著者
武 智広 積木 久明 篠田 一孝 吉田 敏治
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.177-182, 1994-08-25 (Released:2009-02-12)
参考文献数
16
被引用文献数
2 1

発育段階の異なるアズキゾウムシを用いて過冷却点,体重,炭水化物含量,低温下での生存に及ぼす低温順化の影響について調べた。1) 低温順化により幼虫,蛹の低温での生存期間が延長した。幼虫の高齢のものほど顕著であった。2) 幼虫,蛹,成虫の過冷却点はいずれも-20°Cより低かったことから,アズキゾウムシは一時的にかなりの低温に耐えられると考えられる。3) 幼虫,蛹で低温順化開始後グルコース,トレハロースといった糖の蓄積がみられたが,過冷却点はほぼ一定であった。また,低温順化後,0°Cに置かれた幼虫で糖やグリコーゲン含量の減少がみられた。4) 低温順化後,最も長く0°Cで生存したのは15日齢幼虫,次いで7日齢幼虫であった。それら幼虫の生存日数は最長で35日と20日であった。5) 以上の結果から,グリコーゲンや糖の蓄積が多かった老齢幼虫が越冬に適していると考えられる。
著者
森 健太郎 佐々木 裕亮 酒井 淳 赤須 功 山川 功太 北川 亮 吉田 浩貴 沼澤 真一 伊藤 康信 渡邉 貞義
出版者
一般社団法人日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.7, pp.464-469, 2022 (Released:2022-07-25)
参考文献数
14

微小脳血管減圧術を施行したが再発, あるいは未治癒の突発性三叉神経痛でカルバマゼピン非耐性の5症例に対して, 再手術の際に三叉神経知覚枝のnerve combingを施行した. 全例術直後からカルバマゼピン内服なく疼痛発作が完全消失したが, 5例中4例 (80%) に三叉神経第3枝領域を中心とした顔面知覚障害が残存した. 術後1~5年の時点で再発を認めずQOLも良好である. 再発三叉神経痛で責任血管が明らかでなく, かつカルバマゼピン非耐性例に対してはnerve combing法は有効な治療法と思われる. なお, nerve combing法を予定する場合は術前に顔面知覚障害をきたす可能性が高いことを説明すべきである.
著者
吉田 律人
出版者
公益財団法人 史学会
雑誌
史学雑誌 (ISSN:00182478)
巻号頁・発行日
vol.127, no.6, pp.48-64, 2018 (Released:2019-06-20)

本稿では、自衛隊法第83条で定められた災害派遣制度と、衛戍条例第9条で定められた災害出動制度の類似点に着目、軍事力の要請権者や部隊指揮官の権限に留意しつつ、戦前と戦後の法令を分析することで、災害に対する軍事組織の役割を検証した。今日、戦前、戦後ともに災害時の軍事組織の対応について研究の蓄積がなされているものの、第二次大戦の前後を通観した分析はなく、本稿の作業は自衛隊の対内的機能を解明していく上でも意味がある。具体的には、災害時の出動に関する法令を戦前と戦後の組織ごとに整理しながら制度の変遷を追った。 上記の作業から全体像を俯瞰すると、軍事組織としての戦前と戦後の連続性が浮かび上がってくる。戦前、陸海軍ともに地方官からの要請を基本としつつも、師団長や衛戍司令官、鎮守府司令長官や要港部司令官、艦隊司令長官の判断で出動できたほか、連隊長や艦艇長も災害に直面した場合は臨機応変な対応が可能であった。しかし、関東大震災は従来のシステムでは対応できない災害で、それ以後は事前計画の策定や広域的な軍事動員など、災害の教訓を活かした対応をとるようになった。さらに「防空」の問題が浮上すると、陸海軍はそれに応じた枠組みを構築していった。災害対応を定める基本的な法令は変化しなかったが、戦時体制に伴う新たな法令が次々と制定されるなか、災害時の軍隊の存在は「防空」政策の中に組み込まれていった。 戦後、陸海軍が解体するなか、占領軍による災害対応はあったものの、日本独自の災害対処機関は警察や消防に限られた。だが、海上保安庁の新設とともに、海難救助の体制が構築されたほか、朝鮮戦争を契機に誕生した警察予備隊にも災害への対応が求められた。ただし、警察予備隊の姿勢は慎重で、意思決定については総理大臣の判断を必要としたが、災害の現実を前にして、次第に部隊指揮官の判断による対応も可能になっていった。 以上の状況を踏まえると、災害派遣制度の原型は戦前の災害出動制度にあり、戦後の制度は次第に戦前の形に近づいていった。戦前の陸海軍は20世紀前半の災害対応を通じて、防災の一翼を担う機関として社会に定着、その状況は戦後も変わらず、警察や消防で対処できない場合は、最終的な手段として軍事組織が出動することになったのである。
著者
河原 純子 兵藤 透 太田 昌邦 平良 隆保 日台 英雄 石井 大輔 吉田 一成 馬場 志郎
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.44, no.8, pp.695-698, 2011-08-28 (Released:2011-09-28)
参考文献数
13

