著者
白松 俊 池田 雄斗 後藤 誉昌 成瀬 雅人 伊藤 孝行
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2016-ICS-185, no.12, pp.1-7, 2016-12-06

大規模な合意形成やオープンガバメントを実現する上で,Web 上での議論は大きな可能性を秘めている.しかし,多数の参加者による議論内容を把握することは困難であり,未だ技術的な課題は多い.本研究では特に,多数の参加者が Web 上で議論する際,混乱することなく合意形成に至るために必要なファシリテーション機構の自動化を目指す.具体的には,(1) Web 議論システム COLLAGREE を用いた社会実験により収集した議論コーパスを分析し,ファシリテータエージェントの発話生成機構が満たすべき要件を検討する.また,(2) 共創的に市民が協働するプロジェクトを想定し,プロジェクトファシリテーションの観点から満たすべき要件を検討する.さらに,(3) 議会の議事録等を Web 議論の材料として用いる上で,満たすべき要件を検討する.
著者
苅谷 聡紀 片山 透 田仲 正幸 太細 孝 成瀬 一明 辻 秀一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報システムと社会環境(IS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.35, pp.53-59, 2004-03-23
被引用文献数
5

近年、世界各国で地域通貨が運用されている。地域通貨は特定地域のみで使用が可能な通貨であり、これを利用することで特定地域内での個人間取引による相互扶助の活性化の効果等が期待できる。従来の地域通貨コミュニティーの運営方式に対して、より利便性の高い通貨運用を実現するためにモバイル端末による運用支援システムの導入を提案する。また、クライアント・サーバ型によるモバイル・アプリケーションの試作開発を行った。本稿では提案システム・試作システムの概要、その評価および今後の展望について述べる。Local currency is employed in present every country in the world. By using local currency, activation of the mutual help in an area is expectable. In this research, the support system for performing local currency employment using a mobile terminal is proposed. This paper describes the outline of a proposal system and a trial production development system, its evaluation, and a future view.
著者
成瀬 昂 有本 梓 渡井 いずみ 村嶋 幸代
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.402-410, 2009 (Released:2014-06-13)
参考文献数
21
被引用文献数
1

目的 少子化の進む日本では,健やか親子21などの政策により父親の育児参加が推奨されている。父親の育児参加に関する研究では仕事の影響を考慮する必要があるが,仕事と家庭における役割の関係性(スピルオーバー)が父親の育児参加にどのように影響するのかは,明確にされていない。本研究では,父親の育児参加を育児支援行動と定義して,その関連要因を検討し,父親の育児支援行動と役割間のポジティブスピルオーバーとの関連を明らかにすることを目的とした。方法 A 市内の公立保育園17園と私立保育園14園に通う,1,2 歳児クラスの父親880人を対象に,無記名自記式質問紙による留め置き・郵送調査を行った。父親・家庭・多重役割に関する変数を独立変数とし,「母親への情緒的支援行動」,「育児家事行動」を従属変数とする階層的重回帰分析を行った。父親に関する要因,母親の職業を独立変数として投入した後(モデル 1),さらに仕事と家庭の両役割間のポジティブスピルオーバーを追加投入(モデル 2)した。結果 189人の有効回答を得た(有効回答率21.4%)。重回帰分析の結果,母親への情緒的支援行動の実施にはポジティブスピルオーバーの高さ,平等主義的性役割態度の高さが有意に関連していた。育児家事行動の実施にはポジティブスピルオーバーの高さ,母親が会社員・公務員であることが有意に関連していた。結論 父親の育児支援行動は,父親の持つ特性や経験などの背景要因よりも,仕事と家庭の両立におけるポジティブスピルオーバーとの関連性が強かった。また,ポジティブスピルオーバーが高いほど母親への情緒的支援行動,育児家事行動を行っていた。父親の育児支援行動を促進するための働きかけや政策を検討するためには,父親が仕事と家庭をどのように両立しているか,それによる影響を本人がどう捉えているかを考慮する必要性が示された。
著者
丹羽 孔明 成瀬 継太郎 大江 亮介 木下 正博 三田村 保 川上 敬
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp."1A1-K02(1)"-"1A1-K02(3)", 2014-05-24

In this paper, we develop an associative memorization architecture of the musical features from time sequential data of the music audio signals. This associative memorization architecture is constructed by using of Restricted Boltzmann Machine (RBM) and Conditional RBM (CRBM). Challenging purpose of our research is development of the new composition system that automatically creates a new music based on some existing music. In this composition system, characteristics or common musical features of existing music are learned and extracted, then a new different musical melody having such musical features is created. This paper illustrates the important former part of the whole system.
著者
井上 克弘 成瀬 敏郎
出版者
日本第四紀学会
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.209-222, 1990-08-20 (Released:2009-08-21)
参考文献数
53
被引用文献数
10 14

