著者
杉本 直樹 多田 敦子 末松 孝子 有福 和紀 齋藤 剛 井原 俊英 吉田 雄一 久保田 領志 田原 麻衣子 清水 久美子 伊藤 澄夫 山崎 壮 河村 葉子 西村 哲治
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.19-27, 2010
被引用文献数
8 21

天然着色剤として広く用いられているコチニール色素の主成分であるカルミン酸の絶対定量に定量NMR(qNMR)を応用した.各社より試薬カルミン酸が販売されているが,その純度が正確に値付けられていないため,この市販試薬を定量用標準品の代用品としてHPLCにより定量した場合,信頼性の高い分析値は得られない.そこで,我々は国際単位系(SI)にトレーサブルな絶対定量法の1つとして,NMRスペクトル上に観察されるシグナル強度がその核のモル量に正比例することを原理としたqNMRを開発している.qNMRによるカルミン酸の絶対定量を以下のように行った.認証標準物質フタル酸水素カリウムを用い,qNMR標準液中の基準物質2-ジメチル-2-シラペンタン-5-スルフォン酸-<i>d</i><sub>6</sub>ナトリウム塩(DSS-<i>d</i><sub>6</sub>)の濃度校正し,カルミン酸のフェニルプロトンとDSS-<i>d</i><sub>6</sub>のメチル基に由来する9つのプロトンとのシグナル強度比より,コチニール色素製品および試薬製品中のカルミン酸の含量(純度)をカルミン酸カリウム塩3水和物として絶対定量した.その結果,コチニール色素製品および市販試薬中に4.6~30.5%および25.3~92.9%含有されていることを明らかとした.qNMRによる絶対定量は,1測定当たりの所要時間が約10分と極めて迅速であり,測定対象の化合物と同一の定量用標準品を必要としないだけでなく,SIにトレーサブルな分析値を導く点が優れている.また,qNMRは,あらゆる有機化合物の絶対定量にも応用可能であり,分析値の信頼性向上のための重要な1つのツールとしてなりうるものと思われる.
著者
吉田 誠 渡部 美千恵 田中 美枝子 戸津 敏
出版者
山形大学地域教育文化学部附属教職研究総合センター
雑誌
山形大学教職・教育実践研究 = Bulletin of Teacher Training Research Center, Yamagata University (ISSN:18819176)
巻号頁・発行日
no.9, pp.41-50, 2014-03

本研究は心情主義的な道徳教育の課題を克服するために,生態学的な視点から環境や状況と人間の道徳的行動を相互関係で捉える生態学的道徳教育学に基づく道徳授業を開発することを目的とする。本稿ではその第一段階として実話に基づく自作資料を生態学的に分析し,多様な予期的意識を子どもたちに持たせることをねらいとする学習指導案を作成した上で,実践,検証を行った結果,ある程度ねらいを達成できたことを明らかにした。 キーワード:生態学的道徳教育学 / 予期的意識 / 自作資料
著者
吉田 隆志 波多野 力 伊東 秀之
出版者
社団法人 有機合成化学協会
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.500-507, 2004-05-01 (Released:2009-11-13)
参考文献数
24
被引用文献数
5 14

Large-size secondary metabolites with dimeric-oligomeric and/or dendrine-type structure from higher plants are regarded as natural nanomolecules which are constructed in a bottom-up pathway from small molecules under biological condition. Among them are polyphenols classified as tannins which have large molecular weights ranging from 500 to 4000, and strong affinity to proteins, alkaloids and heavy metals to form complex molecules (precipitates). They constitute two major groups : one is condensed tannins (proantocyanidins), which are composed of flavan-3-ol units linked through C-C bond, and the other is hydrolyzable tannins, which are principally multiple esters of D-glucose with gallic acid and its oxidative metabolites. This paper reviews the diverse structural characteristics of both tannins, especially ellagitannin oligomers up to pentamers, and examples of their biological activities. Formation of insoluble and soluble complex between tannins and proteins are also described.
著者
吉田 育弘 山本 洋一
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.24, no.54, pp.25-29, 2000-09-22

人間の視覚系の順応特性を考慮した、反射型液晶のカラーマネージメントについて検討した。反射型液晶は環境光を光源として用いるから、環境光が変化すると反射型液晶に表示される色彩の測色値も変化する。しかしながら、この測色値が等しくなるように補正したとしても、人間の視覚系の順応特性のために同じ色には見えない。そのため、環境光の変化に依存せず、反射型液晶から一定の色の見栄が得られるようにするためには、この視覚系の順応特性をモデリングしてディスプレイシステムに組み込む必要がある。この論文では、環境光の変化に応じた反射型液晶の色の見栄の変化を調べた主観評価結果と、フォン・クリースの色順応モデルを用いたカラーマネージメントモデルを、どのようにしてディスプレイシステムに組み込むかに付いて述べる。
著者
堀井 洋 林 正治 堀井 美里 沢田 史子 吉田 武稔
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.16, pp.1-7, 2009-07-18

