著者
遠藤 誠之 香川 尚己 奥山 宏臣 和田 誠司 左合 治彦
出版者
一般社団法人日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.205-210, 2019 (Released:2019-04-25)
参考文献数
6
被引用文献数
1

脊髄髄膜瘤は, 先天的に下肢の運動障害や排泄障害などの脊髄神経障害とキアリⅡ型奇形をきたす疾患であり, 生後治療で改善できる予後には限界がある. 脊髄髄膜瘤はそれ自体, 致死的疾患ではないが, 長期にわたるQOL低下をきたす疾患であるため, 胎内手術の対象とされた. 2003年から7年間にわたって行われた, Management of Myelomeningocele Study (MOMS) により, 脊髄髄膜瘤に対する胎児手術と出生後治療とがランダム化比較検討され, 2011年に胎児手術の有用性が報告された. 現在, 欧米では脊髄髄膜瘤胎児手術は脊髄髄膜瘤に対して選択できる標準治療の1つとなっている.
著者
和田 干蔵
雑誌
校友会誌郷土号
巻号頁・発行日
no.2, pp.1-30, 1934-03-22
著者
和田 郁奈
出版者
北海道地理学会
雑誌
地理学論集 (ISSN:18822118)
巻号頁・発行日
vol.84, no.1, pp.88-98, 2009-07-31 (Released:2012-11-15)
参考文献数
26
著者
和田 健太郎 金崎 圭吾 西田 匡志 平井 章ー
出版者
一般社団法人 交通工学研究会
雑誌
交通工学論文集 (ISSN:21872929)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.A_326-A_334, 2023-02-01 (Released:2023-02-24)
参考文献数
10

本研究は,小仏トンネルに渋滞対策として導入された音声注意喚起(速度回復情報提供)システムによって,なぜ渋滞発生時交通量,渋滞発生後捌け交通量等の交通性能の改善がもたらされたのかを考察する.具体的には,近年提案された最新の交通流理論(Jin, 2018; Wada et al., 2020)に枯づく実証分析をシステム導入前後のデータに対して行い比較する.そして,(i) 渋滞発生時/渋滞発生後捌け交通量の改善はボトルネック区間における「安全車間時間の短縮」という共通のメカニズムにより説明できること,(ii) 渋滞中のボトルネック下流の加速度向上は必ずしも捌け交通量の改善には繋がっておらずさらなる改善の余地があること,を示す.
著者
甲斐 慎一朗 和田 健太郎 堀口 良太 邢 健
出版者
一般社団法人 交通工学研究会
雑誌
交通工学論文集 (ISSN:21872929)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.A_280-A_287, 2023-02-01 (Released:2023-02-24)
参考文献数
9

本研究は,近年提案された連続体交通流理論に基づき,国内複数のサグ・トンネルにおける交通容量低下 (CD: Capacity Drop) 現象の分析を行ったものである.具体的には,高速道路会社が 2019 年の 1 年間で集計した渋滞イベントデータを参考に,渋滞区間(および渋滞イベント)を選定し,ETC2.0 プローブデータおよび車両感知器データを用いてモデルのキャリブレーションを行った上で,安全車間時間,ボトルネック下流端における加速度パラメータ等を推定する.そして,理論の汎用性を確認するとともに,推定されたパラメータの傾向を分析し,ボトルネック区間がサグのどこで顕在化するかはまちまちであること,安全車間時間の大小が概ね渋滞発生後捌け交通量 (QDF: Queue Discharge Flow rate) の絶対レベルを決めていること,を示す.
著者
飯田 智哉 伊藤 和 岡村 直香 飯田 道夫 和田 吉生 安藤 なつ美 三浦 光舞 吉崎 秀夫 門脇 睦子 山崎 なな 長岡 健太郎
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.55-60, 2023 (Released:2023-02-17)
参考文献数
7

コロナ禍が終末期の在宅療養に与えた影響や遺族満足度などについて検討することを本活動の目的とした.当院で訪問診療を受けていた居宅終末期がん患者のうち,在宅で看取った100名の遺族を対象にアンケート調査を行い,コロナ禍が在宅療養に与えた影響,遺族満足度などについて検討した.回答率は72.0%で,52.8%の遺族が在宅療養の選択にコロナ禍が影響したと回答した.遺族満足度は98.6%であり,当院でコロナ禍に在宅療養を選択した終末期がん患者に対しても,高い遺族満足度が達成できていた.
著者
和田 哲明
出版者
日本信頼性学会
雑誌
日本信頼性学会誌 信頼性 (ISSN:09192697)
巻号頁・発行日
vol.31, no.8, pp.588-594, 2009-11-01 (Released:2018-01-31)
参考文献数
15

