著者
小野 昇一 熊谷 幹郎 帆足 興次
出版者
Japan Society of Corrosion Engineering
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.315-322, 1991-05-15 (Released:2009-11-25)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

Influence of dissolved oxygen and temperature on corrosion and elution behaviors of Si3N4 ceramics containing 5wt% MgO as sintering aid in high-temperature pure water were studied using the once-through type experimental loop. Exposure tests were carried out under two different dissolved oxygen concentrations of below 20μg/l and 8mg/l. Exposure temperature was elevated gradually from 120°C to 200°C and then to 275°C, where the indicated temperature was kept for 8 days. The results suggested that dissolved oxygen did not promote corrosion of Si3N4 ceramics, although the weight loss of specimen after exposure was influenced largely by temperature and the amount was increased by almost one order of magnunitude with temperature change. These were considered to be caused by the reaction of Si3N4 grain with H2O, of which rate was increased with temperature. The specimen exposed at 275°C was largely leached and its amount of weight loss attained up to 52mg/cm2 under low dissolved oxygen condition. Then a part of corrosion products remained on the surface and formed the porous corrosion film. In these processes Mg tended to be accumulated in the leached layer. On the other hand, Si3N4 grain was scarecely eluted at 120°C, but the grain boundary contaming Mg was selectively eluted to test solution.
著者
小野 茂良
出版者
医学書院
雑誌
臨床皮膚泌尿器科 (ISSN:21886156)
巻号頁・発行日
vol.3, no.5, pp.216-218, 1949-05-01

連圏状粃糠疹は明治39年に遠山博士によつて初めて記載されてから現在迄に200例近くの症例が報告されている.最初から寄生性皮膚疾患と考えちれ,從つてその治療としてはサリチル酸,レゾルチン,クリサロビン,タールパスタが用いられ或いは大陽燈照射や自家血清療法も併用されたが,何れによるも治癒し難いものでありた.然るに現在に至るもなお確實な病原菌の檢出は不成功であり,また一方本症は組織學的に角化症で,特に,毛嚢及び汗腺開口部に角質増殖が著明であることから,ビタミンA大量療法を試みて奏効した1例を經驗したのでこゝに報告する.
著者
小野寺 夏生
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.12, pp.575, 2019-12-01 (Released:2019-12-01)

国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の研究開発戦略センター(CRDS)は,国の科学技術イノベーション政策に関する調査,分析,提案を中立的な立場に立って行う組織です。その中核的業務は,国内外の科学技術動向,その社会の動きとの関係,それらに関する政策の動向などを調査・分析し,その結果を報告書や提言の形に取りまとめて,行政,産業,研究等の世界での活用の推進を図ることです。その基盤となる国内外動向の調査・分析において,CRDSでは,調査対象の科学技術分野における研究開発の動きだけでなく,それを取り巻く環境や背景,社会の動向などを含めた広い視野で,すなわち「俯瞰的に」捉えることを重視しておられます。調査・分析結果をまとめた報告書の名も「研究開発の俯瞰報告書」となっています。CRDSは,国の科学技術振興とイノベーション創出を先導するシンクタンクを目指しておられるので,その調査結果の活用先として第一に念頭にあるのは,科学技術イノベーション政策の立案・実施に関わる府省や政府関連機関ですが,上に述べたとおり,産業界や研究界での活用推進にも努めておられます。当然,それらの世界で情報活動の推進に携わっておられるインフォプロの皆様にも関係のあることですので,第16回情報プロフェッショナルシンポジウム(INFPRO2019)の実行委員会は特別企画「科学技術イノベーションの潮流~研究開発の俯瞰から見えるもの~」を設け,「研究開発の俯瞰報告書(2019年)」についてCRDSの6名の方にご発表いただきました。そのときの参加者の関心が高く質疑も活溌でしたので,より多くの会員の皆様に読んでいただきたいと考え,CRDSの発表者に執筆をお願いしてこの小特集を組むことができました。この小特集は,全体説明(根上純子氏),主要国の研究開発戦略(冨田英美氏,原田裕明氏),環境・エネルギー分野の俯瞰(中村亮二氏),システム・情報科学技術分野の俯瞰(青木孝氏),ナノテクノロジー・材料分野の俯瞰(宮下哲氏,馬場寿夫氏),ライフサイエンス・臨床医学分野の俯瞰(桑原明日香氏,山原恵子氏)の6編からなります。これはINFOPRO2019での特別企画の構成と同様で,そのときの発表内容に基づいていますが,そこで十分説明されなかったことも含まれています。この小特集を読まれることにより,日本や世界における研究開発の大きな動向を掴むことができるだけでなく,情報の調査・分析・取りまとめ・報知の方法を考える上でも参考になると思います。(INFOSTA会誌経営委員会委員長 小野寺夏生)
著者
渡邊 慎吾 須賀 康平 小野 修 江川 廉 茂木 崇宏 櫻井 佳宏 小関 忠樹
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会 東北ブロック協議会
雑誌
東北理学療法学 (ISSN:09152180)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.66-73, 2018-09-01 (Released:2018-09-14)
参考文献数
27

