著者
春田 みどり 水田 洋平 伊藤 隆安 太田 進 内山 靖
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.661-666, 2016 (Released:2016-10-27)
参考文献数
28
被引用文献数
1

〔目的〕内側型変形性膝関節症患者における身体アライメントの特徴を明らかにし,アライメントと身体機能との関連性を明らかにすることとした.〔対象と方法〕内側型変形性膝関節症患者25名と対照群とする健常高齢者20名とした.身体アライメント,関節可動域,筋力,5 m歩行時間,片脚立位時間を群間で比較した.〔結果〕内側型変形性膝関節症患者の身体アライメントは頭部前方突出,腰椎屈曲,骨盤後傾,体幹前傾,膝関節内反位で,腰椎屈曲と体幹前傾には背筋力低下との関連性がみられた.〔結語〕内側型変形性膝関節症患者でみられる体幹アライメントの変化は,体幹アライメントと身体機能との相互の関連性を示している.
著者
太田 昭子
出版者
日本調停協会連合会
雑誌
ケース研究 (ISSN:02874296)
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.125-128, 2019-06
著者
窪田 崇斗 森田 泰智 太田 雅文 古谷 聡 家田 仁
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.641-646, 2008-09-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
4

東京圏における鉄道ネットワークは輸送力増強が講じられ、最混雑率は年々低下傾向にある。一方で、夜間・ピークサイドにおける混雑が顕在化し、第2フェーズの混雑対策が求められているが、改善の検討が今後ますます重要になってくる。しかしながら、大都市交通センサス等の既存の交通統計調査は、過去のデータの蓄積が豊富で交通流動量といった量的データが充実しているものの、抽出率が5%程度と低く、夜間・ピークサイドにおける混雑緩和の検討に使用するにはデータの精度が粗いため、詳細な分析は困難である。そこで本研究では、自動改札機・車両応荷重データを用いた時間帯別混雑率の推定方法の検討を行った。
著者
太田 厚美
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会宮城県理学療法士会
雑誌
理学療法の歩み (ISSN:09172688)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.14-23, 2006 (Released:2006-05-30)
参考文献数
13
被引用文献数
1

超音波療法に関わる基本的事項の概説とその応用に関する最新情報の紹介を行った。欧米では物理刺激の中で超音波が非常に使用されているが,それに対して国内ではその使用頻度は低い。その原因としては,国内では超音波の原理及びその臨床的使用の際の重要項目が十分に理解されていないことが考えられる。超音波の発生の原理,それによる生体反応,温熱刺激,非温熱刺激としての超音波,適応症と禁忌症,周波数による生体作用の差異,導子の移動による深部加温の差異,他の温熱刺激との熱発生メカニズム及び深部加温の差など,超音波療法の基礎的事項に関して簡単に概説した。また超音波治療器の選択の目安となるBNR,ERAなどの超音波の品質に関わる係数についても簡単に述べた。最後に医科では一般に知られている超音波による骨再生作用が近年歯科に応用され特に歯科インプラントへの臨床応用が始まりつつあることを紹介した。
著者
村上 雅裕 中谷 真由美 太田 千裕 安田 恵 天野 学
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.10, pp.592-598, 2017-10-10 (Released:2018-10-10)
参考文献数
15
被引用文献数
1

To provide appropriate information concerning ethical or Rx-OTC-switch drugs containing the same ingredients by pharmacists, it is necessary to understand the properties of both. In this study, pharmaceutical properties and economics were compared between ethical and Rx-OTC-switch anti-allergy ophthalmic solutions containing tranilast, pemirolast, or acitazanolast.Regarding 14 ethical and 3 Rx-OTC-switch products, the squeeze force, drop weight, pH, specific gravity, and total number of drops were measured. The usable period per bottle and daily cost were calculated from the total number of drops.The squeeze forces of the three drugs differed about 1.5-2 times among their products. Single-drop volumes calculated from the drop weights and specific gravities ranged from 30 to 46 μL for 0.5% tranilast ophthalmic solution, larger for the original drugs than for the Rx-OTC-switch and generic ones. The pH values of the ophthalmic solutions differed among the drugs, but not among their products. The usable periods of each bottle of the three drugs were longer for the Rx-OTC-switch drugs. However, the daily drug costs of 0.1% pemirolast ophthalmic solution were higher for the Rx-OTC-switch drug than for the original one, although those of 0.5% tranilast ophthalmic solution were lower.The present study demonstrated that the squeeze forces and drop volumes differed between the Rx-OTC-switch and ethical drugs and that the usable periods of each bottle and daily costs differed among the drugs. It is important for pharmacists to obtain information on the pharmaceutical properties and economics for in order to select products for individual patients.
著者
白井 杏湖 河野 淳 齋藤 友介 冨澤 文子 野波 尚子 太田 陽子 池谷 淳 塚原 清彰
出版者
一般社団法人 日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.61, no.6, pp.576-582, 2018-12-28 (Released:2019-01-17)
参考文献数
26
被引用文献数
1

