著者
梶田 隆章 内山 隆 大橋 正健 川村 静児 黒田 和明 三代木 伸二 安東 正樹 宗宮 健太郎 森脇 喜紀 麻生 洋一 都丸 隆行 フラミニオ ラファエレ 鈴木 敏一
出版者
東京大学
雑誌
特別推進研究
巻号頁・発行日
2014

本研究では重力波の観測と重力波天文学の創成を目指し、別予算で整備がすすめられた大型低温重力波望遠鏡KAGRAの研究基盤をベースに、熱雑音を最小化する低温懸架システムの開発、極低温鏡急速冷却方法の開発、グリーンレーザーを用いた干渉計の迅速かつ安定な動作状態獲得、新たな信号読み出し法を可能にし、干渉光に含まれる余計なノイズを削減する出力モードクリーナーの開発などを行った。また、レーザー強度雑音の低減、さらに最終的には自動で観測モードまで進む高度なデジタル制御システムの開発を行った。これらの開発された技術を全てKAGRAに組込み、重力波観測運転を2020年2月に開始した。
著者
大橋 正孝 石川 圭介 片井 祐介 大場 孝裕
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース 第126回日本森林学会大会
巻号頁・発行日
pp.867, 2015 (Released:2015-07-23)

足を括るくくりわなの短所である、設置場所の選定が難しい、ツキノワグマの錯誤捕獲回避が困難、厳冬期凍結条件下では使用が困難、を克服するわなとしてヘイキューブを餌に誘引したニホンジカの首を括るわな(ただし、締め付け防止金具により首を締めることはない)を新たに考案、開発した。2013年の12月から2014年1月に富士山南麓の標高約1,000mのヒノキ林内約1km2のエリアで、1日あたり平均で9.5基のわなを33日間設置して捕獲を行った結果、24頭(成獣♀12頭、1歳3頭、当歳9頭)を捕獲した。捕獲効率は、0.73頭/日、餌付け期間7日間を加えると0.60頭/日で、わな1基1晩あたりでは0.079頭であった。場所の選定が容易で穴を掘る必要がないことから、わなの設置に要した時間は8±2分(平均±標準偏差)と短く、森林作業者が他の作業と並行して取り組み易いと考えられた。一方で、締め付け防止金具が緩み首が締まるなどの死亡個体も見られ、構造及び設置方法で注意すべき点が明らかになった。 なお、当該わなは、角のない個体を捕獲対象とし、各都道府県で、くくり輪の直径は12cm以内とする規制の緩和が必要となる。

7 0 0 0 OA パンと軽石

著者
寅丸 敦志 小川 裕江 大橋 正俊 増山 孝行
出版者
日本混相流学会
雑誌
混相流 (ISSN:09142843)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.403-410, 2020-09-15 (Released:2020-10-09)
参考文献数
11

Explosive volcanic eruptions produce pumice including bubbles (mainly H2O gas) which form by the vesiculation process under decompression during the magma ascent in the volcanic conduit. Shape of bubbles varies from spherical to tubular or irregular depending on the eruption style, intensity and magnitude. Interestingly, huge eruptions such as caldera-forming eruptions characteristically include elongated bubbles. We conduct the bread baking experiments to examine what controls the shape of bubbles by using the vesiculation process due to the fermentation of yeast. We use two experimental setups, baking within and without a glass conduit, to evaluate the effect of 1 dimensional expansion flow on the bubble shape. Results show that breads baked within the glass conduit typically include the elongated bubbles. We make the textural analysis for the cross section of bread after fermentation and baking with a time interval of 5 min to understand the evolution of bubble texture and with variable concentrations of yeast to evaluate the effect of amount of yeast on fermentation, consequent expansion of dough and bubble texture. By experiments with the variable concentration of yeast, it is found that the maximum expansion occurs at the certain concentration of yeast approximately 0.5 g per 50 g dough, and that the number of bubbles monotonically decreases with increasing the concentration of yeast. Time series experiments show that the number of bubbles decreases and average size of bubble increases with time for both within and without conduit. Aspect ratios of bubbles within a glass conduit are larger in smaller size of bubbles and smaller (i.e., elongated) in larger size. Numerical model simulating the evolution of bubble shape under 1 D expansion demonstrates that smaller bubbles relax to the spherical shape by surface tension effect and larger bubbles maintain the elongated shape formed by 1 D expansion.
著者
山田 晋也 大竹 正剛 大場 孝裕 山口 亮 大橋 正孝
出版者
「野生生物と社会」学会
雑誌
野生生物と社会 (ISSN:24240877)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.1-5, 2013-12-20 (Released:2017-06-16)

