著者
三好 淳子 井門 敬子 松岡 綾 武市 佳己 山口 巧 岡本 千恵 末丸 克矢 荒木 博陽
出版者
日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.233-237, 2005-03-10
被引用文献数
10 14

At the Division of Pharmacy in Ehime University Hospital, we conduct drug counseling training for undergraduate students and graduate students aimed at helping them acquire communication skills as well as clinical knowledge. The program relies largely on case-based learning (CBL) procedures and role-play practice using video tape recordings. In the following, we describe the drug counseling training program and report the results of a student evaluation of the program. The training program consists of the following : 1. Explanation of the procedure of the practical training; 2. Presentation of a mock case file-including a patient profile, diagnosis, clinical history, laboratory data and prescription; 3. Explanation of how to collect drug information; 4. Study of individual cases by students, 5. Role-play in providing drug counseling and recording this on video (with a student in the counseling role and a pharmacist in the patient role) and 6. Discussion and review by students and clinical pharmacists (including the person who played the patient role) after watching the video recording. After the training, we conducted a survey of the participating students by questionnaire regarding their opinions of the training program. Almost all of the students considered the practical training to be useful because it enabled them to evaluate their performance in drug counseling and communication skills objectively. They also felt that the guidance they had received from clinical pharmacists had been useful. Our training program on drug counseling using CBL procedures and video recordings is thus a simple method of training students which enables them to improve both their communication skills and clinical knowledge.
著者
川上 進 松岡 雅裕 岡本 浩明 細木 信也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.83, no.12, pp.2786-2797, 2000-12-25
被引用文献数
3

歩行や車の運転に不可欠な空間視は, 網膜に映るオプティカルフローに基づいて行われることを, 心理学者のGibsonが50年ほど前に見出している.この空間視には, 「自己移動方向の検出」と「環境を構成する平面の空間認識(平面の3次元方位と奥行)」がある.神経生理学が進展し, 自己移動方向をオプティカルフローから検出する細胞が大脳の運動視中枢(MST野)で見出されている.しかし, オプティカルフローに基づいて平面の空間認識を行う細胞は, Gibsonの心理学的発見にかかわらず報告されておらず, またモデルの報告もない.本論文では, 3種類の平面パラメータ(平面の3次元方位, 平面に到達するまでの時間, 平面までの最短距離)を, オプティカルフローを統合して検出するアルゴリズムを報告する.到達時間と方位は複比変換と極変換を用いて, また最短距離と方位は小円変換を用いて検出される.次に, これらアルゴリズムと前報の「大脳MT野で局所運動を検出する神経網モデル(Vision Research, 1996, 1999)」に基づいて, 網膜からMT野を経てMST野までの神経網をモデル化する.また, そのモデル神経網(0.16億個の細胞とそれを結ぶ4.6億本の神経網で構成される)をコンピュータ上に構築して, 到達時間と方位を正しく検出できることを示す.
著者
岡本 和憲 中野 有紀子 西田 豊明
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第18回全国大会(2004)
巻号頁・発行日
pp.39, 2004 (Released:2006-02-11)

本研究は、TVML等の形式で記述された台本中の台詞を抽出し、発話文に即したジェスチャを自動的に決定、生成することにより、キャラクタ動作が細かく記述されていない台本から、CGキャラクタに効果的なジェスチャを付加した番組を生成するメカニズムを提案する。
著者
谷口 綾子 川村 竜之介 赤澤 邦夫 岡本 ゆきえ 桐山 弘有助 佐藤 桃
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.I_309-I_316, 2013

本研究では,運動着(ジャージ・スウェット)の日常的な着用が大学内の景観と授業態度に与える影響を定量的に明らかにするため,運動着での登校が学内の景観イメージにネガティブな影響を及ぼす,運動着での登校と授業態度との間にネガティブな関係が存在する,との二つの仮説を措定し,筑波大学の学生を対象としたアンケート調査により検証した.その結果,運動着での登校は大学内の景観イメージに「似合わない」とネガティブな影響を及ぼすこと,運動着で登校している学生は遅刻や居眠りをする度合いが高いなど授業態度との間にネガティブな関係が存在することが明らかとなった.また,公共交通で通学する学生の方が,そうで無い人と比べ運動着登校経験が少ないこと,運動着登校経験がある人の方が運動着登校にポジティブな意見を持つことが示された.
著者
宮原 一弘 岡本 敏雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.96, no.431, pp.47-54, 1996-12-14
被引用文献数
9