脳卒中後の痙縮は,運動機能の回復を阻害する可能性を有することから,早期に痙縮発症の要因を同定することが重要であると考えられる。そこで,本レビューは脳卒中後早期の痙縮発症の予測因子を調査することを目的とし,論文レビューを実施した。データベースはPubMedを用いた。論文検索は,“spasticity”,“post stroke spasticity”の2つの用語に“stroke”,“cerebrovascular accident”,“CVA”,“predictors”,“risk factors”を組み合わせて実施した。すべての検索は2017年5月22日までに終了した。最終的に15編の論文が採用された。痙縮発症の予測因子は,運動機能に関する報告が最も多かった。その他に,感覚機能,疼痛,年齢等の患者属性,臨床経過および脳の損傷部位が挙げられた。痙縮発症の要因を早期に同定し,リハビリテーションおよび薬物治療を実施することは,さらなる運動機能の回復や介護負担の軽減および治療コスト削減をもたらす可能性がある。
著者
小野里 美帆 川本 拓海
出版者
文教大学
雑誌
教育学部紀要 = Annual Report of The Faculty of Education (ISSN:03882144)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.189-199, 2017-12-20

怒りの感情調整が困難な7歳のADHD児に対し,通常学級において,行動調整及び怒りの感情調整に関わる支援を実施した.支援においては,行動及び感情の自覚化を目的とし,怒りのイメージの図式化・言語化を促した.また,対象児と決めた1日の目標の遂行結果を振り返ることや,感情が暴発した際に,状況の振り返りを行うことを通して,自発的な感情調整を試みるようになった.大人の援助による行動及び感情の自覚化の重要性と支援可能性が示唆された.
著者
元井 沙織 小野寺 敦子
出版者
目白大学
雑誌
目白大学心理学研究 = Mejiro Journal of Psychology (ISSN:13497103)
巻号頁・発行日
no.15, pp.53-64, 2019-03-31

本稿では,日本における片づけについて先行研究を概観し,片づけにおける研究の課題について考察する。保育・家政学の分野における片づけ,発達障害・精神疾患と片づけの関連,情報処理における片づけ支援の観点から,それぞれの先行研究について概観した上で,今後の片づけに関する研究の展望を論じた。全体を概観して捉えられる研究の動向の特徴としては,まず一つ目として,片づけを促すための方策や支援を提案した研究がどの観点においても見られることである。「どうすれば片づけられるのか」という視点は,片づけの研究において中核をなすものだといえるだろう。二つ目は,片づけを,個人を理解するための指標として活用できる可能性を示唆する研究が見受けられることである。子どもの発達の状態を理解するために,片づけは指標となると考えられる。現状として,片づけに関する研究は保育における研究が多い。今後は,幼児期以降の片づけに関する研究が進められることが望まれる。
著者
元井 沙織 小野寺 敦子
出版者
目白大学
雑誌
目白大学心理学研究 = Mejiro journal of psychology (ISSN:13497103)
巻号頁・発行日
no.15, pp.53-64, 2019

