著者
湊 淳一 キム ワイージェイ 山田 裕久 渡辺 雄二郎 田村 堅志 横山 信吾 チョー エスービィ 小松 優 スティーブンス ジィーダブリュー
出版者
日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物学会年会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.102, 2004

産業・生活廃水中のアンモニウムイオンは、河川や湖に富養化をもたらしている。その吸着・除去剤として安価な天然ゼオライトが注目されている。天然ゼオライトのアンモニウムイオン吸着効率は、ゼオライト種、交換性陽イオン容量、長石やイライトなどの不純物量などによって決定される。本研究では、クリノプチロナイトとモルデナイトを主成分とする韓国産の天然ゼオライトを空気分級法を用いて、異なる粒径の試料に調整した。空気分級されたそれぞれの試料は、XRD、粒径測定、SEM-EDS、ICP-MSを用いて特徴付けた。さらにそれぞれのアンモニウム吸着量の粒径依存性について明らかにしたので報告する
著者
柏原 正樹 西山 亨 行者 明彦 三輪 哲二 岡田 聡一 黒木 玄 寺田 至 小池 和彦 山田 裕史 谷崎 俊之 中島 俊樹 中屋敷 厚 織田 孝幸
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1997

この科研費による計画においては、リー群・量子群・へッケ環などの表現論を数理物理学・組合わせ論との関係から研究した。以下、各年次における活動を記す。初年度(1997)においては、特にRIMS project1997(等質空間上の解析とLie群の表現)とタイアップして計画を遂行した。このプロジェクト研究では、等質空間という幾何的観点にたった実Lie群の表現の研究に焦点をあてた。海外からのべ約40名の参加者があり国際的な共同研究・研究交流の場が提供できた。この成果は、Advanced Studies in Pure Mathematics,vol.26に発表された。1998年は、RIMS project 1998(表現論における組合わせ論的方法)とタイアップして計画を遂行した。このプロジェクト研究では、海外からのべ約25名の参加者があり、量子群・アフィンへッケ環の表現論と組合わせ論を中心にして計画を行った。1999年は、国際高等研究所と数理解析研究所において"Physical Combinatorics"の国際シンポジュウムを開催し、数理物理と関連して研究を行った。量子群の表現論、Kniznik-Zamolodhikov方程式とそのq-変形の解の性質や共形場理論の研究を推進した。その成果は、"Physical Combinatorics,Progress in Math,vol.191,Birkhauserに発表された。2000年度は、計画の最終年として"数理物理における表現論および代数解析的方法の応用"を中心とする研究成果の発表を目的として、"Mathphys-Odyssey 2001"という国際シンポジュウムを開催した。この会議録は、Birkhauser出版から出版される予定である。
著者
宇澤 達 山田 裕二 青木 昇 藤井 昭雄 黒木 玄 長谷川 浩司
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

本研究では、対称対についての研究を行った。対称対は、リー群および代数群の研究において基本的な対象である。群Gと位数2の自己同型σが対称対を与える。古典型単純リー群も、基礎体の標数が2ではないときには、一般線形群を元に、位数2の自己同型の不変元全体として定義される。したがって、標数が2ではないときには、単純リー群は有限個の例外を除いて、一般線形群の対称対として理解することができる。1)対称対の基礎理論。標数2の体の上でも、リーマン対称多様体に相当する理論が構成できることがわかった。佐武図式も定義される。標数2の体上では、位数2の自己同型の共役類の数が一般には増えることが知られている。その理由もルート系の言葉で理解することができることがわかった。2)整数環上のスキームとしての対称多様体の構成。整数環に1/2を付加した環の上での対称多様体のモデルの構成は比較的容易であるが、ここでは整数環上のスキームとしての構成ができることがわかった。3)対称多様体のコンパクト化の構成。対称多様体のコンパクト化のモデル(群Gが随伴型であるという仮定のもとに)整数環上のスキームとして構成できることがわかった。応用としては、標数2の体上では、5個の2次曲線と接する2次曲線の数が51と、標数が2ではないときの1/64となっていることの説明がある。4)ルスティックによって定義された指標層に対してラングランズ対応を定義することができることがわかった。群ではなく、より一般の対称対に対してもラングランズ対応を研究することは、ジャッケの相対跡公式ともあわせて大変興味がある問題である。5)対称対と整数論の関係。対称対に関連して、エプシュタインのゼータ関数が定義され、その特殊値についての結果が得られた。また、群と対極にある対称対に付随して、楕円曲線の族があらわれる。楕円曲線の族に関する結果も得られた。6)数理物理との関係。対称対としてあらわれるアフィンリー環についての知見が得られた。
著者
今岡 達彦 勝部 孝則 川口 勇生 臺野 和広 土居 主尚 中島 徹夫 森岡 孝満 山田 裕 王 冰 神田 玲子 西村 まゆみ 二宮 康晴 村上 正弘 吉永 信治 柿沼 志津子
出版者
日本保健物理学会
雑誌
保健物理 (ISSN:03676110)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.68-76, 2017 (Released:2017-07-29)
参考文献数
3
被引用文献数
4