耐用寿命の予測及び製造工程での欠陥による初期不良の除去(スクリーニング)のために,短期間で実使用上ストレスを加速する加速信頼性試験が用いられている.この加速試験の考え方と能動部品(半導体),受動部品(実装基板),電池(リチウムイオン電池)での事例を紹介する.加速試験では,加速要因を明確にすると共に,加速限界を十分に注意しなければ誤った信頼性予測となることも示す.
著者
和田 干蔵
出版者
青森博物研究會
雑誌
青森博物研究會會報
巻号頁・発行日
no.5, pp.1-11, 1937-04-30
著者
和田 毅 三浦 航太
出版者
ラテン・アメリカ政経学会
雑誌
ラテン・アメリカ論集 (ISSN:0286004X)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.35-65, 2022-12-23 (Released:2022-12-23)
参考文献数
46

This article explores the conditions under which conflicts over water resources are resolved in a sustainable, democratic, and participatory manner. Water conflicts often get intense because the meaning and values of water differ considerably depending on the actors in conflict. Water can be considered as an essential component of the natural environment and biodiversity, as indispensable public goods supporting people’s everyday lives, as a precious source of energy and economic development, or as a fountain of communal identities and cultures. How to resolve water conflicts through dialogue rather than force while ensuring the democratic participation of diverse actors with conflicting values and interests? Using Global Atlas of Environmental Justice (EJAtlas), a database of environmental disputes, we extract 26 water conflicts in Latin America between 1991 and 2021 and apply a fuzzy-set qualitative comparative analysis to identify the conditions or causal pathways leading to sustainable and democratic outcomes. The result indicates that the existence of “brokers” capable of encouraging dialogues between opposing forces (e.g., between economic developers and local residents)—is an essential, if not sufficient, condition. We also discuss the implications of the findings and future tasks.
著者
澤 亮治 和田 健太郎 藤嶋 翔太 図斎 大 府内 直樹
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2022-04-01

限定合理的な人々が相互依存しあう社会における制度設計の分析手法の確立を目指す。制度設計の一手法であるEvolutionary Implementation(進化的制度設計)は、人々が相互作用しあう状況を進化ゲームによりモデル化し、人々の行動遷移を考慮した動的な制度の設計が可能である。大規模な社会システムの設計に適していると考えられるが、一様なプレイヤーの仮定など、手法の適用を困難とする制約がある。数理解析・シミュレーション技法により適用上の課題を解決し、この手法の汎用化を目指す。
著者
榊原 哲也 西村 ユミ 守田 美奈子 山本 則子 村上 靖彦 野間 俊一 孫 大輔 和田 渡 福田 俊子 西村 高宏 近田 真美子 小林 道太郎
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究は、これまで主として看護研究や看護実践の領域において注目されてきた、看護の営みについての現象学的研究(「ケアの現象学」)の、その考察対象を、医師による治療も含めた「医療」活動にまで拡げることによって、「ケアの現象学」を「医療現象学」として新たに構築することを目的とするものであった。医療に関わる看護師、ソーシャルワーカー、患者、家族の経験とともに、とりわけ地域医療に従事する医師の経験の成り立ちのいくつかの側面を現象学的に明らかにすることができ、地域医療に関わる各々の当事者の視点を、できる限り患者と家族の生活世界的視点に向けて繋ぎ合せ総合する素地が形成された。
著者
安永 満 松田 彰史 村田 誠 荻野 昌昭 門 祐二 新開 泰司 名和田 浩 半田 哲郎 野田 健一 福本 陽平 沖田 極 竹本 忠良
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.493-499, 1985-04-25 (Released:2010-01-19)
参考文献数
19
被引用文献数
2 2

アセトアミノフェンの大量服用により,急性肝障害の発症をみることは,よく知られた事実である.最近,教室では,少量のアセトアミノフェンの服用にもかかわらず,重症肝障害を生じた2例を経験したので報告した.患者は38歳の男性と31歳の女性である.アセトアミノフェン服用量は,それぞれ,3.7gと6.4gで,いずれも嘔吐,腹痛,全身倦怠感を訴えて入院した.本剤服用時,前者はアルコールを摂取し,後者は絶食状態であった.検査上,前者は著明な血清トランスアミナーゼの上昇,軽度の黄疸を認め,心内膜炎,腎障害,急性膵炎を併発し,肝組織では小葉内に巣状壊死が散在し,中心静脈周囲にも壊死が認められた.後者でも重篤な肝障害と血小板減少がみられ,肝組織像はbridging necrosisを示していた.アルコール摂取と絶食のために,少量のアセトアミノフェン服用にもかかわらず,予想以上に肝障害が重症化したと考えられ,本剤の使用にあたり,注意が必要である.
著者
澤田 雄 秋山 浩利 松山 隆生 和田 朋子 遠藤 格
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.1027-1031, 2012-09-30 (Released:2013-01-08)
参考文献数
25
被引用文献数
1

