著者
佐原 壮海 樫原 茂 太田 能 高井 峰生 金田 茂 山口 英
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. UBI, [ユビキタスコンピューティングシステム] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.51, pp.1-6, 2015-02-23

既存のレートアダプテーション機能 (RA) は主に室内などの移動性の低い環境を対象としているため,路車間通信のような移動環境においては,チャネル品質の変動に適応した伝送レート選択を行うことは困難である.本論文では,まず,移動環境における既存 RA の通信性能をシミュレーションにより評価し,問題点を明らかにする.そして,移動時のチャネル品質の変動に適応するための RA として,データセットを利用した RA(Rate Adaptation with Dataset: RAD) を提案する.シミュレーション評価により,既存 RA と比較して,RAD の FTP/CBR 通信の通信量がともに向上することを示した.
著者
佐原 壮海 樫原 茂 太田 能 高井 峰生 金田 茂 山口 英
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.51, pp.1-6, 2015-02-23

既存のレートアダプテーション機能 (RA) は主に室内などの移動性の低い環境を対象としているため,路車間通信のような移動環境においては,チャネル品質の変動に適応した伝送レート選択を行うことは困難である.本論文では,まず,移動環境における既存 RA の通信性能をシミュレーションにより評価し,問題点を明らかにする.そして,移動時のチャネル品質の変動に適応するための RA として,データセットを利用した RA(Rate Adaptation with Dataset: RAD) を提案する.シミュレーション評価により,既存 RA と比較して,RAD の FTP/CBR 通信の通信量がともに向上することを示した.Existing rate adaptation mechanisms (RAs) are basically targeted for selecting the best transmission rate at indoor environments. As a result, RA in mobile environments, such as in Vehicular to Infrastructure communication, is more challenging due to frequently changing of channel quality. In this paper, we evaluate existing RAs in mobile environments using a simulator, and disclose the RAs' problems. We also present Rate Adaptation with Dataset (RAD) for selecting the appropriate data rate in mobile environments. Finally, we show that RAD outperforms other existing RAs in FTP/CBR communication.
著者
阿部 晋吾 太田 仁
出版者
The Japanese Association of Educational Psychology
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.294-304, 2014
被引用文献数
1

本研究では中学生を対象に, 自己愛傾向の程度によって, 教師からの叱りの動機推測が援助要請態度に及ぼす影響に差異がみられるかどうかを検討する質問紙調査を行った。その結果, 教師からの叱りに対して向社会的動機を推測するほど, 援助適合性認知は高くなる一方, 自己中心的動機を推測するほど, 援助適合性認知は低くなることが示された。自己中心的動機の推測はスティグマ認知にも影響を及ぼしていた。また, 自己愛傾向の高い生徒は, 向社会的動機の推測の影響が弱く, 自己中心的動機の推測の影響が強いことも明らかとなった。
著者
太田 昌孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PN, フォトニックネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.276, pp.17-21, 2012-10-30

送信側と受信側のクロック周波数の差が小さければ,受信信号を可変遅延線に通しDLLで受信側クロックに位相同期させることで,受信信号と受信側クロックの位相のずれが可変遅延線の可変範囲の間,クロック回復なしのデータ回復が行える.この方式は位相同期維持時間が短いパケット通信に有効で,特に,各波長に含まれるビット数が少なく迅速なクロック同期が必要な多波長パケットに有効である.同様に,送信側と受信側のLOの周波数の差が小さければ,受信光を可変遅延線に通しDLLで受信側LOに位相同期させることで,アナログコヒーレント受光も行える.
著者
瀬沼 美華 古谷 真美 高島 宏昌 太田 亮 森 千里 小川 哲郎 桑形 麻樹子
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会 第39回日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.P-70, 2012 (Released:2012-11-24)

