著者
植松 夏子 柴原 弘明 岡本 妙子 木下 早苗 眞野 香 青山 昌広 西村 大作 伊藤 哲 吉田 厚志
出版者
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.764-769, 2012

直腸癌術後仙骨転移による坐骨神経痛に対し緩和ケアチームが介入した。娘の結婚式を控え,早急な疼痛緩和と,レスキューの人工肛門からの投与経路変更が必要であった。投与していたフェンタニル貼付剤25.2mg/72hrを16.8mg/72hrへ減量し,モルヒネ注射薬3.6mg/hrを新たに併用した部分的オピオイドローテーションと,患者自己調節鎮痛ポンプによる経静脈的経路へのレスキュー投与経路の変更により,患者は疼痛なく,家族も安心して結婚式に参加することができた。今回行なった部分的オピオイドローテーションは,①比較的短時間に行なえる,②異なるオピオイドを新たに加えるため鎮痛が期待できる,③オピオイド変更による副作用が全量オピオイドローテーションより少ない,といった利点がある。癌患者の疼痛緩和での薬剤調整は,患者と家族の視点で立案することが肝要である。
著者
岡本 秀輔 鎌田 賢 米倉 達広
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.129, pp.43-47, 2007-07-02

Webアプリケーションとして複数プレイヤー参加型RPGを簡易に作成するためのプログラミングツールについて述べる.このツールの設計目標は単純な指定でさまざまなRPGを作成できることである.プログラミングの初心者や小学生などもこのツールの対象ユーザに含めている.ツールはGUIエディタとコードジェネレータからなる.GUIエディタはRPGのキャラクタの動作を規定する状態遷移図を作成するためのものである.コードジェネレータは,ゲームを構成するためのC,PHP,JavaScript,HTMLなどのコードを状態遷移図から生成する.生成されたRPGは,Firefox,Safari,IEといったよく使われるWebブラウザで操作できる.RPGのプレイヤーがWebブラウザ上でクリックやキー入力を行うと,その結果がWebサーバに送られデータベースに記録される.その結果,プレイヤーの入力が,他のプレイヤーのアバタやプレイヤーと関連を持たないゲームキャラクタに影響を与えることができ,さらにそれが他のプレイヤーの画面に反映される.状態遷移図は特定のプログラミング言語には依存せずに動作を規定するための道具である.そして,その構造は単純なために簡単に学習できるとともに,ゲームキャラクタの振舞指定に適している.本報告では,ツールを用いて容易にWeb用のRPGを作成できる可能性について述べる.
著者
千秋 博紀 黒澤 耕介 岡本 尚也
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2016年大会
巻号頁・発行日
2016-03-10

A shooting star is caused by an entry of a cosmic dust particle into the planetary atmosphere. The light from the shooting star composed of thermal emission and emission lines from the gas in from of the dust particle and the vapor from the dust particle. It means that the physical and chemical condition of the dust particle can be estimated from a photometric and/or spectroscopic observations. However a shooting star is a sporadic and un-controled event, and thus the relation between the physical and chemical condition and the resulting spectroscopic observation is estimated by empirical equations.We are constructing a laboratory experimental system to simulate shooting stars by using a two-stage light gas gun at Planetary Exploration Research Center (PERC), Chiba Instiute of Technology, Japan. This gun shoots a projectile with size of 2 mm into a observational chamber filled with gas. The light from the projectile is observed by high-speed camera with 1 Mfps and its spectrum is taken by spectrometer simultaneously.We carried out a series of experiments using the system with a variety of projectile composition. The specific spectra relating to the projectile component were confirmed as a function of the location from the projectile (during head-neck-tail structure). We will give the experimental results and discuss the chemical and physical status of shooting star.
著者
亀甲 武志 岡本 晴夫 氏家 宗二 石崎 大介 臼杵 崇広 根本 守仁 三枝 仁 甲斐 嘉晃 藤岡 康弘
出版者
日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.1-8, 2014-04-25 (Released:2016-05-22)
参考文献数
24
被引用文献数
1

