著者
坂本 正元
出版者
日経BP社
雑誌
日経情報ストラテジ- (ISSN:09175342)
巻号頁・発行日
vol.8, no.6, pp.16-19, 1999-07

●—経営方針の中核にナレッジ・マネジメントを掲げていらっしゃいますが、その狙いは。坂本—今や「情報」が企業競争における最大の武器であることに異論を唱える人はいないでしょう。製造業であれサービス業であれ、いかに貴重な情報をお客様に届け、価値の高いサービスに生かすかが、カギを握る。
著者
坂本 宗樹
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2016, 2017

<p>【はじめに,目的】</p><p></p><p>罹患歴の長い糖尿病患者において,食事・運動療法を患者自身の意志で継続的に努めるのは困難な場合が多い。小河らは,罹患歴が10年以上になるとインスリン導入からの離脱が困難になるとし,特に高齢者では合併症の進行を伴い,治療効果のある運動療法の提供に難渋する。今回,このような経過で外来でのフォローが困難となり,インスリン量増量するもコントロールが不良な事例に対し,4週間の入院期間中に運動療法を実施した。急性効果及びトレーニング効果について以下に報告する。</p><p></p><p>【症例紹介および方法】</p><p></p><p>79歳 女性 身長149cm 体重53,4kg BMI24.1</p><p>現病歴:外来受診時,血糖280mg/dl,HbA1c10.0,精査加療目的で入院。</p><p>インスリン導入時期:4年以上前にBasal supported Oral Therapy(以下,BOT)中。</p><p>入院時ADL:独居にて自立。</p><p>阻害因子:①腰部脊柱管症由来の腰痛,②黄斑変性由来の視力低下,③末梢神経障害由来の下肢の痺れ,④罹患歴25年を経過し,高齢なため苦労してまで長生きしなくていいという価値観を有し,行動変容ステージにおける前熟考期に相当。</p><p>トレーニング効果として,筋量の測定には生体電気インピーダンス方式体組成計であるPhysion MD(日本シューター社)を用い,リハ開始時及び退院前に測定。行動変容のための体調確認および運動実行に対する意思は適宜確認。そして,インスリン投与単位はカルテにて確認。</p><p>リハ開始時筋量測定結果や阻害因子を考慮した上で,有酸素・抵抗運動が共に行える負荷調整が出来て,かつ坐位にて安全に行える環境として以下の運動設定とし,運動前後に血糖測定を行い,急性効果を確認。</p><p>強度 自覚的運動強度Borg Scale11~13</p><p>頻度 3~4日/週,1回/日</p><p>種類 座式上下肢協調運動器であるNuStep T4r(NuStep社)を使用し,負荷3にて有酸 素・抵抗同時運動</p><p>持続時間 20~30分</p><p>実施時間帯 午後1時30分~2時</p><p></p><p>【結果】</p><p></p><p>急性効果として,1回の運動で血糖降下は平均32(±30)mg/dl。</p><p>トレーニング効果として,①前熟考期から行動期へ向上。②血糖コントロール改善し,最大24単位/日が退院時10単位/日と減量。③除脂肪体重37.4kg→37.6kg,筋量16.2kg→17.4kgと増加。</p><p></p><p>【結論】</p><p></p><p>菅田らは罹患10年未満でBasal Bolus Therapy(以下,BBT)によって糖毒性およびインスリン抵抗が改善し,離脱できるまでに平均4ヶ月程掛かるとしている。本症例は,離脱こそ出来なかったものの,菅田らが提案した離脱基準に相当する程度(0.3単位/kg/日)まで短期間でインスリンが減量出来た。</p><p>BBT+食事(1400Kcal/日)そして継続的な運動により骨格筋及び肝臓での糖取り込みを促し,3週間程度の介入で骨格筋量及び除脂肪体重改善され,一層インスリン抵抗性改善に寄与した。これにより必要インスリン減少に繋がったと考える。退院時には経口血糖降下薬に基礎インスリンと一回の追加インスリンによるBasal Plusとなった。</p><p>これが達成されるよう患者の調子も考慮した運動促進の声かけを行い,動機付けを図った事が奏功した。</p>
著者
川添 航 坂本 優紀 喜馬 佳也乃 佐藤 壮太 渡辺 隼矢 松井 圭介
出版者
地理空間学会
雑誌
地理空間 (ISSN:18829872)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.47-62, 2018