地域歴史観光分野において歴史資料を題材とした商品の企画を行う際には,「その歴史資料がどのような観光的特徴を,どの程度含んでいるのか?」を具体的に企画者が把握することが必要である.しかし,歴史資料の記述内容を歴史学専門家以外が正確かつ客観的に把握・評価することは,歴史学的な知識や経験などの問題から非常に困難であり,この「歴史資料の難解さ」が歴史資料の活用促進を阻害する一要因となっていた.そこで本論文では,歴史資料に含まれている観光的特徴・要素の客観的な評価について論じる.観光的特徴評価に際しては,現代の観光事情を反映した観光分類を定義して歴史資料中に出現する単語の定義分類を行い,それらがどのように歴史資料中に含まれているか明らかにする.Recently, some history tourism products are proposed and developed in Japan. In development process of history tourism, understanding of historical records by developers themselves in local region is important. In this paper, we proposed an analysis method of historical and touristic characteristics for history tourism.
著者
岡田 昌也 山田 暁通 吉田 瑞紀 垂水 浩幸 粥川 隆信 守屋 和幸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.229-243, 2004-01-15
被引用文献数
20

DigitalEE II(Digitally Enhanced Experience)システムは,環境学習研究の未解決重要課題``現実経験と仮想経験の実時間融合に基づく環境学習''を実現する.本システムで,自然環境の実参加者と遠隔地の仮想参加者は,音声・映像情報を介し実時間で環境学習活動を共有できる.空間的分散状況下の両参加者の存在は,モバイルサイバースペースIIという協調活動の``場''にアバタとして投影される.両参加者の位置情報はこの``場''を介して共有され,現実世界と仮想世界における同一時空間の仮想的共有に基づく相互作用が実現される.DigitalEE IIの評価実験は,現実世界と仮想世界における情報格差が両参加者からその格差補完への欲求を引き出し,両者の相互作用を促進したことを示した.また,本実験は,両参加者の環境への関心・気付きなどを向上させた.これらは仮想世界表現に媒介された協調活動の新たな可能性と,DigitalEE IIによる環境学習効果を示す結果である.The DigitalEE II (Digitally Enhanced Experience) system realizes an important unsolved issue in research on environmental learning, which is ``environmental learning based on realtime mixture of real and virtual experiences''. The system enables real participants in nature and virtual participants at remote locations to share environmental learning activities in real time via voice and visual information. Avatars in mobile cyberspace II, an online space for collaboration, express existence of the distributed participants. Both participants share their positional information via the space, and make interaction while sharing the same time and space between real and virtual worlds. Verification experiments on DigitalEE II showed that information gaps between the two worlds drew out both participants' motivation for complementing the gaps, and encouraged their interaction. The experiments raised participants' environmental interests and awareness, etc. These results showed learning effects of DigitalEE II as well as new possibilities of the collaboration mediated by virtual-world expressions.
著者
齋藤 一 荒木 正純 吉原 ゆかり イアン カラザース 加藤 行夫 浜名 恵美 清水 知子 南 隆太 日比 嘉高 土屋 忍 佐野 正人 鶴田 学 高森 暁子 中根 隆行 波潟 剛 南 富鎭 齋藤 一 大熊 榮 荒木 正純 吉田 直希
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

国内外の英語文学研究者(日本、韓国、中国、台湾、マレーシア、インド、トルコ、フィリピン、シンガポール)と日本文学研究者が、研究課題について、英語論集(2007年、マレーシア)と日本語論集(2008年、日本)を出版し、国際会議(2008年、台湾)を行うことで、共同作業による英語文学研究を推進する知的基盤を確立することができた。
著者
坂本 文徳 大貫 敏彦 香西 直文 山崎 信哉 吉田 善行 難波 謙二
出版者
Atomic Energy Society of Japan
雑誌
日本原子力学会和文論文誌 (ISSN:13472879)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.257-266, 2013
被引用文献数
5

