著者
佐藤 丈博 樋口 雄紀 竹下 秀俊 岡本 聡 山中 直明 大木 英司
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J97-B, no.7, pp.474-485, 2014-07-01

インターネットやモバイルネットワークにおけるトラヒック量は近年急激な増加を見せており,伝送容量拡大によるネットワーク機器の消費電力増大が問題となっている.そこで,複数のネットワークサービスを単一物理網上で提供し,トラヒック収容効率の向上及び省電力化を実現する次世代光メトロ・アクセス融合型ネットワーク「エラスティック光アグリゲーションネットワーク(EλAN)」が提案されている.EλANでは局側装置であるOLTがプログラマビリティをもち,論理OLTを異なる物理OLT間や局舎間で自由にマイグレーションすることが可能になる.本論文では,EλANの省電力化を目的とした論理OLTのマイグレーション手法を提案する.具体的には,稼働する物理OLT数が最小となる論理OLTの配置,及びその配置に至るマイグレーション手順を得ることを目的とした最適化問題を線形計画問題としてモデル化し,物理OLTのスリープ率及びマイグレーションの実行回数について性能評価を行った結果を述べる.また,EλANのプロトタイプシステム上で行った論理OLTのマイグレーションの基本動作の確認について報告する.
著者
福本 義憲 保阪 靖人 荻野 蔵平 岡本 順治 伏見 厚次郎 幸田 薫 重藤 実
出版者
東京都立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

言語構造・文法を抽象的な規則の体系とみなす近代の構造主義的言語理論と並んで、文法構造とコンテクストの不可分な関係を重視する言語理論がある。前者は構造言語学、生成文法と引き継がれて、意味構造・統語構造・音韻構造の一定の自律性を前提としているのに対し、後者は、コンテクスト・発話状況・日常知識・発話者の意図を出発点とし、文法(意味・統語・音韻)のコンテクスト依存性に着目する。だが、このふたつの観点は必ずしも互いに対立するものではなく、むしろ相互補完的な働きをしている。言語能力と言語活動の全体像を捉えるためには、他方を排除するのではなく、この相互補完的な観点に立脚する必要がある。この考え方は「文法と知識のインターフェイス」というキーワードに集約することができる。本研究では研究分担者がそれぞれ独自の領域を研究することによって、全体像を捉えようとするものであり、各研究者の成果は、個別の論文並びに、平成15年度に作成した成果報告集にまとめられている。細かな4年間の活動については成果報告書にまとめられているが、特に次のような活動を行ってきた。1.4年間にわたる、研究成果報告集の作成を行い、そのために2003年9月21日に研究分担者が集まる会合を都立大学で開いた。2.毎年研究分担者との会合を開くとともに、海外の研究者を招き、講演会並びに討論会を開催してきた。3.研究分担者の研究を進めるために、研究代表者並びに研究分担者がドイツ語圏(オーストリア・ドイツなど)へ資料収集並びに研究発表に出かけた。4.日本独文学会(年二回)で口頭発表並びにポスターセッションでの発表を行った。
著者
佐藤 隆春 岡本 朋子 上武 治己 木村 一成 諏訪 斎 田崎 正和 都築 宏 南場 敏郎 丸山 正 三上 映子
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科學 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.201-216, 2001-07-25
被引用文献数
1

阪神地域では1596年の伏見地震,5世紀末〜6世紀中頃の古墳時代中期,および約6,300年前に地層の液状化を引き起こす強い地震動があった.これらの地震の直後に土石流・洪水堆積物が増加しているかどうか検討した.土石流・洪水堆積物の堆積相はおもに埋蔵文化財調査の露頭で観察し,考古学による年代とアカホヤ火山灰層準の対比でその堆積年代を求めた.その結果,土石流・洪水堆積物は古墳時代中期の地震直後に扇頂〜扇央で16地点,伏見地震直後に扇央〜扇端および低地で10地点確認された.土石流・洪水堆積物は地震以後に増加する傾向と,時代とともにその堆積場が扇状地から低地に移動させている傾向が明らかになった.六甲山地では1995年の兵庫県南部地震による斜面崩壊が多発し,崩壊土砂が増加している.これが豪雨で流出し土石流を発生させる自然条件は高くなっていると考えられる.
著者
五島 政一 小林 辰至 熊野 善介 下野 洋 品川 明 平田 大二 岡本 弥彦 三宅 征夫 鳩貝 太郎 立田 慶裕 田代 直幸 笹尾 幸夫 清原 清一 日置 光久 加納 誠 藤岡 達也 田口 公則 小川 義和 市川 智史
出版者
国立教育政策研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

子どもが主体的に学び、科学を好きになる教育実践プログラムを多数開発した。そして、その教育システムを開発するために、指導者である教の資質・能力を育成する生涯学習プログラムのモデルを開発した。
著者
岡本 章 有本 文也
出版者
日本貝類学会
雑誌
貝類学雑誌 (ISSN:00423580)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.p194-202, 1986-10
被引用文献数
6

