著者
今村 賢治 越前谷 博 江原 暉将 後藤 功雄 須藤 克仁 園尾 聡 綱川 隆司 中澤 敏明 二宮 崇 王 向莉
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.925-985, 2022 (Released:2022-09-15)
参考文献数
203

本解説論文では,特許を対象とした機械翻訳における種々の課題に対する関連技術の解説を行う.特許に対する機械翻訳は実用的にも学術的にも長い歴史を持つが,ニューラル機械翻訳の登場で新たな段階に進んできたと言える.そうした動向を踏まえ,訳抜け・過剰訳への対策,用語訳の統一,長文対策,低リソース言語対対策,評価,翻訳の高速化・省メモリ化,の6項目に分けて近年の関連技術を紹介し,今後の方向性を論じる.
著者
後藤 俊夫 高橋 敞 岸 義人 平田 義正
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化學雜誌 (ISSN:03695387)
巻号頁・発行日
vol.85, no.8, pp.508-511,A40, 1964-08-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
11

フグ卵巣の水抽出液を加熱除タンパク後,イオン交換樹脂に吸着させることを骨子としたテトロドトキシンの新抽出法を考案した。この方法によれば少なくとも全一量の50%以上の毒を結晶状に得ることができる。また通常の再沈殿法で精製したテトロドトキシンにはアンヒドロエピテトロドトキシンが混在し,それを除去するにはピクラートを経て精製する必要がある。この精製テトロドトキシンを用いれば,臭化水素酸塩を結晶として得ることができる。
著者
本間 行彦 高岡 和夫 與澤 宏一 片岡 是充 後藤 壮一郎 千丈 雅徳 水島 宣昭 辻 和之 今井 純生 水谷 保幸 角谷 憲史 恩田 芳和 新井田 榮路 新井 慎治 根岸 利幸 越前屋 幸平 藤田 克裕 宮本 光明 小関 利行
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.245-252, 1996-09-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
7
被引用文献数
2 2

かぜ症候群に対する麻黄附子細辛湯 (株) ツムラ, TJ-127) の有用性を検討するため, 封筒法による総合感冒薬との比較試験を行った。対象はTJ-127群83例, 総合感冒薬群88例で, 性, 年齢, 発病から投薬までの期間など, 両群の背景因子に有意差はみられなかった。結果として, 全般改善度では, TJ-127群は中等度改善以上が81.9%であり,一方総合感冒薬群は60.3%であった (P<0.01)。また, 患者に各種症状の経過をかぜ日記として記載してもらい, それらを検討した結果, 発熱, 熱感, 全身倦怠感, せき・たんの各症状において, TJ-127群の方が総合感冒薬群より有意に短期間に消失することが認められた。安全性においてもTJ-127群に問題となるものは認められなかった。以上の成績から, TJ-127はかぜ症候群の治療に有用な薬剤と考えられた。
著者
児玉 泰光 吉田 謙介 永井 孝宏 西川 敦 後藤 早苗 青木 美栄子 内山 正子 高木 律男
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.48-57, 2020-01-25 (Released:2020-07-22)
参考文献数
28
被引用文献数
1 2

歯科外来における抜歯に関連した経口抗菌薬について,歯科ICTによる抗菌薬適正使用支援プロブラム(ASP)の前後で調査した.2015年1月~2018年12月において,電子カルテを用いた後ろ向き調査から抜歯当日の経口抗菌薬処方(術後投与)を抽出し,経口抗菌薬投与の有無,種類,期間を検討した.対象期間の後半(2017年1月)から,ASPとして抗菌薬適正使用に関する設問を含むe-learningを実施し,同時に関連情報を歯科系全医療スタッフで共有した.対象期間の普通抜歯は12,225件で,前半68.1%(4110/6036),後半50.4%(3120/6189)で経口抗菌薬が処方されていた.下顎埋伏智歯抜歯は4,740件で,前半90.5%(2130/2354),後半60.3%(1419/2354)で経口抗菌薬が処方されていた.ガイドラインによると普通抜歯では抗菌薬投与不要,下顎埋伏智歯抜歯では術前投与が推奨されており,適正使用化傾向が確認された.また,経口抗菌薬の種類は,第三世代セフェム系が激減し,普通抜歯では2015年上半期86.9%であったのが2018年下半期には28.3%に,下顎埋伏智歯抜歯では2015年上半期87.4%であったのが2018年下半期には8.5%となった.歯科ICTが主導するASPが歯科外来での抜歯における経口抗菌薬の適正使用に寄与したと推察された.
著者
末廣 健児 後藤 淳
出版者
関西理学療法学会
雑誌
関西理学療法 (ISSN:13469606)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.21-24, 2011 (Released:2012-01-06)
参考文献数
4
被引用文献数
1

In physical therapy, we often encounter situations in which sensory disorders impede normal movement. Sensory information always accompanies movement, and normal movement cannot be achieved without sensory information. In this report, we describe the changes in movement caused by proprioceptive input in healthy persons and a post-stroke patient.
著者
阿久津 誠 後藤 一貴 柏木 隆志 今野 渉 中島 逸男 深美 悟 平林 秀樹 春名 眞一
出版者
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
雑誌
頭頸部外科 (ISSN:1349581X)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.41-46, 2019 (Released:2019-09-28)
参考文献数
10