本研究は茨城県大洗町におけるコンテンツ・ツーリズムの展開に注目し,ツーリズム形態の転換に伴う観光空間への影響,及びその変容の解明を目的とした。大洗町は観光施設を数多く有する県内でも有数の海浜観光地であり,2012年以降はアニメ「ガールズ&パンツァー」の舞台として新たな観光現象が生じている地域である。大洗町においては,当初は店舗・組織におけるアニメファンへの対応はまちまちであったが,多くの訪問客が訪れるにつれて,商工会の主導により積極的にコンテンツを地域の資源として取り入れ,多くのアニメファンを来訪者として呼び込むことに成功した。宿泊業においては,アニメ放映以前までは夏季の家族連れや団体客が宿泊者の中心であったが,放映以降は夏季以外の1人客の割合が大きく増加するなど変化が生じた。コンテンツ・ツーリズムの導入によるホスト・ゲスト間の関係性の変化は新たな観光者を呼ぶ契機となったことが明らかとなった。
著者
森本 幸子 伊藤 智之 川村 有紀 菅原 里江 坂本 真士
出版者
日本精神保健・予防学会
雑誌
予防精神医学
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.92-101, 2016

当事者から声を発信する活動が多く行われるようになってきている。当事者やその家族が体験を話すことによって、スティグマが解消されることが報告されているが、当事者が自分の体験を話すことは当事者自身あるいは聴衆にどのような影響を与えるのだろうか。本シンポジウムでは、当事者から声を発信することがどのようにスティグマを解消するのか、その意義や残された課題について整理し、議論したい。
著者
松尾 光弘 坂本 美代 高砂 志織 本間 秀一朗 寺尾 寛行 小川 紹文
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.77-85, 2009 (Released:2009-07-08)
参考文献数
19
被引用文献数
2 1

ツユクサ科の一年生雑草であるマルバツユクサは,地上部および地下部にそれぞれ大きさの異なる大小2種類の種子を形成する。本研究では,南九州に発生した個体におけるそれら4種類の種子の発芽,出芽,生育およびそれらの種子から発生した個体の種子生産を比較した。  地上部あるいは地下部に形成された大型種子の発芽率は25°C∼40°Cで85%以上であり,発芽に要する平均日数は30°C∼40°Cで3日∼4日以内であった。また,斉一発芽係数は30°C∼35°Cで0.7∼1.1と最も大きな値を示した。小型種子の場合,地上部および地下部ともに発芽率は30°C∼35°Cで90%以上となり,発芽に要する平均日数は30°Cで約8日,35°C∼40°Cで約5日となって,大型種子よりも長くなる傾向にあった。また,小型種子の斉一発芽係数は35°Cで0.2∼0.5と最も大きな値となったが,数値は大型種子の半分以下であった。4種類の種子を自然条件下に播種した場合,地上部あるいは地下部に形成された大型種子から発生した個体の多くが3月∼5月に出芽したのに対して,小型種子の多くは4月∼9月に断続的に出芽した。また,それらの出芽深度は大型種子で0mm∼50mm,小型種子で0mm∼10mmであり,小型種子よりも大型種子由来の個体が土壌の深い場所から出芽した。完全展開した第1葉の葉長葉幅比は,いずれの種子から発生した個体においても約1.45であったが,葉幅は地下部大型種子>地上部大型種子>地下部小型種子>地上部小型種子由来の個体の順に有意に異なっていた。それぞれの種子から発生した個体の地上部における草丈,一次分枝数,葉数および生体重は同様の傾向に推移し,また地上部および地下部に形成された花序数あるいは大小の種子数についても,種子の形成位置と大きさによる有意差は認められなかった。以上の結果から,マルバツユクサに形成される4種類の種子,すなわち地上部あるいは地下部に形成された大型あるいは小型種子について,最適発芽温度,平均発芽日数,斉一発芽係数,出芽深度および出芽パターンは種子の大きさによって,また完全展開した第1葉の形態は種子の形成位置と大きさによって異なることが分かった。しかし,それら種子から発生した個体の生育,後の花芽形成あるいは種子生産については種子間に差異が認められなかった。
著者
坂本 信道
出版者
中央図書出版社
雑誌
国語国文 (ISSN:09107509)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.p1-15, 1991-06
著者
坂本 英夫
出版者
奈良大学
雑誌
奈良大学紀要 (ISSN:03892204)
巻号頁・発行日
no.15, pp.p105-125, 1986-12

