著者
打浪 文子 岩田 一成 熊野 正 後藤 功雄 田中 英輝 大塚 裕子
出版者
社会言語科学会
雑誌
社会言語科学 (ISSN:13443909)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.29-41, 2017-09-30 (Released:2018-02-07)
参考文献数
30
被引用文献数
1

本研究では,知的障害者に対する「わかりやすい」情報提供を実践する媒体である「ステージ」と,外国人向けの「やさしい日本語」で時事情報の配信を行うNHKの「NEWSWEB EASY」(以下NWE),およびNWE記事の書き換え元であるNHKの一般向けニュース原稿の3つのメディアのテキストを,文長や記事長,難易度や使用語彙の観点から計量的および質的に分析し,その共通点および相違点を明らかにした.分析の結果から,ステージとNWEの共通点として形態素数や和語の率が近いことや,「外来語」や「人の属性を表す語」などの名詞や動詞を中心とした難解語彙の群があることが示された.また相違点として,ステージには副詞や接辞等に「やさしい日本語」の基準に照らせば書きかえ可能なものがあること,さらにステージのみの特徴として同じ動詞をさまざまな形で重ねて使っていることが示された.条件を統制した上で上記3つのメディアの共通・相違性に関する比較研究を深めること,知的障害者向けの情報提供のさらなる分析と知見の収集を行うこと,従来の研究領域を超える「言語的な困難を有する人」すべてを対象とした「わかりやすい」日本語による情報保障の具体的な方法を提示することの3点が本研究の今後の課題である.
著者
深谷 千絵 矢郷 香 大塚 志穂 岡田 明子 中川 種昭 朝波 惣一郎
出版者
Japanese Society of Oral and Maxillofacial Surgeons
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.50, no.10, pp.624-627, 2004-10-20 (Released:2011-04-22)
参考文献数
10

Concool F®is a chemical mouthwash containing chlorhexidine gluconate that is used for the treatment of periodontal disease and halitosis. We report a case of gingival necrosis caused by incorrect use of Concool F®A 52-year-old woman was referred to our hospital because of gingival necrosis. One week before presentation, she went to sleep after putting a cotton roll soaked in a large amount of Concool F®solution (0.36 % chlorhexidine gluconate) on the upper gingiva to reduce bad breath. She noticed bleeding and a painful ulcer in the upper gum from the maxillary right lateral incisor to the left second premolar.Whenever a mouthwash agent containing chlorhexidine gluconate is used, we must be cautious about its usage and dosage and instruct the patients on proper use.
著者
大塚雄作 内田良# 尾見康博 金子雅臣#
出版者
日本教育心理学会
雑誌
日本教育心理学会第61回総会
巻号頁・発行日
2019-08-29

