著者
坂本 淳哉 後藤 響 近藤 康隆 本田 祐一郎 片岡 英樹 濱上 陽平 横山 真吾 中野 治郎 沖田 実
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.38 Suppl. No.2 (第46回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.AcOF2005, 2011 (Released:2011-05-26)

【目的】 先行研究によれば,関節包に由来した拘縮の発生メカニズムとして線維化の発生が指摘されている.ただ,この線維化の発生状況を詳細に検討した報告はなく,その発生メカニズムも明らかになっていない.一方,手掌腱膜の線維増生によって生じるDupuytren拘縮は,コラーゲン合成に関わるサイトカインを産生する筋線維芽細胞の著しい増加がその発生メカニズムに強く関与しているとされ,肺や肝臓などといった内蔵器の線維化にも筋線維芽細胞の増加が関与していることが近年報告されている.つまり,不動による関節包の線維化に対しても筋線維芽細胞の増加が関与しているのではないかと仮説できる.そこで,本研究では,膝関節不動モデルラットの関節包における線維化の発生状況と筋線維芽細胞の変化を組織学的・免疫組織化学的手法を用いて検討した.【方法】 実験動物には12週齢のWistar系雄性ラット12匹を用い,無作為に無処置の対照群(n=5)と両側後肢を股・膝関節最大屈曲位,足関節最大底屈位にてギプス包帯で4週間不動化する不動群(n=7)に振り分けた.実験開始時は,各群すべてのラットを麻酔し,0.3Nの張力で膝関節を伸展させた際の可動域(ROM)を測定した.そして,実験終了時は,不動群においては前述の方法でROMを測定した後,両側後肢後面の皮膚を縦切開し,膝関節屈筋群を切除した後に,再度,ROMを測定した.なお,対照群においては皮膚の切開や筋の切除は行わず,麻酔下でROMを測定した.その後は,両側膝関節を摘出し,最大伸展位の状態で組織固定を行い,脱灰処理の後,矢状断にて2分割し通法のパラフィン包埋処理を行った.そして,右膝関節の各試料から5μm厚の連続切片を作製し,105μm厚(連続切片21枚)につき1枚,のべ3枚の切片を抜粋し,コラーゲン線維の可視化のためにPicrosirius Red染色を施した.次に,各試料の染色像における後部関節包を40倍の拡大像でコンピューターに取り込み,画像処理ソフトを用いて画像上に縦,横50μm間隔に格子線を描いた.そして,後部関節包のコラーゲン線維束上に存在する格子線の交点の総数を計数し,対照群の平均値を基準に不動群のそれを百分率で算出した.また,筋線維芽細胞のマーカーとして使用されている抗alpha-smooth muscle actin(alpha-SMA)抗体を用いて免疫組織化学的染色を施した後,後部関節包におけるalpha-SMA陽性細胞の出現率を計測し,各群で比較した.なお,統計手法にはMann-WhitneyのU検定を適用し,5%未満をもって有意差を判定した.【説明と同意】 本実験は,長崎大学動物実験指針に基づき長崎大学先導生命科学研究支援センター・動物実験施設で実施した.【結果】 実験終了時の不動群のROMは,対照群のそれに比べ有意に低値を示し,不動群のすべてのラットは皮膚の切開と筋の切除後もROM制限が残存していた.次に,Picrosirius Red染色像を検鏡すると,不動群では後部関節包の肥厚や線維増生が認められた.そして,前述の方法で画像解析を行った結果,対照群の平均値に対する不動群の百分率は有意に高値を示した.また,不動群におけるalpha-SMA陽性細胞の出現率は対照群のそれに比べ有意に高値を示した.【考察】 今回の結果,実験終了時の不動群のROMが対照群のそれに比べ有意に低値であったことから,拘縮の発生は明らかである.そして,不動群では皮膚の切開と筋の切除後もROM制限が残存しており,これは関節構成体にも拘縮の責任病巣が存在することを示唆している.先行研究によれば,正常関節の運動時の組織抵抗寄与率は関節構成体の中でも関節包が最も大きいといわれており,この残存したROM制限は関節包に由来するところが大きいと考えられる.そして,Picrosirius Red染色像の画像解析の結果は,不動群の後部関節包におけるコラーゲン増生を示しており,不動によって線維化が発生しているといえよう.そして,不動群に認められたalpha-SMA陽性細胞の出現率の増加は,筋線維芽細胞の増加を意味しており,これは不動によって惹起された後部関節包の線維化の発生に関与していると推察される.ただ,線維化の発生時期やその分子メカニズムは不明であり,今後の検討課題と考える.【理学療法学研究としての意義】 今回の結果は,ラット膝関節を屈曲位で4週間不動化すると後部関節包に線維化が惹起され,この変化には筋線維芽細胞の増加が関与する可能性が見出された.つまり,これらの結果は,関節包由来の拘縮の発生メカニズムの解明の一助になる成果と考える.
著者
羽根 拓也 坂本 龍一
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネスassocie (ISSN:13472844)
巻号頁・発行日
vol.8, no.7, pp.104-109, 2009-04-07

