著者
三島 佳奈子 堀口 利之 野島 啓子 三宅 直之 磯崎 英治
出版者
The Japan Society of Logopedics and Phoniatrics
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.204-210, 1997-04-20 (Released:2010-06-22)
参考文献数
19
被引用文献数
2 2

薬効ピーク時に移動能力, ADLが向上する一方で, 一時的な起声困難が出現する若年性パーキンソン病患者を経験した.本症例の起声困難はドラッグコントロールにより改善しており, 薬物 (L-DOPA) に起因するすくみ現象による声帯の内転障害と考えられた.同一個体内で歩行と発声という異なる運動間ですくみ現象が時間的解離をもって出現した原因について考察した.結果, 同一個体内においても四肢・体幹と喉頭ですくみ現象の発現機序に相違がある可能性, あるいは薬物の治療閾値がおのおのの筋において異なる可能性を考えた.また, 本症例の起声困難には“kinesie paradoxale”を伴っており, 声帯のすくみ現象には発声を他の目標行動に変換して誘発する方法が有用であった.A 62-year-old man with juvenile Parkinson's disease was reported. When L-Dopa was working the patient felt difficulty in voicing although he could walk smoothly. Meanwhile, when L-Dopa was not working his difficulty in voicing disappeared but he was unable to walk. This discrepancy between voicing and walking is disussed.Laryngofiberscopic examination showed the following intriguing findings. When L-Dopa was working the patient's vocal cords assumed the hyperabduction position. Also, during an attempts at phonation, the vocal cords developed a tendency to adduct but were unable to. This movement seemed to correspond to a“freezing”phenomenon in walking. The adduction tendency of the vocal cords ameliorated temporazily by voluntarily making a cough instead of voicing. Such a phenomenon appeared as a freezing of vocal cord movement with kinesie paradoxale.Two hypotheses were raised to explain this “see-saw” phenomenon between voicing and walking. First, the mechanism of the freezing phenomenon might differ for voicing and walking. Second, the threshold for the effectiveness of L-Dopa might differ for the intrinsic laryngeal muscles controlling voicing and for the limb and truncal muscles controlling walking. The task of hawking which we attempted was very useful in speech therapy on PD patients who exhibited the freezing phenomenon of the vocal cords with kinesie paradoxale.
著者
三島 佳奈子 堀口 利之 野島 啓子 三宅 直之 磯崎 英治
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.204-210, 1997-04-20
参考文献数
19
被引用文献数
3 2

薬効ピーク時に移動能力, ADLが向上する一方で, 一時的な起声困難が出現する若年性パーキンソン病患者を経験した.本症例の起声困難はドラッグコントロールにより改善しており, 薬物 (L-DOPA) に起因するすくみ現象による声帯の内転障害と考えられた.同一個体内で歩行と発声という異なる運動間ですくみ現象が時間的解離をもって出現した原因について考察した.結果, 同一個体内においても四肢・体幹と喉頭ですくみ現象の発現機序に相違がある可能性, あるいは薬物の治療閾値がおのおのの筋において異なる可能性を考えた.また, 本症例の起声困難には"kinesie paradoxale"を伴っており, 声帯のすくみ現象には発声を他の目標行動に変換して誘発する方法が有用であった.<BR>A 62-year-old man with juvenile Parkinson's disease was reported. When L-Dopa was working the patient felt difficulty in voicing although he could walk smoothly. Meanwhile, when L-Dopa was not working his difficulty in voicing disappeared but he was unable to walk. This discrepancy between voicing and walking is disussed.<BR>Laryngofiberscopic examination showed the following intriguing findings. When L-Dopa was working the patient's vocal cords assumed the hyperabduction position. Also, during an attempts at phonation, the vocal cords developed a tendency to adduct but were unable to. This movement seemed to correspond to a"freezing"phenomenon in walking. The adduction tendency of the vocal cords ameliorated temporazily by voluntarily making a cough instead of voicing. Such a phenomenon appeared as a freezing of vocal cord movement with kinesie paradoxale.<BR>Two hypotheses were raised to explain this "see-saw" phenomenon between voicing and walking. First, the mechanism of the freezing phenomenon might differ for voicing and walking. Second, the threshold for the effectiveness of L-Dopa might differ for the intrinsic laryngeal muscles controlling voicing and for the limb and truncal muscles controlling walking. The task of hawking which we attempted was very useful in speech therapy on PD patients who exhibited the freezing phenomenon of the vocal cords with kinesie paradoxale.
著者
高橋 光太郎 柏原 健之朗 五十嵐 康彦 馬場 俊孝 堀 高峰 岡田 真人
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.4K3J1304, 2019 (Released:2019-06-01)