ヒ素は飲水への混入が問題となっている環境汚染物質であり,疫学調査では高濃度汚染地域における児童のIQ低下が報告されている.動物実験においても,発達期(胎児期-授乳期)のヒ素暴露により離乳後に自発運動減少,記憶力低下,それに伴ったモノアミン濃度の変化といった発達神経毒性(DNT)が認められ,DNT試験法のバリデーションにおける陽性対照物質の1つに挙げられている. 我々はヒ素の神経発生初期への影響を検討する目的で,ラットの器官形成期(妊娠9-15日)にヒ素を投与し,投与直後の妊娠16日に胎児脳を観察し,ヒ素の直接的な神経発生への影響を検討してきた(第51回日本先天異常学会学術集会).その結果,母動物には体重増加抑制などの重篤な毒性が観察されたが,胎児死亡率,胎児体重に影響はなかった.また,組織中の含量分析の結果,ヒ素の胎児脳への移行は確認されたが,胎児脳の神経上皮細胞において細胞死の誘発は認められず,また,神経幹細胞の分裂能にも影響は認められなかった.今回,さらにヒ素暴露による胎児脳のモノアミン神経発生への影響について免疫組織学的方法を用いて詳細に検討した. Tyrosine hydroxylase陽性細胞の分布は,その神経核である腹側被蓋野および黒質緻密部で変化はなく,その投射先である線条体,大脳皮質における線維にもヒ素暴露の影響は認められなかった.一方,背側縫線核および正中縫線核のSerotonin (5-HT)陽性細胞数の減少が観察された.連続切片による詳細な観察から,5-HT陽性細胞の分布様式に異常はなく,全体的にその数が減少していることが明らかとなった.この結果から,胎生期のヒ素暴露は発生初期の5-HT神経細胞の発生に影響を及ぼすことが示唆された.
著者
太田 篤史 森 健策 末永 康仁
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.47, pp.31-38, 1999-05-13
被引用文献数
2

本研究では3次元CGにおいて魅力的な映像を作り出すカメラワークを自動生成する手法を提案する。カメラワークは時系列にそったカメラの位置、姿勢によって表現されるものとする。本手法では単一のポリシーに基づきカメラワークの提案および評価を行う演出家と呼ばれる者を定義する。演出家は物体の位置、優先度、境界領域、カメラパラメータなどの様々な情報に基づき、カメラワークを複数提案する。各演出家からの提案を全ての演出家が評価する。最もよい評価の得られたカメラワークを最終的なカメラワークとして決定する。本手法を計算機上に実現し、CGアニメーションの生成を行った結果、ある程度の有効性が確認された。
著者
東海林 あさこ 福永 健司 橘 隆一 太田 猛彦
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.191-194, 2008-08-31
被引用文献数
2 2

下水汚泥炭化物の緑化基盤への適用可能性を検討するため,炭化物の理化学的性質を測定した。また,関東ロームに炭化物を異なる比率で混合した基盤で,コマツナ,ヤマハギ,ヤシャブシの生育実験を行った。その結果,下水汚泥炭化物には孔隙は少ないが,pHやECに問題はなく,無機態窒素や燐酸を多く含むため,土壌化学性の改善に有効と考えられた。生育実験では,炭化物の混合直後の播種や,混合率70%(体積比)でも発芽・生育障害は認められなかった。生育改善効果の高い混合率は植物によって違いが見られたが,コマツナとヤシャブシで10〜30%,ヤマハギで30〜70%であった。ヤマハギでは根粒形成も旺盛になった。以上から,下水汚泥炭化物は緑化基盤材料として適用可能であり,土壌改善効果が高いと考えられた。
著者
諏訪 博彦 梅原 英一 太田敏澄
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.117-125, 2012-01-15

Yahoo!株式掲示板には,人々の意見・気持ちが大量に投稿されている.我々は,この意見・気持ちをコラボレーション技術を用いて取り込むことによって,投資判断を支援することが可能になると考える.本論文では,Yahoo!株式掲示板の投稿数および投稿内容が株式リターンと関係しているか明らかにする.そのために,東証1部における投稿数および強気指数によるポートフォリオを構築しFama-Frenchの3ファクターモデルが成立しているかを検証している.その結果,投稿数が最も多いポートフォリオおよび最も少ないポートフォリオ,強気指数が最も強気なポートフォリオおよび最も弱気なポートフォリオでは,超過リターンが存在することを確認している.そこで,投稿数の最上位ポートフォリオと最下位ポートフォリオのリターンの差および強気指数の最強気ポートフォリオと最弱気ポートフォリオのリターンの差をファクターとして追加している.その結果,強気指数ファクターを追加した場合には超過リターンは検出されなかった.これにより強気指数は株価リターンと関係している可能性があると考える.
著者
岡本 龍明 太田 和夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-コンピュータ (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.76, no.6, pp.315-323, 1993-06-25
被引用文献数
12