企画趣旨 日本教育心理学会でハラスメント防止委員会が発足し,総会時に同委員会の企画する講演会やシンポジウムが開催されるようになって,今年度で9回目を迎える。これまでの企画では,主にハラスメントに対する会員への啓発的な内容が取り上げられてきた。昨年11月の同委員会で本年度の企画について話し合われ,われわれ教育心理学の教育,研究に携わる者として小学校~高校の教育現場でのハラスメントの実際をもっと知る必要があるのではないかという提案があった。たしかに,教育現場でのハラスメントがマスコミで伝えられることが少なくないにも拘わらず,その実態を深く知る機会は少ない。そこで,今回は教育現場でのハラスメントのうち,部活動に焦点を当てて,教育社会学と教育心理学の立場からこの問題を研究されている,それぞれ内田良氏と尾見康博氏の2人の研究者にご登壇いただき,教育現場のハラスメントについて深く知る機会としたい。 なお,指定討論者を本防止委員会専門委員の金子雅臣氏,司会を本企画立案の中心となった大塚雄作前委員長が務める。大塚氏は京都大学アメリカンフットボール部長の経験ももつ。制度設計なき部活動のリスクと未来を考える内田 良 本報告では,「制度設計の不備」の視点から,学校の部活動に付随するリスク(ハラスメントや事故)を検討する。学習指導要領において部活動は,教育課程外ではあるものの「学校教育の一環」として「生徒の自主的,自発的な参加により行われる」というかたちで,学校の教育活動のなかに位置づけられている。この中途半端な位置づけによって,生徒はさまざまなハラスメントや事故のリスクに晒される。危険な場所での活動 部活動の練習はしばしば,廊下や階段を含むさまざまな空きスペースでおこなわれる。教育課程内の授業であれば,学習指導要領に定められた事項が適切に教育されるよう,施設(校舎外のグラウンドを含む)が用意されている。だが部活動においては,「学校教育の一環」であること以上の具体的な設計がなく,リソースも配分されていない。それゆえ一斉に部活動が開始されると,練習場所が不足し,不適当な空きスペースで練習がおこなわれ,事故のリスクが高まる。問われる外部指導者の質 部活動では,人的資源(専門的指導者)も不足している。教員は,部活動指導の専門家ではない。その解決策として,外部指導者の導入が進められている。ところが外部指導者も不足しているため,その質が問われないままに,生徒の指導が任されていく。指導者が外部の者である場合,学校や教育委員会の管理が届きにくく,また暴言・暴行事案を起こしても,介入が難しい。過熱が止まらない 教科というのは年間の標準的な時間数や単位数が決まっており,各クラスで時間割も組まれている。教えるべき内容も定まっている。このように制度設計が整っていると,50分の時間のなかで,授業が楽しくなる方法を教師は考える。他方で部活動では,活動時間をどれくらいに設定するかは,学校現場の自由裁量である。全国大会を頂点とする競争原理のもとに部活動が置かれている限りは,その活動実態はおのずと肥大化し,生徒に過酷な練習を突きつけることになる。 以上の3つのリスクを踏まえるならば,部活動を「自主的な活動」だと美化するわけにはいかない。むしろ,教育行政がそこに積極的に管理・介入することが,部活動のリスクを低減し,その持続可能性を高めていく。『主体的な学び』はハラスメント構造に風穴を開けられるか尾見康博 『ハラスメント』概念の登場によって,それまで後景に退いていたものが可視化され,女性をはじめ社会的弱者の(隠されていた)人権が認められるようになったことはたしかであろう。他方,現役大臣が「セクハラ罪という罪はない」と,セクハラの疑いのある部下をかばう発言をするなど,ハラスメントが軽く扱われることも少なくない。 部活においても,あたかも対応する刑罰がないから問題ないといわんばかりの指導がなされることがある。体罰を行使する指導者は体罰を『指導の一環』だと強弁することが多いし,身体的接触を伴わない怒号や罵声も「厳しい」「熱い」指導としていまだに受け入れられている。さらに深刻なのは,体罰を受けたと自認する者が受けた体罰を積極的にかつ前向きに容認していることであり,「たしかに殴られたが自分は体罰とは思っていない。厳しい指導をして下さって感謝している」といった受け止め方が珍しくないことである。 こうしたことの背景に,部活の集団組織としての特徴があると考えられる。そしてこの特徴は同時にハラスメントの背景にもなっていると考えられる。理不尽なことであっても顧問や先輩が絶対,といった『長幼の序』の過度の運用が部活において慣習化されていることがその一つである。たとえば,中学校に入ったとたん,誕生日が一日違うだけで「さん」とか「先輩」をつけて呼ばなければいけなくなったり敬語の使用が求められたりする。部活の場合にはさらに,後輩は先輩より先に集合しなければならない,などといった独自のルールが作られていることもある。こうした規律が厳しくなればなるほど,後輩は顧問や先輩に言われたことに疑問を感じても,何も言わずに黙って従うことが無難であり「正解」であり,主体的に考えないようになっていく。 逆に言えば,主体的に考えるような子どもたちばかりになれば,部活特有の規律は成立しにくくなる。そうした意味で,昨今の学校教育界隈で推奨されている『主体的な学び』に向けた積極的な取り組みは,部活の文化を変えることになるかもしれないし,逆に,部活が変わらなければ子どもたちに主体的に学ばせる習慣を身につけさせられなかったということになり,教育政策の失敗ということになるかもしれない。参考文献内田 良 (2019). 学校ハラスメント:暴力・セクハラ・部活動―なぜ教育は「行き過ぎる」か 朝日新書内田 良ほか (2018). 調査報告 学校の部活動と働き方改革:教師の意識と実態から考える 岩波ブックレット内田 良 (2017). ブラック部活動―子どもと先生の苦しみに向き合う 東洋館出版社内田 良 (2015). 教育という病―子どもと先生を苦しめる「教育リスク」 光文社新書尾見康博 (2019). 日本の部活(BUKATSU)―文化と心理・行動を読み解く ちとせプレス尾見康博 (2019). 日本の部活の特殊性 心と社会(日本精神衛生会),175,115-119.Omi, Y. (2019). Corporal punishment in extracurricular sports activities (bukatsu) represents an aspect of Japanese culture. In L. Tateo., (ed.) Educational dilemmas: A Cultural psychological perspective. Routledge, pp.139-145.Omi, Y. (2015). The potential of the globalization of education in Japan: The Japanese style of school sports activities (Bukatsu). In G. Marsico, V. Dazzani, M. Ristum, & A.C.S., Bastos (eds.) Educational contexts and borders through a cultural lens: Looking inside, viewing outside. Springer, pp.255-266.
著者
木村 穣 梶原 景正 坂部 貢 大塚 正人
出版者
東海大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