The local area distribution and relocation of radioactive cesium deposited in trees after the 2011 tsunami-related accident at the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant (FDNPP) have been studied by measuring the spatial distribution of cesium on/in trees by autoradiography analysis. Samples of trees were collected from places located between 4 and 55 km from FDNPP approximately 2, 8, 20, and 22 months after the accident. The autoradiography analyses of <i>Cryptomeria japonica</i>, <i>Torreya nucifera</i>, and <i>Thujopsis dolabrata</i> var. <i>hondae</i> samples collected approximately 2 and 8 months after the accident showed that radioactive Cs was mainly distributed as spots on the branches and leaves of the trees emerged before the accident, and was detected in negligible amounts in new branch and leaves that emerged after the accident. On the contrary, radioactive Cs was detected at the outermost tip of the branches in the trees collected 20 months after the accident. <i>Morus alba</i> samples collected 22 months after the accident contained radioactive Cs inside and outside their stems, even though no radioactive Cs was detected in their roots, strongly suggesting that a certain amount of radioactive Cs was translocated from the outside to the inside of stems. These results indicate that the distribution of radioactive Cs deposited on/in the trees gradually changes with time (scale: year).<br>
著者
吉田 甫 川那部 隆司
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、自閉症を引き起こす主な原因と見なされている前頭葉機能への賦活をおこない、こうした訓練が認知機能などへの効果を及ぼすかどうかを検討した。11年度は、前頭葉を賦活するための課題である音読と易しい計算の教材を主に作成した。12年度は、小学2年と3年の自閉症男児を対照として、1セッション10分の訓練で、1週間に4~5回、1年間にわたって継続した。その結果、訓練群では、FABで1年後に明らかな上昇が観察された。13年度は、自閉症児において他者の感情の理解が訓練によって改善されるかどうかを中学生5人を対象にして検討した。顔表情認知課題では、4人で事前から事後にかけての能力に上昇が認められた。
著者
吉田 右子
出版者
大修館書店
雑誌
言語 (ISSN:02871696)
巻号頁・発行日
vol.37, no.9, pp.46-53, 2008-09

アメリカでは、コミュニティの活性化に図書館が不可欠であり、それが民主主義を保障するという認識が広く共有されている。そうした期待を受けて、司書たちがいかに専門的スキル-ライブラリアンシップ-を発揮してきたのか、その実践に学ぶ。
著者
吉田 右子 中村 百合子
出版者
同志社大学図書館司書課程
雑誌
同志社大学図書館学年報 (ISSN:09168850)
巻号頁・発行日
no.36, pp.73-121, 2010

特別インタビュー聞き手:中村百合子<修正箇所> p.121 9行目 (修正前)「1960年代から1970年代の子ども文庫研究の再検討」Vol.50, No.3, 2004.9, p.103-111. → (修正後)「1960年代から1970年代の子ども文庫研究の再検討」『日本図書館情報学会誌』Vol.50, No.3, 2004.9, p.103-111.
著者
大村 幸弘 松村 公仁 大村 正子 山下 守 吉田 大輔 中井 泉 赤沼 英男 増淵 麻里耶 大森 貴之 熊谷 和博
出版者
公益財団法人 中近東文化センター
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2010-04-01

当該研究の主目的「文化編年の構築」は、IV~VIII区で中間期のIVa層、前期青銅器時代のIVb層を中心に行なった。特にIVa層は、出土した炭化物の分析から2135calBC-1958calBC、2063calBC-1948calBCということが判明した。2014年はIVa層直下の火災を受けた建築遺構の発掘を行なったが、出土する土器には轆轤製がほとんど認められず手捏ねの粗製土器が中心であることなど、それまでの製作技法とは大きな差異が認められた。また建築遺構の形態も脆弱であった。先史時代の土器の形式編年等は未解明部分が多く、層序を中心とした研究によって先史時代の編年に大きく貢献できたと考える。
著者
山本 さつき 鈴木 馨 松浦 友紀子 伊吾田 宏正 日野 貴文 高橋 裕史 東谷 宗光 池田 敬 吉田 剛司 鈴木 正嗣 梶 光一
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.321-329, 2013 (Released:2014-01-31)
参考文献数
35

銃器捕殺の勢子による追い込み狙撃法(n=4),大型囲いワナ(銃)(n=6),出会いがしらに狙撃するストーキング(n=9),シャープシューティング(n=14),および麻酔薬を用いた不動化捕獲の移動式囲いワナのアルパインキャプチャー(n=14),大型囲いワナ(麻)(n=8),待ち伏せ狙撃するフリーレンジ(n=10)を用いてニホンジカ(Cervus nippon)を捕獲した.肉体的ストレスの指標として測定したクレアチンキナーゼは,追い込み狙撃法(2,057±1,178 IU/L)がシャープシューティング以外の全ての捕獲方法より,また交感神経興奮の影響を反映するアドレナリン,ノルアドレナリンは,追い込み狙撃法(アドレナリン:16.500±4.655 ng/ml,ノルアドレナリン:20.375±8.097 ng/ml)が他の全ての捕獲方法より有意に高かった(P<0.05).精神的ストレスの指標として測定したコルチゾルは,囲いワナ(アルパインキャプチャー:2.63±1.90 mg/dl),大型囲いワナ(銃:1.38±0.50 mg/dl)および大型囲いワナ(麻:3.10±1.79 mg/dl)が他の捕獲方法より高い傾向が見られたが,これらは全てGaspar-Lópezほか(2010)により報告されたアカシカ(Cervus elaphus)の正常変動範囲内(1.30~6.49 mg/dl)であった.以上の結果から,追い込み狙撃法は身体的負荷が大きいこと,囲いワナは他の方法に比較して著しいストレス反応を伴う捕獲方法ではないことが明らかになった.よって,大量捕獲が可能な囲いワナで生息密度を低下させることは,アニマルウェルフェアに配慮した適切な個体数管理の手法になりうると考えられた.
著者
花村 昌樹 吉田 正章 金子 昌信
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1997

