著者
岩間 太 五十嵐 淳 小林 直樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.48-61, 2007-03-15

ファイルやメモリなどの計算資源がプログラム中でどのように使用されるかを型を用いて推論するための手法が五十嵐,小林らにより提案されている.彼らの手法では,各計算資源に対して起こりうるアクセス列の集合を使用法表現と呼ばれる式として推論する.しかしながら,推論された使用法表現が表すアクセス列の集合が,仕様として許されるアクセス列からなる言語に包含されているかどうかを判定するアルゴリズムが考案されておらず, 計算資源使用法検証の完全な自動化は達成できていなかった.本論文では,ある特定の言語クラスに属する仕様に対し,そのような包含判定を行うための健全かつ完全なアルゴリズムを提案する.仕様として任意の正則言語を許す場合には,包含判定問題は決定不能なので,我々のアルゴリズムが扱う仕様のクラスは,1つの入力記号について,遷移元および遷移先の状態がたかだか1つしか存在しない有限オートマトンが受理する言語のクラスとして与えられ,正則言語のクラスより小さい.しかしながら,ファイルなど現実の計算資源の仕様の多くは,我々のアルゴリズムで扱える言語のクラスに属する.したがって,本論文のアルゴリズムを五十嵐と小林らによる従来の研究と組み合わせることにより,ファイルなど多くの計算資源の使用法検証を自動化できる.In our previous work, we have developed a type-based method for inferring how resources such as files and memory are accessed in a program. Due to the lack of an algorithm for deciding whether the inferred resource usage conforms to the specification, however, it was not possible to verify automatically that resources are accessed according to the specification. In this paper, we propose a sound and complete algorithm for deciding the conformance of the inferred resource usage to the specification. Since the language denoted by the inferred resource usage belongs to a class larger than the class of the context-free languages, the class of specifications that our algorithm can deal with is smaller than the class of regular languages. Fortunately, however, that language class contains many of the typical resource usage specifications used in practice. Thus, by combining our algorithm with our previous method for resource usage inference, we can automatically check whether each resource is accessed according to the specification in many cases.
著者
毎熊 輝記 阿部 司 斎藤 徳美 小林 直太 中島 直吉 中村 操 野越 三雄 MAIGUMA Teruki ABE Mamoru SAITOH Tokumi KOBAYASHI Naota NAKAJIMA Naoyoshi NAKAMURA Misao NOGOSHI Mitsuo
出版者
社団法人物理探査学会
雑誌
物理探査 (ISSN:09127984)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.p338-356, 1987-10
被引用文献数
1

The 1983 Japan Sea Earthquake(M=7.7)caused heavy damage associated with remarkable liquefaction to many houses and the ground soils at certain areas(2kmx6km)in the Noshiro City region, Akita Pref. The geomechanical character of the ground there has been investigated through use of shear wave velocities from in-situ measurements, results of grain-size analyses, geoteclmical in formation from many drill holes and data for ground water depths. Almost all of the sites investigated in many places are underlain by loosely-packed sandy soils of fine-to medium-grained sediments(0.3 mm~0.5 mm), with low shear wave velocities less than 120m/s and small values of uniformity coefficients between 1.6 and 2.3. Seismicmicrozonation maps showing areas where local soil conditions would be favorable for liquefaction have been compiled for assessing future earthquake hazards in certain areas. In the Noshiro City areas investigated, all sites with shear wave velocities less than about 120m/s and with ground water depths less than 2 meters would be much likely to liquefy except for sites underlain mainly by silty and clayey soils. Sites with shear velocities greater than 150m/s would not have susceptibility to liquefaction.
著者
長尾 尚 小林 直行 市川 隆司 黒上 晴夫 稲垣 忠
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.125-128, 2004-03-05
被引用文献数
1

本論文の目的は,「匿名性」と「即時一覧性」機能のある電子掲示板システムを活かした授業方法を開発し評価することにある.高校の学級という比較的規模の小さな日常空間においても「授業中」には,自由闊達に発言できない状況が生じる.その克服には,複数の相手に対面した状態で自分の意見を表現しやすい環境の支援が必要となる.そこで上述した2つの機能を備えた電子掲示板を開発しそれを組み込んで授業設計をすることで議論を活発にし新たな意見を導けないかと考えた.2回の授業実践の結果,匿名の電子掲示板上では,匿名性によって少数意見を導き出しやすく,即時一覧性により議論が活性化されるという2つの効果が明らかになった.
著者
石原 雅巳 寺本 龍生 松井 孝至 千葉 洋平 山本 聖一郎 安井 信隆 石井 良幸 奈良井 慎 立松 秀樹 小林 直之 徳原 秀典 渡邊 昌彦 北島 政樹 倉持 茂
出版者
The Japan Society of Coloproctology
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.440-445, 1990-06
被引用文献数
6

症例は22歳の男性.1995年5月,排便困難,血便を主訴に近医を受診した.直腸癌の疑いで当院を紹介され1995年5月29日,入院となった.注腸造影,大腸内視鏡検査では肛門縁より約7cmの直腸左壁を中心とし半周性の隆起を主体とした腫瘤の集蔟を認め,感染性腸炎を疑わせる所見であった.生検の病理組織像は形質細胞の多い非特異的炎症のみであった.梅毒血清反応が陽性であったことから,梅毒性の直腸炎と診断し,駆梅療法を開始した.開始後,梅毒血清抗体価の低下にともない病変の縮小を認め,治療後約4カ月で梅毒血清抗体価の陰性化と病変の消失を認あた.さらにTreponema pallidum(以下T.p.)に対する抗体を用いた酵素抗体法によりT.p.が生検部の病理組織より証明され,梅毒性直腸炎の確定診断がされた.
著者
舩橋 晴俊 壽福 眞美 徳安 彰 佐藤 成基 岡野内 正 津田 正太郎 宮島 喬 吉村 真子 上林 千恵子 石坂 悦男 藤田 真文 奥 武則 須藤 春夫 金井 明人 池田 寛二 田中 充 堀川 三郎 島本 美保子 樋口 明彦 荒井 容子 平塚 眞樹 三井 さよ 鈴木 智之 田嶋 淳子 増田 正人 小林 直毅 土橋 臣吾 宇野 斉 鈴木 宗徳 長谷部 俊治 原田 悦子 羽場 久美子 田中 義久 湯浅 陽一 伊藤 守 上村 泰裕 丹羽 美之 宮本 みち子
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

