著者
佐藤 翔 石橋 柚香 南谷 涼香 奥田 麻友 保志 育世 吉田 光男
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.268-283, 2019

<p> 本研究では非専門家にとっての論文タイトルの「面白さ」を得点化し,Twitterからの言及数が多い論文と言及されたことのない論文でこの得点に差があるかを検証した.Twitterからの言及数データはCeek.jp Altmetricsから収集し,2008年に出版された論文の中でTwitterからの言及回数が特に多い論文103本と,言及回数が0の論文の中からランダムに選択した100本を分析対象とした.4名の非専門家が各論文タイトルの「面白さ」を7段階で評価し,その点数の合計を「面白さ」得点と定義した.分析の結果,Twitterからの言及数が多い論文グループと,言及数が0の論文グループで「面白さ」得点には有意な差が存在し,Twitterからの言及数が多い論文の方がタイトルが「面白い」傾向が確認された.さらに,この差は分野別に分析しても確認された.</p>
著者
海老島 宏典 吉田 健史 内山 昭則
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.243-248, 2018-07-01 (Released:2018-07-01)
参考文献数
29

人工呼吸中に自発呼吸を温存することは,背側肺領域優位の換気を促し,低い気道内圧(プラトー圧)でも呼気終末肺容量が比較的保たれ,酸素感も改善することから,最も侵襲性の低い肺リクルートメント療法であると考えられている。しかし,急性呼吸窮迫症候群の重症例など呼吸努力の特に強い症例では,肺保護換気戦略に則ってプラトー圧を制限したとしても経肺圧が増加し,人工呼吸器関連肺傷害の危険因子となり得ることが多数報告されている。また,そのような症例に対し,肺保護換気戦略に従って1回換気量を制限したとしても,pendelluft現象により肺局所の過伸展から肺損傷を引き起こす可能性がある。呼吸努力を最小限に抑えた自発呼吸の温存または,筋弛緩によるfull supportは症例ごとの呼吸状態を慎重に見極めることで,一連の管理方法となり得ると考える。
著者
吉田 光男 荒瀬 由紀
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.20-30, 2016-03-31

ソーシャルメディアでの言及量やウェブ検索エンジンでの検索頻度をもとに,トレンドキーワードを発見する研究開発が広く行われている.また,注目されているキーワードに対して情報を付与し,そのキーワードの理解を促すような試みもある.しかし,それらのトレンドキーワードが様々なウェブリソースでどのように振る舞うのかは必ずしも明らかではない.そこで本研究では,トレンドをとらえうるウェブリソースを対象に,収集したトレンドキーワードがどのように振る舞うのかを横断的に調査する.この調査により,大半のトレンドキーワードがオンライン辞書サービスに登録されていないこと,検索のトレンドは2日で50%未満の頻度に収束すること,ソーシャルメディア(Twitter)がほかのウェブリソースよりもトレンドに敏感であることなどを明らかにする.
著者
吉田 純土 中西 賢也 豊辺 将嘉 岩崎 正久 渡辺 英俊 日向野 茂
出版者
一般社団法人 交通工学研究会
雑誌
交通工学論文集
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.A_8-A_17, 2019

<p><tt>政府による「観光立国推進基本計画」の策定等を受け、官民が一体となった観光関連事業が推進される中、一部の観光地においては街路空間における歩行者の混雑が深刻になっている。そこで本研究においては歩行者の歩行目的に特徴を有する地域において観測を行い、歩行速度、歩行密度等のデータを収集したうえで、交通容量を算出し、「観光」目的の歩行者が多い地域と「通勤」目的の歩行者が多い地域等とを比較した。</tt> <tt>その結果、「観光」目的の歩行者は、「通勤」目的の歩行者と比べ集団歩行が多いこと、立ち止まりが多いこと、歩行速度が遅いこと、単位幅員あたりの交通容量が小さいこと等が明らかになり、観光地やその周辺市街地等における歩行動線の検討や歩行空間整備に関しては観光地特有の対応方策や歩道整備水準の策定等が必要であることを示した。</tt></p>
著者
廣田 智子 吉田 晋弥 永井 耕介
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.179-187, 2013 (Released:2013-08-20)
参考文献数
19
被引用文献数
2

