著者
山中 茂樹 荏原 明則 宮原 浩二郎 荏原 明則 宮原 浩二郎
出版者
関西学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

1995年の阪神・淡路大震災から、2008年の岩手・宮城内陸地震まで、この間に起きた主な地震災害を対象に被災地・被災者を対象にした復興意識調査や現地調査、自治体職員及び復興施策に関与した専門家からのヒアリング調査を実施し、復旧・復興過程で生じる地域の毀損、とりわけ「働き盛り」の流出を中心にその原因を探った。この結果、応急仮設住宅(以下仮設住宅)・災害復興公営住宅(以下復興住宅)を被災地から遠く離す疎開施策が被災地の衰退に拍車をかけている実態が明らかになった。従って、復旧・復興過程においては従前居住者をなるべく被災地から離さない施策、例えば自宅敷地内仮設住宅や被災地内における共同協調住宅の建設、住宅再建支援だけでなくやむなく長期に渡る疎開を余儀なくされた場合の生活・生業支援、仮設市街地から恒久市街地建設にいたる連続復興支援のシステム構築の必要性などを考えていく必要があることを提唱した。
著者
赤堀 肇 石川 智治 小林 幸夫 宮原 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.260, pp.1-8, 1999-08-27
被引用文献数
9

我々は高度感性情報を再現できるオーディオ・システムの開発を目的に、それに必要な未知の重要な物理要因を探求する研究を行なっている。これまでの我々の研究により、ディジタル・オーディオ・システムにおける音質劣化要因の一つとして「時間伸び縮み歪み」を発見した。ディジタル・オーディオ・システムにおける時間伸び縮み歪み発生の原因の一つとしてディジタル・オーディオ・インタフェースで生じるjitterが考えられる。そこで、本稿では、ディジタル・オーディオ・インタフェースのビット・ストリーム全体にjitterを強制的に付加し、高度感性情報の再現に注目した主観評価実験を行った。実験時間の関係で、88.6ps, 886psの2種の大きさのjitterを与えてみたが、付加したjitter振幅が88.6psと微少の場合であっても、高度感性情報の再現度が大きく損なわれることが明らかになった。
著者
宮原 要 舘 幸男 牧野 仁史 高須 亜紀 内藤 守正 梅木 博之
出版者
一般社団法人 資源・素材学会
雑誌
資源と素材 (ISSN:09161740)
巻号頁・発行日
vol.117, no.10, pp.801-807, 2001 (Released:2006-01-08)
参考文献数
23
被引用文献数
2 1

The second progress report, H12, documented research and development progress for the high-level waste disposal made since the publication of the earlier the first progress report (H3) in 1992. The concept of geological disposal in Japan is similar to that considered in other countries, being based on a system of multiple passive barriers consisting of the geological environment and an engineered barrier system. The disposal system considered is generic, in the sense that no single rock type and no siting area have so far been identified. H12 performance assessment provided a test for the robustness of the system concept based on intentional siting and design, taking account of a wide range of Japan's geological environment. The assessment included a comprehensive evaluation of uncertainty and potentially detrimental factors, including perturbations due to external events and processes. Despite the considerable uncertainty at the current stage of the Japanese program, a safety case that is adequate for the aims of the assessment can be made by a strategy of employing conservatism where there is uncertainty and stressing the reliability and effectiveness of the performance of the near field. The aim of this paper is to summarize arguments that should build confidence in the findings of the H12 assessment.
著者
瀧口 徹 カンダウダヘワ ギターニ ギニゲ サミタ 宮原 勇治 平田 幸夫 深井 穫博
出版者
有限責任中間法人日本口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.513-523, 2008-10-30
被引用文献数
1