近年,わが国においては高速道路・新幹線・航空による高速交通の発展は著るしいものがあり,国土の時間的距離の縮小が達成されつつあるといえよう.しかし,一方で,それら高速交通の恩恵に浴していない地域も存在している.このような地域は概して部分的・飛地的に局在しているので,鉄道や道路による高速交通をはかることは困難な点がある.そこで,航空機をもって交通面の隣路を打開しようとする動きが出ている.乗客数と設備投資の上から,小型の航空機で比較的短距離(150㎞程度)を運航する,いわゆるコミューター航空の構想がこれである.欧米では,小型機の運用形態には3種類あるといわれている(今野修平,1985).1つはコミューターで,定期航空である.第2はエアタクシーで,不定期のチャーターである.第3は自家用機である.わが国で,小型機を活用して地方の活性化をはかるべく,注目をあびているのが,第1番目にあげたコミューターである(西岡久雄,1985,佐藤文生,1985).本稿では,とくに辺地での地域航空の可能性を検討するとともに,問題点を探り,かつ具体的な場として北海道と近畿地方を例にして考察を進めることにした.
著者
三浦 加代子 坂本 薫 中谷 梢 作田 はるみ 橘 ゆかり 岩城 啓子 升井 洋至 森井 沙衣子 川西 正子 堀内 美和 片平 理子 白杉(片岡) 直子 井奥 加奈 横溝 佐衣子 岸田 恵津
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.44-52, 2020-02-05 (Released:2020-02-14)
参考文献数
21
被引用文献数
1

小学校家庭科での炊飯学習のあり方を検討することを目的に,近畿および関東の公立小学校の家庭科担当教員を対象に,教育現場での炊飯実習の実態を調査した。平成25年に近畿630校,平成26年に関東700校を無作為に抽出し,炊飯実習に関する調査票を郵送した。近畿306校,関東234校より回答が得られた。炊飯実習は約97%が5年生を対象に実施されていた。90%以上が鍋を用い,材質はガラスが85%を占めていた。炊飯実習の米の量,洗米,水加減,浸水時間,加熱の仕方などの指導は教科書の方法に従って行われていた。教員が実習で困っていることは,「火加減の調節の指導」,「焦げること」が多くあげられた。教員は,児童が自分でご飯が炊けた達成感を感じ,ご飯が炊けるまでの変化に興味をもっていたととらえていた。教員は炊飯実習を有意義な実習であると考えていた。「火加減の調節の指導」や「加熱時間の調整の指導」,「焦げることへの対応」は今後の検討課題である。
著者
坂本 新八
出版者
日本建築学会
雑誌
建築雑誌 (ISSN:00038555)
巻号頁・発行日
no.545, pp.789-796, 1931-05
著者
染谷 明正 坂本 廣司 長岡 功
出版者
ファンクショナルフード学会
雑誌
Functional Food Research (ISSN:24323357)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.67-71, 2019 (Released:2020-01-01)
参考文献数
10

グルコサミンは,関節の痛みや違和感などの症状を緩和することを期待し,サプリメントとして使用されている.そして,このような関節症状の緩和にはグルコサミンの抗炎症作用が関与していると考えられている.われわれは,グルコサミンが関節滑膜細胞からの炎症性サイトカインの産生を抑制すること,そして,その抑制には O -N-アセチルグルコサミン( O -GlcNAc)修飾が関与していることを報告している.一方,炎症性サイトカインの産生には,転写因子NF-κBが重要な役割を果たしている.本研究では滑膜炎症におけるグルコサミンの炎症抑制機構を調べるため,ヒト関節滑膜細胞株MH7Aを用い,NF-κBの活性化に及ぼすグルコサミンの影響および, O -GlcNAc修飾との関連性について調べた. その結果,グルコサミンは,IL-1β刺激で起こるNF-κB p65サブユニットのリン酸化(活性化)や核への移行を抑制した.一方, O -GlcNAc修飾を阻害するアロキサンは,グルコサミンによるこれら抑制作用を消失させた.またグルコサミンは,IL-1β刺激によって起こるNF-κBとIκBα(NF-κBと結合して核移行を阻害するタンパク質)との解離を抑制し,アロキサンはこの抑制効果を消失させた. これらのことからMH7A細胞において,グルコサミンは O -GlcNAc修飾を介して,IL-1β刺激によって起こるNF-κBからの IκBαの解離を阻害し,NF-κBのリン酸化や核への移行を抑制することで,炎症性サイトカイン遺伝子の転写を抑制し,その産生を低下させる可能性が示唆された.
著者
佐藤 吉幸 西迫 大祐 箱田 徹 坂本 尚志 藤田 公二郎 相澤 伸依 武田 宙也
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

