著者
山田 玲子 石川 保茂 宮森 吉昌 山田 恒夫 山本 誠子 水口 志乃扶 立石 浩一 伊庭 みどり 北村 美里 江口 小夜子 楊 シュイ 飯野 義一
出版者
株式会社国際電気通信基礎技術研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

音韻、語彙、構文といった様々な要素に分けて外国語の学習実験を行う環境を構築し、要素間の相互関係、特に学習の順序効果を調査した。その結果、同一処理レベル内では順序効果はなかったが、処理レベルが異なる音韻学習と語彙学習の間で有意な順序効果があり、学習初期段階に低次処理を習得することの重要性が示された。この結果に基づき、低次から高次へと習得していく「ボトムアップメソッド」を学習モデルとして提案する。また、その学習モデルの効果を最適化するためのカリキュラムモデルとして「反転学習の概念モデル」を作成し、効果があることを確認した。さらに、学習解析の手法で個別に最適化する方略について整理、考察を行った。
著者
神山 匠 山口 剛史 野澤 佑介 有坂 安弘 藤原 信里 赤木 翔 小山田 諒 金子 義郎 佐々木 祐実 合田 貴信 村山 美緒 上野 明日香 星合 愛 堀江 康人 杉村 浩之 安 隆則 川本 進也
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.7-10, 2023 (Released:2023-01-28)
参考文献数
10

【背景・目的】血液透析中のトラブルの一つに透析回路の血液凝固がある.血液と空気の接触により凝固系が活性化され血栓を形成し凝固することが一因と考えられている.エアフリーチャンバとダイアフラム型圧力測定ポットを導入した透析回路「アーチループ」(AL)は従来型回路と比べ血液と空気の接触面積低減とプライミングボリューム低減という特徴を持つ.この回路の抗凝固特性を従来型回路と比較検討した.【対象・方法】当院通院中の維持透析患者12名を対象に,ALおよび従来型回路を用いて透析を同条件下で行い,透析開始3時間後の活性化凝固時間(activated clotting time:ACT)を測定し,両群で比較検討した.【結果】ACTは,従来型回路と比べALで有意に延長した(165.1±19.0 vs 153.2±15.2秒,p=0.002).止血不良などの出血傾向増強も認めなかった.【結論】アーチループ回路により回路内凝血の減少が期待できるがその効果はまだ限定的で汎用にはさらなる改良が望まれる.
著者
山田 順之 小池 淳司
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.22-00021, 2023 (Released:2023-01-23)
参考文献数
14

我が国の国土政策は,国土の均衡ある発展を目指して進められてきたが,地方の人口減少と並行する形で都市への人口集中が続いており,地方における担い手不足や経済の停滞などが大きな課題となっている.一方,EUは我が国と比較して地方の人口減少を緩和させている.この要因の一つとして,中山間地域の主要産業である農業に対する政策の差異が考えられる.EUでは農業政策においても国土政策的な視点から地域の隔たりなく,営農に加え教育や医療へのアクセスなども確保する政策,つまり全国民が満たすべき基本的権利を尊重した政策を講じ地域間格差是正や地方への人口定着を図っている.本研究では既往研究からEUの農業政策を分析し,我が国との比較を通して,国土政策の推進に有益となる施策や枠組みを新たな視点で検討・提案した.
著者
山田 勝弘
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.713-726, 2006-11-01 (Released:2011-03-18)

平成15年1月23日に代田文彦先生は63年の生涯を全うされた。それ以後の私共は、まるで主を失った迷える小羊のような3年間であった。このたび、今学術大会において先生の足跡を辿る機会を得て、先生が示された数々の教えを「鍼灸臨床の真価」として報告する。この演題を頂いた時、偉大な先生をわたくし独りの思いで語るにはあまりに-面的であると考え、26年間にわたり日産厚生会玉川病院東洋医学研修センターで先生に学んだ方々にもご協力を頂き今回の内容になった。この講演内容は、かつて日産厚生会玉川病院東洋医学研修センターに所属し先生に学んだ18名の方々の報告、先生のご著書、学会報告など基にした先生の思い、私が演題に沿うように構成した。本大会のような公の場で先生が言い切れなかった思い、臨床の場で何気なく研修生に語りかけた先生の真実の思い、そして2000年の神戸大会の先生の遺言ともいえるような講演の一部を取り上げ纏め.上げたものである。
著者
小出 哲哉 山田 佳廣 山下 文秋
出版者
一般社団法人 日本昆虫学会
雑誌
昆蟲.ニューシリーズ (ISSN:13438794)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.18-24, 2008-03-25 (Released:2018-09-21)
参考文献数
27