要旨 : 人工内耳 (以下 CI) を装用する中学生40人を対象に, 相対式学力検査である教研式 NRT (国語) を実施し, 5段階評定値 (評定5が最良) を確認するとともに, CI 手術時年齢, CI 装用期間, 直近の CI 装用閾値および語音聴取能, WISC で評価した動作性知能 (以下 PIQ) ならびに言語性知能 (以下 VIQ), 在籍する学校種, との関連について検討した。国語学力の評定値は,「読み」「書き」ともに評定2が最も多かった。国語学力と, CI 手術時年齢, 装用期間, 装用閾値および聴取能においては, 有意な相関を認めなかった。他方, 国語学力と VIQ および PIQ, 学校種は有意に関連していた。「読み」では PIQ と r=0.4, VIQ と0.6,「書き」では PIQ と0.6, VIQ と0.7,「読み」と学校種は0.50で相関が示された (p<0.01)。しかしながら, 偏回帰分析により VIQ の影響を固定すると, 学校種と「書き」との関連は消失した。
著者
鶴田 猛 富崎 崇 酒向 俊治 太田 清人 田上 裕記 南谷 さつき 杉浦 弘通 江西 浩一郎
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.E4P3193-E4P3193, 2010

【目的】我々は、日常生活における活動場面において、その活動目的や趣味、嗜好に合わせ履物を選択し使用している。仕事で使う安全靴やスポーツ活動で使用する運動靴、外見の美しさを追求するパンプスなど、履物の種類は多種多様である。様々な活動に必要な姿勢変化や動作が安定して行われるためには、足底と床とが十分に接し、足部にて荷重を適切に受け止める必要がある。歩行による、骨・関節、軟部組織など足部の機能変化は、支持基底面や足部支持性に影響を及ぼし、安定した立位や歩行などの能力改善をもたらすものと考える。これまで、履物と歩行との関連に関する研究は多数報告されているが、足部機能等の評価法の一つである「足底圧」との関連を報告した例は少ない。本研究は、歩行時における履物の違いによる重心の軌跡の変化を捉えることにより、履物が足部機能に与える影響を明らかにすることを目的とする。<BR><BR>【方法】対象は健康な若年成人女性6名(年齢18~32歳)とし、使用した履物は、一般靴及びパンプス、サイズはすべて23.5cmとした。歩行にはトレッドミルを用い、速度4km/h、勾配3%に設定し、裸足、一般靴、パンプスを着用し、1分間の慣らし歩行の後、30秒間(各靴3回測定)の足圧測定を行った。足圧測定には、足圧分布測定システム・F―スキャン(ニッタ株式会社製)を使用し、裸足、スニーカー、パンプス着用時の重心(圧力中心)の移動軌跡長を比較検証した。実験より得られた足圧分布図において、重心点の開始位置(始点・踵部)及び終了位置(終点・踏み付け部)を算出し、(1)始点(2)終点(3)重心の長さの3項目について、それぞれの全足長に対する割合を求め、裸足、一般靴、パンプスにおけるそれぞれの値を対応のあるt検定にて比較検討した。<BR><BR>【説明と同意】被験者には、本研究の趣旨、内容、個人情報保護や潜在するリスクなどを書面にて十分に説明し、同意を得て実験を行った。<BR><BR>【結果】始点において、裸足は一般靴及びパンプスとの比較で有意に値が小さく、パンプスは一般靴よりも有意に大きな値が認められた。終点において、裸足はパンプスとの比較で有意に小さな値が、パンプスは一般靴よりも有意に大きな値が認められた。裸足と一般靴との間に有意差は認められなかった。重心の長さにおいて、裸足は一般靴及びパンプスとの比較で有意に大きな値が認められた。一般靴とパンプスとの間に有意差は認められなかった。<BR> 始点は、裸足、一般靴、パンプスの順で裸足が最後方(踵部)に最も近く、終点は、一般靴、裸足、パンプスの順でパンプスが最後方(踵部)から最も遠く、重心の長さは、パンプス、一般靴、裸足の順でパンプスが最も短かった。