著者
大友 翔一
出版者
一般社団法人 地理情報システム学会
雑誌
GIS-理論と応用 (ISSN:13405381)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.23-28, 2021 (Released:2023-10-03)
参考文献数
11

In recent years, the application of satellites and big data to the economic field has been expanding rapidly. In particular, it has become clear that the intensity of night light acquired by satellites is correlated with social and economic indicators such as gross domestic product, employment, population, and education in each country. In this paper, I first describe the method of calculating the night light intensity in Japan by prefecture and city. Next, in order to understand the versatility of the night light data, I examine the relationship between the intensity of night light at the city level and various socio-economic indicators and data published by public sectors, using Japan as a case study. Based on the results of the various analyses, it is assumed that night light can be used as a proxy variable for these various indicators. Finally, I describe the possibility of using night light to perform a rapid analysis on the stagnation of economic activity under sudden social events, such as the COVID-19 pandemic.
著者
藤田 直孝 平澤 大 横山 直記 大友 泰裕
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.65, no.11, pp.2283-2289, 2023 (Released:2023-11-20)
参考文献数
35

人間ドックでのスクリーニングEGDで発見された,無症状の食道アニサキス症の2例を報告する.症例は42歳と55歳の男性で,特に自覚症状なく人間ドックのスクリーニング検査としてEGDを受検した.ともに食道扁平上皮円柱上皮接合部近傍に細長い白色調の虫体が発見され,穿入部は各々Barrett上皮部,扁平上皮部であった.生検鉗子により摘除し,術後特変なく経過した.消化管アニサキス症は大部分が胃にみられ,残りの大半を小腸が占め,大腸,食道は稀である.食道アニサキス症に関する無症状例の報告は文献的にはほとんどないものの,健診の場などでは診断されていることが予想され,虫体摘除のみならず食事・調理指導が対応として重要と考えられる.
著者
大友 令史 菊池 英樹 新山 徳光
出版者
北日本病害虫研究会
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.2018, no.69, pp.195-198, 2018-12-21 (Released:2019-12-21)
参考文献数
6

ホップの害虫であるアサトビハムシは,ホップの萌芽期に加害を開始する.本種による被害は剪芽における良質な芽の確保に支障をきたす.ホップに既登録のカルタップ75.0%水溶剤およびビフェントリン2.0%水和剤は本種に高い防除効果を示すことから,萌芽時に本種の被害を確認したら,直ちにこれらの薬剤を散布することにより本種の被害を防止できる.
著者
長谷川 眞紀 大友 守 三田 晴久 秋山 一男
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.478-484, 2005-05-30 (Released:2017-02-10)
参考文献数
11
被引用文献数
6

【背景】"シックハウス症候群"は室内環境要因-アレルゲン, 病原菌, 揮発性化学物質など-によって惹起される健康被害と考えられているが, その病態, 病因についてはまだ確立していない. また"シックハウス症候群"は微量の揮発性化学物質によって起こる化学物質過敏症と重なる部分が大きいと考えられる. 【方法】我々の施設を訪れた患者の中から, 4つの仮のクライテリア((1)化学物質への曝露歴, (2)多臓器の症状, (3)症状を説明するような他の疾患の除外, (4)慢性の症状)によって, 化学物質過敏症の可能性例を選び出し, その臨床像を調べた. 【結果】130名余りの患者のうち, 50名が可能性例と判定された. 女性が38名, 男性が12名, 年齢は15歳から71歳であった. そのうち42名(84%)の患者がなんらかのアレルギー性疾患の既往, または合併を持っていた. これは本邦一般人口中のアレルギー疾患の有病率よりずっと大きい. アレルギー疾患の中ではアレルギー性鼻炎が最も多かった. 総IgE値は比較的低値で32名(64%)が200IU/ml未満であった. 抗ホルムアルデヒドIgE抗体が陽性の患者はいなかった. 化学物質負荷試験後の末梢血ヒスタミン遊離反応では, reactivityもsensitivityも低下していた. 【結論】化学物質過敏症がアレルギー的機序によって惹起されるとは考えられないが, 化学物質過敏症がアレルギー疾患を持っている患者に起こりやすい, またはアレルギー疾患を顕在化させる可能性が考えられた.