著者らは, ヤマトジミ属貝類の染色体を調査した。ヤマトシジミの染色体数は38, セタシジミは36であった。マシジミは, 54の染色体が3本相同の18組に分けられたことより, 倍数性進化によって成立した3倍体の種であることが示された。3種の染色体数及び核型の比較より, ヤマトシジミの祖先種よりセタシジミの祖先種が分化し, さらにそこからマシジミなど雌雄同体種のグループの祖先種が分化したと思われた。
著者
平井 啓久 古賀 章彦 岡本 宗裕 安波 道朗 早川 敏之 宮部 貴子 MACINTOSH Andrew カレトン リチャード 松井 淳 中村 昇太
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

病原体が通常宿主特異性を持つために、宿主と病原体は頑健な宿主寄生体関係を示す。これを病態生理的発現型と見なすことができる。その特性を基盤にして、アジアの霊長類(特に多様性の高いテナガザル類ならびにマカク類)に焦点をあて、これらに感染する病原体(ウイルス(サルレトロウイルス)、細菌(ヘリコバクター)、寄生虫(マラリア原虫))との共進化を以下の項目からひもとく。(1)双方の遺伝子の分化機構を明確にする。(2)霊長類の生物地理学的分化との総合的見知から、病原体と宿主霊長類の双方の進化史を描く。(3)宿主応答機構ならびにゲノム内分化機構から宿主寄生体関係史を遺伝生理学的に明らかにする。
著者
榎本 美香 岡本 雅史 串田 秀也 山川 百合子 松嶋 健 高梨 克也 松岡 恵子 小谷 泉
出版者
東京工科大学
雑誌
新学術領域研究(研究課題提案型)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、統合失調症や高次脳機能障害という病名が与えられた人々(the Communication Handicapped; CH)が個々に持つ社会的・個人的属性や会話の個々の構成物(発話や身振り)の相互作用が作り出すコミュニケーションシステムにおいて、コミュニケーションギャップが検出され、排除/吸収されていく過程のメカニズムを解明した。
著者
網 淳子 岡本 利夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.2, 1995-03-27

DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)とは、IETF(Internet Engineering Task Force)においてRFC(Request For Comments)1541で規定されたプロトコルで、ネットワークに接続された計算機に自動的にIP(Internet Protocol)アドレスの割当や各種パラメータの設定等を行うものである。従来、コンピューターの移動や新しいコンピューターの導入に伴うIPアドレスの設定は、システム管理者の手作業により行われていた。しかし、ネットワークが拡大するに伴いその作業量は増加し、設定誤りといった問題も発生してきた。そこで、従来からあるRFC951に規定されたBOOTP(BOOTstrap Protocol)の拡張であるDHCPが登場した。ところが、現状のDHCPはセキュリティの面で不充分であり、権限のないサーバーが勝手に立ち上がって誤ったアドレスや経路情報を流したり、悪いホストが他のホストになりすまして情報の横取りをする可能性が存在する。そこで本報告では、セキュリティを向上させる方法について提案を行う。
著者
岡本 敦
出版者
東海学園大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

3次元コンピュータ・グラフィックス(3DCG)によるアニメーションを使用して、体育・スポーツの運動学習を行った際に、立体表示が身体動作の再現性に与える影響を検討した。エアロビクスダンスの3DCGアニメーションを作成し、その映像を2次元表示と立体表示で学習者に提示した。その時の学習者の身体動作を分析した結果、2次元表示では奥行き方向の動きが小さくなっているのに対して、立体表示では、左右方向、奥行き方向ともにより学習モデルに近い動きが再現されていた。したがって、体育・スポーツの複雑な身体動作の運動学習では、3DCGアニメーションによる立体表示が有効であることが示された。
著者
岡本 昌也 柳井 啓司
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J97-D, no.8, pp.1237-1249, 2014-08-01

近年,ウェアラブルカメラと呼ばれる頭や胸などに装着し撮影するカメラの普及に伴って,一人称視点の映像が多く撮られるようになってきている.本研究では,一人称視点映像の実用的な利用の一つとして,道案内映像としての利用を考える.一人称視点映像の移動映像を入力として,映像中の道順が分かるようシーンの重要度に応じて動的に再生スピードを変化させた要約映像を自動生成することを目的とする.要約映像を生成するために,自己動作分類と横断歩道検出という二つの処理を行う.自己動作分類は,映像撮影者の行動を“前進”,“停止”及び“右折”,“左折”の四つに分類する.横断歩道検出は,映像中に出現する横断歩道を検出することで,映像中の交差点や分岐点を推定する.要約映像の生成は,自己動作分類と横断歩道検出の結果を統合し,動的に再生速度を制御することによって行う.実験では,横断歩道検出の精度実験及び自己動作分類の精度実験を行い,その有効性を検証した.映像3本に対して提案手法の要約映像を生成して被験者10人による比較評価実験を行い,横断歩道検出と自己動作分類の両方を用いた提案手法が他のベースライン手法より優れていることを示した.
著者
岡本 洋輔
出版者
独立行政法人産業技術総合研究所
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