本論文では,実際の現金や従来提案されている電子現金方式における問題点を解決する初めての理想的電子現金方式を提案する.ここで,理想的という意味は,利用者の匿名性(プライバシー)を保証した上で,不正使用を検出でき,更に支払い時の処理がオフラインでできると共に,1回発行された電子現金を額面の金額になるまで何回でも使うことができるといった特長をもつものである.本方式は,ICカード上において効率的な実現が可能である.例えば,額面金額に関係なく,1個の電子現金のデータサイズは,たかだか100バイトであり,Rabin暗号LSIの存在を仮定すれば,電子現金支払い時の処理時間は数秒程度である.本方式の安全性は,素因数分解の困難さに依存する.
著者
田子 茂 勅使川原 正臣 太田 勤
出版者
JAPAN ASSOCIATION FOR EARTHQUAKE ENGINEERING
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.3_21-3_33, 2012
被引用文献数
1

本論文は、中高層SRC造集合住宅の桁行方向の第2次診断法に基づく建物高さ方向の耐震性能の分布を分析し、強度が低い弱点層に損傷が集中する可能性を示す。特定層への損傷集中に影響する要因として、柱梁耐力比、高さ方向の鉛直部材の強度分布を取り上げ損傷集中との関係を検討する。その結果を踏まえ、中高層SRC造建築物において、特定層への大破あるいは中破以上の大きな被害集中を回避することを目的とし、実務的に使いやすい第2次診断法に柱梁耐力比と高さ方向の鉛直部材の強度分布(第2次診断法の<i>C<sub>TU</sub>·S<sub>D</sub></i>の分布)を考慮した耐震診断法(第2、3次診断法)の選定について提案する。
著者
河野 慎 米澤 拓郎 中澤 仁 川崎 仁嗣 太田 賢 稲村 浩 徳田 英幸
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.72-82, 2015-01-15

近年,GPSを搭載したスマートフォンとSNSの普及によって,リアルタイムに位置情報を付加させた発言をユーザが投稿する機会が増加している.この機会によって投稿された発言の中には実世界イベントに関する情報が含まれており,その一部はユーザが体験したり,目撃したりしたことに関するものであることが多い.これらの発言を収集し,解析することで実世界で実際に起きている社会イベントを検出することが可能となる.イベントを検出するために必要な発見と分類という2つの工程のうち,本研究ではイベントの分類に着目し,イベント参加者を利用したイベント分類手法を提案する.イベント参加者の多様性を意味する大衆性という新しい分類軸を定義し,イベント参加者がフォローしているユーザの解析によるイベントの分類を目指す.本研究では解析ツールの設計と実装をし,ツールを用いてあらかじめ実際のデータをもとに発見された社会イベントの解析を行い,分類を行った.Yahoo!クラウドソーシングにおいて一対比較法を用いて大衆性に基づき分類した結果を取得し,本手法を適用した解析結果と比較・考察を行った.その結果,大衆性に関してクラウドソーシングを用いた調査結果と回帰分析による提案手法の分析結果に一定の相関性があることを示した.
著者
佐藤 邦彦 太田 昇 庄司 次男
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.37, no.12, pp.533-537, 1955-12-25

MH-30の葉面撒布はスギ苗の秋伸び抑制にきわめて有効であり, 0.12%の濃度では根切りによると同じ程度の効果があり, とくに根切りとの併用はきわめて効果が大きかつた。MH-30によつて成長抑制を行つた苗は初霜の被害がきわめて少なく, 根切り区よりもまさつた。塩素酸カリ溶液による耐寒性の検定結果は, 圃場における結果と一致しなかつた。Botrytis cinereaとSclerotinia Kitajimanaの接種試験結果は, 霜害の発生とほぼ同じ傾向を示し, 処理苗はいちじるしく罹病が少なかつた。処理苗の圃場における越冬中の灰色黴病の発生についてもMH-30の処理はきわめて防除効果があり, とくに根切りとの併用区がいちじるしく, また根切りも効果が大きかつた。MH-30はB. cinerea, S. KitajimanaおよびRhizoctonia solaniの菌糸の発育とB. cinereaの胞子の発芽を阻害する。MH-30の処理苗は翌春成長開始期になると, 一且苗の先端が枯れて新に不定芽を生じて成長を開始する。しかし枯損率には有意差が認められない。
著者
山口 佳昭 原田 英男 太田 靖
出版者
日本鉱物科学会
雑誌
日本岩石鉱物鉱床学会 学術講演会 講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.3-3, 2004