津波による被害を抑えるために,水圧計を使用した津波高即時予測システムは世界中で使われている. 津波の高さは,基本的に伝播中の地形(海底地形)に依存するため,予測には沿岸付近で観測された圧力計の値と海岸近くの予測点での津波の高さの間の相関関係を利用する. 津波高の予測には,被害を最小限に抑えるために予測精度と過小評価を避けることの両方が重要になっている. 従来の方法は,1506の地震シナリオから観測された水圧計の値に幅を持たせその中で最大の津波高を予測値としている.しかし,過小評価を避けるために実際の津波高に比べて大きく予測され,精度の低い手法となっている. 本研究では,ガウス過程回帰を用いた津波高予測手法を拡張し,過小評価が少なく精度の高い予測手法を提案した.また,従来法と提案法において,南海トラフの震・津波観測監視システム(DONET1)の圧力計データを用いて津波高を予測する検証を行い,予測精度と過小評価率の比較を行なった.
著者
中島 彩 阿波 邦彦 窓場 勝之 堀江 淳 村田 伸 飯田 康平 井内 敏揮 鈴木 景太 中嶋 大喜 中村 葵 白岩 加代子 安彦 鉄平
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.133-137, 2016

<p>本研究は健常成人女性14名を対象に,ヒールの高さの違いが歩行パラメータと下肢筋活動に及ぼす影響について検討した。ヒールなしおよびヒール高3cm と7cm 靴を着用した歩行中の歩行パラメータと下肢筋活動を計測した結果,歩行速度および歩幅とストライド長はヒールなし歩行に比べて,ヒール高7cm 歩行で有意に低下した。ヒールなし歩行とヒール高3cm 歩行のそれらの歩行パラメータには,有意差は認められなかった。両脚支持時間は,ヒールなし歩行に比べてヒール高3cm と7cm 歩行で有意に短縮したが,遊脚時間は後者が有意に増大した。下肢筋活動においては,測定した4筋すべてにおいて有意差が認められなかった。以上のことから,ヒール高3cm 以上で歩行中の立脚時間や遊脚時間に影響を与えるが,ヒール高3cm までであれば,歩行速度および歩幅やストライド長には影響が少ないことが示唆された。</p>
著者
堀 秀昭 藤本 昭 山崎 美帆 伊藤 のぞみ 大谷 浩樹 小林 康孝 林 正岳
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.E0340, 2008

【目的】今回の介護保険制度改正は、「できない」「足りない」を補うだけでなく、「できる」「している」を増やす目標志向型にシフトし、特に運動器の機能向上、栄養改善、口腔機能の向上に関しては加算が行われる。しかし、これらのプランも事業所で行われるだけでは効果はなく、在宅・地域コミュニティで継続されることが重要である。今回、高齢者スポーツ実施を通して継続的に地域で介護予防を実施するために、スポーツ高齢者の身体機能を調査し、スポーツの特殊性を検討するための基本的な調査を行った。<BR>【方法】対象は、スポーツを行っている高齢者366名(平均年齢69.8歳)とスポーツを行っていない高齢者399名(平均年齢76.5歳)とした。スポーツの種類としては、エスキーテニス、バウンドテニス、ラージボール卓球、シルバーバレーボール、グランドゴルフ、マレットゴルフ、ゲートボール、太極拳とした。身体機能測定項目は、片脚立位時間、握力、5m速度とし、各々の測定値から運動機能総合判定指標を算出した。また同時に転倒リスクに関する調査も行った。分析は、実施の有無、種目別、年齢別にて分散分析、また重回帰分析により転倒リスクとの関連を検討した。<BR>【結果】1、片脚立位時間は、太極拳(49.2秒)、シルバーバレー(46.2秒)がマレット(28.0秒)ゲートボール(32.6秒)より有意に長かった。握力は、グランドゴルフ(36.5Kg)エスキー(35.5Kg)バウンド(35.1Kg)ゲートボール(34.3 Kg)であり、太極拳(27.8 Kg)より有意に強かった。5m歩行は、バウンド(2.1秒)がゲートボール(2.8秒)より有意に早かった。運動機能総合判定指標においては、各種目に有意差は認められなかった。2、転倒リスクとの関連では片脚立位時間(p=0.011)握力(p=0.013)が有意な関連が認められた。<BR>【考察】運動機能総合判定指標では各スポーツの種目において違いが認められなかったが、バランス能力の片脚立位時間や総合筋力指標の握力で、スポーツ間に違いが認められた。これは競技特性を表しており、ラケットを使用しての競技は握力が必要であり、前後左右への動きが必要とされるラージボール卓球、シルバーバレーボール、太極拳は片脚立位時間が必要とされる。また転倒リスクと片脚立位時間や握力に関連性が見られたことで、高齢者スポーツを紹介する手段として、高齢者の握力と片脚立位時間を測定し、過去のスポーツ暦を考慮に入れながら、転倒予防を目標としたスポーツ紹介が可能と考える。また運動の精神的効果や社会的効果も報告されており、汗を流す喜びを体験させ、体力の向上は健康感を実感させ、ストレスから解放し、また地域に住む人々とともに運動やスポーツを楽しむことで友達づくりに貢献できるので、高齢者スポーツの推進を積極的に行う必要性がある。
著者
光國 和宏 市川 淳 堀 紫 池野 湧太 アレクサンドル ルブロン 河本 徹和 岡 夏樹 西崎 友規子
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