コマルハナバチ創設女王を誘引し,営巣させるための簡単で効率的な誘引巣箱を考案した.この誘引巣箱は,段ボールから作り,その中に木綿綿を入れた.野外に設置した15巣箱のうち53.3%が創設女王によって利用された.綿をちぎったり,綿に穴を開けたり,あるいは糖蜜や花粉を加えても営巣率に有意差はなかった.外部からの侵入者による破壊がないと,巣箱に作られた86%のコロニーが新女王を産出した.
著者
吉国 好道 田上 八朗 松本 吉郎 井上 邦雄 山田 瑞穂 佐野 勉
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.289-295, 1985 (Released:2010-06-04)
参考文献数
5

角層へ水分をいかに効果的に補うかを目的として, 種々の外用剤が開発されている。私たちは基剤の性質によって角層の水分含有量はどのように影響されるか, それはどのような機序によって水分含有量を増しているかについて検討した。単純に角層へ水分を与えることを目的とした場合, 白色ワセリンのような皮表に油膜を作る基剤が下方へ水分を貯留せしめることにより最も優れていること,/W型乳剤性軟膏の場合, 時によっては逆に皮表角層の乾燥を生じる可能性があることを示したO 。ストリッピングにより角層の水分含有量を立体的に解析したが, これは角層水負荷試験とともに, 外用剤の評価や病的角層の分析に役立つものと考えた。
著者
山田 亮介
出版者
国士舘大学政経学会
雑誌
國士舘大學政經論叢 = SEIKEI-RONSO = THE REVIEW OF POLITICS AND ECONOMICS (ISSN:05869749)
巻号頁・発行日
vol.189, pp.3-34, 2022-03-25

目 次1.問題の所在─新型コロナウイルス感染症対策と人権・私権制約─2.緊急事態と憲法 (1) 国家緊急権と緊急事態 (2) 日本国憲法における緊急事態条項不存在の意味と影響 (3) 小括3.「公共の福祉」論の再整理 (1) 「公共の福祉」の概念 (2) 人権制約と違憲審査基準 (3) 小括4.緊急事態における人権制約と「公共の福祉」 (1) 現行法制度と緊急事態における人権制約の特殊性 (2) 「公共の福祉」が抱える二つの問題 (3) 小括5.むすびにかえて
著者
山田清市著
出版者
桜楓社
巻号頁・発行日
1991
著者
福田 央 韓 錦順 水谷 治 金井 宗良 山田 修
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.112, no.4, pp.273-314, 2017 (Released:2022-12-05)
参考文献数
12

焼酎の84種類の揮発性成分をSPME法とヘッドスペース法を用いて分析した。泡盛及び甘藷焼酎の揮発性成分間の相関解析を行った。その結果,中鎖脂肪酸エステル類間及び高級脂肪酸エチルエステル類間で相関性は全体的に高く,生合成系や化学構造の類似性が寄与していると推定された。モノテルペンアルコール類間及び低沸点エステル類間では高い相関性を示す成分について生成経路を推定した。フルフラールは意外にもアルデヒド類と相関性を示した。この他,泡盛及び甘藷焼酎において,個別に高い相関性を示す成分について考察を加えた。
著者
山田 俊弘
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2020
巻号頁・発行日
2020-03-13