有機リン等の被爆が主原因とされるシックハウス症候群の患者単球においてNeuropathy Target Esterase(以下NTE)の活性が健常者に比べて高いことを2013年に報告した。有機リンが結合したNTEが化学変化を起こすと遅延性のOPIDN(organophosphate-induced delayed neuropathy)を引き起こすとも言われ、有機リン関連疾患の発症機構解析と疾患モデル開発のために、NTEをコードする遺伝子PNPLA6を導入したマウスを作製し、その性状を明らかにすると共に、NTE遺伝子導入細胞での有機リン感受性を検討した。複合体検出系も開発中である。
著者
大塚 敏之
出版者
一般社団法人 システム制御情報学会
雑誌
システム/制御/情報 (ISSN:09161600)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.42-50, 2017-02-15 (Released:2017-08-15)
参考文献数
99
被引用文献数
2
著者
吉川 康弘 稲村 奈津美 積田 智佳 熊坂 肇 石倉 はる美 栗原 惣一 大塚 喜人
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.408-413, 2016-07-25 (Released:2016-09-10)
参考文献数
9

簡易血糖測定器である,血糖自己測定(self monitoring blood glucose; SMBG)機器や病棟用(point of care testing;POCT対応)血糖測定機器は,簡便かつ迅速な測定が可能である。そのため患者個人だけでなく,広く医療現場でも使用されている。しかし2011年,手指の残留果汁が原因とされる偽高血糖事例が報告された。今回,本事例を検証するためSMBG機器7種を対象に,グルコース以外の果汁に含まれるとされる糖類(4種)との反応性を検証するとともに,食品や輸液等に含まれるとされる糖類(7種)についても検証した。結果,検証に用いた果汁に含まれるとされる糖類は,全ての機器において影響を与えなかったため,偽高血糖事例は,果汁中に含まれるグルコースが原因である可能性が示唆された。一方,食品や輸液等に含まれるとされる糖類においてキシリトール以外の糖は,検証に使用した何れかの機器に影響を与えた。簡易血糖測定器は手技や機器の特徴により,予想外の結果が得られる場合がある。従って使用者は,それらを十分理解した上で使用することが重要である。
著者
大塚 圭 向野 雅彦 松田 文浩 才藤 栄一
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.143-152, 2021-02-18 (Released:2021-04-14)
参考文献数
13

臨床における歩行分析は,視診による主観的な分析が主流であり,定量的な歩行分析は活用されていない.その理由には,時間・人的コストや計測環境といった現実因子と対象者の制限や治療に対する有用性といった利得因子がある.これらの問題を解決させる1つの方法論として三次元トレッドミル歩行分析がある.筆者らは,従来の分析法に加え,新たに開発したリサジュー図形を用いて歩行を直感的な理解に役立てる歩行概観図 (LOP),運動学的因子で指標化した異常歩行の定量的分析,機能不全と代償動作に分けて遊脚の獲得戦略を分析する足部クリアランス分析を活用している.本稿では,実践例としてこれらの分析法を概説する.
著者
大塚 攻 長谷川 和範 木村 妙子 三宅 裕志 近藤 裕介 飯田 健 Honorio Pagliwan Ephrime Metillo
出版者
The Malacological Society of Japan
雑誌
Venus (Journal of the Malacological Society of Japan) (ISSN:13482955)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1-4, pp.93-98, 2017-11-27 (Released:2018-01-11)
参考文献数
39

ウロコガイ科二枚貝ベッコウマメアゲマキScintilla philippinensis Deshayes, 1856の生体がフィリピン・パラワン島で採集されたが,外套膜とその膜上の突起,足を用いてウミウシ類及びカニ類に擬態と考えられる行動が観察された。ウミウシ類型の場合,外套膜を変形させて形態を似せる。カニ類型の場合には形態的類似性だけでなく足も用いて行動も真似る。ウロコガイ上科は他の動物に共生することで知られるが,擬態に関する知見は少ないので,今後のより詳細な研究が待たれる。
著者
大塚 惠 荒川 信彦
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1996