本稿では,日本における片づけについて先行研究を概観し,片づけにおける研究の課題について考察する。保育・家政学の分野における片づけ,発達障害・精神疾患と片づけの関連,情報処理における片づけ支援の観点から,それぞれの先行研究について概観した上で,今後の片づけに関する研究の展望を論じた。全体を概観して捉えられる研究の動向の特徴としては,まず一つ目として,片づけを促すための方策や支援を提案した研究がどの観点においても見られることである。「どうすれば片づけられるのか」という視点は,片づけの研究において中核をなすものだといえるだろう。二つ目は,片づけを,個人を理解するための指標として活用できる可能性を示唆する研究が見受けられることである。子どもの発達の状態を理解するために,片づけは指標となると考えられる。現状として,片づけに関する研究は保育における研究が多い。今後は,幼児期以降の片づけに関する研究が進められることが望まれる。
著者
小野 亮
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本年度は、マウスの皮下に作成した癌腫瘍にプラズマを照射したときに、どのような経路でマウスの癌に対する免疫が活性化しているかを調べるため、プラズマ照射した癌腫瘍の病理解析を行った。マウスの皮下に皮膚癌メラノーマB16F10細胞を注射して腫瘍を作成し、そこにナノ秒パルスストリーマ放電を照射した。その後に腫瘍を切除し、細胞染色とフローサイトメトリーを用いて解析を行った。その結果、プラズマを照射した腫瘍には、免疫の活性化を表すキラーT細胞の発現を示すCD8と呼ばれる細胞表面マーカーが多く観測された。これは、プラズマ照射によって免疫が活性化したことを表す一つの証拠となる。フローサイトメトリーを用いた病理解析は今年度開始したばかりであるが、この手法を導入したことで、プラズマ照射による抗腫瘍効果のメカニズムを解明するための手段を獲得することができた。本年度は、メラノーマ以外の種類の癌に対するプラズマの効果の有無を調べる実験も開始した。具体的には、マウスの大腸癌細胞CT26をマウスに皮下注射して、先のメラノーマと同様にナノ秒ストリーマ放電を照射する実験を行った。本年度は、CT26の腫瘍の成長度合いやプラズマ照射後の影響をおおまかに見る予備実験を行ったため、来年度から本格的な実験を開始する予定である。動物実験以外に細胞実験も行った。プラズマのどの活性種が細胞に影響するかを調べるため、我々が開発した真空紫外光法とよばれる手法で所望の活性種を生成し、これを培養した癌細胞に照射した。その結果、H2O2の培養細胞に対する効果を定量的に測定することができた。プラズマの活性種をレーザー計測する実験も行った。プラズマ医療に用いられるストリーマ放電とヘリウムプラズマジェットに対して、プラズマ医療で重要と考えられているOHラジカルの密度をレーザー誘起蛍光法で測定した。
著者
小野寺 謙 野呂 文行
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.1-13, 2006-05-31 (Released:2017-07-28)
被引用文献数
3

自閉性障害の小学生2名を対象に、見本刺激と比較刺激に対する反応分化手続きの導入が見本合わせ課題の獲得を促進するかどうかについて検討した。研究1では、児童1名に対して、絵-ひらがな単語間の見本合わせ課題に関して、反応分化手続きを導入した。その結果、比較刺激に対する反応分化手続きの導入が効果を示す一方で、見本刺激に対する反応分化手続きは促進効果を示さなかった。研究2では、児童1名に対して、カテゴリー弁別の課題において反応分化手続きを導入した。その結果、見本刺激と比較刺激の両刺激に対する反応分化手続きの導入によって、見本合わせが成立した。反応分化手続きの促進効果について、見本合わせ課題の下位スキルである、見本刺激の継時弁別および比較刺激の同時弁別の成立という観点から考察を行った。
著者
松坂 昌宏 小林 豊 萩原 紫織 望月 真太郎 高田 正弘 井出 和希 川崎 洋平 山田 浩 諏訪 紀衛 鈴木 高弘 横山 美智江 伊藤 譲 北村 修 小野 孝彦 米村 克彦
出版者
一般社団法人 日本腎臓病薬物療法学会
雑誌
日本腎臓病薬物療法学会誌 (ISSN:21870411)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.15-27, 2017 (Released:2018-04-19)
参考文献数
10