To clarify the reproductive ecology of the endangered cyprinid Honmoroko, Gnathopogon caerulescens, endemic to Lake Biwa, the occurrence of eggs in inlets, sex ratio and monthly changes in gonad somatic indices (GSI) were investigated in the Nishinoko lagoon, adjacent to Lake Biwa, from March to May, 2012. Eggs of Honmoroko were found on gravel and vegetation in two inlets, suggesting that not only the reed zone of Lake Biwa and its lagoons but also inlets of the lagoons are important spawning habitats of that species. The sex ratios of individuals collected in the two inlets were more malebiased (11.2–32.1 : 1) than that in the reed zone of the lagoon (1.5–2.7 : 1). The GSI of males gradually decreased as the breeding season progressed, those of females not showing any significant statistical changes, except for individuals collected around the reed zone and inlet in April. It was concluded that males remain in inlets and the reed zone during spawning, whereas females migrate to the inlets only for spawning, subsequently returning to the reed zone until the next spawning session.
著者
谷川 亘 浦本 豪一郎 内山 庄一郎 折中 新 山品 匡史 岡本 桂典 原 忠
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2016年大会
巻号頁・発行日
2016-03-10

高知県内各地では、歴史南海地震の被害の様子が文字として刻まれた石碑が建てられている。宝永地震(1707年)から昭和南海地震(1946年)までの南海地震に関連した石碑が多く残されており、現在文献で確認できるだけで約25体ある。特に高知県内の地震津波碑は安政東海地震・安政南海地震(1854年)に関連した石碑が多い。地震津浪碑は供養・慰霊碑としての位置付けだけでなく、歴史資料としての価値も高い。しかし、雨風と植生による風化が進行し、石碑が傷み、解読不能な文字も見受けられる。また、高知県内の石碑は個人や寺社などが所有者であることが多いため、その保全は所有者に委ねられている。そのため、将来発生する南海地震をはじめとした自然災害により地震津浪碑喪失の危惧も否めない。そこで、本プロジェクトでは地震津浪碑から得られる歴史南海地震の情報を後世へと継承し、防災教育の教材として活用を促進するために、三次元デジタルイメージ化による地震碑の保存、および地震津浪碑と地図情報をリンクさせたウェブブラウザ上での情報提供を行う。石碑の研究といえば、これまで主に刻まれている碑文内容の解読に重点が置かれてきた。しかし、石碑の価値はそれだけでなく、石碑の岩石物理化学的な特徴(鉱物組成・色・帯磁率など)と形状も石碑が製作された当時の文化とその背景を示唆する情報を含んでいる可能性が高い。そのため本プロジェクトでは、石碑の三次元デジタル画像の構築および、石碑の岩石物理化学的なデータの測定を行い、これらの情報をウェブ上に掲載することを計画する。三次元デジタル画像の構築は、既存のソフトAgisoft社製Photoscanを使用して行っている。また画像構築に必要な写真撮影はRICOH社製のGRを用いた。3D画像を閲覧する方法として①ウェブでの閲覧、および②ウェブサイトから各々のPCへの転送、を検討している。石碑の三次元デジタル画像は、彫られた文字を明瞭に表示させるためにはメッシュ化した面の数を多くする必要がある。しかし、面数が多くなるとデータ容量が大きくなるためブラウザ表示に負担がかかる。そこで①の方法として、WebGL描写の3Dモデルをブラウザ上で表示・シェアできるプラットフォーム[Sketchfab (https://sketchfab.com/)]を採用している。また②の方法として、転送データ形式は3D-PDFとし、3D-PDF対応のソフトウェアで閲覧する方法を採用している。石碑の色測定は分光測色計(KONICA MINOLTA社製 CM-700d)を用いて、帯磁率測定はTerraplus社製のKT-10 S/Cを用いている。本発表では現在までのプロジェクトの進行状況およびこれまで得られた結果を報告する。

1 0 0 0 OA 浪華人物誌

著者
岡本撫山 著
出版者
風俗絵巻図画刊行会
巻号頁・発行日
vol.巻4, 1920
著者
太田毅 岡本秀輔
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.189-190, 2011-03-02