蛍光眼底造影剤は,眼科領域では網脈絡膜疾患の診断,治療効果の判定に不可欠な検査である.今回,糖尿病性腎症にて血液透析中の44歳女性に対し眼底出血の疑いのため蛍光造影剤(フルオレサイト®静注500mg,以下一般名フルオレセインと記す)を使用した.造影後に透析を行った際,透析液排液ラインに造影剤の蛍光色が視認できたため,独自に作製したカラースケールを用いて廃液ラインの排液色の変化による造影剤除去動態を1週間経過観察した.結果,カラースケール値では,1日目開始時90,1日目終了時50,3日目開始時20,3日目終了時10,5日目開始時0,5日目終了時0であったが,5日目終了時500mL程度排液を集めると,僅かに色を確認することができた.
著者
黒川 雅幸 三島 浩路 吉田 俊和
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.32-39, 2008 (Released:2008-11-14)
参考文献数
28
被引用文献数
1 1

本研究の主な目的は,小学校高学年児童を対象に,異性への寛容性尺度を作成することであった。小学生を対象とするので,できる限り少ない項目数で実施できるように,6項目からなる尺度を作成した。休み時間や昼休みによく一緒に過ごす仲間の人数を性別ごとに回答してもらったところ,同性の仲間が1人以上いて,異性の仲間も1人以上いる児童の方が,同性の仲間が1人以上いて,異性の仲間がいない児童よりも,異性への寛容性尺度得点は有意に高く,妥当性が示された。また,異性への寛容性尺度得点には性差がないことも示された。同性の仲間が1人以上いて,異性の仲間も1人以上いる児童の方が,同性の仲間が1人以上いて,異性の仲間がいない児童よりも,級友適応得点は有意に高く,異性との仲間関係が級友適応に影響する可能性が示された。

1 0 0 0 水の一すち

著者
吉田令世著
出版者
近藤圭造
巻号頁・発行日
1886
著者
高尾 聡 浅居 悦子 小松 優子 桑原 陽子 福田 珠里 山根 主信 多門 大介 吉田 直之 工藤 翔二 上武 智樹 加藤 大輔
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.263-267, 2014-08-31 (Released:2015-11-13)
参考文献数
12

在宅酸素療法(home oxygen therapy: HOT)では携帯用酸素ボンベの使用時間を延長させるために,呼吸同調装置を併用して吸気時に酸素供給を行う同調式が一般的である.しかし,院内で使用される医療用酸素ボンベのような吸気,呼気に関係なく酸素が供給される連続式と比較すると,経皮的酸素飽和度(SpO2)の値が同調式で低くなることを経験する.今回,慢性呼吸器疾患患者20名に対し,携帯用酸素ボンベを使用しての6分間歩行試験(6 minutes walking test: 6MWT)を連続式と同調式で行った.その結果,同一酸素流量においてSpO2の平均値・最頻値・最高値・最低値が同調式で有意に低かった.HOTを処方する際には,呼吸同調装置を取り付けた携帯用酸素ボンベを用いたうえで労作時のSpO2の測定および酸素流量の設定を行うことが望ましい.
著者
李 徳泳 吉田 章子 Duck-Young LEE Akiko YOSHIDA オーストラリア国立大学日本センター オーストラリア国立大学日本センター Japan Centre Faculty of Asian Studies Australian National University Graduate School of Asian Studies Japan Centre Australian National University
雑誌
世界の日本語教育. 日本語教育論集 = Japanese language education around the globe ; Japanese language education around the globe (ISSN:09172920)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.223-237, 2002-06-28

「けど」は日本語の会話においてもっとも頻繁に使われる表現の一つであるが、特に「んだ」と共起して「んだけど」の形で用いられる場合が多い(本研究のデータは「けど節」全体の 58% が「んだ + けど」)。これは、「んだ」と「けど」が組み合わされることによってそれぞれの機能や特性が結合し、会話で頻繁に用いられる何らかの効果を生み出しているのにその理由があると考えられるのである。本研究の目的は、会話における「けど」の役割や「んだ」 の特性を調べ、これらの結合のメカニズムを明らかにすることである。 分析の結果をまとめると、まず、発話に「けど節」が主節(本稿では「関連要素」)と一緒に現れた場合に、「けど節」は「前置き」または「補足」としての役割を果たすが、ここで「んだ + けど」の組み合わせは、聞き手の注意を喚起する働きを持つ。また主節は現れず「けど節」が単独で使われた場合には、「んだ + けど」は、一方では話し手の気持ちを一通り表し、他方ではそれがあまり強く直線的にならないように抑える二重的な働きを持つ。この二重的な働きにより話し手は自分の気持ち感情を過不足なく表すことができ、また聞き手の注意を喚起する働きにしても、主節における主メッセージを相手に理解してもらう上で重要である。このようにして「んだけど」の表現は、円滑なコミュニケーションを行なう上で重要なストラテジーとして好まれるのだと考えられる。
著者
吉田 麻美 三木 明子
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
pp.17-019-B, (Released:2018-02-01)
被引用文献数
5 4

