著者
松本 由美 大友 美奈
雑誌
玉川大学教育学部紀要 (ISSN:13483331)
巻号頁・発行日
no.2019, pp.69-87, 2020-03-31

小学校3年生国語科で日本語の音韻構造のため指導される訓令式ローマ字は,アルファベット文字の導入として外国語(英語)活動にも資するが,一方で英語の表音と一致しないローマ字の表音や,子音時に必ず母音時を付加することが,英語らしい発音を阻害することもある。そこで,ローマ字指導の利点を生かしつつ,発音の弊害を解消する指導案を提案して英語活動の一助としたい。
著者
田坂 重元 大友 浩 関寺 恭朗
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.161-165, 1959-03-20 (Released:2011-02-17)
参考文献数
9

農村の乳児の骨系統の発育についての文献は余り見当らない。然し, 二, 三の文献から見ると一様に母体の妊娠中の偏食と過労などが原因し一方乳児期においては離乳の遅延と偏した離乳食などによって骨系統の発育に明かな障碍が起ってきている。北海道における, 乳児についての観察を行って見たのでその結果を要約すると, (240名についての統計)。(1) 離乳が都市より3~4ヵ月おくれ, 8~9ヵ月が一番多く行われていた。(2) 離乳食も14ヵ月迄は殆んどがおかゆ程度で副食は野菜物煮付が殆んどをしめ, 海藻類, 魚獣肉類やそのスープ類はやっていなかった。(3) 離乳未開始のものは栄養状態も悪く, 骨発育が劣っていた。(4) 未熟児は全出生児の10%をしめ, 未熟児の7割が栄養失調性クル病であり, 又, 重症型が多かった。(5) 未熟児は先天性股関節脱臼のものが24%いた。
著者
大友 隆秀 望月 信哉 石井 英里子 星野 祐子 山田 光穗
出版者
特定非営利活動法人 パーソナルコンピュータ利用技術学会
雑誌
パーソナルコンピュータ利用技術学会論文誌 (ISSN:18817998)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.36-42, 2020 (Released:2020-03-20)
参考文献数
23

コンシューマー向けの低価格な非接触型の視線入力装置が販売されるなど視線インタフェースには大きな注目が集まっている。我々はこの非接触型の装置を使用した新しいユーザインタラクションシステムの開発を試みた。提案するインタラクションシステムは注視点と注視時間に基づいて、ウェブページからユーザが関心を持つと推定される単語を自動的に抽出し、画面に関連情報を自動で呈示する。本稿では、興味情報の抽出を行うインタラクションシステムの基礎的な検討として、提案するシステムの仕組みと検証を行った結果を示す。
著者
岩坂 憂児 大友 伸太郎
出版者
一般社団法人 Asian Society of Human Services
雑誌
Total Rehabilitation Research (ISSN:21881855)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.22-28, 2020 (Released:2020-06-30)
参考文献数
10

The purpose of this study was to investigate and compare the one-day stress load between the users and providers of day service. The subjects were 2 users (a man in his 50s with right hemiplegia and a man in his 70s with Parkinson's disease syndrome) and 2 providers (a physical therapist and manager, a man in his 40s and a nurse, a woman in her 40s). A salivary amylase monitor was used for measurement, which objectively measures stress based on the activity value of salivary amylase. The subjects underwent measurements of salivary amylase activity at the time of arrival at the facility (baseline) and continued to undergo measurements every 15 minutes thereafter until they returned home. In addition, there was a meal break from 12:00 to 14:00, leading to a possibility that the secretion in saliva was changed by the meal had; thus, it was excluded from the measured value. In order to confirm the stress load of users and providers, Welch’s t-test was performed with the user and target as independent variables and the values obtained by dividing each measured value by the baseline value as the dependent variables. The significance level was 5%. There was a significant difference in the salivary amylase activity between users of day service and providers (p <0.05). This study revealed that providers’ stress is higher than users’ stress, and providers’ stress increased with team meetings and patient transfers. This study suggests the importance of stress management for providers.
著者
大友 弘士
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.280-290, 1994

ハマダラカに媒介される原虫疾患のマラリアは, 現在なお世界人口の42%が居住する熱帯・亜熱帯地域の90カ国に猖蕨を極めており, 毎年3-5億人が感染し, それによる死亡者は, アフリカの患児を中心に150-300万人にも達すると推定されている世界有数の疾患である.一方, わが国では古来より国内全土に流行していた土着マラリアはすでに根絶され, 今日ではその自然感染はみられなくなっている. しかし, 年間1,200万人もの日本人が海外にでかけ, 400万人の外国人が訪日する時代を迎え, 輸入マラリアが年々増加しており, 医療関係者にマラリアに対する正確な認識が求められるに至っている. そこで, 今回は海外旅行者の感染予防, 輸入症例の医療対応などの面でますます重要性が増している輸入マラリアの現状とその問題点の解説を試みた.
著者
大友 弘士
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.280-290, 1994-11-18 (Released:2014-11-18)
参考文献数
9
被引用文献数
1