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著者
大友博 著
出版者
丸善
巻号頁・発行日
1935
著者
内海 さやか 菅野 武 大友 正隆
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.11, pp.826-829, 2014-11-30 (Released:2014-12-01)
参考文献数
7
被引用文献数
1

ジペプチジルペプチダーゼ(DPP-4)阻害薬は安全性,忍容性に加え,比較的良好な血糖改善効果があり,多剤との併用が可能であることなどから急速に処方が増加している.しかし,重大な副作用として,腸閉塞が報告され,開腹手術や腸閉塞の既往のある患者には慎重投与である.今回我々は,リナグリプチンが関与した可能性のある麻痺性腸閉塞を経験した.本症例では,腹部手術歴はなく,髄膜炎の診断で入院加療中であった.リナグリプチンの投与後,嘔吐,腹痛で発症し,同薬の中止と保存的加療にて腸閉塞は治癒した.既往の脳出血や髄膜炎などの神経疾患の存在や糖尿病性ガストロパレーシスが本症例の腸閉塞発症に関与していた可能性がある.中枢性,末梢性にかかわらず神経疾患が基礎にある症例では,DPP-4阻害薬を使用する際は,たとえ腹部手術歴がなくとも,腸閉塞が起こり得ると念頭に置く必要がある.
著者
大友 宣 岸田 直樹 矢崎 一雄 松家 治道
出版者
一般社団法人 日本在宅医療連合学会
雑誌
日本在宅医療連合学会誌 (ISSN:24354007)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.45-48, 2021 (Released:2021-02-15)
参考文献数
6

札幌市では 2020 年 4 月中旬から新型コロナウイルス感染症第 2 波の流行があり,介護老人保健施設で集団感染が発生した.札幌市保健所の要請のもと診療支援医師を派遣した.混乱期には人員の不足に対して,人材確保,診療指針の策定を行った.試行錯誤期には搬送のための情報収集の補助,搬送の目安を検討,服薬の減量を行った.現地対策本部が設置され 30 名の入居者の病院への搬送により施設内の状況は落ち着き,集団感染の収束に向かった.在宅医が介入しアドバイスすることは一定の効果がある.現地対策本部設置,介護崩壊対策は今後必要である.行政のみに頼ることなく「自助」「互助」「共助」「公助」の対策を行うことが重要である.
著者
古橋 眞人 永原 大五 百石 雅哉 大友 透 佐藤 愼一郎 西宮 孝敏 安藤 政克
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.209-214, 2000-03-15 (Released:2013-05-24)
参考文献数
9

症例は39歳男性,元相撲力士で推定体重200kg以上.呼吸困難,全身浮腫を主訴に当院救急外来を受診し,精査加療目的に入院となった.現症では,血圧112/56mmHg,脈拍96/分で整,心雑音聴取せず,全身浮腫を呈し,両下腿には腫脹とチアノーゼおよび潰瘍を認めた.検査では,著しい低O2・高CO2血症を認めたが,評価できる胸部X線像は得られず,心電図では低電位を呈した.経胸壁心エコーでは何も描出されなかったが,経食道心エコーで右房に血栓ともやもやエコーを認め,右心系の拡大と左心系への圧排を呈していたことより,下肢深部静脈血栓症に引き続いた肺血栓塞栓症と診断し,ヘパリンおよびtPA製剤を開始した.一時血液ガスおよび血行動態の改善を認めたが,2日後より瞳孔不同を呈し,その後徐々に血圧も低下し永眠となった.病理所見では,両側肺動脈,肺動脈幹,右室および右房内に連続する血栓を認めた.また,右室肥大および肺動脈粥状硬化症を認め,組織学的には肺内小動脈における中膜平滑筋の肥厚,陳旧性血栓およびその再疎通像を呈し,下肢静脈の遊離血栓による年余にわたる病態と考えられた.著しい肥満体型のために胸部X線像,経胸壁心エコーでは評価できず,肺シンチグラフィ,肺動脈造影やCT・MRI検査などの施行も不可能で,診断および治療効果判定に経食道心エコーが有用であった1例を経験したので報告する.
著者
井上 陽子 大友 麻子 高橋 千果 森屋 宏美 大貫 優子 谷口 泰史 和泉 俊一郎 秦野 伸二
出版者
一般社団法人 日本生物教育学会
雑誌
生物教育 (ISSN:0287119X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.98-113, 2017 (Released:2018-10-29)
参考文献数
27

現代社会では,犯罪捜査や事故などの犠牲者の身元確認や親子鑑定などの個人のもつ遺伝の情報が活用されることが多くなってきている.また,インターネット上には個人の「遺伝子検査」を行うサイトが掲載されている.このような社会環境の中で,高校生が「遺伝子」についてより深い理解を得るために学習機会を持つことはきわめて重要と思われるが,設備や試薬などの経費の面で高校において体験的な授業実践を行うことは容易ではない.そこで,筆者らは,授業内容は高校側が立案し,設備や試薬は大学側が負担するという高大連携によって「遺伝子」を扱う実験を開発し,授業実践を行った.扱った「遺伝子」は広く動物界の生物に保存されている転写調節因子の一つであるSOX2遺伝子で,ヒトとゼブラフィッシュを実験材料とした.また,遺伝子解析因子の基本的な技術を体験する意味で,「DNAの抽出」,「PCRによる特定の遺伝子領域の増幅」,「塩基配列の異同を調べるための制限酵素処理」及び「アガロースゲル電気泳動」を含む内容とした.その結果,高大連携授業に参加した高校生は,それぞれの実験が持つ意味や結果の解釈について,実験前より実験後においてより深い理解を示し,対照実験の意義を理解するなど「科学的な探究能力」の育成について,効果があることが示された.
著者
大友 宣 佐野 かず江 島田 千穂
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.369-373, 2014 (Released:2014-12-24)
参考文献数
7