今日,インターネットを利用した情報発信が,個人/組織を問わず盛んに行われており,多くの情報がインターネット上に氾濫している.とくに,教育に利用可能な多くのリソースがインターネット上に存在しているが,この情報洪水のために有効に活用されていないのが現状である.本研究の目的は,さままざな情報をインターネットから収集,整理,保存するための情報フィルタリングシステムの開発である.とくに,フィルタリングを行う際に,グループのメンバ間による協調行動を利用した協調フィルタリングの手法を提案する.本稿では,本システムでの情報に対する個人の興味の表現法および,その獲得手法を中心に述べる.
著者
岡本 真彦
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.81-88, 1992-03-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
15
被引用文献数
6 10

The present study analysed metacognition in the process of solving arithmetic word problem. Sixty-three fifth graders were divided into high and low performer groups based on their achievement of an arithmetic criterion test. The arithmetic word problem used in this study was made of five sub-stages: prediction of result, problem comprehension, planning, executing and evaluation of result. Two procedures were used in the present study. First came the workseat measuring problem solving behavior and the second consisted of a stimulated-recall interview to measure awareness concerning problem solving (metacognition). Verbal response and behavior in the problem solving and interview were recorded by VTR and tape-recorder. The main findings were as follows: (1) High performer had significantly more metacognition scores than low performer; (2) High performer showed more self -monitoring activity than the low one.
著者
岡本 美和子 松岡 恵
出版者
一般社団法人 日本女性心身医学会
雑誌
女性心身医学
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.85-92, 2003
被引用文献数
4

本研究は,出産後1〜2ヵ月において子どもの持続する泣きに直面した初産婦が危機状態に至る経緯と,危機状態に陥る条件となる母親の背景を明らかにすることを目的として行った.危機状態までの過程は,母親が習慣的対処や試行錯誤的対処を行った後も子どもが泣き止まず,さらに追い込む要因が働き危機状態に至るとした.調査は,出産後2ヵ月まで母子ともに重篤な問題がなく経過した初産婦30名を対象に,1ヵ月健診後に体験した子どもの持続する泣きと母親の気持ちについての半構成的面接を行った.得られたデータを内容分析した結果,対象者全員が出産後1ヵ月以降に子どもの持続する泣きに直面しており,19名が危機状態あり群として認められた.危機状態に追い込む要因については,状況認知と支援内容において危機状態あり群なし群の両群間に有意差を認めた.状況認知では「何をやっても泣き止まない泣き」と捉え,対処時周囲からの支援が得られなかった母親が危機状態あり群では高率であった.さらに危機状態に陥った母親の背景として,必要な育児情報へのアクセスができない母親は『先の見えない不安』を,情報から迷いが生じた母親は『母親としての自信の揺らぎ』を,そして,必要な情報を選択できない母親は『泣き止まないことへの苛立ち』を感じていることが明らかになった.本研究の結果より,出産後2ヵ月頃までの子どもの持続する泣きに直面した初産婦の背景と育児情報に関わる問題の特徴が明らかになり,この時期の初産婦への支援の必要性と支援の具体的方向性が示唆された.
著者
岡本 雅子 村上 正行 吉川 直人 喜多 一
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.35-45, 2013

プログラミングの学習では,サンプルプログラムを使って,プログラムの記述(命令)とその実行結果(動作)から各処理概念を学んでいく経験学習の方略が用いられる.しかしながら,各命令と動作の関係そのものを暗記するだけで,概念あるいは機能の理解といった段階にまで到達していない学習者が散見される.こうした事例に関し,本研究では,「現在使用されているカリキュラムや教材が,経験学習の構造的特性に合致していない」ことが,理解を妨げている要因の一つであるのではないかと考えた.そこで,経験学習を構成する「対象の認知と現象の把握」の過程に注目し,プログラムと動作の関係を視覚的に「顕在化」することに配慮したカリキュラムおよび教材を開発した.また,これらを評価するため,授業において運用を試みた結果,視覚的顕在化の側面において受講生への効果を確認するとともに開発した教材およびカリキュラムの有効性が示唆された.
著者
岡本 秀彦
出版者
一般社団法人 日本臨床神経生理学会
雑誌
臨床神経生理学 (ISSN:13457101)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.37-43, 2012-02-01 (Released:2014-08-20)
参考文献数
19
著者
王 晋民 宮本 聡介 今野 裕之 岡本 浩一
出版者
社会技術研究会
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.268-277, 2003 (Released:2009-08-19)
参考文献数
23
被引用文献数
4 5