Voice User Interface(VUI)を搭載したスマートスピーカー,対話型スピーカーが家庭へ急速に普及している.母親を対象にした家族や育児に関する調査では育児に不安を持つ母親も多く,子ども向け対話型スピーカーの需要も高まることが予想される.今後の家庭における育児支援を期待した対話型スピーカーの研究が複数行われているが,それらの先行研究では,既存のサービスの利用や対話型スピーカーに対する印象調査に留まっている.そこで,本研究では子ども用対話型スピーカーの開発に向けた基礎的知見を創出することを目的とし,子どもと半自律型スピーカーとの対話遊びにおけるインタラクションを観察し分析を行った.実際の使用環境に近い環境で行ったインタラクションの結果を子どもの性格特性と関連付けて分析した.その結果,情緒が安定している,神経質ではない,あるいは幼稚園や保育園に適応していると母親に評価された子どもは,対話型スピーカーとより良い対話遊びを行うことが確認された.新たな対話型スピーカーの開発には子どもの性格特性に応じた振る舞いやデザインが必要である可能性が示唆された.
著者
堀口 哲生
出版者
日本商業学会
雑誌
流通研究 (ISSN:13459015)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.1-15, 2019 (Released:2019-05-31)
参考文献数
82

企業間競争の激化等の要因により,企業は技術的・市場的に新規性の高い新製品を以前よりも頻繁に導入することが求められている。このような新規性の高い新製品開発においては,新製品開発者が如何に正しい判断を行えるかという点が大きな課題となる。本研究では,先行研究,統計分析の結果をもとに,戦略的状況における意思決定の行われ方として,分析的判断,直観的判断,連想的判断の3つが存在することを明らかにした。その上で,技術的・市場的に新規性の高い新製品開発において,どのような意思決定がより有効なのかについて明らかにした。
著者
中村 雅美 青戸 勇太 森山 健 前田 俊二 鈴木 寛 堀江 聖岳
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.650-651, 2018

<p>高速道路での逆走は、死亡事故につながる可能性が高い非常に危険な事案である。高齢化の進展といった社会状況のもと、逆走事故の発生件数は依然として多い状況にあり、逆走対策の必要性は高い。我々は、一般物体検出手法であるSingle Shot MultiBox Detectorと動きを捉えるOptical Flowを組み合わせた逆走検知手法を提案してきた。本報告では、提案手法の車両検知精度の評価結果について述べる。</p>
著者
森山 健 青戸 勇太 前田 俊二 鈴木 寛 堀江 聖岳
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.652-653, 2018

<p>現代の車社会において,衝突防止や駐車支援など車両への安全対策や運転支援技術の搭載が加速されている.特に地方においては,車なしの生活を送ることは不可能に近く,事故を未然に防ぐことは,難しい状況にある.本研究は,逆走事故に焦点を当て,逆走車両の識別を目的とするものであり,本報告では、一般物体検出手法であるSingle Shot MultiBox Detectorと動きを捉えるOptical Flowを組み合わせた逆走検知手法を提案する。</p>
著者
堀 克敏 海野 肇 丹治 保典
出版者
東京工業大学
雑誌
特定領域研究(A)
巻号頁・発行日
1999

