著者
大谷 竜 加茂 真理子 小林 直人
出版者
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology
雑誌
Synthesiology (ISSN:18826229)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.118-125, 2013
被引用文献数
4

現在英国では、高等教育機関で実施されている研究の評価の新たな枠組みであるREF(Research Excellence Framework)の実施が準備されている。REFでは、高等教育機関で行われる卓越した研究が、その潜在的な効果を最大限に発揮できるよう、評価軸として、アウトプットの質、インパクト、研究環境の3つの要素が設定された。特に着目される点として、大学等での研究評価にも関わらず、社会的なインパクトも明示的に取り入れられていることである。また、アウトプットの質の評価においても、専門家パネルによるレビューとともに、論文被引用情報を中心とする計量書誌学的な定量的データを参考として用いることが提案されている。本稿では、REFにおける、アウトプットからインパクトまでの評価の考え方について紹介するとともに、わが国の研究評価や大学評価への示唆について考察する。
著者
池上 春香 永井 宏平 松橋 珠子 小林 直彦 武本 淳史 吉廣 卓哉 井上 悦子 樋口 智香 守田 昂太郎 内堀 翔 天野 朋子 田口 善智 加藤 博己 入谷 明 松本 和也
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.86, no.2, pp.141-152, 2015-05-25 (Released:2015-06-18)
参考文献数
17

黒毛和種肥育牛の枝肉形質を推定するバイオマーカー候補タンパク質の同定を目的に,枝肉形質情報ならびに腎周囲白色脂肪組織のプロテオーム解析情報を搭載した統合情報管理システムを運用し,プロテオーム解析データを持つ去勢牛200頭から,5つの形質(枝肉重量・ロース芯面積・バラの厚さ・皮下脂肪の厚さ・BMSナンバー)に関して上位と下位の2群を選抜して,この2群間で314個のタンパク質スポットの発現量と枝肉成績との関連性を検討した.各形質の上位群(平均値+標準偏差)および下位群(平均値−標準偏差)として抽出した個体間の各スポットのタンパク質発現量を比較した結果,合計でタンパク質45種類(90スポット)の発現量に有意な差が認められた.これらタンパク質の一部について,代謝経路における位置付けを行なうとともに,vimentinのウエスタンブロット解析より発現量を検証したところ,枝肉形質を推定するバイオマーカー候補タンパク質としての可能性が示唆された.
著者
泉川 晴紀 安永 隆一 鯨井 勝弘 寺地 重巡 白井 良和 小林 直 杉山 敬三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.463, pp.361-365, 2013-02-28

筆者らは,セルラシステムなどの無線システムのカバレッジマップ/カバレッジホールマップを,受信信号強度や受信信号品質といった無線品質情報と位置情報とから構成される移動端末からの測定レポートにより構築する検討を行っており,3GPPにおいてもMDT(Minimization of Drive Tests)と呼ばれる同様の取り組みがなされている.それらの取り組みでは,受信信号強度や受信信号品質が所定閥値以下になる事象を測定レポートの生成トリガにすることを想定している.ここで,当該マップの用途としては,無線サービス品質向上を目的としたカバレッジ最適化や基地局増設等であると考えられるが,前述の受信信号強度や受信信号品質といった無線信号|青報のみに基づいたレポートトリガでは,例えばトラヒック集中による通信品質低下を検出することが難しく,無線サービス晶質向上に資する上で十分とは言えない.そこで,本稿では,利用されるアプリケーション毎のトラヒック利用状況(受信トラヒック量の変動や上り方向/下り方向のパケット数比率等)を移動端末内で学習し,当該学習結果を元に新たに発生したトラヒックの品質に対する良否を推定する手法を提案する.本手法に基づく測定レポートトリガにより,(無線品質は良好だが)いつもよりもレスポンスが遅い,といった主観的な通信品質(QoE; Quality ofExperience)低下事象の検出が可能になることが期待される.提案手法を実装したスマートフォンの被験者利用に基づく予備評価の結果,QoE低下事象を75%の割合で検出できた.
著者
岡田 光弘 小林 直樹 照井 一成 田村 直之
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