<BR><BR>【考察】裸足歩行では、一般靴及びパンプスを着用した歩行に比べて重心の長さが顕著に長く、始点が最も後方に位置していることから、踵部でしっかりと荷重を受けた後、踏み付け部に重心が至るまで、足底全体を使って歩行していることが分かった。また、足圧分布図の重心軌跡を見てみると、重心線の重なりが少なく、履物を着用した歩行の重心軌跡に比べて、足部内外側へのばらつきが大きいことが見られたことから、履物を着用することにより、足関節及び足部関節の運動が制限され、結果的に重心の移動範囲が限定される傾向があることが示唆された。 <BR> パンプスを着用した歩行では、始点・終点ともに最も前方に位置していることから、本来、踵部で受けるべき荷重の一部が前足部に分散し、前足部における荷重ストレスが増強していることが推測される。更に、踵離地における荷重が踏み付け部前方もしくは足趾においてなされている傾向があり、蹴り出しに必要な足趾の運動が制限されるなど、足部が正常に機能していない可能性がある。また、重心の軌跡が最も短いことから、足部の限局した部位を使用した歩行であることが示唆された。このような足部の偏った動きが、将来足部病変をもたらす可能性につながると思われる。<BR><BR><BR>【理学療法学研究としての意義】我々は、ライフスタイルや職業の違いにより、様々な履物を着用して活動しているが、外反母趾や扁平足、足部の痛みや異常を訴えるケースは非常に多い。歩行時における履物の違いが足部に与える影響を理学療法学的に検証することで、より安全で機能的な履物の開発の一翼を担うことができ、国民の健康増進に寄与できるものと考える。
著者
吉川 虎雄 貝塚 爽平 太田 陽子
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.37, no.12, pp.627-648, 1964-12-01 (Released:2008-12-24)
参考文献数
18
被引用文献数
23 27

土佐湾北東岸に発達する海鍛丘は,上位より羽根岬面,室戸岬面および沖鷲地に分け皇れ,いずれも南東より北西に低くなる.室戸岬面の高さは南海地震の際の隆起量と正の相関を不し,地震削の沈降量とは負の相関を示す.約120年を周期としておこった大地震の際の室戸岬付近の隆起は,その間の沈降よりも大きく,段丘面の高度分布はこのような隆起沈降を差引した結果である南東より北西への傾動陸起にキって決定されたと考えられる.このような隆起地域であるにもかかわらず,各段丘面の形成過程に沈水期が挾まれているのは,氷期後の海面上昇速度が地盤の隆起速度を上回ったからに他ならない. 室戸岬面は,その地形発達の過程より判断して,約9万年前にはじまる. Riss- Würm問氷期に形成されたと考えられる.室戸岬付近の大地震1周期の問における地盤隆起の平均速度は約2mm/年と算定され,もしRiss-Würm問氷期以後かかる性質の地殼変動が一様に継続したとすれば,室戸岬面は室戸岬付近において約180mの高さにあるはずであるが,これは事実と一致する.また水準測量の結果によると,安田の水準点を基準とした吉良川の水準点の高度は,大地震1周期の問に平均1.2mm/年の割含で増大しているが,もしRiss.Würm間氷期以後このような地殼変動がつづV・てきたのであれば,室戸岬面は吉良川において安田よりも細10m高いはずであるが,これも事実とほぼ一致する.したがって, Riss-Würm間糊以後,室戸岬付近は現在と同じく平均2mm/年の速さで北西へ傾動しつつ隆起してきたと考えられる. このような地殼変動と第四紀における海面変化とを複合した結果は,この海岸の地形発達の過程とよく一致するので,この地域の海岸段丘の分化を生じたのは,地殻変動の緩急ではなく・海面変化の結果であり,その間地殼変動はほぼ一様に推移したと考えられる.
著者
小島 弥生 太田 恵子 菅原 健介
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
性格心理学研究 (ISSN:13453629)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.86-98, 2003
被引用文献数
20