黒ダイズ‘丹波黒’を用いて,高温での浸漬処理が吸水特性,煮豆の破断特性,官能評価,成分に及ぼす影響について調査し,効率的な煮豆調製法について検討した。浸漬条件は,20℃では1,2,5,10,15,20時間,高温(30℃から80℃までの6温度区)では2時間保持した。2時間の浸漬では,浸漬温度が高くなるにつれて重量増加比は高く,煮豆の破断荷重は低くなり,60℃以上の浸漬温度で平衡状態に達した。溶出固形物量は,70℃以上では顕著に増加した。裂皮率は,標準浸漬条件(20℃,10時間)に比べて,60℃以上の浸漬温度で低く抑えられた。高温での2時間の浸漬条件において,標準浸漬条件と同等の官能評価値及びスクロース,遊離アミノ酸含量が得られる至適浸漬温度は60℃であった。以上のことから,高温での短時間(2時間)の浸漬処理法として,60℃浸漬が利用できると考えられる。この浸漬方法は,浸漬時間の大幅な短縮及び裂皮率の減少が図れることから,煮豆の調理・加工の面においても有用性があると考えられる。
著者
吉田 真
巻号頁・発行日
pp.1-16, 2013-03-27
著者
吉田 稔
出版者
日本医真菌学会
雑誌
Medical Mycology Journal (ISSN:21856486)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.111-115, 2013 (Released:2013-06-11)
参考文献数
23
被引用文献数
1 3
著者
原 幹周 吉田 英樹 片石 悠介 谷脇 雄次 花田 真澄 前田 貴哉 照井 駿明
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.63-68, 2015 (Released:2015-03-18)
参考文献数
17
被引用文献数
2

〔目的〕生理学的指標に基づいたTENSの疼痛軽減効果の検討に加えて,TENSの刺激強度の違いによる疼痛軽減効果への影響を明らかにする.〔対象〕健常者16人とした.〔方法〕人為的な疼痛に対して周波数100 Hzでの高強度(運動域値以上)TENSと低強度(感覚閾値レベル)TENS,およびTENSを一切実施しない条件(コントロール)を実施した.各条件間での疼痛軽減効果を主観的指標であるNRSと,生理学的指標である前頭前皮質の脳血流量および自律神経活動を用いて各条件間を比較した.〔結果〕交感神経活動には明らかな違いが認められなかったが,NRSと前頭前皮質の脳血流量の結果では高強度TENSの疼痛軽減効果が最も高かった.〔結語〕高強度TENSが,主観的にも生理学的にも優れた疼痛軽減効果を示した.
著者
吉田 眞理
出版者
日本自律神経学会
雑誌
自律神経 (ISSN:02889250)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.10-14, 2020 (Released:2020-04-02)
参考文献数
18

レビー小体病(パーキンソン病,認知症を伴うパーキンソン病,レビー小体型認知症,レビー小体を伴う自律神経不全症を含む)では,シナプス前終末に存在するαシヌクレインが凝集して,中枢神経系と末梢自律神経系の両者にレビー小体やレビー神経突起を形成する.病理学的に視床下部,Edinger-Westphal核,迷走神経背側核,胸髄中間質外側核,仙髄中間質外側核にはレビー病理像はほぼ例外なく観察され,末梢では交感神経節に加え,末梢臓器の自律神経線維終末にも出現する.長期間にわたり自律神経障害だけが顕在化するレビー小体を伴う自律神経不全症では,末梢自律神経系のLewy小体の形成が,必ずしも中枢神経系に一定の速度で進展しないことを示している.
著者
吉田 文久
出版者
日本福祉大学福祉社会開発研究所
雑誌
現代と文化 : 日本福祉大学研究紀要 = Journal of Culture in our Time (ISSN:13451758)
巻号頁・発行日
vol.135, pp.23-40, 2017-03-31