次の3点を中心に研究を進めた。1.証明論と意味論の統合的見方について研究を進めた。カット消去定理等の証明論の基本定理の成立条件がPhase semanticsによる意味論的分析により明らかになることを示した。又、Simple logic等の線形論理の基礎理論に対して、証明論と意味論の統合を進めた。さらに、直観主義論理Phase semanticsと古典論理Phase semanticsとの密接な関係を明らかにした。Phase semanticsの成果に基づいてカット消去定理の意味論的条件の研究を進めた。2.Reduction Paradigmによる計算モデルとProof-Search Paradigmによる計算モデルを統一的に分析できる論理的枠組の確立に向けた研究を進めた。ゲーム論的意味論等の観点からの分析も加えた。(岡田・Girard等フランスグループとの共同研究)これまでのReduction Paradigm(関数型言語の論理計算モデル)とProof-Search Paradigm(論理型言語や証明構成の計算モデル)の内的な統合を可能にするLudics等の新たな論理体系理論の分析をGirardグループらと共同で行なった。3.線形論理的概念がプログラミング言語理論やソフトウェア形式仕様・検証理論、計算量理論等にどのように応用され得るかのケーススタディーを行なった。例えば昨年に引き続き、ダイナミック実時間システムのシステマティックな設計・検証や認証プロトコル安全性証明等を例にとり、線形論理的観点や手法の応用可能性を示した。この目的でフランス及び米国共同研究グループとの共同研究を行なうとともに、計3回の成果報告会を日仏共同で行った。
著者
荒木 領 小林 直樹 大野 光平 伊丹 誠
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, no.10, pp.41-44, 2012-02-17
被引用文献数
1

ワンセグメントサービスは,日本における地上波デジタル放送の移動体向けのサービスである.しかし,使用帯域の狭さからマルチパスによるディップの影響を受けやすくなり,受信特性の劣化する可能性がある.この対策として,アンテナダイバーシティ技術がある.しかし,携帯電話などの小型のワンセグ受信機では,端末内に複数のアンテナを十分なダイバーシティ利得が得られるほど離して配置するのは不可能である.そこで,本稿では3台の受信端末を用いて受信情報を共有する協調受信を提案する.提案方式では,協調受信に用いる受信端末の台数を増やすことでワンセグメントサービスの誤り率特性が改善できることを示す.
著者
松村 千鶴 雨宮 加奈 雨宮 さよ子 雨宮 昌子 雨宮 良樹 板垣 智之 市野沢 功 伊藤 拓馬 植原 彰 内野 陽一 大川 清人 大谷 雅人 角谷 拓 掃部 康宏 神戸 裕哉 北本 尚子 國武 陽子 久保川 恵里 小林 直樹 小林 美珠 斎藤 博 佐藤 友香 佐野 耕太 佐野 正昭 柴山 裕子 鈴木 としえ 辻沢 央 中 裕介 西口 有紀 服巻 洋介 吉屋 利雄 古屋 ナミ子 本城 正憲 牧野 崇司 松田 喬 松本 雅道 三村 直子 山田 修 山田 知佳 山田 三貴 山田 祥弘 山田 玲子 柚木 秀雄 若月 和道 鷲谷 いづみ
出版者
日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.175-180, 2003-12-30
被引用文献数
2