本発表では昨年逝去した地球物理学者で環境学者の島津康男の地学思想を再考する――日本でも「人新世」の問題についての議論が広がりをみせてきている。これを単なる層序学上の問題として、あるいは人文学者たちの「新しい意匠」としてだけみるのではなく、同種の問題に取り組んだ日本人科学者の先駆性に学ぶことから対処法を考えてみたい。昨年92歳で死去された島津康男氏(1926-2019)の学問的人生の歩みは、ある意味で‘論理的’にみえる。父親の転勤のため転校を繰り返した学齢期を一時松本で過ごしており、地学的な関心を抱いたとみられる。五高を経て東大地球物理学科に進むと、坪井忠二に師事し、先輩格の竹内均とともに重力測定や物理計算にあけくれた。名古屋大学理学部地球科学科に地球物理学担当の助教授として赴任、「国際地球内部開発計画 UMP」にからんで「地球内部の物理学」を推進する一方(島津 1962)、統一された地球科学をめざして「シームレスな地球科学」というスローガンを掲げた。一つの到達点を教科書『地球の進化』(島津 1967)に見ることができる。そこでは、第I部「現在の地球」(地球物性論)、第II部「地質時代の地球」(地球熱力学)、第III部「先地質時代の地球」(地球進化学)が整然と展開され、地球理論を形づくった。第II部では地殻-マントル系の発展過程がグローバルテクトニクスと関連づけて議論されている。この「10年間における精一杯の勉強の成果」と大型化した計算機を使いこなすことで、地球科学の最前線を切り開く道があったはずだが、1970年代の島津は「シームレス」を「社会地球科学」のほうへ拡張し、本格的に環境問題に取り組み始める。具体的には、国際的な環境アセスメントのマニュアル作りと中京圏での「環境の現場監督」の実践だった。それは一方では巨大化する科学のあり方を見すえた環境政策へのコミットを意味し、他方では広い意味での科学教育を展望するものだった(山田 2015)。この時期の島津の進路を理解するには「社会地球科学」だけでなく、「自然のシステム工学」という発想を考慮しておく必要がある(竹内・島津 1969)。そこでは、自然現象のシミュレーションや地球化学的循環、惑星科学、生物圏といった概念から現実の問題に対処する「システム制御としての」災害・環境科学が見通されていた。 この路線の延長上で1980年代の「核の冬」や「核融合炉」シミュレーションへの関与を解釈するのは容易だ。実際、核融合炉研究では、アカデミズム内の研究者として、研究開発を支援するアセスメント・システムの構築を議論している(島津 1985)。だが、島津のその後は、ボヌイユ&フレソズ(2018)が人新世問題で言及する「ジオテクノクラート」の役割を担う方には行かなかった。むしろ林(2018)が指摘するように、公害問題に端を発する社会的課題としての環境問題に市民が向き合うためのアセスメントを提唱し「アセス助っ人」と自称して活躍した。 おそらくその転換の倫理的な根拠をなすのが、「核の冬」ENUWARシミュレーション時のヒロシマ体験ではないかと考えられる。日本での会議のコーディネーターを務めた島津は、「コンピューター・ゲーム」を断念し、「“核戦争はわれわれ人間自身がおこす”のであり、“もしおこったら”の第三者的立場は正しくない」「日本SCOPE[環境科学委員会]はそれに代わり、“核戦争を決しておこしてはならない”の原則に立つことを求め、この線にそってENUWARの結果を利用すべき」と主張した(島津 1985b)。もちろん一方で、1970年代の実践から「住民参加ゲーム」などを通した環境アセスと意思決定の問題を考え抜いてきたという背景があってのことだが(島津 1982)、その後「人新世」をとなえることになるクルッツェンとともに議論していた島津の思想と行動は、この問題における日本の貢献を考えるときあらためてふり返っておくべきと思われる。 【文献】ボヌイユ, C. & フレソズ, J.-B. 2018: 人新世とは何か, 野坂しおり訳, 青土社.林能成 2018: 地質学史懇話会会報, 50, 31-34.島津康男 1962: 国際地球内部開発計画資料, 1, 7-15.島津康男 1967: 地球の進化, 岩波書店.島津康男 1982: 環境情報科学, 11-1, 26-34.島津康男 1985a: 日本物理学会誌, 40-12, 972-975.島津康男 1985b: 科学, 55-12, 766-771.竹内均・島津康男 1969: 現代地球科学, 筑摩書房.山田俊弘 2015: 東京大学大学院教育学研究科基礎教育学研究室研究室紀要, 41, 183-194.
著者
河本 康介 山田 健人 小林 辰至 山田 貴之
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.585-598, 2022-03-31 (Released:2022-03-31)
参考文献数
41
被引用文献数
1 1

