著者
大塚 明子
出版者
文教大学
雑誌
人間科学研究 (ISSN:03882152)
巻号頁・発行日
no.26, pp.39-53, 2004-12-20

As I have shown in previous papers, Japanese Modern Family, which was taking shape among the new urban middle class after late Meiji period, imported and adopted the Western concept of love as its basis. But throughout the pre-war period, this concept remained as a kind of abstract and rather unreal ideal. In Shufu No Tomo(Housewife's Companion), one of the most popular magazines for women, it was the traditional word"wago"(harmony), not love, that played a key role in advising the readers on how to behave and avoid troubles in the relationship with their husbands in everyday marriage life. The principle of wago was based on male supremacy, especially when sex was concerned.
著者
大塚 萌 オオツカ モエ OTSUKA Moe
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究 (ISSN:18834744)
巻号頁・発行日
no.32, pp.159-179, 2016-03

本論ではドイツ語に翻訳された日本マンガのテクスト比較分析を行う。作品に登場するものには、日本ではなじみの深いものであっても、翻訳版受容側の文化にとってはあまりなじみのないものも含まれる。それらを翻訳する際に、どのように翻訳語が選択されているかを本研究では分析する。また、翻訳語選択の背景となる文化はどのようなものかを先行研究から考察する。分析には、『よつばと!』を用いる。対象となる要素は、「セミ」に関する語とする。先行研究から、ドイツにはセミは生息しておらず、鳴く昆虫という程度の認識しかないことが明らかになった。『よつばと!』の翻訳例においては、„Grille"と„Zikade"を文脈に合わせて使い分けていることが分かった。さらに単なる翻訳語の使い分けという問題ではなく、単語の対応関係の構成変更やオノマトペ翻訳、文字テクストからの要素削除の問題も関わることが分かった。
著者
大塚 益比古
出版者
公益社団法人日本放射線技術学会
雑誌
日本放射線技術學會雜誌 (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.1212-1213, 2000-10-20
被引用文献数
2 1
著者
八木 良太 大塚 寛樹
出版者
尚美学園大学芸術情報学部
雑誌
尚美学園大学芸術情報研究 (ISSN:18825370)
巻号頁・発行日
no.22, pp.29-45, 2013-03

ライヴエンタテインメントビジネスほど不確実性の高いビジネスはない。なぜなら、このビジネスは、成否が人の嗜好という非科学的な要素に大きく左右され、常に自然災害や突発的事故などの予測不能なリスクにさらされているからである。本稿は、このリスクの塊のようなライヴエンタテインメントビジネスのリスクマネジメントについて考究する。具体的には、ライヴエンタテインメントビジネスのリスクを特定するとともに、リスクファイナンスの観点からコンサートプロモーター(コンサート企画運営会社)のリスク対応について分析と考察を行う。本稿から、コンサートプロデューサーによる戦略的な保険選択の実践が、コンサートプロモーターのリスクファイナンスの成功の鍵を握ることが明らかになる。
著者
森田 泰弘 井元 隆行 徳留 真一郎 大塚 浩仁
出版者
一般社団法人日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会誌 (ISSN:00214663)
巻号頁・発行日
vol.59, no.695, pp.371-377, 2011-12-05
被引用文献数
1

イプシロンロケットの目的は,小型衛星に対して即応性豊かな打ち上げシステム,すなわち自在性と機動性に富みユーザーフレンドリな輸送手段を構築,宇宙への敷居を下げて宇宙科学や宇宙利用の裾野を拡大することにある.一方,これを輸送系の視点でみると,打ち上げシステムの革新というひと言に尽きる.すなわち,今後のロケット開発にあたっては,射場設備と運用はもとより,製造プロセスから搭載系に至るまで,およそロケットの打ち上げに必要な設備や運用をとことんコンパクトで身軽なものにしていこう,それが未来への扉を開く鍵であるという理念である.イプシロンロケットでは,このような壮大なビジョンを実現する第一歩として,ロケットのインテリジェント化やモバイル管制などの超革新技術を開拓,これを世界に先駆けて実証するために,初号機を2013年度に打ち上げる計画である.
著者
大塚二郎 著
出版者
愛読社
巻号頁・発行日
1943
著者
大塚 英志 齊木 崇人 泉 政文 尹 性喆 Eiji OHTSUKA Takahito SAIKI Masafumi IZUMI Seongcheol YUN
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
芸術工学2012
巻号頁・発行日
2012-11-30

本研究は、近代史を通じて日本の植民地統治下にあった台湾・朝鮮半島・旧満州を中心とする東アジアを、一つのまんが・アニメーションの文化圏として仮説的に考え、2 つの研究の視座を提示する。一つは「植民地まんが研究」である。現在の日本まんが史の戦前の記述は、いわゆる「内地」で出版・発行されたまんがに限定され、「植民地」における出版物は対象とされず、他方、東アジア地域でも日本統治時代の日本まんがはまんが史の対象とはなりにくい。もう一つの視点は、大塚が日本におけるディズニーの受容を日本まんが史の中に位置づけたことを踏まえ、各地域のディズニー受容のあり方を検証することで各地域のまんが・アニメーション表現の地域差を描き出せるのではないか、というものである。同一の指標に基づき、その受容の偏差を検証するという手法は「映画的手法の受容」においても可能であろう。
著者
桃谷 裕子 大塚 泰正
出版者
一般社団法人 日本キャリア・カウンセリング学会
雑誌
キャリア・カウンセリング研究 (ISSN:24364088)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.91-99, 2022-03-31 (Released:2022-08-19)
参考文献数
30