東京芸術大学大学院在学中から音楽家としての活動を始め、YMO(イエロー・マジック・オーケストラ)でテクノブームの中心的存在となった。その後、映画音楽、オペラなどへと活躍の場を広げ、36歳の時、「ラストエンペラー」で米アカデミー賞オリジナル作曲賞を受賞。さらに、1992年バルセロナ五輪開会式のテーマ曲を手がけ、「energy flow」では国内チャート1位に輝く。
著者
松本 始 坂本 忠規
出版者
公益財団法人 竹中大工道具館
雑誌
竹中大工道具館研究紀要 (ISSN:09153685)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.3-21, 2021 (Released:2021-03-20)
参考文献数
6

本稿では三重県玉城町の三縁寺に残されていた文書のうち、文化3年(1818)の本堂建替の棟梁として活動した九代竹中藤右衛門に関するものを取り上げ、その解説と翻刻文を掲載した。あわせて同文書から判明する九代竹中藤右衛門の活動地域と業務内容を明らかにし、江戸後期の大工棟梁の実態について考察を加えた。
著者
山本 智一 中山 迅 近江戸 伸子 竹下 裕子 稲垣 成哲 竹中 真希子 山口 悦司 藤本 雅司 坂本 美紀 大島 純 大島 律子 村山 功
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.423-424, 2004
参考文献数
2
被引用文献数
2

筆者らは, Knowledge Forum を利用して,遺伝子組み換え食品問題に対する社会的意思決定をテーマとした科学教育のためのCSCL環境を開発している.本研究では,遺伝子組み換え食品についての基礎的内容に対する学習者の理解度を検討した.その結果,多くの学習者は,遺伝子,遺伝子組み換えと品種改良,遺伝子組み換え食品の現在といった基礎的な内容をおおむね理解できていたが,他種間の品種改良や世界の表示状況についてはあまり理解できていなかったことがわかった.
著者
坂本 明
出版者
一般社団法人 ターボ機械協会
雑誌
ターボ機械 (ISSN:03858839)
巻号頁・発行日
vol.7, no.11, pp.644-652, 1979-11-10 (Released:2011-07-11)
参考文献数
7
著者
沼田 貴美子 坂本 美代子 秋吉 澄子 柴田 文 小林 康子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.25, 2013