1。 混合モティーフ理論1. 体k上のうえの混合モティーフ層(mixed motivic sheaves)のなす三角圏(triangulated category)D(k)が構成された。論文1にまとめられた。これは、1980年代はじめ、Beilinson等に予想されていた理論である。混合モティーフ層はその応用もふくめ、大きく数学界で注目されている。2. 混合モティーフ層の圏D(k)がt-構造をもつための条件が論文2で考察された。高次Chowに対するMurre,Beilinson-Souleの予想からその条件がしたがうというのが結果である。t-構造の核を考えることにより、混合モティーフ層のアーベル圏の候補が得られる。3. 射影代数多様体にその勘合モティーフ(あるD(k)の対象)を対応させるこができることを示した(論文3)。D(k)の定義自体は非特異射影多様体を用いるが、cubical hyperresolutionという技法により、射影代数多様体を非特異なもので置き換えられることをつかう。4. 位相的層についての分解定理とは、代数多様体の間の固有写像による定数層の順象が交叉複体の直和に分解するという主張である(Beilinson-Bernstein-Deligneによる)。この類似定理を混合モティーフ層について定式化し、それをいくつかの特別な場合に証明し、その応用を見つけることが興味深いことである。この研究はその原理的解決がA.Cortiと論文4においてなされている。さらに実際にモデユラー多様体へ応用ができる形で米国のB.Gordon,オランダのJ.Murre両氏と共同研究が進行中である。2。代数多面体のscissors合同群の理論分担者の吉田正章氏と代表者の花村はツイストコホモロジーに対するホッジ理論の応用を研究し論文Hodge structures on tiwsted cohomology and twisted Riemann's inequality,Iにまとめた。ツイストコホモロジーを研究するのに、ホッジ理論が有用であることは興味深い。我々はこの結果を高次元の場合に拡張することを、研究目標にしている。
著者
吉田 如子
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究においては、調査票調査と面談調査という、量的および質的調査法を駆使することにより、従来の警察研究においてほぼ無視されてきた、組織運営と政策立案・策定をその職務の中心とする都道府県警察幹部警察官の存在を確認し、彼らのキャリアパス、研修内容、都道府県警察外への出向経験等と、それらの経験が日本警察運営とその政策策定、さらには地方自治体における行政、政治両部門における力関係にもたらす影響を詳らかにすることができた。
著者
田島 英朗 山谷 泰賀 吉田 英治 岩男 悠真 脇坂 秀克
出版者
国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

半球状に検出器を配置し、さらにあごの位置に追加検出器を配置することで、脳機能計測のための感度を大幅に向上させることが可能なヘルメットPET装置を提案し、検出器ブロックサイズの最適化検討、画像再構成法の開発、及び試作装置への適用を行った。その結果、検出器ブロック間に隙間が生じることを考慮すると、検出器ブロックサイズが5cm角程度の大きさの時に、脳領域に対する感度が最も高くなることが明らかになった。そして、画像再構成法の開発と、世界初のヘルメット型PET試作機への適用を行い、性能評価を行った結果、高い感度と空間分解能を有することが示され、提案装置が高精度な脳イメージングに有効であることを実証した。
著者
吉田 翔 金井 秀明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.52, pp.1-8, 2014-03-06

本研究は,食事中のそしゃく癖の改善を目的としたそしゃく状況通知手法に関する研究である.共食の場において周囲に悪影響を及ぼす 「クチャラー」 を対象とし,聴覚遅延フィードバックを用いたそしゃく状態の通知を行った.被験者のそしゃく音を遅延させて再生することで,自分のそしゃく行為が周囲からどのように認識されているかを通知する.構築システムでは通知だけでなく,被験者の顎の動きを検出することで,そしゃく状態を測定することが可能である.このシステムを用いた実験により,遅延時間を大きくした場合,被験者は自らのそしゃく状態を認知でき,そしゃく行為を控えようとする傾向が確認できた.In this paper, we propose a notification system of a state of mastication in order to improve a habit of mastication during the meals. The system senses user's mastication state, and uses the delayed auditory feedback to notify the user of the state. The system does the feedback of user's mastication sound depending on the mastication state in order to make sense of the state. We carried out user experiments in order to investigate the effects of the system and how to change user's behavior of masticating using the system. From the experiments, we found that the subjects tend to change their masticating action depending on the delayed auditory feedback.