著者
吉田 知由 早川 峰司 本間 多恵子 小野 雄一 和田 剛志 柳田 雄一郎 澤村 淳 丸藤 哲
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.22, no.6, pp.519-522, 2015-11-01 (Released:2015-11-06)
参考文献数
17
被引用文献数
1

抗痙攣薬であるゾニサミドは,副作用として発汗障害を認めることが知られており,小児てんかんの分野での報告は散在するが,成人症例での報告は少ない。今回,頭部外傷の急性期から亜急性期にゾニサミドを使用した成人症例で,発汗障害からの高体温を来し,感染症などとの鑑別に苦慮した症例を2例経験した。症例1は21歳の男性,自動車事故で受傷し,入院22日目からゾニサミド300 mg/dayの使用を開始した。その後39℃の高体温を認めたが感染徴候はなく,ゾニサミドを減量したところ3日後に解熱した。症例2は25歳の男性,自動車事故で受傷し,入院3日目からゾニサミド300 mg/dayを使用していた。40℃近い高体温の持続を認めたためゾニサミドを中止したところ,3日後に解熱した。今回,ゾニサミドが原因と思われる高体温症例を経験したが,成人症例と言えどもゾニサミドによる発汗障害からの高体温を来しうるため,高体温時の鑑別として忘れてはならない。
著者
早川 佐知子
出版者
社会政策学会
雑誌
社会政策 (ISSN:18831850)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.97-108, 2019-11-30 (Released:2021-12-02)
参考文献数
23

本論文では,アメリカの人材派遣業の通史をもとに,専門職派遣業,とりわけ,看護師の人材派遣業の特殊性と,それらが成長した背景を分析する。このことで,たとえ非正規雇用であっても生計を維持することができ,かつ,自らのキャリア形成においてもプラスにしてゆけるような働き方の可能性を検討したい。現在,日本の派遣労働者の平均時給はわずか1363円であり,正規雇用労働者との格差が著しい。同一価値労働同一賃金原則に基づき,雇用形態による格差を縮める方向へ動きつつある今,派遣労働の意義も見直すべき時に来ていると考える。 職務の内容ではなく,雇用形態で大きな処遇の格差が生まれる日本の制度の中にあっては,生計のために正規雇用を選択し,結果として長時間労働や遠方への転勤を甘受せざるを得ない労働者も多いであろう。だが,本来であれば,本人が「どのような雇用形態で働くことができるか」ということよりも,「どのような職務を行うのか」ということが優先されるべきである。自らが望む職務を積極的に自己決定できる社会を創るためには,雇用形態がハンディにならないようなシステムが必要になるであろう。
著者
早川 史子 岡崎 章子 韓 順子
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.260-265, 2006 (Released:2007-01-30)
参考文献数
16

2003年10月~12月, モンゴルのウランバートル出身の女子大学生306名と地方出身の女子大学生283名を対象に飲み物調査を実施し, 次のことが明らかになった。  1. ウランバートル出身者と地方出身者の間で湯の飲用頻度がもっとも高いことは共通していた。しかし湯以外の飲み物の飲用状況は両者間で異なり, 前者では紅茶やコーヒーの飲用頻度が高く, 地方出身者ではスーティツァイ, ハルツァイの飲用頻度が高かった。  2. コーヒーは食事と食事の間に飲まれる頻度が高かったが, 紅茶は食事に付随した飲み物として定着していることが明らかになった。  3. ウランバートル出身者に比べると地方出身者ではスーティツァイに対する嗜好性が高く, 紅茶に対する嗜好性が低かったことによって, 飲み物の嗜好性に差が認められた(p<0.001)。  4. 来客時および団欒時の飲み物としてスーティツァイに対するイメージが両群とももっとも高かったが, 地方出身者の方がより高かったことと紅茶に対するイメージがウランバートル出身者の方がより高かったことによって, 両者間における来客時および団欒時の飲み物に対するイメージに有意差が認められた(p<0.001)。  5. 紅茶やコーヒーに対して嗜好性を示した者でも来客時や団欒時には伝統的飲料であるスーティツァイをイメージする者が多かった。