日中における暴露光の波長(色)が覚醒・認知に与える影響について検討した.異なる波長の光に暴露した条件下で認知課題を遂行しているときの脳波・脳磁界を解析した結果,短波長(青色)の光に暴露されているときには,他の波長の光に暴露されているときよりも認知処理に係る大脳活動が大きく変化した.これは,日中における青色光への暴露は認知処理機構に影響を与えることを示している.
著者
岡本 悦司 神谷 達夫
出版者
福知山公立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

特定健康診査・保健指導によるメタボ医療費の抑制効果を評価するため,医療給付実態調査のレセプトデータより,2010~13年度の4年間に継続して被保険者であった者について,メタボ疾患を主傷病とするレセプトの医療費の伸びを追跡した。突合人数100人以上の1038組合484万6222人を対象とした。4年間のメタボ医療費の平均伸び率の分布は,1.05~1.1に最多の330組合が分布しており,歪度1.81と右側(=医療費増加)に偏っていた。若干の加齢による影響も加味しなければならないが,各保険者がメタボ対策にとりくんだ4年間においても明確なメタボ医療費削減効果は観察されなかった。
著者
足立 啓 本多 友常 林田 大作 朴 貞淑 岡本 加奈子
出版者
和歌山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

和歌山県みなべ町および上富田町における地域福祉ニーズ調査、各種統計データ抽出、住民アンケート調査、住民参加型ワークショップ等を通じて現状を把握し、町と協同して「地域福祉計画」策定のモデル原案を作成した。次に県下で策定済12市町の「地域福祉計画」を、生活環境、医療福祉、福祉のまちづくりなどの多面的視点から評価し4つに類型化しその特徴を明らかにした。また小地域・圏域での地域福祉ネットワークのあり方も検討した。
著者
北川 慶子 榛沢 和彦 三島 伸雄 羽石 寛志 岡本 竹司 堺 正仁 Whang-Woo Noh 瀧 健治
出版者
聖徳大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

東北3県、広島土砂災害、熊本地震被災地住民の健康診査と生活実態調査によって、エコノミー症候群等健康状態の変化を明らかにした。避難所・仮設住宅調査により、避難所改善への提言を毎年セミナー/学会で積極的に公表してきた。健康被害の課題解決と研究成果の共有のため、避難生活学会を創設(H28)した。3年間の被災者に対する健康診査・聞き取り調査は、避難者の多様性と支援対応のパターナリズムとのギャップの解決が避難所・仮設住宅生活による健康被害を防止させることを検出した。避難・避難所生活、仮設住宅生活、帰宅復帰生活の健康被害予防指標は、KTB(キッチン・トイレ・ベッド)の整備であることを見出した。
著者
山田 真大 林 和宏 鈴木 章浩 岡本 幸太 小林 良岳 本田 晋也 高田 広章
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.18, pp.1-7, 2013-07-24

組込み向け機器に利用されるハードウェアの高性能化に伴い,組込み OS として Linux などの汎用 OS が搭載されるようになった.組込み機器では,リアルタイム性が重要視されるため,Linux を採用する場合,カーネルに改良を施すことでリアルタイム性を確保している.また,マルチコア CPU を搭載する組込み機器では,Linux が持つ CPU affinity の機能を用いることで,シングルコアでは不可能であった高負荷時におけるリアルタイム性も確保することが可能になった.しかし,CPU コア毎に存在するカーネルスレッドは CPU affinity を適用することができず,また,この処理がまれに引き起こすタイマのカスケード処理には多くの処理時間を必要とし,リアルタイム性を阻害する原因となる.本論文では,マルチコア CPU の各コアを,リアルタイム性を必要とする CPU コアと不要とする CPU コアに分割し,リアルタイム性を必要とする CPU コアでは,タイマのカスケード処理を発生させないよう事前に対策を施すことで,リアルタイム性を確保する手法を提案する.With the increase in hardware performance of modern embedded systems, general-purpose operating systems (OS) such as Linux are commonly used as embedded OSs. Furthermore, the use of multi-core CPUs enables Linux to improve its real-time performance even on high-load scenarios which is rather hard to achieve on single-core CPUs thanks to its "CPU affinity" functionality. However, we found two issues in the current version of the Linux kernel: the CPU affinity of some kernel threads cannot be specified; and the use of timer cascading (use of multiple hardware timers to count time) increases the worst-case response time of real-time tasks. In this paper, we classify the cores in a multi-core CPU into 2 different groups: cores which require real-time performance guarantees; and cores which do not require such guarantees. Then, we propose and evaluate a method that improves the real-time performance of the system by disabling timer cascading on cores which require real-time performance guarantees.