A long-range, tropospheric eolian dust transported from the Saharan desert and the Asian continent has been deposited on the terrestrial and aquatic environments in the northern hemisphere. Soil loss due to wind erosion in the arid and semiarid source areas is more significant than previously assumed. Global emission of desert dust and mineral aerosol material is estimated to amount to more than 1.0×106ton yr-1. Long-range eolian dust is an important factor in soil formation and nutrient input in many deposition areas. Physical, chemical, and mineralogical characteristics of long-range eolian dust derived from the Takla Makan and Gobi deserts and the Loess Plateau in China and their influence and significance to the soil and paleosol formations in Japan and Korea are reviewed in this paper.The long-range eolian dust in East-Asia was characterized by a predominance of soil particles 3 to 30μm in diameter. Their dominant minerals were 2:1 layer silicates, kaolinite, quartz, and feldspar. Nonallophanic andosols, red-yellow soils developed on limestones, basalts, and other diverse parent materials, and paleosols buried in paleodunes in the area along the coast of Japan Sea, were strongly influenced by the long-range eolian dust derived from China. Oxygen isotope abundance of the fine-grained quartz (1 to 10μm) isolated from soils revealed that fine quartz and 2:1 layer silicates in diverse soils and paleosols in Japan and Korea and pelagic sediments in the Japan Sea were of eolian dust origin. The eolian dust flux from the atmosphere to terrestrial environments in Japan is significant in the heavy snowfall area along the coast of Japan Sea and was more prominent in the last Glacial age than in the Holocene. Dust flux from East China Sea, Yellow Sea, and Japan Sea pelagic sediments dried during the marine regression period in the last Glacial age to soils and paleosols was also significant in Japan. Thus the desert dust phenomenon is of relevance to geophysical science in general, e. g. geography, geochemistry, climatology, soil science, ocean sedimentology, and Quaternary studies. Desert dust emission and long-range transport are useful indicators for dynamic change in the tonal circulation system, influencing the discussion of future climatic change.
著者
成瀬 敏郎 柳 精司 河野 日出夫 池谷 元伺
出版者
日本第四紀学会
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.25-34, 1996-02-29 (Released:2009-08-21)
参考文献数
38
被引用文献数
5 4

風成塵の給源地を明らかにするために,電子スピン共鳴(Electron Spin Resonance, ESR)による微細石英(≤20μm)の酸素空格子信号量を測定した.分析試料は中国黄土高原~北京の馬蘭黄土,韓国の低位段丘上の土壌,山地斜面土壌,USAのPeoriaレス,日本の福井県黒田のボーリングコア,網野・鳥取両砂丘地の古土壌で,いずれも最終氷期の風成塵堆積層と完新世土壌から採取したものである.分析結果は,馬蘭黄土の酸素空格子信号量(任意単位)が5.8~8.3であり,韓国の最終氷期・完新世両土壌が6.0~7.7であった.両国の先カンブリア紀基盤岩の赤色風化土壌は11.2~12.4であり,カナダの先カンブリア紀岩石分布地域に由来するisotope stage2のPeoriaレスの分析値も11.0~14.0であった.黒田低地では,最終氷期に古生層山地から流水によって運ばれて堆積した>63μm石英は3.6~4.0であり,同じく20~63μm石英,≤20μm石英も3.3~4.7であった.いっぽう,広域風成塵起源の微細石英(≤20μm)は5.8~8.5であり,中国黄土および韓国土壌の数値と一致した.網野・鳥取両砂丘地の古土壌中の微細石英は3.7~4.8と低く,アジア大陸起源だけではなく,最終氷期に陸化した海底からの風成塵が多くを占めるためと考えられた.鳥取砂丘地のisotope stage 4に相当する層準の微細石英には,中国黄土の数値域に属する5.8を示すものや,AT上の古土壌層のように1.9と低い数値を示すものがある.それはisotope stage 4が風成塵堆積量の多い時期にあたっており,同層準中に大陸起源の広域風成塵が多く混入したためであり,逆に数値が低いのは大山新期火山灰起源の石英が多量に混入したためと考えた.
著者
成瀬 央 早瀬 義喜
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OFT, 光ファイバ応用技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.64, pp.57-60, 2014-05-22