目的:プレゼンティーズムには,仕事のストレッサーに加えて,ワーカホリズムの働き方やうっかり者などと形容される失敗傾向が関連すると考える.また,加齢変化に伴う健康上の問題の増加により,中高年看護師のプレゼンティーズム対策は若年看護師と異なる可能性がある.以上より本研究では,若年看護師と中高年看護師それぞれにおけるプレゼンティーズムに関連する要因を明らかにすることを目的とした.対象と方法:10病院に勤務する全看護師2,006名に無記名自記式質問紙調査を実施し,40歳未満の若年看護師761名,40歳以上の中高年看護師536名を対象とした.プレゼンティーズムは日本語版Stanford Presenteeism Scaleの労働障害指数を,関連要因は仕事のストレッサー,ワーカホリズム,失敗傾向を測定した.労働障害指数を従属変数,関連要因を独立変数とする重回帰分析を行った.結果:健康上の問題がある若年は70.8%,中高年は82.5%であり,労働障害指数は若年の方が中高年と比べて有意に高かった (p < 0.001) .また,若年は,「仕事の困難さ (β = 0.28, p < 0.001)」のストレッサーの高さやワーカホリズムの下位尺度である「働き過ぎ (β = 0.18, p < 0.001)」の傾向,「アクションスリップ (β = 0.14, p < 0.01)」および「認知の狭窄 (β = 0.11, p < 0.05)」の失敗傾向と有意な関連をみとめた.一方,中高年は,「認知の狭窄 (β = 0.29, p < 0.001)」の失敗傾向や「働き過ぎ (β = 0.17, p < 0.001)」の傾向,「仕事の困難さ (β = 0.12, p < 0.05)」および「連絡・コミュニケーション不足 (β = 0.13, p < 0.01)」のストレッサーの高さと有意な関連をみとめた.考察:中高年看護師は健康上の問題は増加するが,労働能力が低下するとは限らないことが明らかとなった.また,中高年看護師は若年看護師に比べて,仕事のストレッサーよりも失敗傾向の高さがプレゼンティーズムに関連していた.注意の狭小化により適切な行動がとれない経験は,自身の労働能力低下を自覚しやすいものと考えられる.このような失敗傾向のある者については特に配慮を必要とするとともに,疲労や緊張状態などは注意の狭小化を起こしやすくすることから,これらリスクの低減やミスの起こりにくい作業環境の調整の必要性が求められる.
著者
福嶋 忠昭 北村 利夫 村山 秀樹 吉田 敏幸
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.685-694, 1991 (Released:2008-05-15)
参考文献数
19
被引用文献数
10 12

渋ガキ'平核無'を用い, エタノールによる脱渋機作を種々の観点から検討した. 結果は以下のとおりである.1. デシケータ内に果実を入れ, ふたをずらして開口部を設けて35%エタノールまたは5%アセトアルデヒド処理を施したところ, 両処理区とも果実内のアセトアルデヒド含量は4日目まで同じような値を示したにもかかわらず, エタノール処理の方がアセトアルデヒド処理より早く脱渋した。2. 乾熱果または煮沸果を種々の濃度のアセトアルデヒド溶液に2日間さらし, 果肉内のアセトアルデヒド含量と脱渋量の関係式を求めた. これをエタノール処理中の果実に適用すると, アセトアルデヒドの非酵素的作用だけで脱渋するには, 果実内に存在するアセトアルデヒドの量が著しく少なかった.3. エタノール処理の果肉組織の浸透圧と水不溶性物質の保水能は増加する傾向があった. その程度は脱渋速度が大きい処理2~4日で著しかった.4. 煮沸果を90°C下で乾燥すると, 目減りが増加するとともに浸透圧が増加し, 可溶性タンニン含量が減少し, 12時間後にはアセトアルデヒドの発生が認められなくても完全に脱渋した.5. エセホンやIAAを組織切片に与えても脱渋が認められ, IAAをへたに浸潰し放置して置くと果実は完全に脱渋した.以上の実験を踏まえて考察した結果, エタノールによる脱渋は, 処理によって生ずるアセトアルデヒドの非酵素的作用による水溶性タンニンの不溶化によるのみならず, エタノールによって誘導される細胞壁多糖類の分解がタンニン細胞周辺組織の浸透圧の上昇を招き, その結果タンニン細胞中の水が脱水され, 接近したタンニン分子が水素結合や疎水結合により巨大分子となって脱渋するものも相当あると推察された.
著者
吉田 美穗子
出版者
梅花女子大学文化表現学部
雑誌
梅花女子大学文化表現学部紀要 = Baika Women's University Faculty of Cultural and Expression Studies Bulletin (ISSN:24320420)
巻号頁・発行日
no.17, pp.112-122, 2021-03-20