静岡腎と薬剤研究会は腎臓病薬物療法について学習する機会が限られていた静岡県の病院・薬局薬剤師の取り組みの現状を把握し、課題を見出すためにアンケート調査を行った。対象は第1回静岡腎と薬剤研究会に参加した病院・薬局薬剤師とした。アンケートは多肢選択式20問とし、腎機能評価や疑義照会の他、処方箋やお薬手帳への検査値の記載に関する質問を作成した。回答者は病院薬剤師42名、薬局薬剤師20名の合計62名であった。調剤時の処方鑑査の際に腎機能を表す検査値を確認する薬剤師は53名(85%)であり、薬物投与量を確認する際の腎機能評価にeGFRを使用する薬剤師は40名(65%)であった。体表面積未補正eGFRを使用するのは40名中17名(43%)と半数以下であった。腎機能を評価した上で疑義照会をしている薬剤師は48名(77%)であり、病院薬剤師42名中37名(88%)に対して薬局薬剤師20名中11名(55%)と異なっていた。その理由に検査値の入手方法と確認頻度に違いがみられ、病院薬剤師38名(90%)が検査値をカルテから入手するのに対し、薬局薬剤師18名(90%)は患者から入手していた。確認頻度では薬局薬剤師15名(75%)が検査値を入手できた時に確認しており、腎機能評価が不定期に実施されていた。疑義照会内容は過量投与が48名中45名(94%)と最も多く、薬物相互作用は7名(15%)と少なかった。処方箋に腎機能を表す検査値の記載を希望する薬局薬剤師は20名中17名(85%)であり、検査値を記載している施設の病院薬剤師は42名中7名(17%)であった。お薬手帳に検査値の記載を希望する薬局薬剤師は13名(65%)であったが、検査値を記載している施設の病院薬剤師は3名(7%)と少なく、病院薬剤師の取り組みが進んでいないことが明らかとなった。以上の結果から、地域の腎臓病薬物療法の質的向上には、腎機能評価に関する研修会の実施や薬局薬剤師が検査値を入手しやすいように薬薬連携の推進を図ることが重要である。
著者
加藤 直志 小島 千枝子 小野 高裕 近藤 重悟
雑誌
リハビリテーション科学ジャーナル = Journal of Rehabilitation Sciences
巻号頁・発行日
no.9, pp.27-38, 2014-03-31

本研究では,"綿チップ押しつぶし" 課題の有用性について検討した.第1実験では,嚥下障害者を含む102 名を対象に"綿チップ押しつぶし" 課題後の綿球のつぶれ具合とJMS 舌圧測定器の最大舌圧の相関分析,回帰分析を行い,綿球のつぶれ具合で舌圧を推測できるかを調べた.第2実験では,健常若年者20 名を対象に,綿チップ押しつぶしを教示に用いた嚥下(MS),Effortful swallow(ES),普通嚥下の舌圧発現様相を比較し,嚥下課題の教示に用いることの有効性を調べた.その結果,第1実験では,舌圧=12.117 + 67.961 ×綿球水分変化量の回帰式が得られ(R2 =0.568),第2実験では,MS はES とほぼ同等に舌圧持続時間と舌圧最大値が高値を示し,さらに,MS では綿チップの押しつぶし課題でターゲットとした部位の舌前方部(Ch1)の舌圧発現が他測定点より有意に早く,Ch1の舌圧持続時間はES より有意に延長した.以上のことから,"綿チップ押しつぶし" 課題は,嚥下訓練において多彩な訓練ツールとして用いることができることが示された.
著者
久保 晃 石坂 正大 貞清 香織 小野田 公 屋嘉比 章紘 原 毅 伊藤 晃洋 小林 薫 沢谷 洋平
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.719-722, 2019 (Released:2019-10-28)
参考文献数
6
被引用文献数
1

〔目的〕入試区分の相違による新入生の志願理由の違いを明らかにすること.〔対象と方法〕2018および2019年に国際医療福祉大学理学療法学科に入学し,協力の得られた199名とした.19項目の志願理由を「とても思う」,「思う」,「思わない」,「全く思わない」の4件法で調査した後,最重要項目を抽出させ入試区分との関連性を検討した.〔結果〕多くの項目で有意差が認められ,専願入学者で肯定的回答率が高かった.最重要項目上位3項目とその順位は専願および併願入学者で一致していた.〔結語〕専願と併願入学者の間には,多くの志願理由項目で有意差が認められ,志願の理由や重みづけが異なることが示唆された.