本研究は,McAllisterによる情緒的・認知的信頼尺度(affect- and cognition-based trust measure:ACTM)の日本語版を作成し,日本の労働者を対象にその信頼性と妥当性を検証することを目的とした。情緒的・認知的信頼尺度日本語版(ACTM-J)は,原版を日本語に翻訳し,原版著者によるその逆翻訳のレビューを経て作成した。インターネット調査で得られた日本人労働者291名のデータを用いて,ACTM-Jの信頼性(内的整合性)と構成概念妥当性(因子分析と相関分析)を検証した。確認的因子分析の結果,ACTM-Jは原版と同様の2因子モデルがデータによく適合していた。Cronbachのα係数は情緒的信頼が.94,認知的信頼が.89であり,いずれも内的整合性が高かった。相関分析の結果,この2つのタイプの信頼は,リーダー・メンバー交換関係,職務満足感,組織コミットメント,組織市民行動と正の関連を示し,離職意図と負の関連を示した。これらの結果から,ACTM-Jは一定の信頼性と妥当性を有しており,日本の職場における上司に対する部下の情緒的信頼と認知的信頼を適切に評価できる尺度であることが示された。
著者
白鳥 千恵子 半澤 香子 三原 貴洋 川崎 るい 許 懷哲 明石 なつき 大塚 創平 木次 洋一 西尾 里志
出版者
一般社団法人 日本獣医麻酔外科学会
雑誌
日本獣医麻酔外科学雑誌 (ISSN:21896623)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.23-28, 2020 (Released:2020-11-02)
参考文献数
20

4年前に脾臓結節性過形成の自壊による脾摘歴がある11歳のラブラドール・レトリバーが、1週間前からの元気食欲低下と血尿を主訴に来院した。全身性炎症反応症候群(SIRS)と伴に腹腔内の多発性腫瘤が認められたため、試験開腹を行った。腫瘤は大網や腹壁に散在し、それらを摘出した後の病理検査では、全て異所性脾臓と診断された。術後は良好に回復した。SIRSの主因は化膿性炎症と思われ、感染源は泌尿生殖器と推定された。偶発的に発見された異所性脾臓は、過去の良性脾臓病変の自壊による後天性の脾症と考えられた。脾摘歴のある犬の腹腔内の多発性腫瘤においては、異所性脾臓の可能性も考慮すべきと思われた。
著者
大塚 宜一
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂醫事雑誌 (ISSN:21879737)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.2-7, 2014 (Released:2014-07-31)
参考文献数
12

特定の食物を食べることで繰り返す湿疹,咳,腹痛,下痢,下血,体重増加不良等の症状をきたす疾患が食物アレルギーである.食物アレルギーは「免疫反応」を介して生じる.人体に対して有害な細菌やウイルスを異物と認識して排除する反応が「免疫反応」だが,生体に必要な特定の食物を誤って異物と認識して「免疫反応」が誘導されることが食物アレルギーである.口から摂取された食物すなわち蛋白質は腸に入り消化酵素により消化・分解される.通常,蛋白質がアミノ酸まで消化されればアレルギー反応は生じない.しかし,十分に消化されない蛋白質(ペプチド)は食物アレルギーの原因抗原となる.特に,離乳食を食べている乳幼児は消化機能が未熟で,食物をアミノ酸まで完全に消化できないことも多く,その結果,アレルギー反応が生じやすいと考えられる.一方,ヒトには,口から摂取した食物に対してアレルギー反応を起こさないようにする「寛容」と呼ばれる機能がある.特に,乳児期の免疫機能は,寛容を誘導しやすいと考えられる.乳児期の消化機能の未熟性は,食物に対する寛容を誘導するための自然の仕組みとも考えられる.アレルギーの予防という観点からは,食物負荷試験により重篤なアレルギー症状が出ないと確認されている食物であれば,少量から積極的に食べることで寛容を誘導することができる(経口免疫寛容).また,卵白は20分程度加熱することで,牛乳はオーブンで加熱することで抗原性が抑えられることが報告されている.アナフィラキシーショックを呈することもあり,注意が必要であるが,医師の管理のもと,より安全な食べ方を見つけ,継続して食べることが食物アレルギーの治療となる.
著者
大塚 宜明 池谷 信之 工藤 大
出版者
札幌学院大学総合研究所 = Research Institute of Sapporo Gakuin University
雑誌
札幌学院大学人文学会紀要 = Journal of the Society of Humanities (ISSN:09163166)
巻号頁・発行日
no.110, pp.79-100, 2021-10-20