本研究の第一の目的は,「理科と数学の教科等横断的な学習」が「理数の関連性の意識化」,「学習方略」および「自己効力感」を媒介し,「理数学習の有用性」に影響を及ぼすと仮定した因果モデルに基づいた質問紙を作成し,「理科と数学の教科等横断的な学習の意義」を構成している諸要因の因果モデルを明らかにすることであった。さらに,理科と数学の好き嫌いと各要因の関連性を明らかにすることが第二の目的であった。質問紙調査を行った結果,第一の目的については,「問題解決への意識」,「関数的な見方・考え方」,「理数学習の有用性」,「理科における学習方略」,「理科学習での数学の必要性」,「数式化・数値化の意識」の6つの因子が理科と数学の教科等横断的な学習の意義として抽出された。また,重回帰分析とパス解析を行った結果,「関数的な見方・考え方」が,4因子(「問題解決への意識」,「理科における学習方略」,「理科学習での数学の必要性」,「数式化・数値化の意識」)を経由しながら「理数学習の有用性」に間接的に影響を及ぼしていることが明らかになった。さらに,第二の目的については,理科と数学の好き嫌いと各因子得点の比較検討から,「数式化・数値化の意識」において,Ⅱ群(数学は好きだが,理科はあまり好きではない)とⅢ群(理科は好きだが,数学はあまり好きではない)との間で有意な差が見られた。理科学習において,「数式化・数値化の意識」を高めるために,自然の事物・現象や実験結果を数学的な知識・技能を活用しながら定量的に分析・解釈し,グラフ化したり公式や規則性を導いたりする活動の必要性が示唆された。
著者
山田邦和著
出版者
学生社
巻号頁・発行日
1998
著者
山田 香
出版者
日本保健医療社会学会
雑誌
保健医療社会学論集 (ISSN:13430203)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.73-83, 2020-07-31 (Released:2021-08-06)
参考文献数
14

近年の疾病構造の変化、少子高齢化を背景に、ルーラルナース、コミュニティナースといった地域密着型のケアを担う看護師が注目されている。本稿では、過疎地域である山形県小国町の訪問看護師の実践に着目し、介護力低下が進む地域における地域密着型看護師の専門性を明らかにすることを目的とする。小国町立病院訪問看護ステーションの訪問看護に同行し、参与観察および看護師へのインタビューを行い、実践されたケアを質的に分析した。その結果、小国町の看護師は、豪雪地帯特有の地縁血縁のつながりやそれを生んだ家族・地域の歴史を尊重したケアを実践していた。看護師が医療者と生活者の両方のフレームを持ちえる「生活者としての看護師」であることが「生活者としての患者・家族」の意思決定の文脈に添える医療者としてのスキルを生み、これらが地域密着型看護師の専門性であることが示唆された。
著者
佐藤 昌之 村岡 浩治 穂積 弘毅 眞田 幸尚 山田 勉 鳥居 建男
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会論文集 (ISSN:13446460)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.54-63, 2017 (Released:2017-04-05)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

This paper is concerned with the design problem of preview altitude controller for Unmanned Airplane for Radiation Monitoring System\nobreakspace {}(UARMS) to improve its control performance. UARMS has been developed for radiation monitoring around Fukushima Dai-ichi nuclear power plant which spread radiation contaminant due to the huge tsunamis caused by the Great East Japan Earthquake. The monitoring area contains flat as well as mountain areas. The basic flight controller has been confirmed to have satisfactory performance with respect to altitude holding; however, the control performance for variable altitude commands is not sufficient for practical use in mountain areas. We therefore design preview altitude controller with only proportional gains by considering the practicality and the strong requirement of safety for UARMS. Control performance of the designed preview controller was evaluated by flight tests conducted around Fukushima Sky Park.