【目的】「調理文化の地域性と調理科学―行事食・儀礼食―」の全国の調査概要は報告書に,九州他各支部の概要は日本調理科学会誌に掲載された。今回,熊本県で調査した通過儀礼食について詳細に分析を行ったので報告する。<br>【方法】調査対象者は,学生とその親の世代間による比較検討を行うために親子間で回答が得られた者各82名であった。学生は熊本市内の短期大学1年生,親は40~50歳代であった。通過儀礼の出産祝い,お七夜,百日祝い,初誕生,誕生日,七五三,成人式,結納,婚礼,厄払い,長寿祝い,葬儀,法事で供される食べ物の認知度や経験度などについて分析し,熊本と全国や九州各県の結果を比較検討した。<br>【結果】通過儀礼食は出産祝い・お七夜・百日祝い・初誕生の出産関連(A),誕生日・七五三・成人式の誕生関連(B),婚礼関連(C),厄払い・長寿の祝い・葬儀・法事の長寿法事関連(D)の4群に分類でき比較検討した。Aでは認知度・経験度ともに親世代が学生より有意に多く,Bでは学生・親ともに認知度・経験度が多く世代間の差は認められなかった。Cの婚礼,Dの長寿祝い,葬儀,法事の認知度は学生でも高く親世代との間に有意な差は認められなかった。通過儀礼食の食経験とその時期及び調理状況や食べ方について,親世代の食経験時期は1984~2003年が最も多く,葬儀と法事も2004年以降の食経験が多かった。A,Bでの赤飯は家庭でよく作られ,実家・親戚などで食べるも多かった。買うが多かったのは,誕生日のケーキ,七五三の千歳あめ,長寿祝い他でのもち・饅頭であった。外で食べるが多かったのは,婚礼や長寿祝いの日本料理他、葬儀や法事の精進料理であった。学生は誕生日,七五三,葬儀,法事の食経験が他項目より多かった。
著者
古田 一郎 山本 典生 平海 晴一 坂本 達則 伊藤 壽一
出版者
日本耳科学会
雑誌
Otology Japan (ISSN:09172025)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.131-135, 2013-05-25
参考文献数
9

当科で経験した8例10耳の耳硬化症再手術症例につき検討した。10耳中2耳は再々手術例であった。初回手術から再手術までの平均期間は4年9か月で、再手術のきっかけとなった主訴は9耳が難聴で1耳がめまいであった。術中所見では8耳(80%)でピストンの脱落を認めたが、術前にコルメラの評価を行った側頭骨CTでは、5耳しかピストンの変位を指摘できなかった。術前、術後の聴力評価は気導3分法で行ったが、再手術により難聴を主訴にした9耳のうち7耳で15dB以上の聴力改善を認め、再手術による内耳障害等、重篤な合併症を認めた症例は1耳もなかった。このことより、耳硬化症術後に難聴をきたした場合は、再手術により聴力改善が大きく期待され、原因精査の意味も含め、積極的に再手術を行うべきだと考えた。
著者
中路 重之 坂本 十一 菅原 和夫 岩根 覚 太田 昌徳 森 文平
出版者
一般社団法人日本衛生学会
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.628-637, 1993
被引用文献数
2 4

Based on the result of the Aomori Nutrition Survey, we have calculated daily dietary fiber (DF) intake using modified Southgate and Prosky methods. Result obtained were as follows: DF intake in Aomori was 23.7&plusmn;8.4g by the modified Southgate method, and 22.2&plusmn;8.5g by the modified Prosky method. As for supply sources of DF, 32.3% was from grains; 22.7%, vegetables; 15.6%, beans; and 7.8%, fruits calculated by the modified Southgate method, and 31.3%, vegetables; 19.0%, grains; 18.0%, beans; and 11.6%, fruits by the modified Prosky method. As to types of DF, intake of hemicellulose was 11.5&plusmn;4.2g, cellulose 7.8&plusmn;3.0g and lignin 4.4&plusmn;2.3g. In the group with DF intake below 10.0g, DF came mainly from grains and fruits, while the group with DF intake above 30.0g took DF from various foods.
著者
坂本 謙司 森 麻美 中原 努 石井 邦雄
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.137, no.1, pp.22-26, 2011-01-01
参考文献数
84