本研究の目的は,発展途上にあって多宗教,多民族国家の一つであるスリランカにおける社会経済的要因と糖分摂取,歯磨き習慣,フッ化物歯磨剤および定期的歯科受診の4つの歯科保健行動との関連を分析することである.対象の西プロビンスは同国の9省(プロビンス)のうち管内の市町村間で最も社会経済的多様性がある.スリランカ国のうち最も都市化した西省の21小学校の12歳児男女949名が無作為抽出され,無記名自記式質問票を担任の監督のもと各家庭に配布し回収した.性別,地域差,民族,父母学歴,職業,収入,児童数,因子分析による社会経済的6因子,歯科保健情報源,および定期的歯科受診の10分類の要因系と前述の4種類の歯科保健行動との関連を多重ロジスティック回帰分析により分析し4つの歯科保健行動の要因系の違いを比較した.その結果,オッズ比が2.0以上を示した要因はタミール族がショ糖含有食品を制限していることが最大オッズ比(exp(-B)=5.44)を示し,次いでオッズ比が大きいものは最多民族であるシンハラ族のフッ化物歯磨剤使用(2.34)および歯科保健情報源としてのテレビ(2.32),生活必需品充足度(因子分析第1因子)と食間でのショ糖添加(2.16),シンハラ族の定期的歯科受診(2.11)であった.高有意性(p<0.001)を示す関係は6つあり,女性の歯磨き励行,生活必需品充足度と食間でのショ糖添加,ショ糖添加紅茶飲用およびフッ化物歯磨剤使用,定期的歯科受診と食事時・食間のショ糖追加摂取および歯磨き励行との関係であった.また2つ以上の歯科保健行動にかかわる指標は,民族,父親の学歴,生活必需品充足度および定期的歯科受診の4つであった.以上,本研究により性差,民族,父の学歴,生活必需品充足度および定期的歯科受診の5つが歯科保健計画策定,キャンペーンや活動に際して注目すべき要因であることが示された.
著者
宮原 拓也 高島 恵
出版者
日本支援工学理学療法学会
雑誌
支援工学理学療法学会誌 (ISSN:24366951)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.22-29, 2022-09-30 (Released:2022-09-30)
参考文献数
15
被引用文献数
1

臨床実習での下肢装具の体験不足等により、下肢装具に関する自己効力感が十分に培われていない可能性がある。本研究では最終学年の理学療法学科学生を対象に下肢装具に関する自己効力感を調査し、実施内容や体験機会による相違を検討し、下肢装具教育の課題を明らかにすることを目的とした。対象は3年制養成校最終学年41名とし、調査票を用いて年齢、性別、臨床実習で関わった主な病棟・施設、下肢装具に関する自己効力感、体験機会を収集した。その結果、体験機会の相違による比較では、自己効力感は臨床実習で体験、学内のみで体験、体験なしの順に高値を示した。実施内容の相違による比較では、使用、選定、調節の順に高値を示した。また、実施内容細項目間の比較では、長下肢装具やゲイトソリューションに関する内容で低値を示した。学内から体験機会を創出し、実施内容による差を是正することが必要と考えられる。
著者
宮原 恵弥子
出版者
鹿児島大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2021-04-01

大量のDNAアルキル化剤投与後に生じる肝類洞閉塞症候群(SOS)は、時に致死的で発症の予測が難しくまた発症には個体差がある。これまで何が類洞内皮細胞を傷害するのか明らかになっておらず、完全な発症予防にも至っていない。当研究ではDNAアルキル化剤の代謝因子に着目し、in vitro及びin vivoでゲノム編集やsiRNAによる遺伝子のノックアウト、ノックダウンを行い、代謝酵素の活性の程度とSOS発症との関連を検討する。さらに還元型グルタチオンの合成材料となることでSOS発症の予防が期待できるN-acetyl cysteineを用い、抗腫瘍効果を落とすことなくSOS発症を予防できるか検討する。
著者
三宅 芙沙 堀内 一穂 宮原 ひろ子 早川 尚志 笹 公和 箱崎 真隆 前原 裕之 栗田 直幸 木村 勝彦 門叶 冬樹
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2020-08-31

