著者
小林 直人 赤松 幹之 内藤 耕 藤田 茂 小野 晃
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.55, no.10, pp.722-734, 2013
被引用文献数
1

2008年に第2種基礎研究を中心とした原著論文を掲載する学術誌「Synthesiology(シンセシオロジー)–構成学–」が創刊された。Synthesiology(シンセシオロジー)に掲載される研究論文は,研究開発がめざした目標,それを実現するためのシナリオ,シナリオを実践するための要素技術の選択と統合の方法,研究成果などを明確に述べることが求められている。本稿では,この学術誌がめざした理念や,発刊に至った経緯,発刊の趣旨などを述べた後,実際に掲載された70編の論文を対象にして,構成の方法論を分析した結果を紹介した。全体として,共通の構成方法として,「技術的な構成」とも呼ぶべき方法論が重要であり,さらに研究成果を社会に導入していくためには,「社会導入に向けた構成」と呼ぶものを連続して起こす必要があることが明らかになった。また,今後はさらにシナリオの構成方法とその使用,役割についても詳細に分析を進めていくことの重要性が認識され,これらを含む本学術誌の今後の課題についても言及した。
著者
小野 昌延
出版者
弁理士会
雑誌
パテント (ISSN:02874954)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.p29-34, 1983-03
著者
小野 聡
出版者
東京工業大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

2012年度は本研究計画の最終年度であり、研究計画で位置づけられるところの「事例研究」の取りまとめが行われた。これは、2011年度より行われていた、京都市などにおける再生可能エネルギー普及のための市民団体の役割分析、および埼玉県小川町における有機農業を中心とした民間主導のまちづくりの取り組みの分析を中心に行われたものである。また、掲載されるのは2013年度となってしまうが、研究計画1年目より推進してきた、愛知県日進市における調査結果を元に、環境基本計画の推進における市民ネットワークの機能分析についても取りまとめられた。京都市および神奈川県における研究では、再生可能エネルギーの普及促進に取り組む市民団体は、行政の掲げる政策方針に応じて活動内容や資源調達の方法を変化させていたが、その方法として共通しているのが政策提案のネットワークを自ら形成しているということであった。また、小川町における研究では、創成期に活動した1人の農家を中心として有機農業を支援するコミュニティの輪が広がっていったが、そこには有機農業支援の担い手教育のシステムが組み込まれていたことが確認された。そして、日進市における研究では、設立当初はごみ問題、流水域の緑地保全、農業問題などといった分野横断的に計画を総合的に推進してゆくことを目的としたNPO団体であったが、徐々に各分野内での事業連携を行う上での拠点へと機能が変容していったことが明らかになった。
著者
港屋 浩一 小野 高幸 佐藤 夏雄 巻田 和男 芳野 赳夫
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.113-147, 1994-07

オーロラの位置, 形および動きに関する南北共役性の解析を行うためにオーロラ画像処理システムの開発を行った。本システムは以下の3点で重要な特徴をもっている。1)本システムにより, 大量の画像データを高速かつ効率的に解析できる。2)磁気座標展開図およびオーロラダイナミック表示図により, オーロラの位置, 形および動きに関する南北比較が容易である。3)昭和基地とあすか基地の画像を合成することにより広範囲のオーロラ像を確認することができる。本システムを用いた実データ解析として, 1991年9月9日∿10日, 昭和基地, あすか基地, Husafellの3点同時に観測されたSITオーロラTVカメラデータに適用してみた。
著者
大地 信彰 稲永 隆 平方 秀樹 名西 史夫 小野山 薫 藤島 正敏 王 幸則 三井島 千秋 藤見 惺
出版者
社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析療法学会雑誌 (ISSN:09115889)
巻号頁・発行日
vol.19, no.11, pp.1069-1074, 1986-11-28 (Released:2010-03-16)
参考文献数
26

蛋白同化ステロイド剤の1つであるmepitiostaneを貧血治療薬として, 33例の安定透析例を対象に使用した. 本剤投与前6ヵ月間におけるHt値の自然変動を各症例毎に調べ, その平均値および標準偏差値SDを求めた. 本剤投与前のHt値より, 投与後4 S D以上Htの上昇を認めた症例を有効群, それ以外を無効群とし, 各群間におけるBUN, 血清鉄等各パラメーターの経時的推移を比較検討した. さらに, 透析患者にみられる続発性副甲状腺機能亢進症が, その造血効果に及ぼす影響について検討を加えた. mepitiostaneは10mgないし20mgを朝, 夕の分服とし, 4ヵ月間連日経口投与した.結果: 1. 有効群ではHt値は投与1ヵ月後より有意に上昇し, 平均で4.6%増加した. 同時に血清Creat値の上昇, BUN値の低下等蛋白同化作用に基づくと考えられる変化がより強くみられた. 2. 有効群では貧血改善に伴い血清鉄が有意に低下した. これは鉄利用亢進に基づく変化と考えられ, 鉄剤の併用で本剤の貧血改善効果がより増大する可能性が示唆された. 3. 透析患者にみられる続発性副甲状腺機能亢進症が, 本剤の造血効果を抑制している可能性が示唆された.
著者
小野 正嗣
出版者
明治学院大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