食道異物は摘出が容易な症例や自然排泄が期待できる症例が多いが,時として消化管穿孔や皮下・縦隔気腫などの合併症を引き起こす事がある。今回われわれは過去11年間で経験した,食道異物の症例を若干の文献的考察を加え報告する。症例は全98例,10代と60〜70代の二峰性分布を認めた。種類別ではPTPが最多であった。30例が入院加療を要したが軽快退院していた。一般的な耳鼻咽喉科診察では食道内の異物を見落としてしまう恐れがあり,上部消化管内視鏡検査や頸部CT検査は重要である。また鋭的異物の誤飲を積極的に疑う場合,後に下部消化管穿孔や穿通をきたす恐れがあるため他科との連携を図り,下部消化管精査も検討すべきである。
著者
田口 真奈 後藤 崇志 毛利 隆夫
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.255-269, 2019-01-20 (Released:2019-02-02)
参考文献数
22

本研究では,京都大学において我が国で初めてグローバルMOOC を全面的に用いて反転授業を行った実践を2年間にわたって調査した.教員へのインタビュー調査と参与観察により,日本人学生を対象として実践された反転授業の授業デザインの特徴を明らかにした.さらに学習者へのインタビュー調査に基づく定性的手法による仮説生成と,MOOC の受講データと質問紙調査を組み合わせた定量的手法による仮説検証により,グローバルMOOC を活用した反転授業に学生がどのように取り組んだかを明らかにした.その結果,授業者が意図しなければ,学生は自発的には掲示板を利用しないこと,英語への抵抗感は反転授業やMOOC の成績と関連しないこと,講義ビデオ視聴や,課題への取り組みについては学生の個人差があることが明らかとなった.反転授業の成績との関連から「わかっているから内容をスキップする」というような視聴態度の学生は,そういった態度を持たない学生に比べて成績が低いという傾向が見られた.
著者
米谷 雄介 後藤田 中 小野 滋己 青木 有香 宮﨑 凌大 八重樫 理人 藤本 憲市 林 敏浩 今井 慈郎 最所 圭三
出版者
国立大学法人 情報系センター協議会
雑誌
学術情報処理研究 (ISSN:13432915)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.54-63, 2018-09-19 (Released:2018-09-10)
参考文献数
20

日本年金機構に対する標的型攻撃(2015年6月)では多数の個人情報が流出し,香川大学(以下:本学)の医学部附属病院でも,同様の攻撃によって端末1台がウイルスに感染するインシデントが発生した.本学では,こうした事例に基づき,2016年度に,情報セキュリティ対策の強化の一環として,構成員(特に教職員)による標的型攻撃メール対応訓練を導入した.これに続き,香川大学情報セキュリティインシデント対策チーム“KADAI CSIRT”(以下:本CSIRT)を発足させ,訓練・教育・注意喚起・報告受付の各業務を組織化し,攻撃に対する本学の潜在的課題やCSIRT活動の課題を探るべく調査を実施してきた.本論文では,標的型攻撃メール訓練に対する構成員から得られた主観的評価等のデータに基づきCSIRT構築過程を詳述する.
著者
後藤 敏行
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.68-74, 2010-02-01

コンピュータゲームは一大産業化し,現代文化の要素になっているため,保存して後世に残す必要があると考えられる。保存に対する課題には,メディアの短命さや技術の陳腐化がある。対策にはマイグレーション,エミュレーション等があり,特にエミュレーションに期待が集まる。だが,完成された技術ではまだなく,著作権や特許権を侵害する可能性もある。複数のコンピュータゲームアーカイブがすでに設立され,運用を開始している。それらは,世界のすべてのコンピュータゲームを収集するには至っていない。今後の施策として,ゲーム会社とコンピュータゲームアーカイブの連携協力や,図書館界の一層のコミットメントを提言する。
著者
松岡 裕見子 小西 光子 後藤 寛樹 要門 美規
出版者
富山大学
雑誌
富山大学留学生センター紀要 (ISSN:13472739)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.31-41, 2002-03

富山大学留学生センター日本語研修コースでは, コース期間中,毎朝,その日の口ならしとして1限目の授業の始めの5分~10分を発音練習にあてている。コースが開設された当初は,既製の教材を使用していたが, もっと楽しく元気に授業を開始できる,ウォーミングアップとなるような教材を開発しようということになった。教材は毎日の口ならしであると同時に, 日本語の発音の基礎を学び, 日本語らしいリズムを習得させることを目標としており, これまでに2回の改訂を経て,現在使用しているものに至っている。本稿はその教材開発について報告するものである。
著者
後藤 俊介
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.107, no.5, pp.872-877, 2018-05-10 (Released:2019-05-10)
参考文献数
19

プロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibitor:PPI)は,さまざまな上部消化管疾患の治療成績の大幅な向上に寄与した薬剤であり,現在,臨床現場で広く使用されている.ただ近年,プロトンポンプ阻害薬と腎機能低下の関連が報告されており,本稿では,それらについて概説する.プロトンポンプ阻害薬は,稀に急性間質性腎炎を起こす可能性があることが報告されている.また,大規模な観察研究において,腎機能低下との関連の可能性も指摘されている.ただし,そのリスクがプロトンポンプ阻害薬の有するベネフィットを上回るものかどうかは定かではなく,漫然と使用している場合には,必要性を見直す必要があると考えられる.
著者
赤羽 久忠 古野 毅 宮島 宏 後藤 道治 太田 敏孝 山本 茂
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.105, no.2, pp.108-115, 1999-02-15 (Released:2008-04-11)
参考文献数
14
被引用文献数
1

温泉水の中で, 自然の倒木が珪化していることがあり, これが地質時代に形成された珪化木の一つの形成現場であるという報告がある(Leo and Barghoorn 1976;赤羽・古野, 1993).筆者らはさらにこれを確かめるため, 木片を7年間にわたって温泉水の流れに浸し, 珪化の進行を観察した.珪酸の増加は約1年で重量比~0.72%, 2年で~2.90%, 4年で10.65%, 5年で26.78%, 7年で38.11%に達した.珪化は, 珪酸の球状体が木材組織の細胞内腔を充填することによって行われている.珪酸が木材組織へ浸潤する機構について, 珪酸の球状体が道管~道管壁孔を経由し各細胞まで到達した痕跡を確認した.今回確認した珪化木の形成機構は, 地質時代の珪化木形成を説明するものである.すなわち, 条件が整えば, 地質時代に形成された珪化木も数年~数10年という驚くべき短期間で行われた可能性がある.
著者
後藤 淳 高田 毅 末廣 健児
出版者
関西理学療法学会
雑誌
関西理学療法 (ISSN:13469606)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.25-40, 2002 (Released:2005-05-21)
参考文献数
2
被引用文献数
11

There are various movements in our daily life. In this chapter, we considered standing-up from the following viewpoints: 1) Consideration of the literature: We consider normal "standing-up" from the kinematical viewpoint as mentioned in the each literature. 2) Consider the analysis of "standing-up" with the emphasizes on movement (the accent): We understand the influence of the other parts on the body with the emphasis on "standing-up", and we understand the difference between the normal "standing-up" and emphasized "standing-up". 3) Consideration from the "standing-up" analysis of each disease: After analyzing "standing-up" ralated to each disease, we compared it with emphasized movements and considered each relationship (similarity, common points, points of difference). There are various movements in our daily life. If we can understand "standing-up" which is common in our daily life. we can predict the other normal movements and the movements of patients with various diseases, and we can treat diseases early. Although "standing-up" is the basic movement in locomotion, we must not limit understanding to this. Because we can understand whole movements in more detail by considering the abovementioned viwepoints.
著者
菅野 純 梅田 ゆみ 鈴木 正明 武田 知起 後藤 裕子 山野 荘太郎 平井 繁行 竹内 哲也 高橋 祐次
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会 第46回日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.S6-4, 2019 (Released:2019-07-10)

架橋型アクリル酸系水溶性高分子化合物(以下、ポリマー)の包装作業に従事した労働者6名が肺繊維化、間質性肺炎、肺気腫、気胸等を発症した事から、2017年4月に、同種事案の防止のため、厚生労働省労働基準局安全衛生部からプレスリリース(1,2)があった。6名は曝露開始から2年前後の短期間に発症し、年齢は20代~40代であった。このポリマーは、アクリル酸を直鎖重合し、更に網目状に架橋した巨大分子で、一次粒子はナノ粒子の定義に該当すると考えられる。外観は白い微細粉末である。肺に対する毒性文献情報は確認されていない。吸湿吸水性が高く難分解性で、消化管から吸収されず経口毒性は殆ど無いとされる。 ここでは、当該ポリマーの肺毒性の成立過程と発生機序の解明を目的とした研究のうち、ラット及びマウスの肺曝露実験の中間報告を行う。曝露経路は、ポリマーが惹起する生体反応の概略を把握する目的での気管内投与(IT)、ヒトで生じた肺病変の成立過程と発生機序と定量的用量作用関係を明らかにする目的でのTaquann直噴全身曝露吸入(WB)の二通りを採用した。IT検体(1.5g/L)は懸濁し光顕下で細菌大の粒子を認めた。単回IT(ラット100~300μg/匹、マウス15~45μg/匹)の直後より(分布に偏り大)ポリマー貪食マクロファージ(PLMφ)の崩壊像と共に肺胞内に強い炎症細胞浸潤を認め、1週に最大となり4週に向けて減弱した。それに交代して肺胞内PLMφ集簇巣形成、Ⅱ型肺胞上皮の増加(TTF1、Tm4sf1 陽性反応性過形成)の出現を認めた。以上、ポリマーの肺胞内半減期は長く組織反応を伴う炎症の遷延を認めた。IT反復26週観察、及び、全身曝露吸入の結果を合わせて報告する。1.https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11305000-Roudoukijunkyokuanzeneiseibu-Kagakubushitsutaisakuka/0000163637.pdf2.同/0000163635.pdf