遺伝子がファージを介して形質転換又は形質導入される機構と、その頻度を左右する環境因子を解明するために、P1ファージによる大腸菌JA300株へのテトラサイクリン耐性マーカーの形質導入系をモデルに実験を行った。その結果、形質導入頻度はファージ/大腸菌の比(MOI)と共に増加し、MOI=1.6で最大値を示した。また、形質導入頻度は感染時間が10分まで増加し、その後ほぼ一定となった。形質導入の律速段階は未感染ファージと大腸菌の衝突過程であると考え、衝突頻度は両者の濃度に比例し、1菌体に感染するファージの数はポアソン分布によるとしたモデルを構築した。このモデルにより、感染時間およびMOIの変化による形質導入頻度を予想することができた。上記モデル実験と並行して、難分解性物質の分解に係わる遺伝子の伝播を研究するため、トルエン資化菌であるPeudomonas putida F1とP.putida mt-2に関するファージのスクリーニングを行った。トルエンで汚染された土壌を用いた集積培養の後に、Fl株に対して感染能力を有するファージを一種、得ることができた。ホストレンジを調べたところ、単離したファージはFl株だけでなくmt-2株に対しても感染能を有するが、P. putida PpY101株や他のトルエン資化菌に対しては感染しないことがわかった。次に培養環境の一つである基質の相違がファージの感染効率に与える影響を調べた。LB培地と気相トルエンを与えた無機塩培地でF1株を増殖させ、OD_<600>の値がそれぞれ0.7になった時点で、MOIが1と10になるようにファージ液を添加した。その結果、LB培地ではファージの感染による濁度の減少が見られたのに対し、トルエンを炭素源とする無機塩培地ではMOI=10の条件でも溶菌現象が見られなかった。
著者
鈴木 拓郎 堀田 紀文
出版者
公益社団法人 砂防学会
雑誌
砂防学会誌 (ISSN:02868385)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.13-24, 2015

<p>The shallow water equations are generally used for numerical simulation of debris flows. In this method, the distributions of the flow velocity <i>u </i>and sediment concentration <i>c </i>are vertically averaged. Therefore, the calculation may be inaccurate when the upper and lower layers have different flow directions, as with countergradient flows. We propose a numerical simulation method for calculating the vertical distributions of <i>u </i>and <i>c </i>in debris flows. Our method is based on the moving particle semi-implicit (MPS) method, which was originally used for incompressible viscous fluid flows with free surfaces. Some modifications are necessary to adapt the method for debris flows. We introduce the constitutive equations of Egashira et al. to the MPS method. In Egashira's equations, debris flows are treated as a continuum. Thus, the proportion of gravel in a debris flow is expressed using the variable <i>c</i>. Similarly, each particle has an associated <i>c </i>value in our modified MPS method. In Egashira's sediment concentration equations, the equilibrium vertical distribution of <i>c </i>is obtained by integrating the rate of change of <i>c </i>in the vertical direction from the riverbed. In our method, <i>c </i>values spread among nearby particles, in order to reduce the difference between the equilibrium rate of change <i>c </i>and the actual rate of change of <i>c</i>. Numerical simulations of debris flow are performed. In the equilibrium condition, there is good agreement with the vertical distributions of <i>u </i>and <i>c </i>and those derived from the constitutive equations. In the condition where the riverbed gradient becomes less steep, there is good agreement with experimental results with a very short relaxation time, including those involving the formation of a convex upward deposition shape in the initial deposition process. Results for the initial deposition process are not produced with existing simulation methods that are based on the assumption of local equilibrium of average sediment concentration. However, simulations with a very short relaxation time show that local equilibrium is established as well as in existing methods. This indicates that the assumption of local equilibrium of sediment concentration is correct, and that because it evaluates the local equilibrium of each particle, our model can yield good results.</p>
著者
斎藤 了一 富永 昌治 堀内 隆彦
出版者
一般社団法人 日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.39-42, 2017

<p> 本研究では著名な印象派画家の色彩表現に着目して色使いの特徴解析を行っている.研究開始当初は,画家ごとの作品全体での色度点分布から主成分分析による解析や,3属性で作品ごとの平均値を用いた多面判別面による解析で色使い傾向を検討してきた.また,分布全体主成分や平均値では詳細な特徴を抽出し切れないため,画家ごとの色度点分布を属性ごとに均等分割し,分割中心値と分割域幅の関係を関数表現することで詳細な色特徴の解析を考案した.本報では,この分割による解析法を発展させて,各画家の作品ごとに3属性の近似曲線を数値表現することで,より詳細な解析をしたので報告する.対象としたのは,マネ,セザンヌ,ゴッホ,モネ,ルノアールの5画家における全65作品である.各画家作品の色分布を3属性ごとで色度点の個数が均等になるよう8分割し,この分割結果から分割中心値と分割域幅の関係を近似した曲線を求め,色相については余弦関数で近似し,明度と彩度では2次関数で近似曲線を得た.この近似曲線を数値表現して作品の比較をすることで色分布状態による特徴を示すことができ,且つ,平均値を合わせた検討により詳細な特徴を見出すことができた.</p>
著者
上坂 吉則 新堀 恭裕 渡辺 徹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング
巻号頁・発行日
vol.93, no.537, pp.245-252, 1994-03-25