本研究は,イングランドに残存する民俗フットボールの特徴,さらにそれらの変容について明らかにすることを目的とする. 筆者はこれまで,現地での調査をもとに,英国スコットランドに残存する民俗フットボールの特徴をその多様性と類似性の視点から整理し,公表してきた.そして,イングランドに残存する10 箇所のゲームを調査し終えたことから,本研究では,スコットランドのゲームの整理と同様の視点,手続きを用いて,イングランドに残存するゲームの多様性・類似性,そして,それらの変容について考察した. その結果,①イングランドに残存する民俗フットボールには,いくつかのゲーム間に類似部分はあるものの,スコットランドのような共通性は乏しく,その町や村に独自の形で存続している②メディアにも取り上げられ,プレイヤーも数百人に及ぶゲームがある一方で,セレモニーだけを残すという形骸化したゲーム,そして消滅の可能性を予期させるゲームがあり,存続のために担い手の確保が課題となり,そのための策に苦慮している ③スコットランド同様に,イングランドに残存するゲームは,過去のゲーム様式を存続させることに固執することなく,近代化に順応しながらゲームを変容させることで,生き残りを図っている ④ただし,ゲームは変容しながらも,従来の伝統的な様式を守り続けるゲームから近代的要素を多く取り入れたゲームまで存在することから,イングランドに残存する民俗フットボールは現在多様な姿で存続しているということが明らかになった.
著者
江⽊ 盛時 ⼩倉 裕司 ⽮⽥部 智昭 安宅 ⼀晃 井上 茂亮 射場 敏明 垣花 泰之 川崎 達也 久志本 成樹 ⿊⽥ 泰弘 ⼩⾕ 穣治 志⾺ 伸朗 ⾕⼝ 巧 鶴⽥ 良介 ⼟井 研⼈ ⼟井 松幸 中⽥ 孝明 中根 正樹 藤島 清太郎 細川 直登 升⽥ 好樹 松嶋 ⿇⼦ 松⽥ 直之 ⼭川 ⼀⾺ 原 嘉孝 ⼤下 慎⼀郎 ⻘⽊ 善孝 稲⽥ ⿇⾐ 梅村 穣 河合 佑亮 近藤 豊 斎藤 浩輝 櫻⾕ 正明 對東 俊介 武⽥ 親宗 寺⼭ 毅郎 東平 ⽇出夫 橋本 英樹 林⽥ 敬 ⼀⼆三 亨 廣瀬 智也 福⽥ ⿓将 藤井 智⼦ 三浦 慎也 安⽥ 英⼈ 阿部 智⼀ 安藤 幸吉 飯⽥ 有輝 ⽯原 唯史 井⼿ 健太郎 伊藤 健太 伊藤 雄介 稲⽥ 雄 宇都宮 明美 卯野⽊ 健 遠藤 功⼆ ⼤内 玲 尾崎 将之 ⼩野 聡 桂 守弘 川⼝ 敦 川村 雄介 ⼯藤 ⼤介 久保 健児 倉橋 清泰 櫻本 秀明 下⼭ 哲 鈴⽊ 武志 関根 秀介 関野 元裕 ⾼橋 希 ⾼橋 世 ⾼橋 弘 ⽥上 隆 ⽥島 吾郎 巽 博⾂ ⾕ 昌憲 ⼟⾕ ⾶⿃ 堤 悠介 内藤 貴基 ⻑江 正晴 ⻑澤 俊郎 中村 謙介 ⻄村 哲郎 布宮 伸 則末 泰博 橋本 悟 ⻑⾕川 ⼤祐 畠⼭ 淳司 原 直⼰ 東別府 直紀 古島 夏奈 古薗 弘隆 松⽯ 雄⼆朗 松⼭ 匡 峰松 佑輔 宮下 亮⼀ 宮武 祐⼠ 森安 恵実 ⼭⽥ 亨 ⼭⽥ 博之 ⼭元 良 吉⽥ 健史 吉⽥ 悠平 吉村 旬平 四本 ⻯⼀ ⽶倉 寛 和⽥ 剛志 渡邉 栄三 ⻘⽊ 誠 浅井 英樹 安部 隆国 五⼗嵐 豊 井⼝ 直也 ⽯川 雅⺒ ⽯丸 剛 磯川 修太郎 板倉 隆太 今⻑⾕ 尚史 井村 春樹 ⼊野⽥ 崇 上原 健司 ⽣塩 典敬 梅垣 岳志 江川 裕⼦ 榎本 有希 太⽥ 浩平 ⼤地 嘉史 ⼤野 孝則 ⼤邉 寛幸 岡 和幸 岡⽥ 信⻑ 岡⽥ 遥平 岡野 弘 岡本 潤 奥⽥ 拓史 ⼩倉 崇以 ⼩野寺 悠 ⼩⼭ 雄太 ⾙沼 関志 加古 英介 柏浦 正広 加藤 弘美 ⾦⾕ 明浩 ⾦⼦ 唯 ⾦畑 圭太 狩野 謙⼀ 河野 浩幸 菊⾕ 知也 菊地 ⻫ 城⼾ 崇裕 ⽊村 翔 ⼩網 博之 ⼩橋 ⼤輔 ⿑⽊ 巌 堺 正仁 坂本 彩⾹ 佐藤 哲哉 志賀 康浩 下⼾ 学 下⼭ 伸哉 庄古 知久 菅原 陽 杉⽥ 篤紀 鈴⽊ 聡 鈴⽊ 祐⼆ 壽原 朋宏 其⽥ 健司 ⾼⽒ 修平 ⾼島 光平 ⾼橋 ⽣ ⾼橋 洋⼦ ⽵下 淳 ⽥中 裕記 丹保 亜希仁 ⾓⼭ 泰⼀朗 鉄原 健⼀ 徳永 健太郎 富岡 義裕 冨⽥ 健太朗 富永 直樹 豊﨑 光信 豊⽥ 幸樹年 内藤 宏道 永⽥ 功 ⻑⾨ 直 中村 嘉 中森 裕毅 名原 功 奈良場 啓 成⽥ 知⼤ ⻄岡 典宏 ⻄村 朋也 ⻄⼭ 慶 野村 智久 芳賀 ⼤樹 萩原 祥弘 橋本 克彦 旗智 武志 浜崎 俊明 林 拓也 林 実 速⽔ 宏樹 原⼝ 剛 平野 洋平 藤井 遼 藤⽥ 基 藤村 直幸 舩越 拓 堀⼝ 真仁 牧 盾 增永 直久 松村 洋輔 真⼸ 卓也 南 啓介 宮崎 裕也 宮本 和幸 村⽥ 哲平 柳井 真知 ⽮野 隆郎 ⼭⽥ 浩平 ⼭⽥ 直樹 ⼭本 朋納 吉廣 尚⼤ ⽥中 裕 ⻄⽥ 修
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
pp.27S0001, (Released:2020-09-28)
被引用文献数
2