Strategic research will be needed to unveil the uncertainty regarding the health effect of radiation at low dose and low dose rate. Recently, the National Council on Radiation Protection and Measurements (NCRP) published Commentary No. 24 dealing with the perspective of integrating radiation biology and epidemiology to address this issue. Results of radiation biology have not been effectively used for radiation risk assessment because 1) available epidemiological studies based on direct observation of human population have been considered to be the most relevant despite their uncertainties and 2) biological studies have not been conducted with their use in risk assessment in mind. The present paper summarizes the Commentary to present perspectives on integrating biology and epidemiology for radiation risk assessment.
著者
伊藤 健一 宮原 英隆 氏家 亨 武島 俊達 横山 信吾 中田 弘太郎 永野 哲志 佐藤 努 八田 珠郎 山田 裕久
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会和文論文誌 (ISSN:13472879)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.255-271, 2012 (Released:2012-11-15)
参考文献数
27
被引用文献数
8 11

In the radiation dosimetry of radiocesium in Iitate, Fukushima, the level of radiocesium around the environment did not exceed the criteria in liquid phases such as puddle water, but was distributed in solid phases such as some soil types and organic matter. On the other hand, retting of the cut bamboo grass and hemlock fir in water allowed the release of radiocesium, about 230 Bq/kg exceeding the criteria for a bathing area. The flow-thru test using zeolite showed the removal of radiocesium from the liquid phase. The wet classification test was performed for 3 types of radiocesium-contaminated soil. According to the results of wet classification, radiocesium was detected and its level exceeded the cropping restriction level in almost all classified particle fractions. The decontamination effect of wet classification on radiocesium contamination was smaller than that on heavy metal contamination. Specifically, the wet classification could not induce volume reduction. Accordingly, preprocessing and intermediate treatments such as dispersion or attrition by vibration or mixing in the wet classification process were devised and examined as improved processing techniques. As a result, the effectual volume reduction of the radiocesium-contaminated soil was confirmed by adding an intermediate process such as the surface attrition in the vibrator.
著者
本田 瑞穂 清水 剛 清水 理恵子 永山 敦 屋ヶ田 和彦 山田 裕明 山田 宏文 山根 深一
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.117-122, 2015-03-01 (Released:2017-04-13)

新規事業の立ち上げのアプローチとして,自社の技術を組み合わせようとすることはよくあるが,実際にやろうとすると,自社に多様な技術があるにもかかわらず,その全容はつかみきれていないことが多い。本報告では,シーズからのアプローチの試みとして,自社の技術の棚卸しを行うことにより,自社技術の強み・弱みを分析し,新たな事業の提案を行うための手法を,事例を用いて検討した。(1)自社技術のコア技術の抽出の手法,(2)コア技術と他の技術の組み合わせの手法,を中心に報告する。
著者
本田 瑞穂 清水 剛 清水 理恵子 永山 敦 屋ヶ田 和彦 山田 裕明 山田 宏文 山根 深一
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集 第11回情報プロフェッショナルシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.7-11, 2014 (Released:2014-11-17)