網膜色素変性症は中途失明の3大原因の1つであり,本邦では緑内障,糖尿病網膜症に続いて中途失明原因の第3位を占めている.網膜色素変性症の原因は遺伝子の変異であり,常染色体劣性遺伝型を示すことが多い.網膜色素変性症の患者においては,網膜の視細胞および色素上皮細胞の広範な変性が認められ,自覚症状としては,初期には夜盲と視野狭窄が,症状が進行し40歳を過ぎた頃から社会的失明(矯正視力約0.1以下)に至る.しかし,本症の進行には個人差が大きく,中には生涯良好な視力を保つ患者も存在する.現在,人工網膜,網膜再生,遺伝子治療および視細胞保護治療などに関する研究が進められているが,本症の治療法は全く確立されていない.本総説では,代表的な網膜色素変性症の原因遺伝子と,それらに対応する動物モデルを概説し,さらにそれらの動物モデルを用いて得られた新たな治療法の開発の現状について紹介する.
著者
坂本 公一 高橋 忠雄 吉田 欣也 車田 頼義 角田 元成
出版者
日本家畜臨床学会
雑誌
東北家畜臨床研究会誌 (ISSN:09167579)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.36-40, 1991-08-20 (Released:2009-04-22)
参考文献数
8

臨床症状から第四胃食滞と診断された10例の子牛について、臨床的観察を行うとともに、診断および治療について観察した。その結果、発症子牛は何れも黒毛和種の哺乳子牛で、発症日令は18~158日、平均48日であった。初診時の症状は、何れも水様便であったが、下痢症に対する治療法に反応せず次第に衰弱し、哺乳欲の低下、腹囲の膨大、第四胃部の拍水音および排便量の著しい減少が認められた。No.1からNo.3の3頭には、第6病日以後も内科的対症療法を継続したが、平均19日の経過でいずれも死亡した。No.4、No.5の2頭には第6病日以後、第四胃切開術を実施し、No.6からNo.10の5頭には第四胃内容の攪拌を目的とした腹部のマッサージを実施した結果、いずれも処置の翌日、多量の便または正常便の排出と供に一般症状の改善がみられ治癒した。死亡したNo.1とNo.2の幽門部には潰瘍がみられ、その隆起によって幽門部が狭窄しており、No.3の幽門は毛球によって閉塞していた。また手術を実施したNo.4とNo.5の第四胃内には未消化の植物線維が堆積していた。以上のことから子牛の臨床症状として、腹囲膨病、第四胃拍水音および排便量の著しい減少などがみられた場合は、第四胃マッサージあるいは、第四胃切開術は第胃食滞の治療に効果のあることが認められた。
著者
近藤 秋穂 山口 愛友 中下 千尋 細田 耕平 坂本 達昭
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.79, no.3, pp.142-150, 2021-06-01 (Released:2021-07-09)
参考文献数
21

【目的】調理に対する自信とセルフエスティーム(以下,SEとする)を高めることをねらいとした非対面式による調理プログラムの効果を明らかにすること。【方法】対象は小学4~6年生(29名)とした。前後比較デザインにより全5回のプログラムを実施した。内容は,参加者が自宅で調理動画を視聴し,調理することである。希望者には食材を無料提供した。プロセス評価は,各回終了時に参加者に動画のわかりやすさ,難易度等をたずねた。第5回終了後には,保護者にも調査を実施した。プログラムの効果は,プログラム参加前後の調理に対する自信とSEの変化から評価した。SEの評価は,先行研究により信頼性と妥当性が確認された尺度(得点範囲8~32点)を用いた。【結果】プロセス評価において,参加者と保護者の評価は良好であった。プログラム参加前より参加後は,自分で料理をうまく作る自信があると回答した者が多く(p=0.003),「ガスコンロや包丁を使わずに,自分一人でいろいろなおかずを作る」ことの自信度も高かった(p<0.001)。SEの平均値(標準偏差)は,プログラム参加前22.9(5.2)よりも参加後25.0(4.4)が高値であった(p=0.002)。【考察】今後,対照群を設けて検討する必要があるものの,本プログラムは調理に対する自信とSEを高める可能性が示唆された。
著者
山本 晴彦 川元 絵里佳 渡邉 祐香 那須 万理 坂本 京子 岩谷 潔
出版者
日本自然災害学会
雑誌
自然災害科学 (ISSN:02866021)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.185-205, 2019 (Released:2019-12-23)
参考文献数
23