日本集中治療医学会と日本救急医学会は,合同の特別委員会を組織し,2016年に発表した日本版敗血症診療ガイドライン(J-SSCG2016)の改訂を行った。本ガイドライン(J-SSCG2020)の目的は,J-SSCG2016と同様に,敗血症・敗血症性ショックの診療において,医療従事者が患者の予後改善のために適切な判断を下す支援を行うことである。改訂に際し,一般臨床家だけでなく多職種医療者にも理解しやすく,かつ質の高いガイドラインとすることによって,広い普及を目指した。J-SSCG2016ではSSCG2016にない新しい領域(ICU-acquiredweakness(ICU-AW)とPost-Intensive Care Syndrome(PICS),体温管理など)を取り上げたが,J-SSCG2020では新たに注目すべき4領域(Patient-and Family-Centered Care,Sepsis Treatment System,神経集中治療,ストレス潰瘍)を追加し,計22 領域とした。重要な117の臨床課題(クリニカルクエスチョン:CQ)をエビデンスの有無にかかわらず抽出した。これらのCQには,日本国内で特に注目されているCQも含まれる。多領域にわたる大規模ガイドラインであることから,委員24名を中心に,多職種(看護師,理学療法士,臨床工学技士,薬剤師)および患者経験者も含めたワーキンググループメンバー,両学会の公募によるシステマティックレビューメンバーによる総勢226名の参加・協力を得た。また,中立的な立場で横断的に活躍するアカデミックガイドライン推進班を2016年版に引き続き組織した。将来への橋渡しとなることを企図して,多くの若手医師をシステマティックレビューチーム・ワーキンググループに登用し,学会や施設の垣根を越えたネットワーク構築も進めた。作成工程においては,質の担保と作業過程の透明化を図るために様々な工夫を行い,パブリックコメント募集は計2回行った。推奨作成にはGRADE方式を取り入れ,修正Delphi法を用いて全委員の投票により推奨を決定した。結果,117CQに対する回答として,79個のGRADEによる推奨,5個のGPS(Good Practice Statement),18個のエキスパートコンセンサス,27個のBQ(Background Question)の解説,および敗血症の定義と診断を示した。新たな試みとして,CQごとに診療フローなど時間軸に沿った視覚的情報を取り入れた。J-SSCG2020は,多職種が関わる国内外の敗血症診療の現場において,ベッドサイドで役立つガイドラインとして広く活用されることが期待される。なお,本ガイドラインは,日本集中治療医学会と日本救急医学会の両機関誌のガイドライン増刊号として同時掲載するものである。
著者
吉田 達見 山本 圭一郎 中澤 栄輔 瀧本 禎之 赤林 朗
出版者
日本生命倫理学会
雑誌
生命倫理 (ISSN:13434063)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.87-98, 2018-09-29 (Released:2019-08-01)
参考文献数
82