日本の中部地域では,太平洋プレートの沈み込みの深度が増加すると(> およそ160 Km,浅間火山(天仁噴火),妙高火山,北アルプスの白馬風吹岳,立山火山,雲の平火山),高K2Oマグマバッチが生成する.高K2Oマグマバッチの証拠が,次のように示される.1)アブサロカイト-ショショナイト組成の高K2Oメルト包有物がカンラン石や単斜輝石の斑晶中に捕獲されている.2)火山岩の石基が不均質である.隠微晶質のアノーソクレース-カリ長石と高K2Oガラスで構成される高K2Oバッチ(領域)が見いだされる. こうした高K2Oマグマバッチの証拠は,私たちが調べた限りでは,東北日本-関東の火山フロント(樽前火山,クッタラ火山,有珠火山,岩手火山,那須火山など)や 伊豆-箱根(富士,箱根,三宅島など)の火山の噴出物からはまったく見いだされず,太平洋プレートの沈み込みの深い地域の火山に限られる.この高K2Oバッチは,背弧側に向かうマグマ(全岩組成)の系統的なK2Oの増加に寄与していると期待する.
著者
増田 彰久 太田 賢 水野 忠則
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.53, pp.55-62, 1998-05-28
参考文献数
8
被引用文献数
1

PHS,携帯電話などを利用したワイヤレス通信環境においてもマルチメディア通信を行いたいという要求がある.しかし,現在のワイヤレス通信環境には帯域幅が狭い,バースト誤りやハンドオフにより転送が途切れる,帯域幅や誤り率などの品質が頻繁に変化するなどの問題があり,比較的大容量の帯域幅と安定した品質を必要とするマルチメディア通信の扱いは難しい.我々は,コンテンツ内の重要な情報を優先して受信者に提供する選択的マルチメディア通信方式SMAPを提案している.SMAPは,マルチメディア情報の各映像フレーム,音声ブロックに対して,その意味的な重要度に基づいた優先度を4段階で与える.優先度に基づいた選択的転送を行うことで,帯域幅が不足している状態でも重要な部分は比較的高い品質で提供することができる.本研究は,SMAPのネットワークサービスを提案する.SMAPネットワークサービスは,バッファリングとQoSの保証を行うことでアプリケーションとユーザに対してより安定した品質のネットワークサービスを提供する.Users desire to use multimedia applications such as browsing WWW and VoD in not only desktop computing environment but also wireless or mobile computing environment. A wireless link, however, is generally poor in quality to accommodate multimedia communication. We've proposed a content-based multimedia access protocol, SMAP, for wireless environment. It adopts the selective transport service according to content-based priority, assigned to each set of video frames and audio samples in multimedia data, so that a user can get important information even if available bandwidth is insufficient for the multimedia data. This paper describes SMAP Network Service providing a multimedia application with more stable network service by the buffering and guarantee of QoS(Quality of Service such as a frame-rate of video and a continuous-playback period).
著者
小島 茂明 太田 秀
出版者
日本貝類学会
雑誌
貝類学雑誌Venus : the Japanese journal of malacology (ISSN:00423580)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.189-195, 1997-10-31
被引用文献数
12

Shell morphology of Calyptogena soyoae-complex (Bivalvia : Vesicomyidae) was compared between the two mitochondrial haplotypes that had been revealed by the previous genetic study. Significant morphological differences between the two haplotypes were detected by an analysis of covariance of shell length-height relationship and by t-test of the average value of length-height ratio. On the basis of the molecular and morphological differences between two haplotypes, Calyptogena okutanii n. sp., a sibling species of Calyptogena soyoae, is established from the seep area off Hatsushima Island, Sagami Bay, central Honshu, Japan.