内部告発は組織における不正行為を暴露して制止させるだけではなく,新たな不正行為を抑止する効果がある.内部告発は内部告発者本人の動機付けと第3者の内部告発に対する許容度の2つ側面がある.前者は潜在的な告発者の告発行動を起こす意向で,後者は,社会や組織構成員の内部告発・内部告発者に対する態度からの影響である.適切な内部告発を推進する環境や内部告発に関する効果的な教育プログラムを作るために,本研究は内部告発行動や内部告発及び告発者に対する態度に対する個人特性・組織特性の影響について社会調査で調べ,その結果に基づいて社会心理学の視点から内部告発に関する制度や教育プログラムに対する提案を試み,内部告発に関する社会心理学研究の役割と方向について検討した.
著者
岡本 勲
出版者
中京大学文学部
雑誌
中京大学文学部紀要 (ISSN:02873443)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.p177-154, 1983
著者
岡本 信司
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究技術計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.99-114, 2013-01-31

地域科学技術政策は我が国の重要政策課題として,これまで第3期科学技術基本計画等に基づき関係府省及び地方公共団体で関連施策が推進され,2009年9月の政権交代後には新成長戦略及び第4期科学技術基本計画において,地域における国立大学法人等大学の機能強化が推進戦略の一つとして位置付けられている。このような地域科学技術政策における大学への大きな期待に対して,国立大学法人については,運営費交付金・人件費削減,大学間格差等の問題提起もなされている。本稿では,地域科学技術政策において重要な役割を担っている国立大学法人に着目して,地域科学技術関連施策の中核である産学官連携施策が開始された1980年代から国立大学法人化を経て,これまでの地域科学技術政策での国立大学に関連する施策及び機能の変遷と国立大学法人化の課題について,産学官連携をはじめとした「大学開放機能」の観点から分析することにより,地域科学技術政策における国立大学法人の機能強化に関する課題と展望について考察した。その結果,今後目指すべき産学官連携と「大学開放機能」は「グローカル対応戦略的多角機能連携型産学官連携:総合的大学開放機能新展開期」であり,強化すべき大学機能としては,地域活性化に資する産学官連携支援人材等幅広い人材育成機能,地域に密着した個性と特色ある研究機能,地域連携における戦略的中核拠点機能であるとの示唆が得られた。
著者
岡本 正
雑誌
中央大学政策文化総合研究所年報 (ISSN:13442902)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2013, pp.25-42, 2014-09-26

Three cases have been analyzed regarding the treatment of personal information by the local government after the Great East Japan Earthquake. By doing so, it became clear that whether or not the local government succeeds in its personal information policy depends on whether they have "Disaster Prevention Legal Literacy." In the draft revision of the Disaster Countermeasure Basic Act of June 2013 which included the lessons taught by the Great East Japan Earthquake, there was a large revision regarding the treatment of personal information at times of disaster. The revision further encouraged the local government to create its individual policy regarding the treatment of personal information. It has become more and more important for the local government to have "Disaster Prevention Legal Literacy." The "Disaster Recovery ad Revitalization Law" that started at Keio University and Chuo University is a lecture program to develop "Disaster Prevention Legal Literacy." It is desired that the lecture program be used in other universities and local communities.
著者
神邊 篤史 永井 久美 松原 行宏 岩根 典之 岡本 勝
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.143-150, 2009

運動学習による動作訓練は,新たな身体技能の獲得や日常生活における身体機能の再獲得において重要である.本報告では上肢の大きな動作の学習のための仮想環境について提案する.本システムにおいて,学習者は環境内に提示されるポインタの位置を視覚や触覚を通して確認することで,動作を修正しながら目標位置に向かって上肢を動かしていく.具体的には,cube型環塊と三次元迷路環境の2つの環境での訓練により,上肢の大きな動作を行う際の運動の計画,運動の実行と修正や,問題のある筋の特定が可能である.健常大学生を対象とした実験では,本システムを用いた動作習熟の可能性を確認できた.