We evaluated the stress in deer that were captured using corrals, foot snare traps, grand hunt, and sharp shooting by determining the cortisol and creatine kinase levels. The means of the cortisol levels were 2.5±1.3μg/dL, 11.3±5.3μg/dL, 2.1±2.5μg/dL, and 0.4±0.1μg/dL for deer captured using corrals, foot snare traps, grand hunt, and sharp shooting, respectively. The means of the creatine kinase levels for deer captured using corrals, foot snare traps, grand hunt, and sharp shooting were 93.5±129.1×10^3U/L, 253.6±303.3×10^3U/L, 46.6±70.1×10^3U/L, and 2.6±2.0×10^3U/L, respectively. The means of the cortisol levels of the deer captured using corral, grand hunt, and sharp shooting were significantly lower than that of the deer captured using foot snare traps (p<0.01). The mean of the creatine kinase levels of deer captured using corrals was significantly higher than that of the deer captured using sharp shooting (p<0.01), but was equal to that of the deer captured using foot snare traps and grand hunt.
著者
大橋 正司 五十嵐 佳奈
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.213-216, 2019-03-15 (Released:2019-06-01)
参考文献数
9

デジタルアーカイブを市民へと開いていく中では、研究者などの「すでにそこにいる」利用者ではない人々の眼差しを共感的に理解し、新たな利用者が使い続けたいと感じるサービスの提供や、多様な使い方を保証するのに必要な機能やインタフェースの有効性を検証するデザイン手法の成熟が鍵を握る。そこで本発表では、デジタルアーカイブの設計における課題とデザイン手法の必要性を整理し、現場の必要に応じて導入できるデジタルアーカイブのデザインプロセスの標準化について検討する。デジタルアーカイブアセスメントツール[1]を機械的に達成すべき「チェックリスト」ではなく、適切なデザインプロセスの結果、必然的に達成される「アウトプット」として、具体的に分かりやすく導き出せることを示し、デジタルアーカイブの設計者が、サービスの多様性と利活用の可能性を大きく広げられる素地をつくることを目指す。
著者
大橋 正司
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.225-228, 2020 (Released:2020-04-25)
参考文献数
3

システム・ソフトウェアの品質については、2019年にかけていくつかのJISが整備・改訂されている。特に、システム・ソフトウェアの品質要求及び評価について定めた規格群JIS X 25000:2017 SQuaRE(Software product Quality Requirements and Evaluation)シリーズ[1]は、デジタルアーカイブの品質管理の標準化を検討する上でも品質特性の包含性が高く、参照すべき点が多い。本稿ではこれらの規格の概略と改訂の動向を紹介しながら、平成30年4月に発表されたデジタルアーカイブアセスメントツール(以下「アセスメントツール」と呼称)[2]に着目し、本ツールの記載項目がこれらの関連性の高い産業規格上どのように対応づけられうるのかを検討し、デジタルアーカイブの品質管理の標準化に向けた課題を整理する。
著者
太田 智之 加納 宣康 草薙 洋 大橋 正樹 葛西 猛
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.32, no.7, pp.1201-1207, 2012-11-30 (Released:2013-03-08)
参考文献数
14

シートベルト着用率の向上と共に致死的外傷は減少している。一方でシートベルト損傷(以下,本症)と称される,鈍的外傷が増加した。本症はサブマリン現象により,シートベルトが骨盤から腹部にずれ,腹部と椎体が挟まれ発生すると考えられる。本稿では,当院で経験したシートベルトによる鈍的外傷2例を提示し,本症について考察を加える。本症の発生機序,シートベルトの種類による損傷の違い,本邦におけるシートベルト関連の法律についても解説する。本症に対する治療戦略としては,腸管損傷を見逃さないこと,さらに,遅発性に腸管穿孔や腸管狭窄をきたす場合があることを理解することが重要である。本症は,腸管損傷以外に複数の臓器の損傷を招くこともある。特に十二指腸損傷,膵損傷,横隔膜損傷は見逃しやすく,治療に難渋しやすいため,日頃から諸臓器の外傷手術方法について理解を深めておくべきである。
著者
大場 孝裕 大橋 正孝 山田 晋也 大竹 正剛
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.126, 2015

