著者
伊勢田 知子 松前 祐司 岩崎 晴美 斎藤 兆古 堀井 清之
出版者
The Visualization Society of Japan
雑誌
可視化情報学会誌 (ISSN:09164731)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.291-294, 2000

The colors on picture books by Dick Bruna have been analyzed by using computer.<BR>Fundamental colors including red, blue and green specified by Bruna himself are revealed to be not pure fundamental colors. These picture books have taken reposeful colors that mixed one fundamental color to another fundamental one. The thread of narrative is made a development along the changes of these reposeful colors that increases the charm of picture books by Bruna.
著者
大泉 良介 岩崎 英哉
雑誌
第56回プログラミング・シンポジウム予稿集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.1-11, 2015-01-09

本稿では,プログラムの穴埋め問題とプログラム実行の視覚化を組み合わせた,初学者向けのプログラミング学習ツールである拡張Online Python Tutor(拡張OPT)を提案する.拡張OPTは,web上で動作し,プログラムの穴埋め問題を,プログラム実行の視覚化とともに出題する.学習者は視覚化されたプログラム実行の過程を確認し,その実行過程と合致するように穴埋め問題に解答する.誤答の場合には,誤答プログラムによる実行過程を正答プログラムの実行過程と並べて視覚化して提示する.これにより,正答と誤答の振る舞いの違いを明確にし,学習者の理解を促す.学習者はこれを繰り返すことによって,プログラミングに関する理解を深めることができる.穴埋めの正解判定は,正解プログラムと学習者からの解答のプログラムの実行トレースを比較することで行う.この方法により,正解が唯一に定まるとは限らないという問題に対処した.
著者
岩崎 均史 小林 ふみ子 桑山 童奈 田沢 裕賀 大久保 純一
出版者
独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

浮世絵版画では、大小(摺物・暦)制作及びその交換で、明和二年の交換会により、錦絵と称される多色摺が完成することは定説である。だが、錦絵誕生期以外の大小に関して研究されたことはごく少ない。これは、まとまった大小の作品を見る機会を得ることが困難だったことに原因がある。本研究は、国内最大の貼込帖である東博蔵「大小類聚」の大小のデータ採取し、作品名(仮題は付与)・解読・翻刻・分析・分類・大小の特定などをまとめた目録とし、加えて本研究進行中に生じた新知見、情報も適宜加えたその有用性を発信することを目的としたデータベースを研究者に公開する。これにより研究者に不足していた情報が提供可能となり、大小の活用が図られる。現在までに完了した作業での主要データ採取項目は、①摺・写の判別:摺物(版画)が筆写を含む肉筆か、またはその混合かを判別。②作品名:文字のある場合はあるがままで採取、ない場合は課題付与。③画題特定:明確なもののみとし、推定はメモ程度にとどめる。④注文主特定:記名・印章などから判定。⑤絵師特定:落款・記名で判定、画派などの推定はメモ程度にとどめる。⑥印章等判読:印章や花王など、作品に何らか関係する人物のもののみ判読、⑦採寸確認:以前採寸したものと、異なるような場合再度採寸する(通常、縦×横㎝)。⑧大小の探索:大の月、小の月がどのように配されているか確認、貼込帖の表題年代との錯誤確認。⑨文字の翻刻:配された文字をあるがまま採取し翻刻。現在、全冊の仮データベースの入力をしつつ、データ内容の確認作業を行っている。早期にこの作業を継続終了させ、撮影された画像と合わせて、逐次共同研究者の手元に送信し、内容の確認と合わせ、各分野の専門的視点を加えた検証を加えていく。
著者
浜本 浩 黒崎 秀仁 岩崎 泰永
出版者
日本植物工場学会
雑誌
植物環境工学 (ISSN:18802028)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.97-101, 2015
被引用文献数
2

深度データを面的に収集できるKinect for Windowsを用いて,作物個体群の受光態勢を評価することを試みた.Kinectで撮影した作物の深度デ-タを表計算ソフトで解析し,作物の占有する区画における葉の写っている面積割合(Ra)を算出した.Raは上方からみた水平受光面の大小を示す.また,これを深度別に分け,作物個体群の最高点から1 cmごとに積算し(Ra'),これがRaの80 %の値になるまでの距離を葉の分布している距離で除した割合(Rp)を算出した.Rpは作物個体群への光の浸透性の強弱を示す.模型による疑似作物個体群やポット栽培のトマト個体群を用いた解析では,総葉面積(受光面積)の大きい場合にRaも大きくなり,個体群の光透過率が低い処理ほどRpが小さくなった.また,パプリカ個体群では,Raが早朝増加,薄暮時減少,Rpが早朝減少,薄暮時増加を繰り返したが,これは薄暮時には早朝と比べて葉が下垂したためと考えられた.