Flower visitations by both native and exotic bumblebee species were investigated at 21 monitoring sites in various regions of Japan in the spring and summer of 2002. The investigation was part of a long-term program that has been in progress since 1997 to monitor the invasion of an alien bumblebee, Bombus terrestris L. (Hymenoptera: Apidae). Flower visitation by B. terrestris was ascertained at two monitoring sites, one in Shizuoka and one in Hokkaido, where a large number of colonies of this species have been commercially introduced for agricultural pollination.
著者
羽生 宏人 和田 英一 丹羽 崇博 近藤 靖雄 川村 尚史 丸山 信也 岡村 彩乃 山科 早英良 永井 康仁 中道 達也 上道 茜 田中 成明 小林 直樹 笠原 次郎 森田 泰弘
出版者
THE JAPAN SOCIETY FOR AERONAUTICAL AND SPACE SCIENCES
雑誌
航空宇宙技術 (ISSN:18840477)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.15-21, 2010
被引用文献数
1

The educational hybrid-rocket was successfully launched and it also landed within the predicted area. Aerodynamic characteristics of the rocket designed by students of Tsukuba University were evaluated by the wind tunnel testing with the support of Tokai University. The flight path affected by the environmental condition, especially wind direction and velocity, was simulated with the original calculation program. The altitude of the rocket was measured with the optical equipment and the apex was 123 m although the calculation indicated 198 m. We expected that the insufficient filling or the volatilization of Nitrous oxide as an oxidizer led to this result. And then, the apex was verified with a function of the oxidizer filling ratio. The results showed that 81.2 % of the oxidizer volume in comparison with the firing test condition was accumulated in the tank at the launch.
著者
小玉 美意子 小田 原敏 アンジェロ イシ 吉田 文彦 音 好宏 鈴木 弘貴 金山 智子 中 正樹 日吉 昭彦 黄 允一 小林 直美 沈 成恩 章 蓉
出版者
武蔵大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、2008年8月に行われた北京オリンピック報道によって視聴者の対中国意識がどのように変化したか探ることを目的とし実施された。調査の結果、テレビニュース視聴者の中国(人)についての認識は、オリンピック前後で部分的に変化があったことが明らかとなった。中国(人)イメージが変化した人は直接的な経験(渡航経験や友人・知人)が無い、オリンピック前に中国に対しネガティブな印象を持っていた人がオリンピックを契機に良い印象を持ったようである。このような傾向を持つ人は若い世代が多く、今後テレビの報道内容によって、若者は中国(人)イメージが変化する余地が示唆された。中国(人)の印象が変化しにくい人は、メディア接触によって先有傾向の強化・補強が行われていることが推察された。取り上げられた出来事がインタビュー対象者自身の中国経験やイメージと結びつけられていたからである。テレビニュースは中国を発生地とする報道が全体の38.1%を占め、中国報道の議題設定や放送局別の傾向が明らかになった。視聴者はオリンピックの競技ニュースというよりは、オリンピック開催前、期間中の関連報道から中国(人)に関する情報を得ていたようである。またテレビをよく視聴した人は、新聞、インターネットなどに多く接した人よりも肯定的イメージへの変化がみられた。
著者
舩橋 晴俊 寺田 良一 中筋 直哉 堀川 三郎 三井 さよ 長谷部 俊治 大門 信也 石坂 悦男 平塚 眞樹 小林 直毅 津田 正太郎 平林 祐子 金井 明人 仁平 典宏 土橋 臣吾 宮島 喬 壽福 眞美 池田 寛二 藤田 真文 鈴木 宗徳 羽場 久美子 茅野 恒秀 湯浅 陽一 須藤 春夫 佐藤 成基
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-05-31