鳥獣保護法が、鳥獣保護管理法に改正された。増え続けるニホンジカ(以下、シカ)に対しては、個体数削減のための管理、そのための捕獲事業の実施強化と、それを担う事業者制度の導入が明確化された。しかし、従前の銃やわなを用いた捕獲が困難な場所や状況も存在し、無理な捕獲強化は、人身事故の増加や、錯誤捕獲など他の動物への悪影響も懸念される。シカを減らすためには、従来の方法に加え、新たに安全で効率的な捕獲技術の開発が必要と考えた。<br> 反芻動物は、硝酸イオンを摂取すると、第一胃にいる微生物が、これを亜硝酸イオンに還元する。亜硝酸イオンは、血中で酸素運搬を担っているヘモグロビンと反応し、酸素運搬能力のないメトヘモグロビンに変える。進行すると酸素欠乏症に陥り、死に至ることもある。人間など単胃動物の酸性の胃では、亜硝酸イオンは増加しない。<br> シカ飼育個体の胃に硝酸イオンを注入し、致死量を明らかにした後、作成した硝酸塩添加飼料を採食したシカ野生個体の捕獲(致死)に成功した。この硝酸塩経口投与によるシカ捕獲について、インターネット上で行われた意識調査では、実用化すべきとの意見が過半数を占めた。
著者
川西 直 カミル アブドルハミド アマド 宮森 良昌 楠田 厚史 川原 圭博 大橋 正良 浅見 徹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICSS, 情報通信システムセキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.79, pp.55-59, 2010-06-10

本稿で我々は,クラウドコンピューティングやソフトウェア無線技術といった各種仮想化技術をフル活用し,ニーズに応じて柔軟にネットワークの構築が可能な,オープンな移動通信システムの構想について述べる.我々の提案するオープンな移動通信システムでは,移動通信システムを構成するトランスポート・ストラタムやサービス・ストラタムなど全てのストラタムにわたった仮想化を想定し,事業者の需要にあわせて仮想化されたストラタムのイメージをインスタンス化することによって,柔軟なネットワークの構築を実現しようとしている.
著者
本庄 勝 森川 大補 西山 智 大橋 正良
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.14, pp.203-208, 2006-02-16
被引用文献数
4

本稿では 携帯端末のセンシングデバイスや環境に配備されたセンサネットワークによって認識されるライフログの取得及びそのライフログを活用するための Life-Pod システムの概要および設計の検討報告を行う. Life-Pod システムでは ユーザの日常のライフログを取得し 行動分析 自己管理 視覚化、レコメンデーション コミュニティ形成支援といったサービスを提供する. ライフログはセンシングデータから認識された情報をもとにプロファイル化され セマンティックウェブによる記述により管理される. 本稿では 本システムの要求条件に対し 必要とされるライフログ取得管理機能 ライフログ検索機能 視覚化機能 オントロジー管理編集機能 プレゼンス機能 情報支援サーバ接続機能について検討を行う.This paper presents Life-Pod system which manages user's daily lifelog recognized by sensing devices equipped with mobile terminal or sensor network on the environment. We show the concept of the Life-Pod system and discuss the design and our development. Life-Pod system produces several services based on the lifelog, lifelog analysis, self-management, lifelog visualization, service recommendation, community support, and so on. Lifelog with the profile is described in the semantic web description. In this paper, we discuss several function, lifelog acquisition, lifelog management, lifelog search, visualization, ontology management, lifelog presence, connectivity of the information support server.
著者
林 文俊 大橋 正夫 廣岡 秀一
出版者
The Japanese Group Dynamics Association
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.9-25, 1983-08-20 (Released:2010-11-26)
参考文献数
46
被引用文献数
6 2

