著者
吉田 佳督 吉田 康子 元吉 忠寛 齋藤 充生 齋藤 明子 早瀬 隆司
出版者
日本衛生学会
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.126-137, 2013 (Released:2013-05-29)
参考文献数
11
被引用文献数
3 6

Objectives: The purpose of this study was to clarify the gaps in the recognition of medical terms mainly related to medicines between laypeople and medical practitioners in order to contribute to improving risk communication in the medical care field. Method: A total of 315 laypeople and 211 doctors were surveyed. To examine the gaps between them, we adopted 57 medical terms from the National Institute for Japanese Language and further added 33 medical terms. In total, 90 medical terms were used. Results: For the medical terms group into the “Expressed in other words of vernacular speech”, the recognition by the laypeople was low and that estimated by the practitioners was high. For the newly added medical terms groups into the clinical-trial-related terms and medical terms related to side effects, the recognition by the laypeople was lower than that estimated by the practitioners. Moreover, the recognition values for above two groups were smaller than the other groups. Conclusions: The gaps between the basic recognition of the medical terms by laypeople and that estimated by the practitioners suggest that the possibility that patients cannot recognize much more difficult terms should be considered.
著者
吉田 美幸 楢木野 裕美 鈴木 敦子
出版者
福井医療短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究は、検査・処置を受ける幼児後期の子どもの調整能力発揮への支援プログラムを開発し、その効果を明らかにすることを目的とした。文献検討および、医療処置のなかでも点滴・採血を受ける幼児後期の子どもの自己調整機能とその発揮に向けた関わりに対する看護師への面接調査結果を基にプログラムを作成した。プログラム研修を看護師に実施し、研修前後の看護師のケア実践について調査した。その結果、研修後の看護師は、幼児後期の子どもの自己調整機能の発揮に向けた意図的な観察や実践をし、子どもと共にケアを探求する姿勢へと変化していく一方、多忙な中でのプログラム活用方法への検討の必要性が示唆された。
著者
古賀 義之 吉田 教明 三牧 尚史 小林 和英
出版者
日本矯正歯科学会
雑誌
Orthodontic waves : journal of the Japanese Orthodontic Society : 日本矯正歯科学会雑誌 (ISSN:13440241)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.318-324, 1999
被引用文献数
4

ワイヤー装着時に歯に作用する複雑な力系に関し, 臨床的な測定法の確立が望まれる.本研究では, 2つのブラケットとその間のワイヤーのような, 線材の両端の回転が, 二次元上で拘束されるような力系について解析した.その力系の理論的な算出には, 線材の曲げ剛性と曲げモーメントの比で表されるオイラーの微分方程式を解くことにより行った.また, 得られた理論式より, 線材両端の回転が拘束される複雑な力系と, 一端だけが拘束される単純な力系を比較することにより, 臨床上有効な矯正力の計測について検討した.その結果, 以下の結論が得られた.1. ブラケット等に加わるモーメントおよび力は, 線材が直線の場合, ブラケットの傾斜角の関数として表すことができる.モーメントに対するブラケットの傾斜角の影響は, 同側の傾斜角が反対側より2倍大きく, 力に対する傾斜角の影響は両側で等しい.2. 傾斜したブラケット等に直線のワイヤーを挿入した時の変形は, ワイヤーのサイズ, 断面形態, 材質によらず同じ形となり, その変形は三次曲線で表すことができる.3. ブラケットにワイヤーを挿入するような場合, 片側のみのブラケットが傾斜している条件では, ワイヤーの性状に関わらず臨床的に力系計測が可能で, 傾斜していない側のアタッチメントがブラケットの場合とリンガルボタンの場合では, 前者の垂直力が2倍大きくなる.
著者
中川 雄太 吉田 香
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.3, pp.1-8, 2010-01-15

DTP を行うにはフォントの選択が非常に重要であるが,PC に予め用意されているフォントの種類は限られている.本研究では,ユーザの主観的評価を随時計算に取り込み最適化を行う対話型進化計算手法を用いて,ユーザの感性に応じたフォントを生成するシステムの構築を行う.その際,欧文書体のエレメントごとにフォントを変異させることにより,デザインの統一性を保ちながら新しいフォントを生成する手法を提案する.一方,IEC は計算結果が初期集団に大きく依存することや,ユーザの評価による負担,解が収束しないといった問題がある.そこで,本研究ではこれらを解決するための初期集団の生成方法や,設計変数の指定方法を提案する.最後に,提案システムを実装し,動作確認を行った.Font Generating System "PALETTE" is designed to emerge various fonts based on user's Kansei without hand drawing. It enables to generate a new font by selecting user's favorite fonts from displayed candidates, save font information based on user's selection, and reuse saved font to the next font creation. To design PALETTE we focused on Interactive Evolutionary Computation (IEC) technique to take user's subjective desire on font shape into the system. IEC is well known as a method to use user's evaluation interactively. PALETTE has the following modules; (i) create font candidate using basic font shape, for example "century", or saved font information, (ii) generate new fonts using genetic algorithm which can modify each element of the selected fonts, and (iii) export letter with the selected font and save font information. Furthermore we implemented the tool to export font information represented by XML format, because font information should be defined at first. In this paper, we explain about PALETTE in detail and show the experimental results. PALETTE provides not only generating new font but each user's subjective desire on font shape.
著者
吉田 久 宮川 三郎 前野 真司
出版者
農業技術協會
雑誌
農業技術 (ISSN:03888479)
巻号頁・発行日
vol.45, no.7, pp.p325-327, 1990-07
被引用文献数
2
著者
畑 淳 小山 裕貴 吉田 孝博 増井 典明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.366, pp.83-88, 2011-01-13