本年度は, 年度途中で廃止になったが, それでも, 下記の研究実績を上げることができた。【公共圏とメディアの公共性班】法政大学サスティナビリティ研究所内の「環境報道アーカイブス」に蓄積した東日本大震災及び福島原発関連の映像に付されたメタデータの分析を行った。分析から, 震災・原発関連番組の論点の変化や報道対象地域の偏りなどを見出した。【エネルギー政策班】『原子力総合年表一福島原発震災に至る道』を2014年7月に公刊した(すいれん舎刊)。また, 青森県下北半島における核燃料サイクル事業の動向を把握するため, 『東奥日報』を基に詳細年表を作成し, 地域社会の長期的な構造変動を追跡可能な情報基盤を整えた。エネルギー戦略シフトに関し, 各地の市民団体の調査および支援を実施した。【年表班】英文環境総合年表(A General World Environmental Chronology)を刊行した。英文による包括的な年表は世界初の試みであり, 環境問題に関する国際的なデータベース構築の第一歩を記した。また, その年表の成果をもとに, 7月に国際シンポを開催し, 各国の研究者との交流を図った。【基礎理論班】2013年12月に開催した国際シンポと講演会を基に, 論文集『持続可能な社会に向かって―ドイツと日本のエネルギー転換(仮題)』(法政大学出版局, 2015年)の編集作業を継続している。並行して, 『ドイツ・エネルギー政策の形成過程1980~2014―資料集』(新評論, 2015年)の本文編集作業はほぼ終了し, 現在は巻頭論文を執筆中である。【食・農と包括的コミュニティ形成班】学内の「食・農」に関する社会的活動拠点でもある「スローワールドカフェ」の活動に関与しながら, 個別に研究を進めてきた。研究成果は, 社会学部授業科目「社会を変えるための実践論」と「多摩地域形成論」に一定程度反映させてきている。
著者
秦東寺 久美 石橋 聡 小林 直樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.82, no.6, pp.1018-1030, 1999-06-25
被引用文献数
20

次世代動画像圧縮の標準であるMPEG-4では, 新たにVOP (Video Object Plane)という概念を取り入れ, 背景や物体等のビデオオブジェクトごとに符号化することが可能である. 特に動画像中の各々のフレームに共通な領域の動きが一組の平面の動きモデルで表されるとき, スプライトと呼ばれる平面オブジェクトを生成することが可能である. すなわち, 背景画像に代表されるような動画像中の複数フレームにわたる領域を1枚の静止画であるスプライトから再構成できる. スプライトを使用すると符号化効率の大幅な改善が期待できるため, スプライト生成技術に関する期待は大きい. 本論文では, ビデオクリップを撮影したときのカメラモーションに着目し, (1)7種類のカメラモーションと平行移動動きベクトルの関係を定式化し, (2)カメラモーションを反映した大局的な動きを算出するアルゴリズムを提案, (3)大局的な動きを用いてスプライトを自動生成するアルゴリズムを提案した. また, 複数の実画像を用いて実験を行った結果, 撮影時のカメラモーションを良好に抽出でき, これを用いてスプライトを自動生成することができた.
著者
鈴木 康夫 酒井 克彦 忠政 明彦 小林 直樹
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
生産加工・工作機械部門講演会 : 生産と加工に関する学術講演会
巻号頁・発行日
vol.2001, no.3, pp.59-60, 2001-11-20
被引用文献数
1

The purpose of this paper is to investigate the potential application of the cutting in the nitrogen atmosphere. In order to clarify the effects of the nitrogen atmosphere, cutting tests were carried out on plain carbon steel S45C with carbide tool. Cutting tests were conducted in the sealed chamber of which the atmosphere was changeable. Nitrogen, argon, carbon dioxide gases and air were used as the atmosphere.
著者
小林 直樹 田村 俊世 湊 小太郎
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.31-37, 2013-02-10 (Released:2013-09-10)
参考文献数
8

In the principle model of pulse oximetry, the measured absorbance change occurs by a thickness change of the arterial blood. However, we cannot explain the absorbance change of the tissue only by thickness change of the arterial blood when we consider these three phenomena of circulatory dynamics:1) arterial blood flows into the tissue as pulsatile flow, 2) Oxygen saturation decreases by oxygen consumption in the tissue, and 3) venous blood flows out from the tissue. In this study, we made a new electrical model of pulse oximetry and examined the mechanism of the absorbance change when the height of the hand is changed. We measured absorbance ratio and SpO2 at three vertical hand positions, 1) on the table (middle), 2) rise over the head (up), 3) lowered (down), with six healthy volunteers. The absorbance ratios increased in the lowered hand position and there was an error to underestimate SpO2. The mean ± SD of SpO2 in the 6 subject at the middle, up, and down positions were 98.0 ± 1.28, 98.4 ± 0.84, 96.3 ± 1.69(%), respectively. We simulated pulse oximetry using our new electrical model, and we were able to express a mechanism to increase the absorbance ratio at the lowered hand position.
著者
小林 直樹 濱田 雅美
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.17-23, 2013-02-10 (Released:2013-09-10)
参考文献数
13

