著者
溝口 哲郎 樋高 克彦 久次 武晴 宮原 晋一
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.50, no.7, pp.1419-1422, 1989-07-25 (Released:2009-04-21)
参考文献数
11
被引用文献数
2 1

慢性関節リウマチに罹患している60歳の女性が胃生検をきっかけにアミロイドーシスと診断された.この患者は,1年前に胆石症のために胆嚢摘出術をうけており,その摘出胆嚢の再検でもアミロイドの沈着が証明された.この症例は通常の胆石症と異なり,貧血,低栄養状態,下痢,腹部単純X線撮影における腸閉塞様所見などを示し興味ある経過をとった.その後,腎機能障害と徐脈を呈し,慢性関節リウマチに続発した全身性アミロイドーシスと診断された.
著者
阿保 勝之 樽谷 賢治 原田 和弘 宮原 一隆 中山 哲厳 八木 宏
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.I_1116-I_1120, 2012 (Released:2012-11-15)
参考文献数
13
被引用文献数
2

The production of Nori (Pyropia yezoensis) in the Seto Inland Sea is getting lower because of the bleaching of Nori which is caused by nutrient deficiency. In this study, we examined effects of nutrient discharge on Nori aquaculture area in Kako River estuary. In the aquaculture area, nutrient discharge from the river, sewage treatment plant and industrial effluent sustained the Nori production in the winter season. A numerical simulation estimated the behavior of the riverine water and revealed the effects of nutrient discharge on the nutrient environment of the aquaculture area. We also evaluated the effects of moderate operation of the sewage treatment plant on the nutrient environments. We demonstrated the increase of nutrient flux in the aquaculture area and figured out the effective area of the moderate operation.
著者
三成 由美 濱田 綾子 北原 詩子 入来 寛 御手洗 早也伽 大仁田 あずさ 宮原 葉子 徳井 教孝
雑誌
中村学園大学薬膳科学研究所研究紀要 = Proceeding of PAMD Institute of Nakamura Gakuen University (ISSN:18829384)
巻号頁・発行日
no.8, pp.43-66, 2016-02-29

【目的】 平成17年に食育基本法が施行され、現在、第2次食育推進基本計画が実施されている。その中で、国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針として、生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底と健康を支え守るための社会環境の整備が掲げられている。平成20年よりメタボリックシンドローム関連リスク保有者のコントロール、すなわちハイリスクアプローチに主点を置いた特定健康診査・特定保健指導の制度がスタートしている。この事業に関わる管理栄養士は効果的な食事指導を行い、評価しなければならない。本研究は、対象者の身体状況に配慮しつつ行動変容につながる効果的な保健指導をすることができるように、家庭料理に着目して、食事パターンの構造とその栄養素摂取量について検討した。【方法】 1.基礎データの収集:1999年~2000年に福岡県志免町在住の一般主婦を対象に実施した食事秤量記録調査を基礎データとした。調査は55~65歳の女性48名の四季の各14日間の食事区分、献立名(料理名)、食品名、可食量が記録されたものを使用した。2.解析方法:食事パターンは、主食・主菜・副菜・副々菜・汁物を組み合わせて49パターンに分類し、さらに類似するものを15パターンに整理した。各パターンの栄養素等摂取量はエクセル栄養君Ver.4.5(建帛社)を用いて算出して、料理のデータベース化を行った。栄養素摂取量の評価基準は、日本人の食事摂取基準2005年版を基にして50~69歳 成人期女性{身体活動レベルのレベルⅡ(普通 : 1.75)}とした。解析には、統計解析ソフトExcel 統計2008 for Windowsを使用し、クロス集計にはχ2検定を用い、2群間の平均値の差の検定にはSteeldwassの多重検定を用い、有意水準はp <0.05とした。【結果】 一般の家庭料理で出現する様式は四季共に約60%が和食であり、洋食は約30%であった。家庭料理の全体の80%に寄与する献立は春期と夏期で各14パターン、秋期15パターン、冬期12パターンであり、家庭料理は習慣化された食事パターンであることが示唆された。食事区分別に朝食で寄与率の高いパターンはE1型(主食+副菜+汁物)でPFC 比率が14.0:16.6:69.4であり、基準値に比べて、たんぱく質、脂質、カルシウムそしてビタミン類が不足していた。昼食の22.1%に寄与するL2型(主食兼主菜)はPFC 比率が14.7:26.8:58.5であり、食物繊維とカルシウム、ビタミン類が不足し、食塩摂取量が過剰であった。夕食の14.9%に寄与するB1型(主食+主菜+副菜)は、PFC 比率が18.2:30.6:51.2であり、たんぱく質、脂質、食塩摂取量は過剰であり、食物繊維は基準値を満たしており、カルシウムが不足していた。【結論】 食事調査の調理品を一定基準で分類することにより、食事パターンと栄養素等摂取量の間に関連があることが示唆され、食事区分別の食事パターンの特徴及び不足や過剰となる栄養素等が明らかとなった。特に、「主食、主菜、副菜、副々菜、汁物」が揃った一汁三菜の食事パターンが健康増進に寄与すると考えられているが、本研究結果から「望ましい食事」だとは言い切れないことが示唆された。保健指導において、食事パターンとその栄養素摂取量を図示し、栄養指導媒体を作成し導入することにより、食習慣を変えず、効果の期待出来る栄養指導が可能になると考えられる。
著者
宮原景泰 鷲野浩之
雑誌
第74回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.1, pp.5-6, 2012-03-06