2018年7月5日から8日にかけて,広島県中部では梅雨前線に伴い豪雨が発生した。安芸と天応の観測所では,48時間降水量が412mm,388mmを観測した。広島市の安芸区,坂町,呉市,熊野町,東広島市などでは豪雨により土砂災害が発生した。広島県では土砂洪水災害による死者は108人,全壊住家は1,029棟に達した。安芸区矢野地区の矢野川,呉市天応地区の大屋大川と支流の背戸の川では上流で土石流が発生し,住宅の全壊,住宅への土砂の流入や浸水被害が相次いだ。
著者
遠藤 隆志 中島 剛 坂本 将基 塩澤 伸一郎 小宮山 伴与志
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.269-278, 2006-04-01 (Released:2007-05-10)
参考文献数
38

It has recently demonstrated that central fatigue during sustained maximal voluntary contraction (MVC) progresses faster in the presence of delayed onset muscle soreness due to eccentric contractions than in normal states (Endoh et al., 2005). However, it remains to be clarified whether these findings are related to muscle damage or muscle pain induced by eccentric contractions. The present study investigated which factor plays a more critical role in the earlier onset of central fatigue during sustained MVC with muscle pain induced by injecting hypertonic saline. Ten healthy male right-handed subjects (age, 21~32 yrs.) were asked to perform brief MVCs (~3 sec) before and after injection of isotonic saline (0.9%, 1.0 ml, ISO) or hypertonic saline (5.25%, 1.0 ml, HYP) into the left biceps brachii. The subjects then performed 1 min MVC (fatigue test) with isometric elbow flexion was done in ISO or HYP condition or intact control condition (CON). During these contractions, transcranial magnetic stimulation was delivered to the contralateral motor cortex to evaluate voluntary activation (VA), the motor evoked potential (MEP) and electromyographic (EMG) silent period (SP). Ratio of root mean square of the EMG and elbow flexion force (EMGrms/F) was also measured.The peak pain induced by the injection of HYP was significantly higher than that of ISO (p<0.01). There was no significant difference in either the maximum size of the M response or the twitch force between ISO and HYP (p>0.05). However, during the brief MVCs, both maximal force (p<0.01) and VA (p<0.05) for HYP were significantly decreased compared to those for ISO. During the fatigue test, although MVC, VA, MEP and SP were significantly altered (p<0.05~0.01), there was no significant difference among CON, ISO and HYP (p>0.05). There was no significant difference in EMGrms during the fatigue test (p>0.05).These results suggest that peripheral force-producing capacity remained intact after the injection of ISO and HYP during sustained MVC, and that progression of central fatigue during sustained MVC was less affected by the increased group III and IV afferent activity induced by HYP.
著者
小林 貴 坂本 将吾
出版者
一般社団法人 環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集 Vol.30(第30回環境情報科学学術研究論文発表会)
巻号頁・発行日
pp.323-328, 2016-11-28 (Released:2016-11-28)
参考文献数
10

本研究では,鉄道踏切における一時停止義務の廃止による環境負荷物質(CO2,NOx,PM)排出量の削減効果を検討した。一時停止義務廃止について2つのケースを設定し,交通量と列車間隔の異なる踏切における環境負荷物質の削減率を算出した。その結果,すべての環境負荷物質について,一時停止無・徐行有では交通量300 台/h以上・列車間隔3分未満の踏切において10% 以上,また,一時停止無・徐行無ではすべての交通量・列車本数の踏切において20%以上,最大70%程度,現状からの削減率が見込めることを示した。PM は交通量による削減率の変化が大きいなど,CO2,NOx,PM では削減率の高い踏切の条件(交通量・列車間隔)が異なることを示した。
著者
徳永 晴樹 廣畑 昌章 大川 正晃 坂本 孝広 保田 武彦 入佐 英紀
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会論文誌 (ISSN:18835856)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.184-198, 2017

