著者
石川 徹夫 床次 眞司 米原 英典 福津 久美子 山田 裕司
出版者
日本保健物理学会
雑誌
保健物理 (ISSN:03676110)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.329-338, 2001 (Released:2010-02-25)
参考文献数
21
被引用文献数
13 16 16

To estimate dose from radon progeny, the effective dose per unit exposure to radon progeny (dose conversion factor, DCF) is needed. A dominant parameter related to DCF is the activity size distribution of radon progeny. In the present study, the DCF was calculated in the wide range of particle diameters (0.5-20nm [AMTD] and 20-5, 000nm [AMAD]), using a dosimetric approach. The calculations were based on a computer program, LUDEP, which implements an ICRP66 respiratory tract model. The calculated results showed that the DCF is sensitive to particle size distribution. The DCFs calculated for reference conditions in mines and homes were 13.7mSv WLM-1 and 14.3mSv WLM-1, respectively. These values were in good agreement with those reported in a few references. The DCF calculated in the present study is useful for the dose assessment of radon progeny in places that have different aerosol characteristics.
著者
山田裕子 平野貴幸 西本一志
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.1392-1403, 2003-05

オンラインチャットは、現在最も広く利用されているネットワーク上でのコミュニケーション手段の1つである。しかし、そこでは基本的に文字情報しかやりとりできないため、非言語情報が欠落してしまう。この結果、同じ文であっても、その発話者がどんな心境や状況でその発話をしたのかが不明瞭となってしまう。そこで本研究では、オンラインチャットで必ず行われ、かつ最も自然な行為である「打鍵」に着目する。これは、打鍵行為に各種の対話状況が表出されると思われるからである。そこで打鍵によって生じる振動を対話相手に伝達し、触覚情報として提示することにより、対話状況アウェアネスを伝え合うことを試みる。プロトタイプシステムであるTangibleChatを用いた実験の結果、振動の伝達によって複数の話題の同時進行が減少し発話順序交代が円滑化すること、および、感情が伝達される可能性があることを確認した。 : An on-line chat is a typical communication medium that is widely used. However, it can usually transmit only verbal information. Therefore, there is lack of non-verbal information. Consequently, it is hard to exactly know the situation of conversation at remote locations. In this study, we focused on “Key-stroke” that is taken necessarily in an on-line chat, because it is considered key-stroke-act expresses some conversation-situation. We developed “TangibleChat” that conveys the conversation-context-awareness mutually by transmitting vibration that is naturally produced by the key-stroke -act in the on-line chat to a dialog partner, and by displaying it as tactile information. Based on experimental results, we confirmed that simultaneous progress of two or more topics decreased and that smooth turn-taking was achieved by using TangibleChat. Moreover, we also confirmed that some emotional status can be conveyed by TangibleChat.
著者
石崎 昌夫 本多 隆文 山田 裕一 中川 秀昭 櫻井 勝 櫻井 勝
出版者
金沢医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

欠勤日数・回数は低職位群が高職位群より多く、この職位による傾斜は強固なものであった。また、短期間欠勤はその内容によってはストレスコーピングの役割を果たしていると思われた。自己評価による仕事パフォーマンスは職位よりも仕事要求度といった職場環境に強く影響されると考えられる。
著者
副田 あけみ 山田 裕子
出版者
東京都立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