4線式アナログ抵抗膜タッチパネルは、コストが小さく、現在広く用いられているが、タッチ座標検出の原理上、マルチタッチ検出を行うことが難しい。本稿では、このタッチパネルによるマルチタッチ検出について、複数の 端子間抵抗値を用いることで、幅広いタッチバリエーションに対応する手法について発表すると共に、評価結果について報告する。
著者
宮原 誠二 田路 大悟
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.070-074, 2013 (Released:2013-03-12)
参考文献数
12

術後鎮痛として静脈内フェンタニル持続投与を行った249例を対象に,ジフェンヒドラミン・ジプロフィリン配合薬(以下DD配合薬)とドロペリドールのPONV予防効果を,男女別に後ろ向き比較試験として検討した.DD配合薬は,ドロペリドールに比べて男女ともPONVを有意に抑制した.さらに,その使用により,ドロペリドール投与時に高頻度に見られためまいや浮遊感などの前庭刺激症状も減少した.また,吸入麻酔を受けた女性の非喫煙者はPONVの高リスク群とされるが,それらの患者に対してもDD配合薬は優れた予防効果を発揮した.DD配合薬は,安価で副作用も少なく,オピオイド使用時のPONV予防策として,有用な選択肢の一つとなる可能性がある.
著者
辻村 尚子 宮原 英夫
出版者
日本行動計量学会
雑誌
行動計量学 (ISSN:03855481)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.11-18, 2019 (Released:2019-11-28)
参考文献数
21

The purpose of this study was to establish a new diagnostic criterion using BMI in place of WC to promote the efficiency of the medical screening and confirm the usefulness of the criterion. Metabolic syndrome is a cluster of obesity-related complications. To find the candidates in such condition, the JASSO criterion using “waist circumference (WC)” have been adopted by Japanese MHLW. According to this criterion, specific health checkup program was begun to delay or prevent these complications in 2008. However, the measurement of WC was obstructive and could not be implemented smoothly for medical screening, since it took extra time and effort. The subjects were 7,492 Japanese subjects (4139 men, 3353 women; age: 34-83 years old), who had been receiving health checkup from 2007 to 2011. With the JASSO criterion regarded as standard, we evaluated the diagnoses obtained by our new criterion using sensitivity and specificity. We finally established BMI at 24 as the cut-off value for both men and women for ease of use. It can be considered that this criterion is better than that the JASSO criterion, since it can increase the efficiency of health checkups by omitting the measurement of WC while keeping the same level of diagnostic performance as the JASSO criterion.
著者
宮原 浩二郎
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.92-94, 1995-06-30 (Released:2009-10-19)
著者
鈴木 崇久 津谷 康大 南 一仁 宮原 栄治 亀田 彰 野宗 義博
出版者
南江堂
巻号頁・発行日
pp.855-857, 2007-07-01