熊本県内の事業所から,産業分類 (19分類) ごとに 10 % となるよう抽出し,水銀含有製品ごとの購入量,保有量,廃棄量等をアンケート調査した。また,県下を11地域に分け,約2,700人を対象に,家庭における水銀含有製品の保有量を調査した。アンケート調査の結果および既存の調査・統計資料を活用し,①県内への水銀流入量,②県内における水銀存在量,③県内における廃棄量および環境への水銀の排出量を推計した。<br>県内への水銀の流入量は,水銀を含む原燃料や水銀含有製品の入荷等で約 0.22 ton /年と推計された。存在量は,事業所約 1.3 ton,家庭約 2.1 ton の計約 3.4 ton であり,事業所,家庭ともに計測器が約 8 割を占めた。廃棄量は,約 0.038 ton /年であり,その 8 割強を事業所からの廃棄量が占めた。<br>これらの結果を基に,熊本県内における水銀のマテリアルフローを作成した。
著者
赤沼 安夫 繁田 幸男 井村 裕夫 七里 元亮 垂井 清一郎 馬場 茂明 堀野 正治 兼子 俊男 三村 悟郎 清水 直容 内藤 周幸 中川 昌一 工藤 守 久保田 奉幸 阿部 祐五 王子 亘由 鍋谷 登 河原 啓 安東 千代 陣内 冨男 小坂 樹徳 後藤 由夫 葛谷 健 平田 幸正 伊藤 徳治 梶沼 宏 堀内 光 坂本 信夫
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.9-18, 1984

ブタインスリンの化学的修飾によつて酵素学的畔合成されたHuman Momcomponent Insuliれの安全性, 有効性および免疫学的推移を精製ブタインスリンを対照薬剤とした二重盲検法にて検討した. 用いた製剤はいずれもActrapidおよびMonotard製剤である. 治験は96週間の予定にて実施進行中であるが, 今回は24週間まで投与し得ている症例を対象とした中間成績である. 対象は, 精製ブタインスリン製剤のみで治療されているType IおよびType II糖尿病患者153例であった. 解析は除外症例8例を除いた145例にて実施された.<BR>患者の年齢, 糖尿病病型, 肥満度, 糖尿病発症年齢, 糖尿病罹病期間および糖尿病性合併症など背景因子に明らかな偏りはなかった.<BR>全般改善度, 有用度とも精製ブタインスリン群の方で改善および有用と判定する傾向があった (0.05<p<0.1).<BR>インスリン1日用量, 空腹時血糖値およびヘモグロビンAiでは両薬剤群間に有意な差は認められなかった. 体重, 抗インスリンIgG抗体およびインスリン特異性IgE抗体でも両薬剤群間に差を認めなかった. インスリンアレルギーが治験開始1ヵ月頃に, リポアトロフィーが12週間頃に各1例ずつ認められたが, いずれも治験はそのまま継続し得た. これら以外に副作用は認めなかった. 臨床検査成績に治験薬剤によると思われる直接的な影響は認められなかった.<BR>以上より, Human Monocomponent Insulinは, 精製ブタインスリンとほぼ同様の安全性, 有用性を有しており, 糖尿病治療上, 有用なインスリンであると判断された. しかしながら両者間には作用特性に多少の差異がみられる可能性は残る. この点に関しては今後さらに検討される必要があろう.
著者
松井 清夫 坂本 弘 堀尾 清晴 佐藤 広文
出版者
The Japanese Society for Hygiene
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.693-698, 1978-12-30 (Released:2009-02-17)
参考文献数
12
被引用文献数
3 2