本研究では,人の知覚する微小な音質や音像の変化を表現できる測定および解析技術の開発を目標に,時間領域における音響信号測定波形の振幅,傾きに対する比較対象波形の振幅変化量を求める解析法を提案し,検討を行った.その結果,機器の時間経過による波形変化を検出した.また,3次元プロットにおける軌道の位置や形状の変化により,波形の特定の傾きと振幅におけるラインケーブル間の波形変化が可視化できた.また,機器に供給する電源に3次高調波を付加した場合,僅かではあるが局所的な波形変化が確認できた.
著者
関口 和雄 後藤 順久 吉田 直美 生江 明 新谷 司 高橋 紘一 小椋 喜一郎 李 忻 土屋 昌
出版者
日本福祉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

「介護・福祉の経営学」の構築を目指し、サービスを提供する事業者の経営とマネジメントについて4つの焦点に絞って研究を行った。1つに、制度・政策と地域への環境対応における不確実性と不安定が揺らぎもたらし、経営の基盤の確立と自立が求められている。2つに、質の高いサービスの提供については、介護職をはじめ人材の育成と職場づくりが鍵になっている。3つに、介護・福祉人材の確保では、何よりも高い離転職に対応し定着をはかるため、職場における精神的サポートや学習支援、仕事の達成感や承認、キャリアビジョンの展望が大きく影響していた。4つに、財務・会計面について、会計ルールの確立、行政・監事・外部監査の整備といった基本的な問題が山積していた。
著者
吉田 正尚
出版者
福島県ハイテクプラザ
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

ポリエチレン(PE)等のポリオレフィン(PO)類は一般に表面不活性であり表面修飾が非常に困難な材料である。しかしシラン系結合剤(3-ルメタクリロキシプロピルトリエトキシシラン)と微粒子を含んだ攪拌液相中にPO基材を浸漬し表面に微粒子を固定していく独自の手法であれば表面修飾が可能である。今回は何故表面修飾が可能なのか更に考察した。1.PO基材に表面修飾出来るシラン系結合剤の化学的条件を調べた。即ちシラン系結合剤分子の末端結合基を(a)メタクリロキシ基(b)エポキシ基(c)アミノ基(d)イソシアネート基の4種類のシラン系結合剤1%水溶液中にタングステン(W)微粒子及びPE平板を同時に投入し時間毎に基材表面に固定されるW量を定量した。その結果W量は結合剤(a)を用いた時が最多であり他3種の結合剤は殆ど固定されなかった。故に結合剤の結合基はPO基材の表面修飾に大きな影響を与えることがわかった。2.表面修飾可能なPO基材の物理的条件を調べた。即ち走査型プローブ顕微鏡によりPO基材の表面状態を評価した。可能なPE基材(高結晶且つ顔料無)の表面には板状結晶やラメラ晶などの高分子の整列部分が多数存在した。一方困難なPE基材(低結晶又は顔料有)にはそれらは見られなかった。3.溶媒極性を変化させ本現象の駆動力について検討した。即ち溶媒を水、メタノール、エタノール、n-プロパノール、n-ブタノールの順に極性低下させた時の各溶媒のW量は水が最多であった。また微粒子を投入せず結合剤のみ投入した場合の(a)〜(d)の各結合剤自体の固定量は結合基が非極性基である結合剤(a)が最多であった。このことは結合剤(a)は水分子間の水素結合ネットワークに入れず微粒子を伴いつつ水からはじかれる形で同じ非極性のPE基材表面に集まる現象即ち疎水性相互作用により微粒子固定されるものと推察された。
著者
浅賀 英人 吉田 博一 馬場 廣太郎
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.357-363, 2002
被引用文献数
2