新規事業の立ち上げのアプローチとして、自社の技術を組み合わせようとすることはよくあるが、実際にやろうとすると、自社に多様な技術があるにもかかわらず、その全容はつかみきれていないことが多い。本検討では、シーズからのアプローチの試みとして、自社の技術の棚卸しを行うことにより、自社技術の強み・弱みを分析し、新たな事業の提案を行うための手法を、事例を用いて検討した。(1)自社技術のコア技術の抽出の手法、(2)コア技術と他の技術の組み合わせの手法、を中心に報告する。
著者
奥山 泰裕 山田 裕道 池田 志斈
出版者
日本アフェレシス学会
雑誌
日本アフェレシス学会雑誌 (ISSN:13405888)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.139-144, 2008-05-31
被引用文献数
1

Toxic epidermal necrolysis (TEN) is one of the serious drug eruptions with a high mortality rate. TEN also may cause severe consequences such as visual or respiratory disorders. Therefore, immediate diagnosis and initiation of correct therapy are most important. Apheresis therapy including plasma exchange for the treatment of TEN has been approved by the National Health Insurance System in Japan from 2006, due to the accumulation of successfully treated TEN patients with apheresis. In this study, we summarized the TEN patients treated with apheresis in our country, and discussed the timing to recruit the apheresis, as well as the mechanisms of apheresis. These examinations will provide an insight into a more appropriate treatment modality for the patients with TEN.
著者
磯崎 豊 鈴木 建太朗 松山 竜三 松本 尚之 長尾 泰考 石川 剛 原田 明子 松本 貴弘 谷 知子 辰巳 嘉英 今本 栄子 安藤 貴志 小山田 裕一
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.1707-1713, 2009 (Released:2012-07-26)
参考文献数
13

クラミジア直腸炎を3例経験した.全例無症状で,便潜血反応陽性の精査の際に直腸の均一な半球状小隆起の集簇像という特徴的な内視鏡所見と直腸擦過診のChlamydia trachomatis抗原検索によって診断された.治療としてazithromycin hydrateを投与した.クラミジア直腸炎は自覚症状の乏しい症例も多く,画像所見から本疾患を疑い,適切な検査で診断・治療することが必要である.
著者
井上 義博 菊池 哲 小野寺 誠 藤野 靖久 秋冨 慎司 山田 裕彦 遠藤 重厚
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.23-28, 2013-03-28 (Released:2013-05-02)
参考文献数
4

平成23年3月11日に発生した東日本大震災は,死者,行方不明者,災害関連死を含めると2万人を超える犠牲者を出した。発災から3月31日までの3週間に我々の施設に搬送された症例は23例で,内訳は溺水による呼吸不全3例,肺血栓塞栓症,うっ血性心不全,多発外傷が各2例,クラッシュ症候群,破傷風,熱傷,腸間膜動脈損傷,凍傷,脾動脈破裂が各1例,単独損傷7例であった。この内呼吸不全の3例はいずれも3週間以内に死亡したが,他の症例は救命された。津波肺は発症病態が生物学的(微生物),化学的(油脂が主体),物理学的(砂や泥)と複雑で,微生物も特殊なものに起因するため治療に難渋したものと思われた。
著者
爲季 周平 阿部 泰昌 山田 裕子 林 司央子 種村 純
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.348-355, 2009-09-30 (Released:2010-10-01)
参考文献数
11

Action disorganization syndrome (以下ADS) を呈した脳梁離断症候群の一例を経験し,ADS の出現機序と関連領域について検討した。ADS は日常的生活の順序を多く含む動作において,使用対象の誤り,順序過程の誤り,省略,質的誤り,空間的誤りを示し目的行為が障害される。ADS は目的行為の概念は保たれるが contention scheduling system におけるスキーマの表象が誤ったり省略されたりし,さらにその誤って表象されたスキーマを supervisory attention system によって訂正できない結果,そのまま誤って表象された行為が出現する。本症例は脳梁膝から,左上・中前頭回にかけて損傷されており,過去の報告例では左右どちらか一方,または両側の上・中前頭回が損傷されていた。ADS は左右両側の広範な前頭葉領域内の損傷によって生じる可能性が考えられ,左右の上・中前頭回を結ぶ交連線維の損傷により,脳内における情報の統合障害や錯綜,注意機能や抑制機能の低下が加わることで生じると考えられた。