人は自分の自己呈示的行動に対し,他者から何らかの評価を受けることを期待する.その際,期待する評価の方向性に個人差があり,自己呈示方略に影響を与えていると考えられる.本研究では菅原(1986)をふまえ,他者からの肯定的な評価の獲得を目標としやすい「賞賛獲得」と,否定的な評価の回避を目標としやすい「拒否回避」の2つの独立した欲求を想定し,その強さを測定する尺度の作成を試みた.研究1では,賞賛獲得欲求と拒否回避欲求が独立した因子として抽出され,2つの欲求尺度の信頼性,併存的妥当性が検証された.研究2では,賞賛獲得欲求と拒否回避欲求の強さによって他者からの評価的フィードバックへの情緒的反応が異なることが示され,尺度の構成概念妥当性が支持された.研究2の結果から,2つの欲求の概念により,他者からの評価が自己概念とは異なるものであった場合の対処方略についても説明できる可能性が示された.このことから,賞賛獲得欲求・拒否回避欲求の概念が,自己呈示と個人の社会的適応の問題をはじめとする様々な社会的行動を考える上での重要な枠組みを提供し得ることが示唆された.
著者
篠崎 昌一 森山 雅文 林田 淳之介 田中 昭彦 前原 隆 古川 祥子 太田 美穂 今林 佑美 中村 誠司
出版者
社団法人 日本口腔外科学会
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.147-153, 2015-03-20 (Released:2015-09-29)
参考文献数
13
被引用文献数
1

Objectives: Cevimeline hydrochloride (CH) and pilocarpine hydrochloride (PH) are recognized as salivation-inducers with a high affinity for M3 muscarinic receptors. However, these drugs have a high frequency of side effects, including digestive symptoms and hyperhidrosis. We compared the effectiveness and side effects of these two drugs before and after a medication change.Materials and Methods: Seventy-six patients with Sjögren's syndrome were divided into the following four groups: 1) CH group, CH was administered for 12 months; 2) PH group, PH was administered for 12 months; 3) CH-PH group, CH was administered for 6 months followed by PH for 6 months; 4) PH-CH group, PH was administered for 6 months followed by CH for 6 months. We measured the salivary flow rate and recorded the subjective symptoms in each group.Results: In each group, stimulated whole saliva (SWS) and unstimulated whole saliva (UWS) significantly increased after 3 months and 6 months, respectively, and subjective symptoms improved after 3 months. The incremental changes in both SWS and UWS did not differ significantly between the groups. The CH and PH groups both had digestive symptoms (32.3% and 32.1%, respectively) and hyperhidrosis (29.0% and 39.3%, respectively). We found no significant difference in salivary flow rate or subjective symptoms after the medication change. However, the frequencies of side effects in the CH-PH and PH-CH groups decreased significantly for both digestive symptoms (9.7% and 10.7%, respectively) and hyperhidrosis (25.8% and 14.3%, respectively).Conclusions: After changing the salivation-inducing drug, there was no significant difference in salivary function or subjective symptoms, while the frequency of side effects markedly decreased. These results suggest that changing the salivation-inducing drug effectively reduces side effects.
著者
太田 肇
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