今年度も、ミシェル・フーコーのコレージュ・ド・フランス講義の総体を明らかにするために、京都大学人文科学研究所の共同研究「フーコー研究:人文科学の再批判と新展開」と共同で以下の研究会を行い、研究成果を共有するとともに、最終年度に刊行予定の共同研究論集刊行のための予備作業として口頭発表を行った。2019年4月20日(発表者:ギャヴィン・ウォーカー「The Will to Strategy: Foucault's Interregnum, 1976-79」)、2019年5月18日、19日(発表者:市田良彦、布施哲、坂本尚志、小泉義之)、2019年6月15日(発表者:サンドロ・メッザードラ「Foucault and Marx in the Contemporary World: War, Governmentality and Beyond」)、2019年7月13、14日(発表者:前川真行、北垣 徹、小泉義之、松本潤一郎)、2019年9月28、29日(発表者:上尾真道、隠岐さや香、ニコラ・タジャン、立木康介)、2020年1月25日 公開国際シンポジウム「Critique et verite: de la parrhesia」(発表者:フィリップ・サボ、市田良彦)、1月26日 公開合評会「ドゥルーズ、フーコー、小泉の霊性」──小泉義之著『ドゥルーズの霊性』をめぐって」(発表者:市田良彦、廣瀬純、千葉雅也、応答者:小泉義之)、1月30日 公開セミナー「Verite et fiction selon Michel Foucault」(発表者:フィリップ・サボ、坂本尚志)。研究成果の中間報告として、『思想』2019年9月号、特集「未完のフーコー」を刊行した。また、研究代表者の佐藤吉幸は、今年度9月から3月にかけてフランスでの在外研究を行い、パリ第8大学、EHESSで研究と発表を行った。
著者
貞本 和代 坂本 祐一郎 門屋 美知代 末信 敏秀
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.11-19, 2020 (Released:2021-03-30)
参考文献数
8
被引用文献数
1

0.3%ロメフロキサシンの点耳薬であるロメワン®のイヌ細菌性外耳炎への使用時における安全性および有効性を確認することを目的として,使用成績調査を実施した。本調査では,副作用発現状況の把握を目的とした安全性調査および,有効性および細菌学的効果を承認前に実施した治験成績と比較することを目的とした有効性調査を実施した。安全性評価の対象となった613症例のうち,3症例に副作用(嘔吐,耳擦過傷および外耳障害)が認められ,副作用発現率は0.49%であった。有効性評価の対象となった103症例における有効率は66.0%(68/103)であった。また,有効菌種であるS. intermedius,S. canisおよびP. aeruginosaの消失率はそれぞれ77.1%,79.0%および92.3%であり,ロメワン®は有効菌種に対して高い細菌学的効果を示した。以上の結果より,ロメワン®は副作用発現率が低く,有用な薬剤であることが示された。
著者
坂本 優紀 渡辺 隼矢 山下 亜紀郎
出版者
地理空間学会
雑誌
地理空間 (ISSN:18829872)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.43-57, 2020

本稿では,長野県上伊那地域でみられる筒系噴出煙火の三国を地域文化として捉え,三国の伝播と利用形態の変容を明らかにした。伊那谷における三国は江戸時代に三河地方から伝わったとされ,各地域の神社の祭りで奉納されるようになった。現代でも駒ヶ根市以南では,主に神社の秋祭りで奉納され神事としての役割を担っている。第二次世界大戦後になると三国の利用地域が拡大し,それまで三国の北限であった駒ヶ根市より北にある宮田村と箕輪町で三国が放揚され始めた。宮田村では1962年に在来の祭礼に組み込まれる形で三国が奉納されるようになった。当初は祭礼を盛り上げることが目的であったものの,現在では神事としての意義づけがされている。一方,箕輪町では2000年代に地域イベントで放揚され始め,現在も神事としての役割はない。このように三国の拡大過程においてその意義づけは対象地域ごとに異なり,各地域それぞれの選択と解釈がなされていることが明らかとなった。
著者
坂本 雄司 白井 良成 高田 敏弘 片桐 滋 大崎 美穂
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.1-4, 2012
参考文献数
3

探索目標に関する映像中の位置情報を用いて録画データからインタラクティブに目標を探索する手法を提案する.手法の考え方は発掘作業になぞらえることができる.地層を掘り下げるように,利用者はスコップのような道具と目標位置に関する補助情報を用いて過去映像を掘り下げ,目標映像を探す.手法を実装したシステムの詳細とその評価実験の結果を紹介する.
著者
細田 真道 坂本 寛 村上 友規 毛利 忠 中山 彰 小川 智明 宮本 勝
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.946-958, 2021-03-15

本論文ではMaaS,イベント,施設等の運営者が人流把握を目的として来場者所持端末を測位する方法を提案する.我々はこの目的のため,広く普及している無線LAN端末を対象とし,端末にアプリケーション等のインストール不要,端末は分散アンテナを用いたアクセスポイントに帰属するだけでアクセスポイント側から1次元測位できる方法を以前提案した.本論文ではこれを2次元に拡張するとともに,より多くのアンテナや複数種の計測値を統合して位置推定計算する方法を提案し,有効性を確かめるための実験を行い測位結果および評価を示す.最後に,フィールド実証として来場者が多数集まる展示会で動作させ,実フィールドでの有効性を確かめる.