東京都の単独事業である子ども家庭支援センター事業は、現在17の区市で実施されている。本調査対象とした府中市子ども家庭支援センターしらとりは、支援センター事業と子ども家庭在宅サービス事業とを統合的に実施し、総合的な子育ての支援センターとして機能するとともに、家庭が問題を抱えてしまわないよう、予防福祉の機能を担っていることが、利用者データの分析、資料の検討、面接調査等の結果、明らかとなった。(1)電話相談の件数は年間約300件であるが、相談者も「専業主婦」、「共働き世帯の母親」、「母子世帯の母親」、「父子世帯の父親」、「子ども本人」、「親戚・知人」等と多様であるだけでなく、相談内容も「出産時や病気時の子どものケア]、「育児不安」、「子どもの躾・健康」、「残業時の子どものケア」、「ドメステック・ヴァイオレンス」、「性の悩み」等々幅広く、地域の子ども家庭に対する総合的な相談機能を果たしている。(2)相談者に対するきめ細かなアセスメントとサービス援助計画の作成、サービス利用者と提供者へのサポート活動というケースマネジメントサービスを、相談者の約35%に提供している。(3)ショートステイは「専業主婦」の「出産」や「病気」時等における一時保育サービスとして、トワイライトは「母子世帯」や「父子世帯」、「共働き世帯の母親」の「遅い終業」や「残業」、「出張」時等における夜間保育サービスとして機能し、交流事業は「専業主婦」に対するストレス緩和と予防相談の機能を果たしている。(4)ショートステイやトワイライトのサービス提供を通して、職員は夫婦間等のコミュニケーションや相互支援の促進援助を図ったり、親子、とくにひとり親家庭の親と子どもとの関係の調整援助を行い、ファミリーソーシャルワーク機能を果たしている。
著者
村山 正治 山田 裕章 峰松 修 冷川 昭子 亀石 圭志
出版者
九州大学
雑誌
健康科学 (ISSN:03877175)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.45-57, 1984-03-30
被引用文献数
2

Murayama et al. selected 60 items as Self-Actualization Evaluating Scale. It has ten sub categories ; acceptance of present-self, achievement orientedness, way of positive life, self assertion, genuiness, integration of bipolarity, separatness, obsessiveness, self-directedness, acceptance of weakness. Each category consists of 5〜8 items. Next shows comparison between 10 subscales of POI and 10 categories of "Self Actualization Evaluating Scale". The profile of categories for individual row scores were caluculated by personal computer. The Self-Actualization-Scale(SEAS) inventry and a formatting program were presented.
著者
加藤 博史 小澤 亘 小川 栄二 マーサ メンセンディー 山田 裕子 石川 久仁子 牧田 幸文 森田 ゆり
出版者
龍谷大学短期大学部
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

在日コリアンや中国からの帰国者は、言葉や習慣の壁を持って地域で生きている。中でも、高齢者、障害者は特別な生活支援が必要であり、その充実の方策を探る調査を京都市において行った。調査の結果、「福祉関係者を知っている人」は、日本人43%、コリアン32.6%、中国帰国者20%、「不幸感をもつ人」は、日本人6.4%、中国帰国者10%、コリアン20%であった。また、「幸福感をもつ人」は、日本人44.5%、コリアン35.7%、中国帰国者10%であった。その他のデータからも、日本に暮らす外国籍の人や外国の風習を身につけた人たちの生活支援の必要性と地域の人たちとつなぐ機能の必要性を明らかにしえた。
著者
山田 裕巳 Yamada Hiromi
出版者
Waseda University
巻号頁・発行日
2003-03

制度:新 ; 文部省報告番号:乙1773号 ; 学位の種類:博士(工学) ; 授与年月日:2003/3/6 ; 早大学位記番号:新3561
著者
山田 裕子
出版者
The Japanese Association of Sociology of Law
雑誌
法社会学 (ISSN:04376161)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.53, pp.195-209,250, 2000-12-20 (Released:2009-01-15)
参考文献数
34

This study aims to clarify (1)whether the public and a victim of a crime might make different assessments, and (2)whether apologies of perpetrators might reduce such discrep-ancies. One of six scenarios was assigned to each subject, and the public and the victim, and levels of apology were manipulated. Each subject was required to rate the responsibility of the perpetrator. Analysis of variance revealed the effects of interaction between the public and a victim, and the apology, and indicated that an apology by the perpetrator reduced the discrepancy of the assessment between the public and a victim. Path analysis on the process of responsibility assessment suggested that apologies by the perpetrator improved the victim's assessment of "negligence of perpetrator" and "anger to perpetrator".
著者
山田 裕一 宮崎 康支
出版者
松本短期大学
雑誌
松本短期大学研究紀要 (ISSN:09107746)
巻号頁・発行日
no.32, pp.49-60, 2022-03