ハマダラカに媒介される原虫疾患のマラリアは, 現在なお世界人口の42%が居住する熱帯・亜熱帯地域の90カ国に猖蕨を極めており, 毎年3-5億人が感染し, それによる死亡者は, アフリカの患児を中心に150-300万人にも達すると推定されている世界有数の疾患である. 一方, わが国では古来より国内全土に流行していた土着マラリアはすでに根絶され, 今日ではその自然感染はみられなくなっている. しかし, 年間1,200万人もの日本人が海外にでかけ, 400万人の外国人が訪日する時代を迎え, 輸入マラリアが年々増加しており, 医療関係者にマラリアに対する正確な認識が求められるに至っている. そこで, 今回は海外旅行者の感染予防, 輸入症例の医療対応などの面でますます重要性が増している輸入マラリアの現状とその問題点の解説を試みた.
著者
根本 知己 川上 良介 日比 輝正 飯島 光一郎 大友 康平
出版者
日本植物形態学会
雑誌
PLANT MORPHOLOGY (ISSN:09189726)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.31-35, 2014 (Released:2015-04-21)
参考文献数
15

2光子励起レーザー顕微鏡(2光子顕微鏡)は,低侵襲性や深い組織到達性といった特徴のため,神経科学を中心に,免疫,がんなどの他領域にもその使用が爆発的に広がっている.植物の研究領域においても,葉緑体の自家蛍光を回避することが可能であるため,2光子顕微鏡の利用は増加している.我々は2光子顕微鏡の開発とその応用に取り組んで来ているが,最近,生きたままでマウス生体深部を観察する“in vivo”2光子顕微鏡法の,新しいレーザー,光技術による高度化に取り組んでいる.特に共同研究者の開発した長波長高出力の超短パルスレーザーを励起光源として導入することで,生体深部観察能力を著しく向上させることに成功した.この新規“in vivo”2光子顕微鏡は,脳表から約1.4 mmという世界最深部の断層イメージング,すなわち,生きたマウスの脳中の大脳新皮質全層及び,海馬CA1領域のニューロンの微細な形態を観察することが可能になった.一方で,我々は超解像イメージングの開発にも取り組み,細胞機能の分子基盤を明らかにするために,形態的な意味での空間分解能の向上にも取り込んでいる.特に,我々は新しいレーザー光「ベクトルビーム」を用いることで,共焦点顕微鏡や2光子顕微鏡の空間分解能の向上にも成功した本稿では,我々の最新の生体マウス脳のデータを紹介しつつ,2光子顕微鏡の特性や植物組織への可能性について議論したい.
著者
代田 悠一郎 大友 亮 花島 律子 寺尾 安生 堤 涼介 辻 省次
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.356-359, 2012 (Released:2012-05-23)
参考文献数
16
被引用文献数
3 4

セフェピム塩酸塩(CFPM)投与後に意識障害・不随意運動・脳波異常を呈した腎不全症例2例を経験した.脳波検査において,症例1では3Hz程度,症例2では1~2Hz程度の全般性周期性放電ないし全般性律動性デルタ活動をみとめるものの簡単な従命が可能であり,臨床所見と脳波所見の解離がうたがわれた.CFPM中止により症状・脳波所見ともすみやかに改善し,明らかな後遺症も残さなかった.薬剤性の脳症では時に原因薬剤の同定や他の代謝性脳症との鑑別が困難であるが,CFPM投与により生じる意識障害においては脳波所見が原因薬剤の同定に有用である可能性が示唆された.
著者
佐々木 信博 安藤 康弘 大友 貴史 石原島 繁彦 草野 英二 浅野 泰
出版者
社団法人 日本腎臓学会
雑誌
日本腎臓学会誌 (ISSN:03852385)
巻号頁・発行日
vol.41, no.8, pp.818-824, 1999 (Released:2010-07-05)
参考文献数
14

We report a case whose renal failure was due to malignant hypertension and in whom steroid facilitated the recovery of renal function. The patient, a 41-year-old man, was admitted to our hospital because of malaise and macrohematuria. On admission, his blood pressure was 270/160 mmHg. The plasma renin activity (PRA) and aldosterone were markedly elevated. Chest X-ray, echo cardiography and electrocardiogram revealed marked hypertrophy. Hypertensive retinopathy and arteriosclerotic change were noted on ophthalmoscopy. Because of renal dysfunction (blood urea nitrogen 45.6 mg/dl, serum creatinine 4.9 mg/dl with massive proteinuria and increased FENa, renal biopsy was performed on the 8th clinical day. The specimens showed slight proliferation of mesangial cells with mesangiolysis and inter stitial cell infiltration, in addition to marked arteriosclerosis and partial collapse of the glomerular tuft. After the administration of a Ca antagonist and angiotensin converting enzyme inhibitor (ACE-I), his mean blood pressure decreased to 100-130 mmHg, and urinary protein decreased as well. Nevertheless, renal dysfunction remained unchanged during the following 3 weeks. Thus, prednisolone (PSL, 30 mg/day) was administered on the 22nd clinical day and renal function improved thereafter without a significant change in blood pressure. The improved renal function was maintained after PSL tapered off on the 184th clinical day. It is suggested that PSL might be the therapy of choice in malignant hypertension, when the renalfunction has not been improved by anti-hypertensive treatment alone.