急性虫垂炎術後のSSIは最も頻度の高い合併症であり,患者QOLの低下や入院期間延長などの医療経済的な側面にも影響を与える。本稿では,急性虫垂炎術後のSSI予防に関する文献について概説し,あわせて当教室および関連病院で行われた急性虫垂炎手術症例のSSIについて報告する。これまでに虫垂切除後のSSI予防に関して,予防的抗菌薬,創縁保護器,吸収糸の使用,腹腔鏡の使用,二期的創閉鎖などが報告されている。われわれの検討では,切開部SSIのリスク因子は,切開法,腹腔内ドレーンの留置,虫垂の炎症所見の3因子であり,臓器/体腔SSIのリスク因子は,出血量,腹腔内ドレーンの留置の2因子であった。壊疽性虫垂炎はSSI発生頻度が高率であったが,創縁保護器の使用によりSSI発生は減少する傾向を認めた。SSI発生高危険群である壊疽性虫垂炎に対して,今後SSI予防策のさらなる研究が必要である。
著者
大和田 道雄
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.138-144, 1969-02-01 (Released:2008-12-24)
参考文献数
6
被引用文献数
5 2
著者
党 弘之 鍵和田 賢一
出版者
日本海水学会
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.356-362, 1996 (Released:2013-02-19)
参考文献数
8
被引用文献数
1

添加物による塩化ナトリウム2水和物の生成抑制メカニズムを明らかにし, 低温固結防止法を確立するために試験を実施し, 次の結果を得た.1) 塩化ナトリウム溶解度は, 添加物濃度の上昇とともに減少し, その効果は水和エンタルピーが大きいほど大きかった.2) 塩化ナトリウム2水和物生成量は, 温度が-5℃以下に低下すると急激に増加した.3) 塩化ナトリウム2水和物生成量は, 添加物濃度の上昇とともに減少し, その効果は水和エンタルピーが大きいほど大きかった.4) ナトリウムイオンよりも水和エンタルピーの大きい添加物によって低温固結を防止することができ, その効果は水和エンタルピーが大きなものほど大きかった.
著者
外山 里沙 田澤 昌之 有井 大典 中雄 裕美子 伊部 洋子 黒崎 みのり 和田 直樹
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
pp.22014, (Released:2023-01-17)
参考文献数
33

An 82-year-old patient underwent a left transfemoral amputation due to a malignant soft tissue tumor. He developed symptoms of chest pain and hypoxia on the 32nd day after the operation. These symptoms were caused by deep venous thrombosis (DVT) of the stump and acute pulmonary thromboembolism (PTE), for which he was treated with anticoagulant therapy. Shortly after treatment he could resume a rehabilitation therapy. Patients with a lower extremity amputation have a higher risk of developing a DVT because of immobility and increased venous pooling in the residual limb. Even with a short stump as in this case, it is important to actively train the range of motion of the joint and try to prevent DVT.
著者
朝野 晃 鈴木 則嗣 佐藤 由美 丹野 治郎 大井 嗣和 明城 光三 和田 裕一 吉川 和行 金藤 博行
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.52, no.11, pp.676-678, 1998-11-20 (Released:2011-10-19)
参考文献数
8

妊娠子宮の尿管の圧迫による急性腎不全はまれである. また, 単腎症例の尿管閉塞は致命的な危険をともなう. 我々は, 先天性単腎症の妊娠経過中に尿管の閉塞による無尿をきたし, 腎痩造設術を行った後に妊娠36週で経膣分娩した1例を経験したので報告する.
著者
瀬戸 順次 和田 崇之 村瀬 良朗 三瓶 美香 下村 佳子 細谷 真紀子 水田 克巳 御手洗 聡 阿彦 忠之
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
pp.e22021, (Released:2023-01-06)
参考文献数
34
被引用文献数
1

背景:本邦では結核菌ゲノム解析と実地疫学を組み合わせた積極的結核疫学調査の有用性評価は行われていない.方法:2009~2020年の山形県における反復配列多型(VNTR)分析に基づいた網羅的な結核分子疫学調査結果により見出されたクラスターのうち,2020年の結核患者8人を含む8クラスター(19人)を対象に結核菌ゲノム比較を実施し,保健所の実地疫学調査結果と併せて評価した.結果:結核菌ゲノム比較の結果,近縁株(一塩基多型5カ所以内,もしくは6~12カ所かつ患者間に疫学的関連性を確認)は19株中9株(47.4%)に留まり,半数の4クラスターにのみ近縁株が含まれた.また,近縁株患者9人中6人(66.7%)で患者間の疫学的関連性が見出されていた一方,分離された菌が患者間の最近の結核感染伝播を示唆しない非近縁株(一塩基多型13カ所以上)であった10人は,全例が疫学的関連性不明であった(p<0.01).結論:高精細な識別能を有する結核菌ゲノム解析は,VNTR分析によりクラスターを形成した菌株から,患者間の疫学的関連性を強く示唆する近縁株を選別することができた.その特長は,保健所の感染伝播経路調査に要する人的・時間的資源を必要な結核患者に集中させることを可能とし,効率的かつ高精度の積極的結核疫学調査に貢献するものと考えられた.