インターネットをはじめとする情報通信技術の発達、経済のソフト化に伴い、人的資源管理が変化している。第一に、時間と場所とにとらわれない働き方が進行している。とりわけアメリカの企業においては、在宅勤務などの普及が著しい。一方わが国では、技術的条件は整っていても、職場の風土や仕事の進め方(いわゆる集団主義)の面での制約から、働き方の柔軟化は後れている。第二に、IT化・ソフト化に伴って個人の能力格差が増幅された形で成果に反映されるようになったため、それが処遇の格差をもたらす要因になっている。それは、わが国でも成果主義の普及という形で現れている。第三に、IT化やソフト化に伴って、より質の高いモチベーションが要求されるようになり、それが動機づけの内容に影響を与えている。その中でもとくに注目されるのは、金銭的報酬より非金銭的な報酬、とりわけ個人の承認欲求に働きかける動機づけである。企業その他の組織において行った実証研究の結果、顧客からの感謝や承認を従業員にフィードバックしたところ、モチベーションや組織・仕事に対するコミットメントなどが向上することが明らかになった。
著者
加藤 弘通 太田 正義 松下 真実子 三井 由里
出版者
北海道大学大学院教育学研究院附属子ども発達臨床研究センター
雑誌
子ども発達臨床研究 (ISSN:18821707)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.21-30, 2014-03-25

本研究の目的は、思春期における思考の発達過程を明らかにすることと、こうした思考の発達が、自尊心の低下や大人への反抗といったこの時期の諸問題とどのように関係するのかを明らかにすることである。そのために中学生468名を対象に、批判的思考態度、自尊心、親との関係、教師との関係を含む質問紙を用いて、2年間で5回の縦断調査を行った。その結果、思考の発達を示す批判的思考態度は、2年生の後半あたりから上昇する傾向にあることが分かった。また批判的思考態度の発達の状況により生徒タイプを分類し、その後の自尊心などの発達的推移を検討した結果、中学入学時の段階で思考の発達がより進んでいる者ほど、より早く自尊心の低下や大人との関係の良さの低下が生じることが示された。
著者
太田 文徳 橋本 武彦 井手 康裕 遠藤 優希 周 興喜 柳井 孝仁 井手 正美 青野 祥博
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.9, pp.470-476, 2018-09-01 (Released:2018-09-01)

2016年度PLASDOCオンライン研究会では化学系の特許調査における人工知能(AI)の活用に関し,AIに学習させる文章(教師データ)に着目した,特許調査の効率性に関する研究を実施した。具体的には,無効資料調査における化学分野に特徴的な請求項の影響検討,及び先行技術調査における教師データの検討結果について報告する。さらに特許調査以外のAI活用方法として,分類既知の公報を教師データとした,分類未知の公報の仕分けについても合わせて検討結果を報告する。
著者
湯田 厚司 小川 由起子 鈴木 祐輔 有方 雅彦 神前 英明 清水 猛史 太田 伸男
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.120, no.1, pp.44-51, 2017-01-20 (Released:2017-02-10)
参考文献数
9
被引用文献数
4

舌下免疫の最初の数年間の効果は治療年数により高まるとされる. スギ花粉舌下免疫の同一患者での症状を, ともに中等度飛散であった2015年 (花粉総数2,509個/cm2) と2016年 (同3,505個/cm2) の2年間で検討した. 【方法】発売初年に開始した舌下免疫132例 (41.8±17.5歳, 男女比75: 57) と対照に初期療法56例 (44.9±13.5歳, 同25: 31) を選択した. 2015年と2016年の両方のスギ花粉飛散ピーク時に, 1) 症状スコアと症状薬物スコア, 2) Visual analog scale, 3) 日本アレルギー性鼻炎標準 QOL 調査票 (JRQLQ No1) で調査した. 主目的に舌下免疫療法2年目に効果が増強するか, 副次目的に舌下免疫と初期療法の比較とした. 【結果】推定周辺平均ですべてに治療方法と年度に交互作用はなく, くしゃみ, 鼻汁, 鼻閉, 眼のかゆみなどの眼鼻症状において, 初期療法には2年での差はなく, 舌下免疫療法の多くで2年目は1年目より有意に良かった. 全般症状の項目も同様であった. QOL (quality of life) は, 舌下免疫の17項目中2項目のみで有意に2年目が良かった. また, ほとんどの項目で舌下免疫は初期療法より有意に効果的であった. 【結論】初期療法を対照にした中等度飛散の2年の比較で, 舌下免疫の治療効果は治療1年目より2年目で高まっていたと考えられる.