著者
大友 広幸 横田 理央
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:21888841)
巻号頁・発行日
vol.2021-HPC-180, no.7, pp.1-9, 2021-07-13

NVIDIA TensorCore は最大 300TFlop/s 以上の性能を持つ混合精度行列積演算回路である.TensorCore は深層学習からの高い行列積需要に対応するために開発されたが,線型方程式の反復解法やフーリエ変換など,深層学習以外の分野への応用も研究されている.密行列積計算も深層学習に限らず幅広い分野において重要な計算である.TensorCore は入力として半精度(FP16)行列をとるため,これを用いて単精度(FP32)密行列積計算を行う場合は,はじめに入力行列を半精度へ変換する必要がある.しかしこの操作によって単精度度行列積の計算精度が劣化する.そこで入力行列を半精度へ変換する際に失われる仮数部を別の FP16 変数で保持し,これを用いて単精度行列積の計算精度を補正する手法が考案された.この手法では単精度演算器を用いた行列積と比較して高速に計算可能ではあるが,誤差の蓄積が大きく計算精度が悪いという問題が確認されている.本研究ではこの誤差蓄積の原因となる 2 つの問題に着目し,それらの改善を行うことで,単精度演算器で計算した場合と同等の計算精度でより高速な単精度行列積手法を開発した.この手法をオープンソースの行列積ライブラリである NVIDIA CUTLASS に実装し,様々な入力行列での計算精度・計算性能の評価を行った.計算性能では 40TFlop/s 以上の性能を実現した.
著者
大友 啓史 今井 拓司 田中 直樹
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.1159, pp.49-53, 2015-09

「ハゲタカ」「るろうに剣心」といった作品で知られる映画監督の大友啓史氏に、映像機器の将来への期待や展望を聞いた。さまざまな画面の普及が多彩な映像体験を生むことに期待しつつ、その分映像作家には独自の視点が求められると説く。技術者は、自ら…
著者
大友 千夏子 高島 尚美
出版者
日本クリティカルケア看護学会
雑誌
日本クリティカルケア看護学会誌 (ISSN:18808913)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.87-98, 2018-03-01 (Released:2019-03-29)
参考文献数
25

本研究は,胸部大動脈瘤(TAA; Thoracic Aortic Aneurysm,以下TAA と記す)で手術を受けた患者の手術前から退院後の体験を明らかにすることを目的とし,半構成的面接法を用い修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチで分析した.7名の分析の結果,術前は《自覚症状がない中で強いられる苦悩を伴う一者択一の手術決断》等をしていた.手術後,《予測とは異なるコントロール不能な体験への対処》をしながら,次第に《自分で自由に生活行動が行えることで回復を実感しはじめる》ことへと変化し,《手術の成果への空虚感を抱きながらの日常生活への仕方なしの受け入れ》をしながら《弱みを抱えながら元の生活に戻ることへの折り合い》をつけていた.TAA で手術を受けた患者の体験の特徴は,元々,自覚症状のない中で生死に関わる手術を受ける意思決定を迫られ,「不確かさ」が手術後の生活の質に影響を及ぼしていたと考えられた.
著者
横井 孝 大高 洋司 大橋 直義 小林 健二 大友 一雄 恋田 知子 小山 順子 宮間 純一 木越 俊介
出版者
人間文化研究機構国文学研究資料館
雑誌
国文研ニューズ = NIJL News (ISSN:18831931)
巻号頁・発行日
no.49, pp.1-16, 2017-10-16

●メッセージ本文研究の近未来と集積の意味と●研究ノート「近世職人尽絵詞」影印・注釈の出版道成寺文書概観――特に「縁起」をめぐる資料について――ホノルル美術館リチャード レイン コレクションの「鉢かづき」●トピックス〈日本バチカン国交樹立75周年〉研究集会「バチカン図書館所蔵切支丹関係文書の魅力を探る」特別展示「伊勢物語のかがやき――鉄心斎文庫の世界――」関連のお知らせ日本文学資源の発掘・活用プロジェクト始動子ども霞が関見学デー津軽デジタル風土記、はじめの一歩――調印式・記念講演レポート――第41回国際日本文学研究集会プログラム総合研究大学院大学日本文学研究専攻の近況●表紙絵資料紹介山崎龍女筆「業平涅槃図」
著者
野波 寛 坂本 剛 大友 章司 田代 豊 青木 俊明
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
pp.2103, (Released:2021-11-11)
参考文献数
35
被引用文献数
4

当事者の優位的正当化とは,NIMBY問題の構造を持つ公共施設の立地に関する決定権をめぐって,人々が当事者(地元住民など)に他のアクター(行政など)よりも優位的な決定権を承認する傾向と定義される。これは,当該施設に対する当事者の拒否の連鎖を生むことで,社会の共貧化をもたらす。優位的正当化の背景には,マキシミン原理と道徳判断の影響が考えられる。地層処分場を例として,集団(内集団ないし外集団)と当事者(統計的人数ないし特定個人)による2×2の実験を行った。内集団のみならずマキシミン原理が作動しない外集団でも,当事者の優位的正当化が示された。この傾向は,内集団において当事者が特定個人として呈示された場合に,より顕著であった。また,個人志向の道徳判断から当事者の正当性に対するパスは内集団で顕著であった。NIMBY問題に対する道徳研究からのアプローチには,今後の理論的な展開可能性が期待できる。
著者
森 昭雄 大友 英一
出版者
認知神経科学会
雑誌
認知神経科学 (ISSN:13444298)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.45-48, 2001 (Released:2011-07-05)
参考文献数
11
被引用文献数
7
著者
武田 富美子 當間 孝子 大友 元 宮城 一郎
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.169-173, 1999
参考文献数
9
被引用文献数
2 1