2 0 0 0 OA 本草図譜

著者
岩崎常正 著
出版者
本草図譜刊行会
巻号頁・発行日
vol.58, 1921
著者
藤枝 郭俊 高橋 〓 藤田 敏美 岩崎 昭人 奥山 政広
出版者
The Visualization Society of Japan
雑誌
可視化情報学会誌 (ISSN:09164731)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.197-200, 1990

Aircraft adopting USB(Upper Surface Blowing) concept as a powered lift system achieves powered lift augumentation by deflecting the engine exhaust flow over the wing and the extended USB flap by Coanda principles. To obtain higher powered lift, optimal engine exhaust nozzles design and engine allocation which enhance effectively exhaust flow turning performance are important factors.<BR>This report describes the exhaust flow characteristicsin the case of varying space between two engines installated on the semi-span USB powered lift model. Measurements of Exhaust flows behind two engines were made by a traversing wake rake with 5-holes pitot tube in NAL 2m×2m Gust Wind Tunnel.
著者
岩崎 周一
出版者
一橋大学
雑誌
一橋社会科学 (ISSN:18814956)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.169-212, 2008-12

本稿は、「<共通の危機>から国家は生まれた」という経済学者シュンペーターの指摘を足がかりとして、近世のハプスブルク君主国において「共通の危機」意識に起因する軍事の発展が国内諸勢力の幅広い統合を促す一因となり、合意形成の過程に多大なインパクトを与えた経緯について考察することを目的とするものである。近世ヨーロッパにおいて広範にみられたように、ハプスブルク君主国においてもとりわけ三十年戦争以降、王権は軍事・戦争を主要な起動力として、国家形成を主導していった。しかし、それは諸身分に代表される中間的諸権力の打破ないし排斥によってではなく、彼らとの協働のもとに達成された。そしてこうした関係が成立する上で決定的な意味をもったのは、まずオスマン帝国、次いでプロイセンの脅威によって恒常的に存続することとなった、「共通の危機」意識であった。特に注目されるのは、確かに軍事負担は徐々に拡大し、軍事に対する国家の権限も徐々に強まっていったものの、それは常に中世以来の伝統的慣習にのっとった上で諸身分との合意形成を通して実現したのであり、国制を根本的に変貌させるような改変は決してなされなかったことである。一方で諸身分の側も、決して常に中央と対立関係にばかりあったのではなかった。また、中央の方針に反発し抵抗することが、必ずしも「公益」に反する行為とはならないことにも注意したい。中央の施策に問題がある場合もあり、宮廷軍事会議をはじめとする中央諸機構の不手際や機能不全といった事態も多々みられた。そして諸身分はこうした事態をたびたび収拾し、国家運営に貢献したのである。少なからず変動はあったものの、近世における「共通の危機」とそれへの対応策としての軍制の発展は、総じて国内諸勢力の利害を広範に一致させると同時に彼らをその当事者ともなして、ハプスブルク君主国の統合に少なからず寄与したといえよう。
著者
小野寺 博義 町田 紀子 松井 昭義 小野 博美 阿部 寿恵 渋谷 大助 南 優子 岩崎 隆雄
出版者
Japan Society of Ningen Dock
雑誌
人間ドック = Ningen dock : official journal of the Japanese Society of Human Dry Dock (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.488-493, 2005-09-30
被引用文献数
1

目的:超音波検査による脂肪肝の頻度が一般のがん・生活習慣病健診受診者(A群)よりも有意に高いある職域(K群)において,生活習慣や交代制勤務と脂肪肝の関係を検討した.方法:K群の40歳から60歳の2,323人,およびA群の40歳から60歳の2,010人に生活習慣,勤務体制,摂取食品についてのアンケート調査を実施し,回答を得たK群の2,322人,A群の2,008人を対象とした.結果はロジスティックモデルを用いて解析した.結果:飲酒する人,運動する人,喫煙者では脂肪肝の頻度が有意に低率であった.K群男性では更に不規則な食事が脂肪肝のリスクを高める有意な要因であった.A群での食品別の解析では野菜,海藻,砂糖入り飲料の摂取が多い人では脂肪肝頻度が低く,肉の摂取は脂肪肝のリスクを高くする要因であった.これに対してK群では脂肪肝の有意なリスク要因となる食品がなかった.結論:K群においては食生活習慣異常が脂肪肝頻度高値の重要な要因になっていると考えられた.K群は交代勤務が多く,不規則な仕事内容の職域集団であることから食事が不規則になると思われ,食事のあり方を職場全体で検討し見直していく必要があると考えられた.
著者
近藤 直司 小林 真理子 宮沢 久江 宇留賀 正二 小宮山 さとみ 中嶋 真人 中嶋 彩 岩崎 弘子 境 泉洋 今村 亨 萩原 和子
出版者
全国障害者問題研究会
雑誌
障害者問題研究 (ISSN:03884155)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.21-29, 2009-05