コンピュータリソースの柔軟な利用や、コンピュータの電力消費削減を目的として、サーバ仮想化の利用が最近広まっている。<br />サーバの仮想化では、複数のVM(仮想マシン)が1台の実マシンを共有することによる負荷を考慮にいれて管理をする必要があり、それらについて様々な研究が行われている。<br />我々は、特に負荷の掛かるVM上のI/O処理をI/Oスケジューラを使用して管理できるかどうかをいくつかの実験を行い、調査した。<br />また、LinuxOSに標準搭載されているCFQスケジューラで使用できるI/O priorityに注目し、VM上のI/O処理に優先度を与えて管理する手法の有効性も調査した。

1 0 0 0 OA 維新前後

著者
岡本綺堂 著
出版者
今古堂
巻号頁・発行日
1908
著者
三原 芳秋 松嶋 健 花田 里欧子 岡本 雅史 高田 明 太田 貴大 鵜戸 聡 比嘉 理麻 高梨 克也 中川 奈津子 中谷 和人 アンドレア デアントーニ 赤嶺 宏介 川上 夏林
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

「(人間)主体」の諸機能=学科を軸に制度化されてきた人文学を「生きている存在」一般の学として再編成する(=「生態学的転回」)ために、多様な専門の若手研究者が集い、「共同フィールドワーク」や芸術制作・コミュニティ運動の〈現場〉とのダイアロジカルな共同作業を通して従来型ではない「共同研究」の〈かたち〉を案出することが実践的に試みられ、その〈プロセス〉は確固たる端緒を開くに至った。また、環境・社会・精神のエコロジーを美的に統合する「エコゾフィー」的思考を共有する基盤となるべき「新たな〈一般教養〉」構築を文学理論の「生態学的転回」を軸に試みる企図も、国際的・学際的に一定の承認を得ることができた。
著者
河野 荘子 岡本 英生 近藤 淳哉
出版者
日本青年心理学会
雑誌
青年心理学研究 (ISSN:09153349)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.1-11, 2013-08-30

本研究は,共感性を多次元的なものと定義し,犯罪者と一般青年との比較を通して,犯罪者の共感性の特徴について明らかにしようとするものである。その結果,犯罪者は,他者の不運な感情体験や苦しみに対して同情的で,何らかの配慮をすることに方向づけられやすい一方で,他者の立場にたって物事をとらえる視点が十分に高くない「アンバランスな共感性」を持つことが示された。また,この状態では,他者の苦しみによって,自分の苦しみが増大することを抑制する自己防御システムが働きにくくなることが推測された。
著者
岡本 栄一
出版者
一般社団法人日本社会福祉学会
雑誌
社会福祉学 (ISSN:09110232)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.35-48, 1985-11-25

The concepts of "public" and "private" can be stated respectively (1) statutory social services carried by public agencies, and (2) voluntary social services carried by voluntary citizens, groups, private agencies and organizations. We can also say that, statutory services are "the welfare of public guarantee" while the voluntary ones are "welfare of participation". We need both of them if we want to attain a highly developed stage of welfare society. Volunteer activities today, however, is finding itself in the situation far from the above mentioned dual-poles structure of "public" and "private". Rather, "the administrative logic of centralistic delegation" is governing the whole social service scene. The "public" seems to be controlling not only the contents of voluntary services, but also the training and organization of the volunteers. As a result, many difficulties are arising. I would like to mention following three points as essential to overcome those difficulties. (1) To distinguish what the public sector can do from what cannot do. Then to make citizen's volunteer activities more effective to widen and strengthen the autonomy of the local governments. (2) To clarify the basic characteristics of voluntary activities in welfare services. (3) To emphasize the importance to follow "the principles of independence and cooperation" as well as "the principle of support without control".
著者
岡本 昌規 合田 大輔 高田 光代 藤本 隆弘 三宅 理子 三宅 幸信
出版者
広島大学附属福山中・高等学校
雑誌
中等教育研究紀要 /広島大学附属福山中・高等学校 (ISSN:09167919)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.269-278, 2012-03-19