本研究では, 個々人が他者のパーソナリティを認知する際に働かせる次元の数やその意味内容を, 個別尺度法を用いて分析することを目的とした.被験者は大学生男子44名 (うち, 分析の対象としたのは33名). 各被験者は, 32名の刺激人物を個人ごとに構成された個別尺度上で評定することを求められた (調査SPR). また, 各被験者の個別尺度に含まれている特性をSD法でいうコンセプトとして扱い, それぞれを大橋ら (1973) による20対の共通尺度上で評定させた (調査TIF).調査SPRの資料より, 個人ごとに因子分析を行なった. そして, 抽出された諸因子を, 調査TIFの資料を媒介として分類・整理した. 得られた主な結果は, 次の3点である.1) 認知的複雑性の指標となる個々人の因子数は, 1~7の範囲に分布し, かなりの個人差が認められた. ただし, 人が他者のパーソナリティ認知に際して働かせる次元数としては, 最頻値として一応4次元程度を想定するのが適当であると考えられた.2) 抽出された因子の意味内容は, かなり多岐にわたっていたが, 多くは評価的色彩を帯びたものであった. また, 評価次元とは独立な形で力本性に関する因子もいくつか見いだされた.3) 個別尺度法により抽出された因子の多くは, 林 (1978a, 1978b) の提唱するパーソナリティ認知の基本3次元 (個人的親しみやすさ, 社会的望ましさ, 力本性) の枠組から分類・整理することが可能であった
著者
岡本 隆嗣 橋本 圭司 大橋 正洋 宮野 佐年
出版者
社団法人日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.12, pp.868-874, 2004-12-18
参考文献数
25

2000年5月から2003年11月までに,当院入院しリハビリテーションを行った蘇生後脳症患者14名(男性13名,女性1名,平均年齢45.3歳)の機能予後および問題点を,当院入院時データより検討した.発症から入院までの期間は264±294日であった.家族の介護負担感の観点から,発症より1.5~6.5年経過した2004年5月現在の監視の程度をSupervision Rating Scale (SRS)により評価し,自立~部分監視(SRS 1~7)であった6名を予後良好群,常時監視(SRS 8~13)が必要であった8名を予後不良群とした.診療録より後方視的に,Japan Coma Scale(以下JCS)3桁持続期間,脳画像所見でのびまん性脳萎縮の有無,神経心理学的検査,Functional Independence Measure (FIM),当院退院時の転帰,現在の社会参加状況,障害者手帳取得状況について検討を行った.2群間の比較で,JCS 3桁持続時間,びまん性脳萎縮の有無,Mini-Mental State Examination(以下MMSE),Wechsler Adult Intelligence Scale-Revised(以下WAIS-R),FIM運動・認知でそれぞれ有意差を認めた.リハ病院入院時における,予後予測因子として,これらは有用であると考えられた.予後良好群では,退院後,社会復帰可能となった例が多く見られた.予後不良群では,入院中,神経心理学的検査を施行できない例がみられ,またFIM認知項目は入院中に有意な改善を認めなかった.また身体・認知の両方とも障害されている例が目立ち,退院時と1.5~6.5年経過時の監視程度はほとんど変わらず,手帳・介護保険でのサービスを多く利用していた.
著者
鷲見 康子 長島 千佳 曽和 順子 冨高 晶子 鶴田 京子 赤松 浩彦 松永 佳世子 大橋 正博
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association/Meeting of Keiji Dermatological Association
雑誌
皮膚の科学 (ISSN:13471813)
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.172-175, 2002 (Released:2010-08-25)
参考文献数
9

セファトリジンプロピレングリコール (CFT: セフラコール (R) ドライシロップ) によるアナフィラキーショックを経験した。患者は5歳, 女児。感冒のため近医で処方された抗菌剤 (セフラコール (R) ドライシロップ) と感冒用混合シロップを内服したところ, 約5分後に呼吸困難, 蕁麻疹, 腹痛, 尿失禁が出現した。救急車にて当院救急外来受診し, エピネフリン皮下注射, 副腎皮質ステロイド点滴により症状は軽快した。後日, 薬疹を疑い薬剤による皮膚テストを施行したところ, セフラコール (R) ドライシロップ (10%水溶液) と主成分であるCFT (1%水溶液) のオープンテストで膨疹が出現した。以上よりCFTによるアナフィラキーショックと診断した。