。
著者
中村 健二 田中 成典 古田 均 吉村 智史 北野 光一
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.49, no.7, pp.2480-2492, 2008-07-15

近年,インターネットを利用した日常的な情報収集活動において,即時性と信頼性に優れたWebニュースは人々の情報源として広く活用されている.しかし,日々時々刻々と増加する膨大な数のWebニュースから特定のトピックだけを抽出することは困難である.そのため,文書間の類似度を利用してトピックを分類する研究や時系列的な特性に基づきトピックを抽出する研究が活発に行われている.しかし,これら既存研究では,文書中に出現する単語群に依存した分類しかできず,また任意の期間に発生するトピックに適切な単語を関連付けできないという課題がある.そこで,本研究では,時系列的な特性に基づいて抽出したバースト語を用いて,バースト語間の関連を考慮した最新のトピックを抽出する手法を提案する.そして,既研究の従来手法と比較実験を行い,本提案手法の有用性を実証する.
著者
戸伏 壽昭 古市 裕司 杉本 義樹
出版者
愛知工業大学
雑誌
総合技術研究所研究報告 (ISSN:13449672)
巻号頁・発行日
no.10, pp.75-83, 2008-10

Tensile deformation properties and pulsating-plane bending, alternating-plane bending and rotating-bending fatigue properties of a superelastic thin tube (SE-tube) and a highelastic thin wire (FHP-wire) of TiNi alloy were investigated experimentally. The main results obtained are as follows. (1) The stress-strain curve of SE-tube in tension draws a large hysteresis loop and elastic modulus is 35GPa. Therefore, SE-tube is superior as a medical catheter tube with flexibility and shape recovery. The stress-strain curve of FHP-wire is close to a straight line up to strain of 4% and stress of 1500MPa and elastic modulus is 50GPa. Therefore, FHP-wire is superior as a medical guide wire with flexibility, high pushability and torque transmission performance. (2) With respect to fatigue properties of NT-tube and FHP-wire, the fatigue life in pulsating-plane bending is longer than those in alternating-plane bending and rotating bending. The difference in the fatigue life between alternating-plane bending and rotating bending is small. The relationship between maximum bending strain and the number of cycles to failure in low-cycle fatigue can be expressed by a power function in every bending fatigue. (3) The maximum bending strain at the fatigue limit of SE-tube is 0.8%-1.0% which is close to a starting strain of stress-induced martensitic transformation. The maximum bending strain at the fatigue limit of FHP-wire is 0.7%-0.8%.
著者
亀田 貴雄 川村 彰 高橋 修平 本山 秀明 古川 晶雄
出版者
北見工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

南極氷床の沿岸域から内陸 1000kmに位置するドームふじ基地までの雪面の起伏状況を雪上車および橇に搭載した3次元加速度計を用いて定量化し,その分布の特徴を明らかにした。ドームふじ基地では雪尺を用いた積雪堆積量観測を継続し, 2008年以,年間積雪堆積量は 1995~2006年と比べると変動が大きくなったことを見いだした。また, 2003年 11月 14日未明にドームふじ基地で起こった皆既日食中の気象観測データの解析を進め,急変する日射量の変動による気温と雪温の変化の状況を明らかにした。
著者
友永 輝比古
出版者
三重大学
雑誌
人文論叢 : 三重大学人文学部文化学科研究紀要 (ISSN:02897253)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.103-111, 2002-03-25

マーロウからすると約300年前の,ブレヒトからすると約600年前の出来事,エドワード2世が即位してから獄死するまでの出来事を,これらの作家は舞台化した。ブレヒトの『イングランドのエドワード2世の生涯』は,マーロウの『エドワード2世』の翻案である。2つの作品の間には,約330年の隔たりがあり,劇形式,言葉の使い方,台詞回し,人物像等の点で大きな違いがある。逆に,その違いから時代の違いが感じられる。マーロウはイギリスのルネッサンス期を生き,ブレヒトはドイツの激動期を生きた。したがって,それぞれの作家の,それぞれ別の時代における世界観,人間観を作品から読み取ることが出来る。ここでは,2つの作品を比較し,主な登場人物の人物像の違いを述べることにする。