幼児教育・保育者向け指南本(いわゆる「ハウツー本」)のテクスト分析を通して、障害児教育・保育における環境づくり、言葉がけ、そして人間関係についての射程を明らかにした。一般の幼稚園・保育園において障害児や医療的ケア児等の受入を一般化しようという社会的潮流と、それに伴う制度的変遷などを受け、保育所・幼稚園の保育者においては障害児保育等に関する学習やスキル向上の必要性に駆られている。研修以外の有力な学習方法の選択肢として指南本があり、その分析を通して伝達されうるメッセージを検討した。特に国が示すあるべき保育のあり方や障害者権利条約および障害者差別解消法施行に伴う、障害の社会モデルの考え方がどのように反映されているのかについて、2冊各2版の指南本において環境づくり・言葉がけ・人間関係に関する論点について分析・検討した。その結果、指南本における指導の射程として保育の多様性や子どもの理解、そしてユニバーサルデザイン等の理念を掲げて伝達されていた。一方で、個別の言語・図像表現と全体的な内容が子どもの医学的・個人的理解に傾斜しているように読み取れた。これはイラストや図を用い、わかりやすさや手に取りやすさを重視した指南本の限界である可能性がある。今後の研究課題としては、こうした指南本に幼児教育・保育の政策がどのようにして言語・図像において表現され、それが如何にして読者に解釈されうるか、また指南本では伝わりにくい子どもの多様性を大切にする保育のあり方や社会モデルの哲学・理念をどう伝えていくかという点になる。(著者抄録)
著者
薬袋 淳子 野末 波輝 山田 裕加 福澤 大樹 橋本 廣子 成 順月 舩戸 恵子
出版者
一般社団法人 日本在宅薬学会
雑誌
在宅薬学 (ISSN:2188658X)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.3-10, 2022 (Released:2022-04-25)
参考文献数
14

要旨:本研究は,地域在住高齢者が認知症に移行しないことを目指して,地域包括支援センターと連携し,MCIの早期発見および回復に向けた取り組みを行う.方法は,日本の高齢者を対象に認知症関連リスク要因を検証した研究をシステマティックレビューし,その要点をチェック表にまとめ,本研究参加者約300名に1年間実施してもらう.同時にタッチパネルを用いて認知機能得点の変化を把握する.結果を分析し,取り組みの成果をまとめていく.認知症を薬により根本から治すことが確立されていない現在,地域在住高齢者が認知症に移行しないことが最重要となる.また,MCIからの回復が見込めない場合は,域包括支援センターに繋げていく仕組みを作る.これらの流れについて,本総説で概説する.
著者
山田 裕子 前島 伸一郎 片田 真紀 阿部 泰昌 爲季 周平
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.244-250, 2007-09-30 (Released:2008-10-01)
参考文献数
29
被引用文献数
1 1

脳梗塞による右大脳半球損傷で失語症を伴わない口腔顔面失行を呈した症例を報告した。症例は64 歳の右手利きの男性で,左手利きの家族性素因はなかった。神経学的には顔面を含む左片麻痺と左半身の感覚障害を認めた。神経心理学的には,口腔顔面失行,左半側空間無視,注意障害,構成障害を認めた。失語症や観念失行,観念運動失行はなかった。頭部MRI では右中大脳動脈領域の広汎な梗塞巣が認められた。本症例の言語機能は左半球優位に,口腔顔面の随意運動に関する機能は右半球優位に側性化されている可能性が示唆された。一般的に口腔顔面失行は失語症に伴うことが多く,発語に関する半球に密接に関連すると考えられているが,言語と口腔顔面の随意運動に関する神経機構は互いに独立して存在しうるものであると考えられた。また失行の中でも口腔顔面と上肢の行為の神経機構は異なる半球間に側性化されていると考えられた。
著者
山田 裕一 Yong CHOI Ki Joong KIM Ja Wook KOO Il Soo HA 後藤 治子 小笠原 信明
出版者
一般社団法人 日本痛風・核酸代謝学会
雑誌
プリン・ピリミジン代謝 (ISSN:09162836)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.13-21, 1995 (Released:2012-11-27)
参考文献数
19