樹木年輪の14Cや氷床コアの10Be、36Clといった宇宙線生成核種は、観測史上最大とされる1956年のSEP(Solar Energetic Particle)イベントの数十倍という過去の超巨大SEPイベントの優れた代替データである。本研究は、年輪の14Cと氷床コアの10Be、36Cl分析から、完新世(過去1万2千年間)における最大のSEPイベントの同定と、超巨大SEPイベントの発生頻度及びその発生特性の解明を目的とする。我々の太陽における発生特性を、太陽型恒星の恒星フレアと比較することで、太陽型恒星における太陽の普遍性と特殊性を評価する。
著者
宮原 益次
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.1965, no.4, pp.11-19, 1965-12-25 (Released:2009-12-17)
参考文献数
35
被引用文献数
2 1
著者
宮原 義雄
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.21-27, 1990-02-25 (Released:2009-02-12)
参考文献数
22
被引用文献数
2 2

コブノメイガ,シロオビノメイガについて,寄主植物の生育しない海岸植生上に休止する成虫を,捕虫網で採集し,雌雄別個体数と雌成虫は交尾率を調べた。両種とも夏秋季を通じて採集され,採集虫の性比は,雌雄の偏りはなく,交尾率はコブノメイガ8.0∼20.9%,シロオビノメイガ9.4∼19.6%と低く,卵巣未発育で,かつ,翅の傷みの少ない個体で占められた。両種成虫は日没後半時間で飛び立ち,翌日になると,再び同じ場所に休止する成虫がみられ,移動中の一時的着地と考えられた。次に,シロオビノメイガについて,寄主植物の豊富な畑地内で同様に調べた。野生寄主イヌビユ上の成虫は,採集日により交尾率が著しく変動したが,イネ科雑草上の成虫は,秋季を通じ81.5%の高い交尾率で産卵中の個体群と考えられた。これら移動行動にみられる共通した特徴から,シロオビノメイガもコブノメイガ同様,移動性昆虫と考えられた。
著者
中島 裕也 川端 香 杉本 志保理 宮原 智子 小林 康孝
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.793-803, 2021-12-15 (Released:2021-12-15)
参考文献数
9

高次脳機能障害に対する介入として,Self-awareness(自己の気づき)に焦点をあてることは重要である.今回,高次脳機能障害者の社会復帰支援に際して,日本語版SRSIを活用した.その評価結果から,Self-awarenessの程度を把握して介入指針を決定した.Self-awarenessの程度に合わせた有効な補填手段と,実際に用いる補填手段との整合性が合うことで,各ストラテジーが定着し,社会復帰へつながる一因になると考えられた.日本語版SRSIは,Self-awarenessの程度とその変化に対する評価や,高次脳機能障害者支援における的確な介入指針を見出す一助になる可能性が示唆された.
著者
栁澤 純 宮原 聡 濱武 大輔 今給黎 尚幸 大渕 俊朗 樋口 隆男 吉永 康照 白石 武史 岩崎 昭憲
出版者
一般社団法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.780-783, 2010-07-15 (Released:2011-02-09)
参考文献数
14

腎癌は血行性転移を来たしやすく,その転移先では肺が多いとされる.腎癌肺転移巣に対し外科的切除を行った症例の治療成績および予後予測因子を検討した.1995年3月~2008年12月までの間に外科的治療を行った転移性肺腫瘍のうち,腎癌からの肺転移症例は14例あった.術式は肺部分切除術が13例に,区域切除術が1例に行われた.肺転移巣切除後のmedian survival time(MST)は40.1ヵ月で5年生存率はそれぞれ35%であった.また,これらのうちdisease free interval(DFI)を2つの群に分け検討したところ,DFIが24ヵ月未満の症例ではMST 40ヵ月,5年生存率17%であった.一方DFIが24ヵ月以上の症例ではMST 69.9ヵ月,5年生存率67%と有意差は認めないが良好な成績であった.腎癌肺転移症例に対して,特にDFIが24ヵ月以上の症例では積極的な外科的治療により,長期予後が期待できると考えられた.
著者
寺田 賢治 宮原 宏幸 久保 靖
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.220-227, 2005 (Released:2011-03-10)
参考文献数
6
被引用文献数
7