コンゴ出身の振付家フォスタン・リニエキュラの舞台作品『ベレニスと訣別するために』と『Cargo』を分析し、植民地支配、とりわけ言語支配が、被植民者の人々の現在のアイデンティティ形成に深い影響を及ぼしていることを明らかにした。また、レバノン出身のフランス語圏作家アミン・マアルーフの著作の詳細な読解から、この作家の文明論的考察が、今日の世界、とりわけ西洋とアラブ世界の対立を理解する上できわめて有効であることを明らかになった。
著者
羽渕 裕真 大内 浩司 小野 文枝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WBS, ワイドバンドシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.374, pp.11-14, 2004-10-18
参考文献数
1

2004年8月30日(月)から2004年9月2日(木)まで、8th IEEE International Symposium on Spread Spectrum Techniques and Applications, ISSSTA2004(第8回スペクトル拡散技術と応用に関する国際シンポジウム)がオーストラリア、シドニーのソフィテルウエントワースホテルにて開催された。発表件数は196件、プレナリ講演は5件であった。本橋では、本国際会議の参加報告と本国際会議の近年の動向についての報告がなされている。
著者
小野田 鶴
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.290, pp.76-79, 2008-11

不動産開発などを手掛ける都市デザインシステム(東京都渋谷区)が、8月29日、東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請した。負債総額は203億7500万円。 同社は近年、投資ファンド向けに賃貸マンションなどを開発、販売する事業を主力に急成長していた。2008年3月期の売上高は160億2800万円。その「9割以上が不動産開発によるものだった」(元社員)という。
著者
石塚 成宏 小野寺 真一
出版者
一般社団法人日本土壌肥料学会
雑誌
日本土壌肥料學雜誌 (ISSN:00290610)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.1-7, 1997-02-05
参考文献数
31
被引用文献数
19

In order to determine processes of decreasing nitrate concentration in shallow groundwater in a forest on a suburban upland, we investigated the spatial distribution of δ^<15>N values of nitrate and nitrate concentrations in groundwater and soil water on Joso Upland, 60 km northeast of Tokyo. The water samples were collected at four plots along the direction of groundwater flow, which existed in farm land, forest, the boundary between farm land and forest, and grassland near a spring, respectively. Soil water samples were collected at depths of 0.2 m, 1 m and 3 m in the forest. The nitrate concentrations of shallow groundwater in farm land, forest and grassland were from 8 to 11, 6 and 2 mg L^<-1>, respectively. The nitrate concentration of shallow groundwater remarkably decreased throughout the forest. This suggested dilution of shallow groundwater with soil water which had a lower nitrate concentration. The δ^<15>N values of shallow groundwater in the forest (12 ‰) and grassland (more than 14 ‰) were higher than those of the shallow groundwater in the farm land (6 ‰), and the soil water in the forest (about 2 ‰). These results indicated that the nitrate concentration decreased not only by the dilution process with soil water, but also by the denitrification process of shallow groundwater in the forest and grassland.
著者
小野 恭靖
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. 1, 人文科学 (ISSN:03893448)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.111-114, 2013-02

『梁塵秘抄』巻二(天理図書館蔵)は江戸期の転写本であるが、その原本は室町時代の連歌師正韵の筆写本であった。正韵をめぐってはその事績を以前に紹介したことがある。その折、正韵の書写活動として「詠百首和哥(宗仲・重誠)」、武田本『伊勢物語』、並びに古筆切二種について言及しておいた。このうち二種の古筆切はいずれも正韵を伝称筆者とする『源氏物語』切と『後撰和歌集』(秋部中巻)切である。ところで、このほど正韵を伝称筆者とする新たな古筆切二種の存在を確認した。それは本稿で紹介する新出の『後撰和歌集』(慶賀・哀傷部)切と『千載和歌集』切である。Syoin(正韵) transcribed "Ryojin Hisyo"Vol.II(『梁塵秘抄』巻2) in the Muromachi era. I introduced Syoin in another report before, in which I referrd to his transcripts, such as "Ei Hyakusyu Waka"by Soucyu and Jyusei(『詠百首和哥(宗仲・重誠)』), "Ise Monogatari"possessed by the House of Takeda(武田本『伊勢物語』), and two kinds of the kohitsugire (pieces of the old books). In this report I newly introduce two kinds of another kohitsugire which are a piece of "Gosen Wakasyu"(『後撰和歌集』)and a piece of "Senzai Wakasyu"(『千載和歌集』).