スギ花粉飛散期におけるエバスチンの効果および発現時期,持続性の検討を行うために,2000年3月5日,周囲を多くのスギ林に囲まれた宇都宮市森林公園にて野外比較試験(single blind)を実施した.試験当日は快晴に恵まれたこともあり,公園内の測定で235個/cm^2と大量のスギ花粉が飛散した.特に投薬を行った10時からの2時間は1時間に50個/cm^2を越える大量のスギ花粉が飛散し,この期間におけるプラセポ内服群の鼻症状は急激に悪化した.エバスチン内服群においてはこのスギ花粉大量曝露下の内服後2時間目からすでに症状改善傾向を認めた.またその効果は,24時間後の翌朝10時まで持続して認められた.エバスチンは,スギ花粉飛散期の大量曝露下における症状を即効性をもって抑制し,その効果は1日1回の内服により24時間得られるものと考えられた.また野外比較試験は,スギ花粉飛散期に行うことにより患者の症状を自然経過のまま観察,評価することが可能であり,抗アレルギー薬を含むさまざまな花粉症治療の臨床効果判定に有用であることが示唆された.
著者
小川 侃 佐藤 義之 冨田 恭彦 岩城 見一 斎藤 渉 金田 晋 吉田 和男 有福 孝岳 高橋 憲雄
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

平成12年から15年に継続された本科学研究費補助金によるプロジェクトは京都大学の研究者と京都大学以外の大学の研究者との共同作業に基づいて多くの成功した成果をあげることができた.なかでも海外からのおおくの著明な現象学的な研究者との国際的な協力と共同作業を行いえた.シュミッツ,ゲルノット・ベーメなどのようなドイツからの新しい現象学者,ヘルト,ベルネット,クリスティン,ケルックホーフェン,ダストウールがヨーロッパから共同研究に参加した.アメリカからの参加者はウエルトン,ガシェー,プルチョウなど.毎年数度の研究会を開催し,小川他が海外で共同研究を展開して成果の発表をおこなった.これらの研究プロジェクトの結果,集合心性は基本的に雰囲気と地方的もしくは地球全体の気候,天候,風土などに埋床しており,このことは,地水火風などという四つのエレメントを風土や雰囲気とくに風との連関で研究するべき新たなプロジェクトを立ち上げる必要性を示した.
著者
漆畑 文哉 吉田 淳
出版者
日本理科教育学会
雑誌
日本理科教育学会東海支部大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
no.57, 2011-11-26

本研究は中学校理科「電流」における生徒のつまずきをコメントから分析し,授業改善に役立てることを目的としている。分析の結果,電流に対して生徒の水流モデルのイメージが十分に保持されず,類推への活用が困難であることがつまずきの原因として考えられる。
著者
岩森 光 横山 哲也 中村 仁美 石塚 治 吉田 晶樹 羽生 毅 Tatiana Churikova Boris Gordeychik Asobo Asaah Festus T. Aka 清水 健二 西澤 達治 小澤 恭弘
出版者
国立研究開発法人海洋研究開発機構
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2014-04-01

全地球に分布する主に第四紀に噴火した玄武岩の組成に基づき、地球内部の不均質構造を調べた。これは人体の血液検査に例えることができる。特に、最近提案された「マントルの東西半球構造」に注目し、(1)半球構造の境界付近の詳細研究、(2)地球全体のデータに関する独立成分分析、(3)水を含むマントル対流シミュレーションを行った。その結果、東半球はより親水成分に富み、かつマントル浅部から内核にいたるまで、超大陸の分布に支配される「Top-down hemispherical dynamics」を介して長波長の大構造を有することが示唆された。
著者
永広 昌之 遅澤 壮一 吉田 武義 蟹澤 聰史 越谷 信 川村 寿郎
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

日本列島における異地性地塊の起源を明らかにするために,南部北上古陸を中心にしつつ,東北日本や西南日本の付加体をも含めた地体について,テクトニクス・古生物地理・化成活動などの観点から検討した.南部北上古陸では,オルドビス紀末期〜シルル紀初期に,氷山花崗岩類や正法寺閃緑岩などに代表される,沈み込みに関連する深成火成活動が広範囲にわたってあった.南部北上古陸と西南日本の黒瀬川古陸は,前期古生代以来,同一のテクトニックセッティングの,近接した(同一の?)大陸縁辺域をなしていたと考えられる.南部北上古陸や黒瀬川古陸は,前期石灰紀には古テチスと古太平洋の連結海域にあり,ぺルム紀〜三畳紀には南部北上古陸は華南に近接した低緯度地帯にあったことが,それぞれサンゴおよびアンモノイドの古生物地理データから推定された.飛騨外縁帯の古生物地理や構造発達史は南部北上古陸のそれと大きく異なり,両者は異なった位置やテクトニックセッティングにあった.付加体に伴われる緑色岩類の産状や起源について,変質の影響を見積もった上で,主元素・微量元素組成にもとづき検討した.四万十帯のin situ玄武岩類は,海溝-海溝-海嶺三重点近傍での,海嶺沈み込みにともなう火成活動の産物と考えられる.海嶺が沈み込むと島弧火成活動が中断することに注目すると,in situ玄武岩の活動年代から三重点の移動経路と移動測度が決定できる.このことから,北上・阿武隈帯の白亜紀火成岩類は,115Ma以前に現在の北九州付近で形成されたと推定された.また,北上山地における白亜紀前期の大島造山運動はこの三重点通過にともなう島弧の大規模上昇を示唆している.