騒音暴露時の副腎皮質機能変動に関しては機能上昇と低下の所見が交錯して報告されている。それは暴露音の強さと暴露時間の差異にもとづくのではないかと推察される。本報では広帯域騒音を60, 80, 100dB (c) で8時間暴露し, その経過中の数時点で副腎重量, 副腎中11-OHCS濃度および cholesterol 濃度を測定した。また, 8時間暴露後15分間無騒音の状態においた後に15分間100dB (c) の騒音に再暴露して, 同様の観察項目の測定をおこなった。さらに, 8時間暴露終了直前にACTHまたは histamine を投与し, それらに対する副腎反応性も観察した。次のような結果を得た。1) 騒音暴露により副腎11-OHCS濃度は急速に上昇し, 15分で最高値に達した後ただちに低下し対照群と同一水準に復帰する。暴露がなお継続されているが, 復帰後は対照群と同様に正常日内変動リズムを示す。2) 8時間暴露終了時点における副腎11-OHCS濃度は, 対照群および各音強暴露群間で有意の差は認められなかった。3) 8時間暴露後15分間無騒音の状態においた後に100dB騒音を15分間再暴露すると, 80dB群では副腎11-OHCS濃度は再び上昇する。しかし, 8時間100dB暴露群では有意な上昇はみられなかった。4) 8時間暴露終了直前にACTH投与をおこなうと, 対照群および各暴露群ともに副腎11-OHCS濃度は有意に上昇した。5) 8時間暴露終了直前に histamine を投与すると, 対照群, 60dB暴露群および80dB暴露群では副腎11-OHCS濃度は有意に上昇するが, 100dB暴露群では上昇がみられなかった。6) 副腎中 cholesterol 濃度は, 8時間暴露終了時頃80dBおよび100dB暴露群で有意な減少がみられた。7) 副腎重量はすべての実験および群で有意な変化はみられなかった。以上の結果から, 副腎皮質機能日内変動とストレス反応とでは支配中枢が異なること, 強音暴露時にはストレス反応がみられるにとどまらず中枢支配状況の異常が出現することについて考察した。
著者
桜井 進一 猪股 伸晃 武井 健児 青柳 壮士 中澤 理恵 坂本 雅昭 富沢 渉
出版者
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
雑誌
関東甲信越ブロック理学療法士学会
巻号頁・発行日
vol.28, pp.99, 2009

【目的】<BR>群馬スポーツリハビリテーション研究会では,H14年の全国高等学校野球選手権群馬県大会(以下:夏季大会)から理学療法士(以下:PT)によるメディカルサポート(以下:サポート)を開始以降,サポート対象となる大会・内容を拡大し継続してきた。そこで,H14年からH20年までにサポートした計12大会における結果を整理し,必要とされているサポート内容とその経時的な変化の傾向について報告する。<BR>【対象・サポート内容】<BR>夏季大会はH14年度にベスト16以降16試合から開始,H15年度からベスト32以降31試合,H18年度以降は1回戦からの全66試合となった。またH18年から秋季関東地区高等学校野球大会県予選(以下:秋季大会),H19年から春季関東地区高等学校野球大会県予選(以下:春季大会)の準々決勝以降7試合のサポートも開始した。サポート内容は,試合前のコンディショニング及び試合中のアクシデントに対する対応を基本とし,夏季大会では4回戦以降で両チームの投手・野手に対する試合後のクーリングダウンを実施した。尚,上記規定試合以外の夏季大会1~3回戦,春季・秋季大会では監督からの依頼に応じた投手のクーリングダウンを実施した。<BR>【結果と考察】<BR> 過去12大会にサポートに参加したPTは延べ589名(実数158名)であり,内訳は夏季7大会で延べ308試合,523名,春季・秋季計5大会で延べ35試合,66名であった。夏季大会4回戦以降でのダウンは延べ202チーム,投手183名に実施した。ダウン実施の際に肩や肘に痛みの認められた投手は計49名,27%であった。全大会における応急処置やテーピング,依頼による投手クーリングダウン等の対応件数は延べ584件(287名)であり,対応内容はテーピング107件,アイシング65件,熱中症対応61件の順に多かった。傷害部位別では上肢が延べ128件,下肢が延べ153件,傷害内容別では打撲98件,筋痙攣78件,熱中症65件の順に多かったが,経時的変化はみられなかった。サポート内容の経時的変化として,H18年度までは規定試合以外での投手へのクーリングダウンの要請は0件であったが,H19年度12件、H20年度33件と急増しており,コンディショニングによる障害予防の重要性が各校へ浸透してきていると考えられた。 7年間でのサポート対応の増加を踏まえ,我々はマンパワーの確保,障害予防に必要とされる知識・技術の向上が必要と考えられた。