近年,青年期におけるひきこもりケースの中に発達障害を背景とするものが少なくないことが明らかになってきており,個々の発達特性や精神・心理状態を踏まえた支援のあり方が問われている.また,ひきこもりに至る以前の予防的な早期支援のあり方を検討することも重要な課題である.本稿では,まず,ひきこもり問題に占める発達障害の割合や,ひきこもり状態にある広汎性発達障害ケースの特徴について述べ,ひきこもりの発現を未然に防ぐことを目的とした予防的早期支援と不登校・ひきこもりケースへの支援における家族支援の要点について検討する.
著者
山田 田村 千佳子 鈴木 綾乃 根岸 千絵 岩崎 泰史 吉田 企世子
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 : Nippon eiyo shokuryo gakkaishi = Journal of Japanese Society of Nutrition and Food Science (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.139-144, 2005-06-10
参考文献数
11
被引用文献数
5 1

秋期栽培においてホウレンソウ3品種 (パレード, リードおよびマジック) を栽培時期および施肥を同一条件で栽培し, 収穫適期以降の還元糖, アスコルビン酸, シュウ酸, 硝酸の変動を解析した。また, ゆでたホウレンソウを用いて官能評価を行った。いずれの品種も生育とともに, 還元糖およびアスコルビン酸は増加し, シュウ酸は減少した。硝酸はパレードおよびリードでは減少し, マジックでは増加した。官能評価は, 還元糖の多いパレードおよびリードでは甘味の評価が高かった。シュウ酸の多いマジックではアクが強く, 少ないリードではアクが弱いと評価される傾向にあった。従来の出荷基準よりもさらに生育させることにより, 内容成分の充実したホウレンソウが得られることが示唆された。
著者
岩崎 允胤
出版者
日本哲学会
雑誌
哲学 (ISSN:03873358)
巻号頁・発行日
vol.1958, no.8, pp.58-69, 1958-03-31 (Released:2009-07-23)
参考文献数
26

均衡は哲学的カテゴリーであるから、その内容を普遍的に把握するとともに、真理性の限界を正しく認識せねばならぬ.たとえば、力学的概念を一般化したり、これを絶対化してはならない.あとで述べるように, わたくしは、均衡は、客観的だが、相対的で、物質の弁証法的運動の一契機である.という見方が、基本的に正しいと考える.だが、均衡概念は、しばしば、これとは異った見方によって使われている.たとえば、ワルラス、パレートに始まる一般均衡理論の場合で、わが国においては、中山、東畑、高田氏らによってつとに導入され、経済学の一派を形成しているものである.他方、均衡概念は、かつて、マルクス主義の修正という形で、ボグダーノブ、とくにブハーリンによって援用された.わたくしは、これらの理論における均衡概念を検討し、両理論の連関も考えてみたい.その検討の結果、いずれの均衡論においても、力学的概念の一般化と、絶対化がおこなわれていることが明らかとなり、マッハ主義との結び付きも示されるだろう.さいごに、均衡概念をどのように把握するのが正しいか、について簡単にでも考察してみよう.

2 0 0 0 OA 本草図譜

著者
岩崎常正<岩崎潅園>//著
巻号頁・発行日
vol.第4冊 巻34水草類2,
著者
岩崎 祐子
出版者
四日市大学
雑誌
四日市大学論集 (ISSN:13405543)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.121-132, 2003-09-01
著者
岩崎 成夫
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.49, no.10, pp.892-901, 1991 (Released:2009-11-16)
参考文献数
36
被引用文献数
1 3

CLC部位に作用する化合物の構造要因は立体化学も含めて比較的単純で, STG (3) やPDT (4) のような複雑さを要しないように見える。事実, 多数の合成剤も作られている。しかし, これら薬剤の対象であるカビ, 寄生虫などに耐性が出やすく, A.nidulansのBZ剤耐性株で解析されたβ-TNの変異点が6箇所にも及ぶという事実とよく一致している。一方, 現在までに知られているVLB-MAY部位に作用する化合物は, 皆多数のキラル中心を持つ複雑な構造で, 今までは構造の部分修飾による活性の変化が調べられていた。今後は, 単純化した必須の構造要因を明らかにし, 分子認識機構を解明していくことも期待したい。この部位を標的とする薬剤の医薬・農薬としての応用では, VLB-MAY部位でのβ-TNの変異が起こりにくいことから, 耐性は出にくいという利点が予想される。以上述べてきたように, TNとこれに結合してその機能を阻害する化合物との間の相互作用について, 多くの事実は明らかになってきたが, 依然として, これら阻害剤がTNの3次元構造の何処にどのように結合しているのかは全く分っていない。そのために, 阻害剤を非可逆的に結合する (アフィニティラベル) 試みも続けられている。また, 何時か, TN-リガンド複合体の結晶解析も可能となることを願っている。