今日のランニングブームのなかで,長距離走の授業においてペースコントロールやトレーニング方法だけでなく,合理的に走るための走法(ランニングフォーム)について学習することは,生徒がこれから将来にわたってジョギングを実施したり市民マラソン大会に参加するなど様々な目的を持って長距離に取り組む時に,記録の向上はもちろんリラックスして楽しく走ることや故障の防止にもつながり意欲を持って取り組むのに必要なことであると考える。これまでの長距離走の授業実践では走法について取り組んだものは見られない。今回はこれまで実践してきたペース走にランニング時の姿勢作りを中心にして,肩甲骨からの腕振り,骨盤からのストライドといった体の動き作りを課題として取り上げた授業を行った。
著者
藤田 浩 岡本 公彰 高尾 亜由子 野村 鳴夫 永山 績夫
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug delivery system (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.169-174, 1996-05-10
参考文献数
15

S-1 is an oral form mixture of tegafur (FT) which produces 5-FU, 5-chloro-2, 4-dihydroxypyridine (CDHP) which inhibits 5-FU degradation and oxonic acid (Oxo) which reduces 5-FU toxicities, in a molar ratio of 1 : 0.4 : 1. Pharmacokinetics of S-1 were studied using tumor-bearing animals. Bioavailahility : AUC<SUB>po</SUB>/AUC<SUB>iv</SUB> ratios of FT, CDHP and 5-FU in rabbits were almost 100% with some individual differences, while that of Oxo was 10% or less. The ratio showed a tendency to be higher in fasting animals than in feeding animals, especially in the case of 5-FU (P<0.05). CDHP and Oxo : In tumor-bearing rabbits and mice, CDHP was absorbed well and distributed at high levels in the GI tract and kidney, and detected at moderate levels in the liver, tumor and plasma. The most part of Oxo remained in the GI tract and it was also detected at a high concentration in the kidney, while at low in the liver, tumor and bone marrow. 5-FU following dose escalation of S-1 : S-1 was administered to tumor-bearing rats at doses of 2, 5, 10, 20 mg/kg. AUCs<SUB>0&sim;24h</SUB> of 5-FU were observed at the highest in the tumor in any dosing groups, in order of tumor>bone marrow>spleen>kidney>GI tract>liver and plasma. However, it was noticeable that AUC<SUB>tumor</SUB>/AUC<SUB>plasma</SUB> ratio rather decreased as the escalation of S-1 dose. The reason would be that 5-FU increased non-linearly in the plasma and most normal tissues following the dose escalation of S-1. Based on these data, the optimum dosage of S-1 in humans should be established to maximize the anticancer effects and minimize the adverse reactions.
著者
岡本 佳男 八島 栄次
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.43, no.11, pp.695-699, 1995
参考文献数
7

物理的・化学的性質の多くが全く同じである光学異性体を分離すること(光学分割)は, 最も高度の技術を必要とする物質分離法の一つである。Pasteurがルーペとピンセットを用いて世界最初の光学分割に成功して以来, ラセミ体を光学活性体に分離する技術は飛躍的に進歩し, ルーペとピンセットの代わりとなる様々の方法が開発されてきた。ここでは, 結晶化法とクロマトグラフィーを用いた光学分割について, 現状と今後の展望について紹介する。
著者
岡本 祐子
出版者
広島大学大学院教育学研究科心理学講座
雑誌
広島大学心理学研究 (ISSN:13471619)
巻号頁・発行日
no.10, pp.121-145, 2010

本研究は、Professionの生成と継承に関する第一研究として、Erikson(1950)の精神分析的個体発達分化の図式を理論的基礎におき、陶器職人の専門家アイデンティティの生成と継承のプロセスと、それに関わる要因を分析した。沖縄県読谷壷屋焼の代表的な陶芸家である島袋常秀教授に対する個人面接から得られた語りの分析によって、氏の陶器職人としての専門家アイデンティティ形成の特質と熟達のプロセス、専門的職業レベルにおける心理社会的課題の体験のされ方を考察した。専門家アイデンティティは、基本的信頼感、自律性、自主性、勤勉性、アイデンティティ達成という乳幼児期からの心理社会的テーマが、専門的職業の次元で再度重要な意味をもち、それらを再達成することによって発達・深化していくことが示唆された。また、心理臨床家と職人のプロフェッショナル・ワークにおける共通の特質が見出された。