本プロジェクトは、グローバル化問題、環境問題、移民・マイノリティ問題、若者問題、メディア公共圏、ユビキタス社会、ケア問題といった具体的な社会問題領域についての実証的研究を通して、社会制御システム論、公共圏論および規範理論に関する理論的研究を発展させた。公共圏の豊富化が現代社会における制御能力向上の鍵であり、それを担う主体形成が重要である。また、社会制御には合理性のみならず道理性の原則が必要である。
著者
秦泉寺 久美 渡辺 裕 岡田 重樹 小林 直樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.5, pp.758-768, 2001-05-01
参考文献数
13
被引用文献数
15

新しい画像符号化標準のMPEG-4が標準化されつつある。これは、低いレートにおいてはH.26XやMPEG-1,2に代表される従来符号化法と比較してより高品質の画像を提供するものである。また、新しい機能であるオブジェクト単位の符号化を提供するものである。筆者らはインターネット等に適用できる超低ビットレート符号化方法の開発を行っている。従来法に比べて劇的な符号量削減が可能であるMPEG-4の符号化ツールである「スプライト符号化」に着目し、前景、背景の2層からなるビデオオブジェクトの自動抽出アルゴリズムを提案する。生成した前景、背景のビデオオブジェクトをそれぞれMPEG-4オブジェクト符号化並びにスプライト符号化に適用(スプライトモード)して、スプライトを用いないMPEG-4 Simple profileの符号化法(ノーマルモード)と比較検討を行った。特に、フレームレートや前景オブジェクトの割合を変化させ、符号量に与える影響を調査した。その結果、フレームレートに関係なく、前景比率が画面全体の10〜15%程度である場合にMPEG-4通常符号化方法の1/4〜1/2程度の符号量で同程度の画質を実現できることを確認した。また超低レート(128kbit/s、64kbit/s)においてフレームレート、客観画質の評価を行ったところ、同程度のSNRで倍以上のフレームレートを達成できることを確認した。
著者
小林 直人 濱田 文彦
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

平面内細胞極性形成シグナルは、細胞膜上に存在するFrizzled-1受容体を中心に構成されるが、この受容体と結合するリガンド分子は不明である。本研究では未知のリガンド分子の同定を目的とし、培養細胞を用いて受容体とリガンド分子との結合の評価系を確立した。種々の膜タンパク質をコードする遺伝子を細胞株で発現させるコンストラクトも構築中であり、これらの膜タンパク質と同受容体との結合について検討を進める。
著者
田中 義久 常木 暎生 藤原 功達 小川 文弥 小林 直毅 伊藤 守
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1997

高度情報化の進展に伴い、コミュニケーション行為およびメディア環境の変容は、対人関係、マス・コミュニケーション、メディエイティッド・コミュニケーションなどと、重層的な連関を通して進行してきている。本研究では、こうした状況を、地域社会におけるコミュニケーションとの関わりの中で捉えることを目標として研究会を開催し、10年前に実施した調査研究(文部省科学研究費・総合研究A・平成3-4年度「コミュニケーション行為と高度情報化社会」)をふまえ、埼玉県川越市で調査研究を行った。1997年度は、地域作りのリーダー層、行政関係者などを中心にヒアリングを行い、1998年度と1999年度には、川越市の旧市街地と郊外住宅地とで、情報機器利用や地域コミュニケーションなどに関する意識や行動について、質問紙による数量調査を実施した。2000年度は、当該地域の住民に対して、ヒアリング、グループ・インタビューを実施した。4年間の調査研究によって、情報化の進展する地域社会の実態を把握するとともに、高度情報化に即応した、コミュニケーションに積極的な層の存在が明らかになった。その上で、地域住民の側からのヴォランタリスティックな「地域社会」形成の行為は、いかに展開されていくのだろうか。コミュニティとコミュニケーションとの連関を、情報化と地域社会の双方に影響するグローバリゼーションの社会変動のなかで注目していくことの重要性は高い。2000年6月には日本マス・コミュニケーション学会において、「情報化の展開と地域における生活」というテーマで研究発表をおこない、11月には日本社会情報学会において「情報関連機器の利用とコミュニケーション行動に関する実証的研究」というテーマで研究発表をおこなった。また年度末には、本研究成果として、文部省科学研究費報告書(冊子)をまとめた。
著者
小林 直樹 石橋 聡 一之瀬 進
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.33-38, 1999-01-21

MPEG-2 transcoding scheme is proposed as scalable transmission system for a video-on-demand system is described. In this system video contents encoded by MPEG-2 are transmitted to receiver terminals via communication lines that have different bit rate. A transcoding technique that directly converts a bit stream encoded by MPEG-2 into a lower coding rate stream without decoding is proposed. The transcoder called Trampeg includes size reduction and frame drop approach. The experimental results show that an MPEG-2 stream of 6 Mbps is able to be transcoded into a stream of 1.5 Mbps-300 Kbps.