生体腎移植においては、医学的不適合により移植を行えない場合や、移植結果が望ましくない場合がありうる。こうした問題への対策として、免疫抑制療法に加えて、海外ではドナー交換腎移植と呼ばれる方策も実施されている。ドナー交換腎移植では、医学的不適合性のある生体腎提供者とレシピエントの組を複数集め、彼らの間でマッチングを行うことで、移植数および移植成績を向上させる。本稿ではシステマティック・レビューを行い、世界におけるドナー交換腎移植一般の実施状況を包括的に捉えた上で、ドナー交換の利点ならびに医学的・技術的問題と倫理的問題を網羅的に整理した。このような整理に基づいて、日本移植学会による「ドナー交換腎移植に関する見解」を批判的に検討した。
著者
吉田 純子
出版者
広島大学大学院社会科学研究科国際社会論専攻
雑誌
欧米文化研究
巻号頁・発行日
no.5, pp.211-225, 1998-10-01

L. Frank Baum's The Wizard of Oz has been widely read since its first publication in 1900 and variously interpreted by critics. However, most interpretations have focused on Dorothy's journey to find her way back home, not on the journey of the male characters, ie., the Scarecrow, the Tin Woodman, and the Cowardly Lion. Unlike Dorothy's journey, which was accidentally started by the tornado, the males' journeys seem to have been started for reasons. These "males" think they have to meet the Wizard of Oz to ask him for a brain, a heart, and courage, respectively. The examination of the above motivations will lead us to consider that there are two types of journeys in the story.The two different types often have been confusingly discussed as though there were only a sigle journey. However, from the viewpoint of gender, we should discuss them separately. First, Dorothy's journey is forced on her by the tornado, not initiated through her own will, and her quest is closely related to the notion of female sphere, home. In addition, even while Dorothy is in Kansas in the opening pages, she is portrayed as an innocent child full of mirth, in contrast to her adopted family who are portrayed as exhausted and dried up due to the climate and their hard lives as pioneers. Meanwhile, the male characters think they lack essential elements in their personalities, which makes them less than whole. Their compulsive desire to become whole can be explained by their lots in the story: they eventually become rulers in society. Therefore, Dorothy as an innocent, fearless, joyful and thoughtful girl is dispatched to the imaginary land to help the uneasy males seek and establish their gender identity.As Neil Earle points out, the atmosphere in The Wizard of Oz reflects the prevailing unease in the proto-modern world of the 1890s of America. It was the period when rapid social and technological change was reaching epidemic proportions, and farmers and urban workers suffered from recurring economic depressions due to the unregulated system of capitalism.Seen from the perspective of gender, the ailing male characters embody the uneasiness of masculinity in modern patriarchal America at the turn of the century. The ideal manhood of early pioneers in the woodlands and later on the prairies which had been embodied by "American Adam" in the New World "Eden" was no longer wholesome because the rapid industrialization and urbanization caused a change in the conception of ideal masculinity. This masculinity crisis can be clearly seen in the complaints of the Scarecrow, the Tin Woodman, and the Cowardly Lion.During the same period, America was pursuing an expansionist policy on the international front because the American frontier had closed at home. In other words, the expansion of American territory and its economy heavily depended on the exploitation of ethnic and cultural "others" both inside and outside the country. It was no coincidence that the Colombian Exposition was held in Chicago in 1893. As was shown in the various glittering exhibitions in the urban wonderland called the "White City," this world fair was the landmark of the spreading American dream. Three years before the fair was the gruesome massacre of Native Americans of the Sioux tribe at Wounded Knee. Five years after the fair, America expanded its territory by defeating Spain in the Spanish-American War.Obviously, the manhood of the Wizard of Oz is closely connected with his domination over the Emerald City. In the same way, the "manhood" of the American empire was on display in the sparkling exhibitions of the Columbian Exposition. Taking America's exploitative and expansionist attitude toward "others" into consideration, the dazzling wonderland can be seen as "deceptive and illusionary" like the wizard's magic after all.As a journalist, Baum was naturally alert to both international and domestic affairs. Moreover, he had moved to Chicago just before the world fair. How he felt about American civilization can be easily imagined from the words of the Wizard of Oz when his identity is finally disclosed as a humbug. The Wizard apologetically said, "I am a good man, though I am a bad wizard." Baum as a liberal Easterner still believed, or tried to believe, in the manifest destiny of America, but he must have been beginning to feel uneasy about America's masculine identity.
著者
前川 卓哉 西川 晃司 吉田 進太郎 酒井 健嗣 西川 秀司
出版者
一般社団法人日本獣医がん学会
雑誌
日本獣医がん学会雑誌 (ISSN:18843344)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.6-9, 2020-12-31 (Released:2020-12-11)
参考文献数
6