遺伝的アルゴリズムによって生成される集団の列が有限マルコフ連鎖を成すことを指摘し,比較的緩い条件のもとで,したがって広範囲の遺伝的アルゴリズムを含む形で,それが唯一つの極限分布を持つことを示す.また,ごく簡単な例についてその極限分布を数値計算によって与え,その結果から,最適解を得る確率を高めるための淘汰・交叉・突然変異の仕方に関していくつかの示唆を与える.
著者
高良 恒史 大西 憲明 堀部 紗世 橋詰 勉 金澤 治男 横山 照由
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.77-82, 2003-02-10 (Released:2011-03-04)
参考文献数
12
被引用文献数
3 3

For the development of a practical training system to effectively teach sterilization techniques, we conducted on unregistered questionnaire survey of the undergraduate student's view about the training practice for glass ample cutting, and then evaluated and discussed the introduction to practical training of pharmaceutical health care and sciences for the third-grade undergraduate students. Among 96 third-grade undergraduate students, 54 students (56%) had some experience in cutting glass amples while the remaining students did not. Twenty-six of the 54 students with some experience (48%) had some anxiety regarding glass ample cutting, while only 13 of the 42 inexperienced students (31 %) had such anxiety. Twelve of the 13 inexperienced students overcame some anxiety against glass ample cutting. Moreover, 87 of 96 students (91%) considered that receiving practice in glass ample cutting was necessary for them. Consequently, the training programs on glass ample cutting were found to be appropriate and useful for students to develop sufficient practical skills and accurate ability in sterilization techniques. As a result, we are now preparing to introduce a training program for glass ample cutting in addition to the regular practical training of pharmaceutical health care and sciences at Kyoto Pharmaceutical University.
著者
今泉 文寿 早川 裕弌 經隆 悠 堀田 紀文
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2019年大会
巻号頁・発行日
2019-03-14

土石流はその速度,移動距離,破壊力から,甚大な災害を引き起こす土砂移動現象である。土石流の発生・流下特性は土石流の材料となりうる不安定土砂の土石流発生域における貯留状況の影響を受けていると考えられるが,土石流の発生域はアクセスが困難であり,また危険性が伴うことからほとんど明らかになっていない。そこで静岡県北部の大谷崩において,定期的な地上レーザースキャンやUAV撮影,現地観測によって不安定土砂の貯留状況が土石流の発生・流下特性へ及ぼす影響について調べた。その結果,土石流の発生位置は不安定土砂の堆積状況,および支流から土石流渓流への水の供給の影響を受けていることがわかった。土石流発生域においては渓床勾配が急なことから不飽和土石流が重要な流動形態である。さらに堆積土砂量が15,000m3を超えるときには不飽和土石流が,10,000 m3を下回るときには飽和土石流が多く発生した。また,流動形態は流下とともに変化をすることが明らかになった。このように,土石流の発生・流下特性は発生域における不安定土砂の堆積状況の影響を受け,さらに流下・堆積域で観測される土石流と流下形態が異なることがあることが明らかになった。
著者
大堀 久 津田 喬子
出版者
THE JAPAN SOCIETY FOR CLINICAL ANESTHESIA
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.7-13, 1997

星状神経節ブロック(SGB)後の1回換気量減少の機序を明らかにする目的で,SGB療法中の患者を対象にSGB前,後の二酸化炭素(CO<sub>2</sub>)換気応答をReadの再呼吸法を応用して解析した.対照群として健常者に,生理食塩水の星状神経節部注入を行ない同様の検討をした.終末呼気CO<sub>2</sub>分圧を横軸に,1回換気量あるいは分時換気量を縦軸にとり,比較したところ,局麻薬によるSGB後には傾きが減少した.しかし生理食塩水の注入では一定の傾向を認めなかった.SGBはCO<sub>2</sub>換気応答を抑制し,それが安静時1回換気量,分時換気量,SpO<sub>2</sub>の減少の一因である可能性が示唆された.