アレルギー反応の媒介物質として知られるヒスタミンは生体内でヒスチジンより生成される。本研究では、ビタミンCの体内ヒスタミン分布に及ぼす影響を調べることを目的とし、ラット腹水より調製した肥満細胞および粘膜型肥満細胞のモデル細胞である好塩基球白血病細胞(RBL-2H細胞)を用いてヒスタミン遊離に及ぼすビタミンCの影響について検討を行った。1)ラット腹水肥満細胞からの遊離ヒスタミンに関する検討: 腹水より採取した肥満細胞は、各種濃度のビタミンC添加培地で30分培養を行なったが、この前処理によって顕著な細胞内取り込みが行なわれなかった。しかし、非免疫刺激剤(コンパウンド48/80)により細胞内全ヒスタミン量の70%が放出される条件下で、生理的濃度のビタミンCで前処理を行なった肥満細胞ではヒスタミン放出の低下傾向が認められたが、高濃度のビタミンCと前処理した場合には顕著な差はみられなかった。2)RBL-2H細胞からの遊離ヒスタミンに関する検討: 本細胞は、高濃度のビタミンCで前処理を行なうことにより増殖は抑制された。また、ビタミンCの添加濃度の増加に伴って経時的に細胞内取り込み量は増加した。増殖に顕著な影響の現れない条件で各種濃度の細胞内ビタミンC量をもつ細胞を調製したところ、高濃度のビタミンCを含む細胞において非免疫刺激剤(タプシガルギン)によるヒスタミン放出は有意に抑制された。以上のことから、細胞をビタミンCで処理することにより、非免疫刺激剤に対するヒスタミン放出の抑制に寄与する可能性が示唆された。
著者
藤井 俊勝 平山 和美 深津 玲子 大竹 浩也 大塚 祐司 山鳥 重
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.125, no.2, pp.83-87, 2005 (Released:2005-04-05)
参考文献数
22
被引用文献数
1

情動は個体の身体内部変化(自律神経活動,内臓活動など)と行動変化を含めた外部へ表出される運動の総体であり,感情は個体の心理的経験の一部である.ヒトの脳損傷後には,個々の道具的認知障害や行為障害を伴わずに,行動レベルでの劇的な変化がみられることがある.本稿では脳損傷後に特異な行動変化を呈した3症例を提示し,これらの症状を情動あるいは感情の障害として捉えた.最初の症例は両側視床・視床下部の脳梗塞後に言動の幼児化を呈した.次の症例は両側前頭葉眼窩部内側の損傷により人格変化を呈した.最後の症例は左被殻出血後に強迫性症状の改善を認めた.これら3症例の行動変化の機序として,情動に関連すると考えられる扁桃体-視床背内側核-前頭葉眼窩皮質-側頭極-扁桃体という基底外側回路,さらに視床下部,大脳基底核との神経回路の異常について考察した.
著者
城 智彦 勝谷 隆 猪子 嘉生 大塚 正 鹿内 喜佐男 高橋 睦子 豊島 照雄 森川 修次
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.88-99,170-171, 1964
被引用文献数
2

広島県下のかきのむき身業者の間に近年喘息様疾患が多発している.私どもはこれにかきの打ち子喘息と命名して研究し, 次の結果をえた.1.本症は1951年頃より発生して以後年々増加する傾向があり, 県下全域の養殖場にひろく分布し, 各地域とも20%をこえる発生率を示した.打ち子の年令, 性別は本症の発生と関係なく, 発病までの従業期間は5年以内のものが過半数をしめた.2.本症の症状はかき打ちに従事した場合にのみ発生し, かき打ちの季節外や, 作業を休んだ時には無症状である.症状により4型をわけたが, 2型, 3型, 4C型, 4D型などの病型に属するものが多く, 1型, 4A型, 4B型などは少なかった.また発病後の経過年数の短かいものには軽症型, 長いものには重症型が多かった.Spirometryでは発作時に一般の喘息同様, 閉塞性の呼吸障害の存在がうかがわれた.3.本症患者はホヤ抗原液に対して特異的に高い皮膚反応性を示し, その一部では同抗原液の吸入により喘息様症状が誘発された.また本症患者血清による.P-K反応は陽性であった.これらのことから本症はホヤ体液による吸入性, アレルギー性喘息であると推定される.4.ホヤ類(特にシロボヤ, エボヤ)の付着状況と本症発生状況の間には密接な関係がある.戦後筏式養殖法が普及し, かき殻にホヤの付着をみるようになったことが, 近年になって本症の発生をもたらした原因と考えられる.5.蕁麻疹の既往のあるもの, 血族に喘息のあるものは, そうでない者に比して本症にかかりやすい.6.かき打ちに際して眼あるいは皮膚に〓痒感を訴えるものがあった.7.本症の治療にはホヤ抗原液による減感作が全症例において有効で, 一般の喘息剤も対症的には有効であった.8.ホヤ体液の吸入を防止すれば, 本症の発生は相当程度防げるものと思われる.