目的 : 在宅療養支援診療所と連携する訪問看護ステーションが行う在宅デスカンファレンスの意味づけを明らかにすること.方法 : 診療所医師・看護師, 訪問看護ステーションの看護師を対象にインタビューを行い, 修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチによる分析を行った.結果 : 11名にインタビューを行い, 14の概念を抽出し, 《学びの場としての在宅デスカンファレンス》, 《癒しの場としての在宅デスカンファレンス》, 《弔問の役割の再確認》, 《顔の見える関係の構築》, 《在宅デスカンファレンスの限界》という意味付けとしてカテゴリー化した.結論 : 参加者らは《学びの場としての在宅デスカンファレンス》と《癒しの場としての在宅デスカンファレンス》という, ふた通りのふり返りの仕方をしていた. 在宅デスカンファレンスの中で弔問についてディスカッションすることができていた. 在宅デスカンファレンスにおける《顔の見える関係の構築》は, 連携を円滑にする可能性がある.
著者
大友 篤 遠藤 雅之 小野寺 真哉 坂上 尚穂 伊達 久
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.44 Suppl. No.2 (第52回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0196, 2017 (Released:2017-04-24)

【はじめに,目的】複合性局所疼痛症候群(以下CRPS)は,アロディニア・痛覚過敏・浮腫・異常発汗・運動障害・萎縮性変化などの症状があり,理学療法の施行を困難なものとする。今回,CRPS TypeIに対して,各神経ブロックと理学療法を併用により,痛みが軽減し,身体機能が改善を呈した2症例を報告する。【方法】症例1:19歳女性,平成X年10月専門学校の体育祭で左膝を捻り受傷。その後痛み継続,他院で精査,治療するも増悪,平成X+1年8月に当院入院。主訴左下肢(左膝関節内側中心)の痛み。安静時痛あり。動作時増悪。左下肢知覚障害,アロディニアあり。左下腿浮腫あり。膝関節制限あり,左下肢荷重不可,両松葉使用していた。症例2:28歳女性,平成X年4月に右前十字靱帯,内側側副靱帯損傷。MRI所見では靭帯損傷は軽度。他院で筋力強化を目的とした理学療法を行ったが,痛みで運動が困難であった。症状悪化したためX年8月当院受診。可動域制限なし,右膝関節内側・膝中央に,安静時・アロディニア・荷重時・膝屈伸時に疼痛出現。大腿四頭筋・ハムストリングス筋力低下あり,独歩可能だが,仕事の継続が困難であった。【結果】症例1:入院初日持続硬膜外ブロック施行及び理学療法開始。理学療法は週2回行い,他の日は自主トレーニングとした。7日目左膝関節可動域改善,左下肢部分荷重。14日目左下肢全荷重可能,歩行時両松葉杖使用。17日目持続硬膜外ブロック終了。24日目安静時痛・運動時痛なし,膝内側の圧痛あり階段昇降時痛みあるが,可動域改善・筋力向上・独歩可能にて退院に至った。症例2:平成X年8月22日~平成X+1年8月5日の約12ヶ月の間に,週に1~2回程度,腰部硬膜外ブロックの前後に理学療法を行った。平成X年8月22日,腰部硬膜外ブロックと理学療法を併用した治療開始。平成X+1年4月には痛みが軽減し,持続歩行が可能となる。同年6月から介護職ではないが,社会福祉士の資格を生かした相談役として職場復帰に至った。【結論】CRPSの運動障害としては,患肢を自分の一部と感じない,患肢を動かす為に視覚的に注意を向けないと運動できないといった認知機能異常や,心理学的要因などの症状もあり,様々な要因が混合しあい,痛みを複雑なものとしている。そのため,身体機能の低下を招き,日常生活の制限をきたす。理学療法を施行する際,痛覚過敏・アロディニアまた,心理的要因が関与し,治療に対して受動的になり,理学療法を困難にしている。各神経ブロック併用により,理学療法を促進するなどの,互いの相乗効果により,痛みの軽減が図れたと考える。また,理学療法を施行する上では,CRPS患者は痛みに対する訴えが強く心理的側面の影響も強いため,理学療法を施行する際は,痛みだけでなくすべての訴えに耳をかたむけていく姿勢が必要になると考える。