図形を回転するとその軌跡は円となるが、等しい倍率で拡大もしくは縮小しながら回転するとその軌跡は螺旋となる。正方形の黄金比を用いた回転を基本として様々な分数の正多角形の外心を中心としてその外角の角度分を、黄金比率の割合で拡大しながら回転させてその軌跡の円弧を繋げていった結果、黄金角である約137.5°に近い外角を持ち、分母・分子が1つ飛びのフィボナッチ数で現わされる正8/3角形、正13/5角形が最もバランスの良い効果的な現れ方をすることをこれまでに確かめた。また、その時の対数螺旋はr = e0.20051θ の式で表され、螺旋の接線と中心からの線とがなす角度は約78.7°であった。本稿ではr = e0.20051θ の式で表される対数螺旋を例に、部分的に、あるいは全体の構図として設計されたであろう作品を挙げ、制作者が絵画を見る者に自分の意図を確実に伝えるために仕組んだ表現手法の一つであることを実証しようとするものである。対数螺旋の効果を予測した、建築・インテリアでのデザインへの応用・転用が望まれる。
著者
吉田 高子
出版者
近畿大学理工学部
雑誌
近畿大学理工学部研究報告 = Journal of the Faculty of Science and Engineering, Kinki University (ISSN:03864928)
巻号頁・発行日
no.40, pp.55-61, 2004-09-01

The Hamadera Residential Suburb was developed in 1918. The Planning and the process was clarified from archives, some old photograph and drawings of 52 residences. The block pattern was diverse in each site area and form. The layout of each villa like residence was grouped into two patterns. The one is in the center of the cite, and the other is in the one side, faced the street. The external wall and window of the kitchen faced and opened on the street. The Dozo (mud wall store house) was in the one side or one corner in the cite.
著者
中沢 正隆 葛西 恵介 吉田 真人 廣岡 俊彦
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.J105-C, no.11, pp.315-328, 2022-11-01

本論文では次世代RAN (Radio Access Network)の実現に向けて我々が提案してきているフルコヒーレントアクセスシステムについて述べる.最初に2010年代の4Gから2020年代の5G更に2030年代の6Gに向けての大きな変革としてD-RAN (Distributed RAN)からC-RAN (Centralized RAN)への進化について述べた後,それとともに今まで開発されてきた各種モバイルフロントホール(MFH: Mobile Fronthaul)について説明する.その中で将来に向けてのフルコヒーレント伝送の重要性を浮かび上がらせ,我々が実験を行ってきている無線・光融合型フルコヒーレント伝送方式について述べている.この方式は光信号と無線信号をIF (Intermediate Frequency)が異なる一つの電磁波伝送として捉えるものであり,構成が簡単でありかつ高性能を実現できる興味深い手法である.光と無線を一体として捉えることにより,光伝送部分で発生する誤りを無線のFEC (Forward Error Correction)で補正できるなど今まで考えられなかった特徴がある.更に,その実現のために重要な技術として,注入同期による信号光とLO (Local Oscillator)光との高精度位相同期技術について詳細に述べる.この高精度な位相同期はLD (Laser Diode)が1台という簡単な構成で実現できるため,256 QAMのような高い多値度の光伝送にも応用可能であることを示した.最後に,フルコヒーレントアクセスシステムの高度化のために重要な光・電子デバイス更にはその集積化技術について述べている.
著者
吉田 夏也
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.52-58, 2008-12-30 (Released:2017-08-31)

This paper presents the results of experiments to reveal the acoustic cue of the perception of devoiced vowels. The frequency spectrum of mora /pI/ and /pU/ has peaks at 3200Hz and 1500Hz respectively. I removed these peaks using the band-pass filter to create stimuli. In the perception test using these stimuli, the rate of correct response is extremely low. This suggests that participants of this test couldn't use the acoustic information mentioned above. These acoustic features of/pI/ and /pU/ are similar to those of/p/ before voiced vowels. This result suggests that the coarticulation between /p/ and the following vowel may act as the acoustic cue of devoiced vowels.