Visual induced motion sickness (VIMS) due to real videos (passive videos) has been well evaluated by using a set of RR intervals (RRI) on electrocardiograms (ECG). However, in case of the estimation of VIMS for interactive videos suchas video games, it is difficult to obtain a stable VIMS index by using only RRI because of several modulation factors by respiration and personal errors among individual operations. For the evaluation of VIMS on interactive videos we propose VIMS quantification indices that use principal component analysis (PCA) of two time-variant biosignals, RRI and respiration signal (RESP), respectively. As VIMS indices we introduced frequency components of a score (rr) and a score (resp), which are time-variant scores resulting from PCA of the biosignals. The experimental results were estimated by regression analysis between the proposed indices and simulator sickness questionnaire (SSQ) or global motion vectors (GMVs) of videos. The experimental results show that a positive correlation is shown between the index of the score (rr) frequency analysis and SSQ for both passive and interactive videos. Because there are no significant difference between the indices for interactive video and for passive videos, the index does not influence operation factors, and reflects biomedical influence caused by video features such as GMVs. This means that the index calculated by score (rr) is effective for quantifying the VIMS caused by video factors, even though the dispersion of the index caused by the subject's individuality is not sufficiently small. This index also influenced the individuality of the subject's game habituation. On the other hand, there is little correlation between the index of the score (resp) frequency analysis and SSQ for each type of video. As a dependency of the operation and personal errors might be included in this index, we need to study more detail about this component.
著者
小林 直人 赤松 幹之 内藤 耕 藤田 茂 小野 晃
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.55, no.10, pp.722-734, 2013
被引用文献数
1

2008年に第2種基礎研究を中心とした原著論文を掲載する学術誌「Synthesiology(シンセシオロジー)–構成学–」が創刊された。Synthesiology(シンセシオロジー)に掲載される研究論文は,研究開発がめざした目標,それを実現するためのシナリオ,シナリオを実践するための要素技術の選択と統合の方法,研究成果などを明確に述べることが求められている。本稿では,この学術誌がめざした理念や,発刊に至った経緯,発刊の趣旨などを述べた後,実際に掲載された70編の論文を対象にして,構成の方法論を分析した結果を紹介した。全体として,共通の構成方法として,「技術的な構成」とも呼ぶべき方法論が重要であり,さらに研究成果を社会に導入していくためには,「社会導入に向けた構成」と呼ぶものを連続して起こす必要があることが明らかになった。また,今後はさらにシナリオの構成方法とその使用,役割についても詳細に分析を進めていくことの重要性が認識され,これらを含む本学術誌の今後の課題についても言及した。
著者
中 正樹 小玉 美意子 日吉 昭彦 小林 直美
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究の目的は2つある。第1に、日本のテレビニュース番組がロンドン五輪開催期間にどのようにニュースを報道したのかを内容分析することである。第2に、その分析結果と北京五輪開催期間における同様の内容分析の結果を比較することである。ロンドン五輪開催期間のニュース報道の内容分析結果は、2014年度武蔵社会学会で報告した。また、『ソシオロジスト』No.17に論文として発表した。2つの五輪開催期間のニュース報道の内容分析結果の比較に関する考察は、EASM2015で報告した。これら2つの研究目的の達成を通じて、日本のテレビニュース番組における国際報道のニュース・フレームについての知見を得た。