本論では,アイヌ文化期(中近世)に属する北海道せたな町南川2遺跡の黒耀石製石器を対象に,石器の技術的分析および黒耀石原産地推定分析を実施した。さらに,そのデータと、当該期の道内の遺跡や先行する擦文文化の事例との関連性を検討することで,アイヌ文化期における黒耀石利用の変遷とその歴史的意義について考察した。 その結果,①アイヌ文化期において黒耀石副葬と被葬者の性別(女性)に関係性がある一方,出土地域と黒耀石原産地の間に特定の結びつきがないこと,②擦文時代初頭の黒耀石角礫の副葬が,擦文時代後期頃に円礫に転じ,アイヌ文化期へとつながる状況が確認され,黒耀石の副葬様式が漸移的に成立したことが明らかになった。 こうした中で,15C~18C中頃と考えられる南川2遺跡の墓壙以後は黒耀石の副葬がみとめられないことから,擦文時代とアイヌ文化期の間にみとめられる黒耀石の儀器化が生じた後に,さらにアイヌ文化期内において儀器としての役割を終える過程があったことがわかった。ここに,利器としても,儀器としての役割も終える過程,すなわち北海道における黒耀石利用の終焉をよみとることができるのである。
著者
飯塚 海斗 大塚 和弘
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.J-M91_1-17, 2023-05-01 (Released:2023-05-01)
参考文献数
37

A novel machine learning framework is proposed to automatically recognize the synergetic functions of the Aizuchi and the head movements of listeners in conversations. The listeners’ head movements, such as nodding, and Aizuchi, i.e., listeners’ short back-channel utterances, play a variety of functions, such as expressing the sign of listening, agreement, and emotions. This paper presents a functional Aizuchi corpus and analyzes it with the functional head-movement corpus that the authors have previously created. The analysis reveals the synergetic relationship between Aizuchi and head movements including reinforcement, multiplexing, and complementary. Then, this paper defines a functional category system called synergetic functions, which classifies reinforcement and multiplexing as product functions and complementary as sum functions. Next, several models using convolutional neural networks (CNNs) are designed to recognize such synergetic functions from the time series of the prosodic features and the head pose of the listeners. More specifically, we compare some different architectures, which employ early/late feature fusions and single/two-stage decision-making. The experimental results shows the proposed models achieved the maximum F1-score of 0.71 for the product function of Aizuchi’s continuer and head movement back-channel and that of 0.88 for a sum function called back-channel acknowledgment that was complementarily expressed by head movements and Aizuchi. These results confirms the potential of the proposed framework.
著者
辻野 一三 林下 晶子 渡部 拓 山田 安寿香 佐藤 隆博 板谷 利 高階 知紗 大塚 吉則 清水 祐輔 西村 正治
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.9, pp.722-728, 2014-09-30 (Released:2014-10-07)
参考文献数
36
被引用文献数
1

症例は35歳,男性.糖尿病,うつ病にて当院通院中の平成25年5月,自殺企図にてインスリングラルギン300単位を皮下注したところを家族に発見され,当科へ救急搬送となった.血糖値の頻回モニタリングと経口および静脈内グルコース投与にて,皮下注射から約50時間の経過で重篤な合併症や後遺症なく低血糖状態から脱した.入院中の精査にてミトコンドリア病の診断基準を満たし,うつ病および糖尿病は同疾患によるものと考えた.うつ病と糖尿病の合併は臨床的に重要な問題であり,本報告ではうつ病合併糖尿病の診療上の問題点,インスリン大量投与時の対処と病態,さらにミトコンドリア病の本症例における関与について若干の文献的考察を加え報告する.
著者
北 一郎 大塚 友実 西島 壮
出版者
Japanese Society of Sport Psychology
雑誌
スポーツ心理学研究 (ISSN:03887014)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.133-140, 2010 (Released:2010-10-08)
参考文献数
47
被引用文献数
4 2

It has been suggested that regular physical exercise is beneficial to not only physiological adaptation, but also psychological health through stress reduction, antidepressant / anxiolytic properties and improvement in mood. However, since exercise regimens have varied widely across experiments, the optimal form, intensity and duration of exertion for producing the maximal benefits of exercise have yet to be established. Recent neuroscience studies have shown that physical exercise could have a positive impact on the brain, raising the hypothesis that the beneficial effects of physical exercise on psychological health are due to morphological and functional adaptation in the brain, rather than physiological adaptation to physical exercise. For example, it has been shown that physical exercise results in increased neurogenesis or expression of brain-derived neurotrophic factor as well as improved cognitive abilities or reduced stress-induced depressive behavior. Although evidence of the neural and behavioral benefits of physical exercise is accumulating, the influences of different regimens of physical exercise on the brain and behavior remain unclear. This issue aims to outline the effects of physical exercise on pathological conditions with a focus on mood disorders, including depression and anxiety, and consider the neural mechanisms of the antidepressant / anxiolytic effects of physical exercise.