Hypoxanthine guanine phosphoribosyltransferase(HPRT)が先天的にほぼ完全に欠損するとLesch-Nyhan症候群となる.Lesch-Nyhan症候群韓国人5家系におけるHPRT変異遺伝子を,ゲノムDNAの分析とRT-PCRによるmRNAの分析の2面から解析し,2例の新しい変異(533-9T→A,631delA)と3例のすでに報告のある変異(310insG,Q109X,289delGT)を同定した.また,Q109X,289delGTにおいては,すでに報告のある異常mRNAのほかにスプライシング異常から生じるエクソンスキップのある異常mRNAの存在を確認した.すべての家系において保因者診断を,2家系においては変異遺伝子の出生前診断を行なった.
著者
松木 浩子 森合 博一 小林 英樹 山田 裕輔 鈴木 妙子 竹村 真一 鈴木 勝男 野沢 佳弘
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.418-422, 2014-07-25 (Released:2014-09-10)
参考文献数
9

症例は29歳,男性,左側腹部から背部にかけての疼痛を主訴に当院受診.胸腹部CTにて腹腔内に多数の結節とリンパ節腫大,右胸水,腹水を認め,PET-CTで腹膜,胸膜に高度のFDGの集積を認めた.血清CEA,CA125,可溶性IL-2レセプター抗体が上昇していた.癌性腹膜炎,悪性リンパ腫,悪性中皮腫,結核性腹膜炎などとの鑑別を要したが,確定診断が得られず腹腔鏡下腹膜生検を施行した.大網,腹膜及び肝表面に白色の小結節が多数認められ,大網は腹壁に癒着していた.術中迅速病理診断にて,乾酪壊死とLanghans巨細胞を伴う類上皮性肉芽腫を認めたことから,結核性腹膜炎と診断した.結核性腹膜炎は稀な疾患で,臨床像および検査結果から癌性腹膜炎との鑑別が困難であるが,腹腔鏡下腹膜生検の術中迅速病理診断が有用であった.
著者
田路 則子 鹿住 倫世 浅川 希洋志 林 永周 福嶋 路 牧野 恵美 山田 裕美 五十嵐 伸吾
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

日本人の起業意思の低さは国際調査に表れており、成人対象のGEM調査ではドイツに次ぐ低さ、大学生対象のGEUSSSでは最下位である。現状では、起業意思を高める教育に政策関心が向けられ始めたばかりであり、実際の起業にどうつながるかを想定する段階にはない。文科省のEDGE事業と4国立大学の認定VC事業とはリンクしていないが、東京大学のAI関連のスピンオフに見られるように実態は先行している。そこで、起業家教育とアカデミック・スピンオフをリンクするものとして研究対象にする。EDGE採択校における起業家教育を試行段階と捉え、スウェーデンの教育と輩出されるスピンオフの先進事例とを対比しながら研究を進めたい。
著者
渡辺 雄二郎 鈴木 憲子 山田 裕久 藤永 薫 小松 優
出版者
日本イオン交換学会
雑誌
日本イオン交換学会誌 (ISSN:0915860X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.75-81, 2013 (Released:2013-09-20)
参考文献数
15
被引用文献数
2 3

福島第一原子力発電所の事故により,環境中に放出された放射性セシウムは多くの生態系に深刻な影響をもたらしている。この放射性セシウムの回収及び固定化材としてゼオライトが注目されている。我々はイオン交換法によって様々なカチオン種を含む各種ゼオライトを作製した。本研究では,これらのゼオライトのセシウムイオン吸着挙動及び,800℃~1200℃ で焼成後のゼオライトからの溶出挙動を純水と 0.6 M 塩化ナトリウム水溶液中で検討した。