A 13-year-old intact male Shih-Tzu presented with a 2-month history of gastrointestinal signs. A mechanical ileus developed due to an obstruction from an intramural tumor in the small intestine that was surgically resected. The tumor was diagnosed as a high-grade intestinal T-cell lymphoma with incomplete margins and serosal and mesentery extension. CHOP chemotherapy (vincristine, cyclophosphamide, doxorubicin, and prednisolone) was applied, but during the CHOP protocol, the dog developed a nodule on the skin in the scapular area. Histopathological examination of a punch biopsy revealed a high-grade cutaneous T-cell lymphoma. Lomustine was administered and the cutaneous T-cell lymphoma was surgically resected and histologically diagnosed to have complete margins. However, the dog experienced progressive disease. With adjuvant chemotherapy including dexamethasone, melphalan, actinomycin D, and cytosine arabinoside (DMAC), and chlorambucil, methotrexate, and prednisolone (LMP), the patient lived for 571 days in relatively good health condition. No evidence of recurrence nor metastasis was revealed at necropsy. This case suggests the benefit of surgical resection for both intestinal and cutaneous T-cell lymphoma lesions. However, further studies are required to investigate the effect of chemotherapy, remission rate, survival time, and impact on the quality of life.
著者
吉田 耕平 土屋 敦
雑誌
地域科学研究 (ISSN:24333492)
巻号頁・発行日
no.9, pp.1-22, 2019

This paper explores changes in the handling of problem behavior in children residing at children's homes, particularly over the period of 1980-2000, from the perspective of medicalization (Conrad and Schneider 1992=2003). We chose Children's Home Y, which exhibited advancement the administration of psychotropic drugs to children, for research purposes, conducting semi-structured interviews with eight staff members working at the facility.Our research revealed that a large number of delinquent children resided at Children's Home Y through the 1980s, and that it was an everyday occurrence for staff to restrain violent children. By the 1990s, however, as corporal punishment became taboo as children's rights came to the fore, this type of punishment was no longer acceptable. As of the early 2000s, specialized mental health staff have been assigned to children's homes, while full-time psychiatrists are now assigned to child consultation centers. At this time it became easier for children with behavioral problems to be diagnosed as ADHD, and psychotropic drugs have clearly have been prescribed more frequently.Handling of behavioral problems in these children saw a major shift from corporate punishment to administration of psychotropic drugs, along with a trend toward medicalization. At the same time, interviews with staff indicated a certain degree of uneasiness with regard to the possibility over-medication, as well as concern over side effects of psychotropic drugs.
著者
吉田 昭子
出版者
文化学園大学
雑誌
文化学園大学紀要. 人文・社会科学研究 (ISSN:09197796)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.21-33, 2015-01-31

本研究では,公共図書館における図書館員のためのレファレンス研修における,レファレンス事例の活用,評価の実践についてとりあげる。本研究の目的は,図書館の現場で実現可能で効果的な研修方法を検討し,現場の図書館員によるレファレンス事例評価の観点とは何かを整理することである。筆者が,図書館員向けのレファレンス研修で行った国立国会図書館のレファレンス協同データベースの事例を活用した事例検討会について述べる。事例検討会では,グループ学習とプレゼンテーションを組み合わせた研修方法を用いた。実践を通じて,図書館員のレファレンス能力の向上を図る上で,レファレンス事例を活用して事例評価の観点を考察することが,効果的であることを確認することができた。