本報告では、ブリルアンゲインスペクトル(BGS)周波数シフトのひずみ依存性に基づく光ファイバひずみ計測システムを用いた、動ひずみの計測方法を提案している。高サンプリングレートでBGSを観測できるシステムが開発され、動ひずみがリアルタイムに計測されている。それに対して提案方法では計測対象の動ひずみを、BGS観測時間より十分短い周期で時間変化する高周波数の動ひずみとし、既存のシステムをそのまま用いてBGS観測時間内での動ひずみの情報を得る。本方法では動ひずみ下のBGS形状をモデル化し、このモデルを観測されたBGSにあてはめる。ここでは正弦的に時間変化する動ひずみを取り上げ、そのモデル化、最大ひずみを求めるのに必要となるひずみの振幅と中心の計測方法について述べる。また、シミュレーションによって計測誤差の特性を明らかにしてる。
著者
成瀬 敏郎 酒井 均 井上 克弘
出版者
Japan Association for Quaternary Research
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.295-300, 1986
被引用文献数
12 13

我が国に分布する土壌のうち, 火山灰土 (クロボク土), 古砂丘下に埋没する古土壌, 玄武岩台地や海成段丘上にのる土壌, 南西諸島の赤黄色土など, 北海道から与那国島にかけての地域で20試料を採取した.<br>試料土壌中に含まれる微細石英 (1~10μm) は, 10~30%と多く, この微細石英の起源を明らかにするために石英の酸素同位体比 (<sup>18</sup>O/<sup>16</sup>O) を求めた.<br>その結果, 完新世に生成された火山灰土や黄色土中に含まれる微細石英の<sup>18</sup>Oは15.4~15.9‰であり, これまで行われた研究の結果とほぼ一致した. 最終氷期に生成された土壌についても, ほぼ同様の値が得られ(δ<sup>18</sup>O=14.1~15.5‰), これも, 従来の研究の結果とほぼ一致した.<br>以上のことから, 我が国には最終氷期, 後氷期を通じて頻繁に風成塵が飛来し, また雨水や雪にともなって降下堆積し, 土壌の母材になったことが明らかとなった.
著者
杉江 伸祐 成瀬 廉二
出版者
The Japanese Society of Snow and Ice
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.117-127, 2000-03-15
被引用文献数
2 4

積雪中の水の移動を知る上でもっとも重要なパラメータである不飽和透水係数を, しまり雪 (平均粒径0.5mm, 平均密度530kg/m<SUP>3</SUP>) および中ざらめ雪 (1.3mm, 620kg/m<SUP>3</SUP>) と大ざらめ雪 (1.7mm, 610kg/m<SUP>3</SUP>) の3種類の雪について実験室で測定した.実験は, 0℃の恒温槽内にて, 水の流下フラックスを一定にする「フラックス制御型定常法」によって行った.積雪中の水の負圧 (サクション : <I>h</I>) と流下フラックスから, 不飽和透水係数<I>K</I>とサクション<I>h</I>の関係<I>K</I> (<I>h</I>) を求めた.次に水分特性 (サクションと含水率の関係) の測定結果を用い, 不飽和透水係数と重量含水率θ<I><SUB>w</SUB></I>の関係<I>K</I> (θ<I><SUB>w</SUB></I>) に変換した.その結果, 不飽和透水係数Kは, 含水率の減少にともないべき乗の関係で減少することが分かった.これを<I>K</I>=<I>a</I>θ<SUP><I>m</I></SUP>で表わすと, 減少率を表わす<I>m</I>は雪質の違いによって大きな差があり, しまり雪 : 1.9, 中ざらめ雪 : 4.8, 大ざらめ雪 : 6.3となった.従来の研究では, べき乗数を一義的に3とすることがあるが, 雪質によって使い分けなくてはならない.また不飽和透水係数は, 高い含水率の時, ざらめ雪>しまり雪, 低い含水率の時, ざらめ雪<しまり雪の関係が得られた.このことは, ざらめ雪としまり雪で層を形成している時, 含水率によっては浸透を阻害する層構造があることが示唆された.
著者
白石 和行 成瀬 廉二 楠 宏
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.49-60, 1976-03

1969年12月,9箇の石質隕石がやまと山脈の南東端付近で発見された(Yamato (a)からYamato (I)と命名).引き続き12箇の石質隕石が1973年12月,第14次南極観測隊の旅行隊によってほぼ同地域で発見された.12箇中,大型のもの4箇(重量500〜900 g)はYamato (j), (k), (l), (m)と命名され,Yamato (l)はachondrite,他はchondriteである;残りの8箇(4〜40 g)はYamato (n)からYamato (u)と命名された.採集現場での産状写真を示すとともに,地形や氷状についても述べた.将来,さらに発見される可能性があり,やまと山脈南端の限られた裸氷域に隕石が集中している原因や機構の解明のため,将来室内研究と現場での研究の必要なことを述べた.
著者
成瀬治著
出版者
山川出版社
巻号頁・発行日
1988