本稿では阿波踊りの動作の定量評価の一手法を提案する.我々の大学がある徳島県には伝統的な踊りとして「阿波踊り」がある.阿波踊りの基本動作は,手と足の調和,2拍子のリズムに合わせるといったコツがあるが,踊り手の微妙な手足の動き,重心位置の変化,リズム等の違いにより見た人の受ける印象は異なる.本稿では阿波踊りの基本動作をモーションキャプチャにより,計算機に取り込み,踊りのうまさを定量化する手法を提案する.これは,取得したデータ波形とお手本となるデータ波形を比較することで,動作特徴を抽出し,踊りのうまい,へたの評価を行うものである.本稿では更に踊りの名手との比較により,阿波踊りを得点化する実験を示し,本手法の有効性を検証する.
著者
小川 秀幸 宮原 拓也 小野塚 雄一 實 結樹 松岡 廣典 澤入 彩佳 三井 直人 中野 克己
出版者
日本支援工学理学療法学会
雑誌
支援工学理学療法学会誌 (ISSN:24366951)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.72-79, 2023-03-25 (Released:2023-03-25)
参考文献数
22

【はじめに】先行研究における下肢装具のチェック項目は、選定方法が不明確などの課題が挙げられる。本研究は、下肢装具に関する経験豊富な理学療法士の意見を集約してチェックシートを作成し、内容的妥当性を検証した。さらに、使用感を確認し有用性を高める検討をした。【方法】下肢装具チェックシートは、先行研究から選定し、Delphi法を用いて内容的妥当性を検証した。次に、介護支援専門員を対象に実際の使用感に関するアンケート調査を実施した。【結果】26項目から17項目を採用した後、類似している内容を集約し8項目のチェックシートとした。アンケートの結果、チェックシートの使用感に関する回答は「分かりやすい」などポジティブな回答が60%以上であった。【考察】作成したチェックシートは、内容的妥当性が保証され、使用者の意見収集を実施した有用性の高いものであると考えられた。【結論】内容的妥当性を検証し、使用者の意見を反映した有用性の高い下肢装具チェックシートを作成した。
著者
宮原 史 堤 盛人
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集H(教育) (ISSN:18847781)
巻号頁・発行日
vol.78, no.1, pp.20-37, 2022 (Released:2022-03-20)
参考文献数
34

社会資本の整備や維持管理を支える土木技術者の力量,すなわち技術力は,学校教育や研修のみならず様々な業務上の経験を通じた学習によって向上すると考えられる.しかし,これまでのところ,土木技術者の技術力と“経験”の関係については十分な考察がなされていない.土木技術者の戦略的な人材育成を実現するためには,様々な経験の技術力向上効果を明らかにするとともに,経験を人材育成のシステムに組み込む方法を確立する必要がある.本研究ではその手始めとして,道路構造物を維持管理する技術力の向上を目的とした地方整備局職員の研究所への出向経験に着目し,インタビュー結果の分析に基づき経験を通じた学習内容と技術力向上効果を整理する.また,これらの整理を踏まえて,経験を人材育成のシステムに組み込む方法論を提示する.
著者
宇多 高明 五十嵐 竜行 立石 賢吾 繁原 俊弘 芹沢 真澄 宮原 志帆
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.I_745-I_750, 2017 (Released:2017-10-17)
参考文献数
6
被引用文献数
2 2

既往研究によれば,森戸川河口に隣接する西湘PA沖の-100 m付近には海底谷谷頭部を縁取るほぼ垂直に切り立った崖があり,また,森戸川河口沖の海底谷の西端と東端の急斜面上には海底谷へと続く流跡模様が残され,その状況から海底面を土砂が滑り落ち,海底を侵食しつつ流れ下っていると推定された.しかしこれらと海岸から深海への土砂落ち込みとの因果関係は明らかでなかった.本研究では,BGモデルを用いた数値計算により,海底谷谷頭部では急勾配斜面を経た沖合への土砂落ち込みが起こり得ることを示した.

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著者
宮原 貞泰
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.73-79, 1985-02-20 (Released:2012-11-20)
参考文献数
8