幼児が長時間生活をする保育所のダニを調べた。沖縄県宜野湾市と西原町の保育所5カ所で, 1997年2月と7月に3歳児の部屋の床, 昼寝時に使用されるゴザ, 敷布団, 毛布(タオルケット)から塵を集めた。ヤケヒョウヒダニが優占種だった。ダニ数は2月に3,740(サンプル数17), 7月に2,204(サンプル数19)で, 7月の方が少なかった。36サンプル中15サンプルで, 1m^2あたり100以上のダニ数が検出された。ゴザに最も多くのダニが検出され, 2月の総ダニ数の50.2%, 7月の68.9%を占めた。
著者
大友 裕二
出版者
皇學館大学
巻号頁・発行日
2015

元資料の権利情報 : CC BY-NC-ND
著者
小林 牧人 黑栁 仁志 大友 明香 早川 洋一
出版者
公益財団法人 平岡環境科学研究所
雑誌
自然環境科学研究 (ISSN:09167595)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.7-13, 2019 (Released:2020-01-07)
参考文献数
18

Construction of artificial river and lake banks changes the aquatic environment, and these changes are known to cause decreases of aquatic plants in shallow waters. We conducted experiments to examine the involvement of aquatic plants in spawning behavior of goldfish, Carassius auratus, and cruicuan carp, Carassius buergeri subsp.2. The spawning behavior was induced by injecting prostaglandin F2α into females. Pairs of male and female goldfish or crucian carp were placed in experimental tanks with or without aquatic plants made of acrylic yarn. Both goldfish and crucian carp spawned actively onto the aquatic plants whereas the behavior significantly decreased without the aquatic plants. The present experiments demonstrate that aquatic plants are essential as spawning substrates for performance of spawning behavior of these species. It is critical for conservation of fish species that use aquatic plants as spawning substrates to maintain aquatic plants on river and lake banks.
著者
梅垣 明美 大友 智 上田 憲嗣 深田 直宏 吉井 健人 宮尾 夏姫
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.367-381, 2018-06-10 (Released:2018-06-20)
参考文献数
43

In school education, it is important to encourage students to improve their social skills. Umegaki et al. (2016b) have developed an instructional model known as the Acquisition of Social Knowledge in Sport (ASKS) Model for facilitating improvement in social skills in the context of physical education. They consider that the ASKS Model with heterogeneous team organization would improve social skills that would be applicable to daily life outside of physical education classes and help students to maintain these social skills. However, no previous study has examined whether the ASKS Model would be effective for homogeneously organized teams. Therefore, the present study was designed to examine the type of team organization that would be most effective for the ASKS Model by comparing physical education classes with the ASKS Model based on homogeneous teams and heterogeneous teams. The study focused on physical education classes for male students in the second year of junior high school. The classes included those without the ASKS Model, those with the ASKS Model based on homogeneous teams, and those with the ASKS Model based on heterogeneous teams. A formative evaluation of friendship-building and the KiSS-18 questionnaire on paper were administered before and after each class. The study confirmed 2 points: First, the ASKS Model appeared to be effective when heterogeneous teams were organized. Second, the effectiveness was suggested to be improved when heterogeneity of motor skills was maintained, rather than heterogeneity of social skills.
著者
大友 篤 カオリー リヤウ 阿部 隆
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
Geographical review of Japan, Series B (ISSN:02896001)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.1-23, 1991-06-30 (Released:2008-12-25)
参考文献数
19
被引用文献数
2

本論文は, 1980年国勢調査の結果に基づき,日本における1979—80年の都道府県間人口移動の流出及び到着地選択過程を年齢別パターンをとおして明らかにしたもので,その概要は以下のとおりである。 流出過程に関しては, (1) 全体の流出率の空間パターンは,複雑であるが,体系的であり,流出率は,都道府県の経済機会や住宅事情ばかりでなく,出生地や住宅の所有の関係に関わる都道府県の人口構成に依存していることが示唆されること, (2) 流出率の空間パターンは,年齢にしたがって体系的に異なり,とくに都市地域で低く,農村地域で高いという最も単純なパターンをもつ15—19歳の年齢層と関わっていること,そして, (3) 流出率の年齢別パターンは,大都市地域の中心部と縁辺の農村県との間で著しく異なることが明らかになった。 到着地選択過程に関しては, (1) 東京都と大阪府は,流出超過を示すにもかかわらず,多数の県からの最も好ましい到着地であること, (2) 到着地選択過程は,年齢にしたがって体系的に異なり,とくに最も顕著な集中パターンを示す15—19歳の年齢層と関わっていること, (3) 35—39歳の年齢層は,かなり分散した到着地選択パターンを示し,この年齢層の東京と大阪の影響圏は,地方中核都市や出発地の近傍の到着地によって大きく分断されているごと,そして,(4)流出選択過程の年齢選好性は,大都市県からの移動者の場合にはかなり弱く,非大都市県からの移動者の場合にはかなり強いという,大都市地域と非大都市地域の間で,明瞭な対照を示していることが明らかになった。