47歳男。患者は30分間で大粒のイチゴを約50個早食した後、下腹部不快感を覚えて受診となった。ニボーは認められず、腸炎との診断で内服処方されて帰宅した。しかし、その後、悪心をはじめ嘔吐、腹痛の増強を認め、翌日入院となった。CTではMeckel憩室は指摘できなかったが、回腸を先端とする小腸壁の肥厚、拡張を認めた。腸閉塞による膵炎併発を考え、薬剤投与を開始した。イレウス管を挿入したが、ドレナージ不良であった。症状改善の兆候がみられず、手術を施行したところ、回腸末端から100cmの部位にMeckel憩室が確認され、その口側腸管に弾力性のある内容物が多数充満していた。更にMeckel憩室が腸間膜の脂肪織と炎症性に癒着し、回腸が若干屈曲していた。処置としてMeckel憩室の先端を切開開放し、ここから腸管内に充満していた半消化のイチゴを取り出し、憩室はリニアカッターで切除した。術後、経過は良好で、7日目に患者は退院となった。
著者
竹島 伸生 小林 章雄 田中 喜代次 新畑 茂充 渡辺 丈真 鷲見 勝博 鈴木 雅裕 小村 堯 宮原 満男 上田 一博 加藤 孝之
出版者
The Japanese Society of Physical Fitness and Sports Medicine
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.197-207, 1989-10-01 (Released:2010-09-30)
参考文献数
33
被引用文献数
3 1

本研究は, 中高年ランナーに対して自転車エルゴメーター作業を負荷することにより, LTおよびall-out時でのVo2, HR, SBP, DBPを測定し, これらの加齢変化やトレーニング内容などとの関係について検討した.その結果は, 次のように要約できる.1.身長, 体重, %fat, 体格指数は, 年代間で有意な差は認められず, すべての年代のランナーは類似の痩身体型であった.週当りの走行距離時間, 頻度などは個人差が大きいが, 平均値でみると年代間に有意な差は認められなかった.ランナーとしての経験年数も年代間に有意な差は認めちれなかった.しかし, 加齢に伴い走パフォーマンスは著明に低下した.2.年齢とVo2@LTとの間には有意な相関 (r=-0.686) がみられた.しかし, %Vo2max@LTは, 各年代でほぼ同値であり, 年齢との間に一定の関係は認められなかった.3.年齢とHR@LTとの間には有意な相関がみられたが, %HRmax@LTは%Vo2max@LTと同様に年齢とは無関係であった.4.SBP@LT, DBP@LTについては年代間に有意な差は認められず, 年齢との関係は明らかでなかった.5.加齢による変化は, Vo2@LT (0.5ml/kg/min/yr) よりもVo2max (0.7ml/kg/min/yr) の方が大きかった.6.Vo2maxの加齢による変化は, 既報の一般人やランナーと比べて大きかった.しかし, 各年代でのVo2maxは, 一般人に比べ平均で50~60%高く, 例えば70歳代ランナーのVo2maxは一般人の40歳代に相当した.7.Vo2maxとトレーニングの経験年数との間には有意な関係はみられなかったが, ランナーとしてのトレーニング開始年齢とVo2maxとの間には, 有意な相関が認められた.8.HRmaxは, Vo2maxと同様に加齢による低下を示し, 同性同年代の一般人と比べて有意差はみられなかった.9.推定HRmaxと実測したHRmaxとの間には, 有意な相関 (r=0.600) がみられたものの, 個人差が大きく±10拍/分以上の誤差を生じた者が約32%いた.10.SBPmax, DBPmaxは, 年代間で有意な差はみられず, 中高年ランナーにおいては年齢と血圧の関係は明らかでなかった.
著者
石川 智治 冬木 真吾 宮原 誠
出版者
電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J80-A, no.11, pp.1805-1811, 1997-11-20

音質評価語の調査・収集を行い,それらをKJ法によりグループ化し,30語の代表評価語を得て既に発表した.その後,評価実験の結果を踏まえて,再整理と追加による改善を行い代表評価語を35語に集約した.本論文は以下のことについて示す.1.その改善の内容,2.得られた代表評価語(35語)の心理的距離のMDS法による解析と四つのクラスタへの分類,3.クラスタ化とは独立に行った,衆目評価法による代表評価語のランクづけ,4.分類した各クラスタと衆目評価法で得られた結果をつき合わせて総合音質に重要な代表評価語の選出を行った.
著者
宮原 勇 MIYAHARA Isamu
出版者
名古屋大学文学部
雑誌
名古屋大学文学部研究論集. 哲学 (ISSN:04694716)
巻号頁・発行日
vol.61, pp.45-73, 2015-03-31

It has been widely admitted that the main text of Husserliana Bd. X is very difficult to interpret consistently because of its compilation. The first version of the main text appeared in one of the Jahrbuch (1928) collected from various Husserl's manuscripts written in a comparatively wide period, and edited by Edith Stein and Martin Heiddeger in an arbitrary way. At last in the year 2013, the PhB version of Husserliana Bd. X was published by Rudolf Bernet with a long introduction, in which he confirms the date of each manuscript. So we investigate the textual genesis of it and the whole structure and relations of the problems concerning the time-consciousness on the basis of such a textual criticism. Especially we propose a new interpretation of the diagram of time-consciousness of §10 and its text, namely; Husserl's famous diagram originated in the diagram drawn by Franz Brentano, which we can know through the report by Carl Stumpf. We conclude that it is impossible to understand the phrase 'die stetige Reihe der Ordinaten' in the text of §10 without knowing Brentano's diagram.
著者
村田 亜悠美 小尾 信子 中平 比沙子 宮原 龍郎 落合 宏
出版者
富山大学看護学会編集委員会
雑誌
富山大学看護学会誌 (ISSN:1882191X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.39-49, 2008-03

ホタテ貝殻焼成粉末(HSSP)の殺菌および殺インフルエンザウイルス作用を検討した.微細HSSP(平均粒径3.5μm:f-HSSP)の0.15%生理食塩水懸濁液に5分接触させた場合,大腸菌の生残菌数は検出限界以下であったが,緑膿菌と黄色ブドウ球菌の生残率は,それぞれ3×10-3%と2.5%であり,大腸菌に最も強く殺菌作用を示した.f-HSSP,粗製HSSP(平均粒径18.4μm:c-HSSP),酸化カルシウムおよび水酸化カルシウムの0.15%生理食塩水懸濁液はほぼ同じpH(12.6~12.76)を示した.しかし,これら4試薬の大腸菌に対する経時的殺菌力を比較したところ,5分接触では全ての試薬においても生残率は検出限界以下であったものの,2分より短い接触時間域でf-HSSPが他3試薬より10~1000倍強い殺菌作用を示した.さらに,f-HSSP生理食塩水懸濁液は,濃度と接触時間依存的にインフルエンザウイルスA型PR8株とB型Sing株の感染性を失活させた.しかし,f-HSSP(37℃,30分接触)は少なくともA型PR8株の赤血球凝集活性には影響を与えなかった.0.75%生理食塩水懸濁液の殺インフルエンザウイルス作用を4試薬間で比較したところ,f-HSSPは短時間接触域で,c-HSSPよりおよそ1000倍強かったが,酸化カルシウムと水酸化カルシウムよりは弱い傾向を示した.これらの結果は,f-HSSPは強い大腸菌殺菌作用に加え,殺インフルエンザウイルス作用があることを示している.いずれにしても,このように少なくともc-HSSPより強力な抗微生物作用を有するf-HSSPは,感染看護の視点からも,様々な医療器具・看護器材の有用な天然資材と思われた.興味あることは,リン酸緩衝食塩水に懸濁すると,これらの作用は100倍から1000倍に減弱することであった.この知見に加え,4試薬間の生物活性の強さの違いの研究は今後の検討課題として残った.
著者
宮原 拓也 平林 弦大 原 和彦
出版者
公益社団法人 埼玉県理学療法士会
雑誌
理学療法 - 臨床・研究・教育 (ISSN:1880893X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.44-47, 2006 (Released:2006-06-14)
参考文献数
7

フォワードランジとは,スポーツ活動中に多用される動作であり,下肢筋力強化や協調性トレーニングとして用いられる。この動作中,さまざまなスポーツ障害の原因となりうるknee inを示す場合があり,その原因としては内側広筋をはじめとした大腿四頭筋の明らかな筋力低下が挙げられる。しかし,knee in時の筋活動に関する報告は少ない。そこで,今回の研究目的はknee in時の下肢伸展筋活動を明らかにすることとした。対象は健常男性10名,下肢伸展筋活動の測定は筋電計を用い被検筋である大腿直筋・内側広筋・外側広筋・大殿筋・腓腹筋の%iEMGを算出した。結果は,内側広筋・大殿筋の%iEMGが有意に減少し,腓腹筋の%iEMGが有意に増加した。内側広筋の活動減少は,膝内側支持に働く軟部組織伸張による静的支持と,knee in時に膝外反することで,大腿四頭筋力の外側ベクトルが増加したことに起因したと推察された。