1 0 0 0 OA 明治法制叢考

著者
小早川欣吾 著
出版者
山口書店
巻号頁・発行日
vol.続, 1944
著者
早川 浩平 佐藤 裕哉 胡 絵美帆
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.73, no.7, pp.294-298, 2023-07-01 (Released:2023-07-01)

日本パテントデータサービス㈱の提供する特許情報検索サービス「JP-NET/NewCSS」は,公報情報,審査経過情報といった国内外の特許情報を収録し,特許調査で必要な機能や効率化を図る機能を多く備えている。その中でも特徴的な機能を検索・表示・出力・情報共有のカテゴリ別に紹介,いかに漏れがなく,ノイズの少ない検索や,案件情報を正確に素早く把握し,目的の情報にたどり着けるかを紹介する。また,各種特許マップの作成,統計・分析機能や情報共有機能を活用することで,傾向や対策すべき状況の把握,事業を円滑に進められる環境構築といった特許情報を中心に重要な役割を担うサービスである点も紹介する。
著者
森下 敬一 早川 貞夫 増田 進致 篠島 敏子 久田 美智子
出版者
一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会
雑誌
日本輸血学会雑誌 (ISSN:05461448)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.105-112, 1968 (Released:2010-03-12)
参考文献数
15

Blood pressures, specific gravities of whole blood and the hematocrit values of more than 4000 volunteer donors (male 2900, female 1300) who visited The Tokyo Red Cross Blood Center from January, 1965 till December, 1966, ranging from 16 to 60 years old, were tested. The correlation between the specific gravities of whole blood by copper sulfate method and the hematocrit values was investigated. The results obtained were summarized as follows.1. Blood pressure: The systolic blood pressure was higher in young people, both men and women, than the standard value of the Japanese reported by Watanabe in 1947, whereas the diastolic blood pressure was the same as the standard. It is noteworthy that the systolic blood pressure of young people became higher than at 20 years ago.2. Specific gravities of whole blood: Specific gravities of whole blood lay around 1.) 57 in male and around 1.) 53 in female.3. Hematocrit values: Hematocrit values obtained by using capillaries made of Panlite corresponded to the standard values, being 45% for male and 40% for female.4. Some correlation existed between the specific gravities of whole blood and the hematocrit values. There was a tendency, however, that the latter showed a relatively wide range against one definite value of the former. For example, the hematocrit values of blood samples which have the same specific gravity of 1.052 had a range from 32% to 48%.5. Judging from the specific gravities persons whose values are 1.051 or lower cannot donate blood. Judging from the hematocrit values, however, 89.3% and 62.5% of persons whose specific gravities are 1.051 and 1.050 respectively, can donate their blood for transfusion.6. According to our opinion exclusion of prospective donors on the basis of specific gravities of whole blood does not seem superior than on the basis of hematocrit values.
著者
佐藤 勢 早川 岳人 神田 秀幸 熊谷 智広 各務 竹康 辻 雅善 日高 友郎 遠藤 翔太 森 弥生 福島 哲仁
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.133-137, 2017 (Released:2017-02-28)
参考文献数
15
被引用文献数
2 1

〔目的〕老健施設入所者の転倒状況を調査し,時間帯別に分析を行い,転倒者の個人要因の特徴を明らかにすること.〔対象と方法〕福島市の老健施設で初回転倒した94名を対象者とし,性,年齢,身長,体重,要介護度,活動分類,認知症の分類,ADL評価,握力,長谷川式スケール,10 m歩行,BPSD,転倒場所について時間帯別に比較を行った.〔結果〕転倒者は9:01~17:00で39名,17:01~1:00は32名,1:01~9:00は23名の計94名であった.1:01~9:00の転倒者は低身長,BPSDの夜間不眠,廊下での転倒が有意に多かった.〔結語〕低身長,夜間不眠,廊下通行の特徴を持つ者は深夜から早朝にかけて転倒する可能性が高いため,注意が必要である.
著者
佐藤 拓郎 小早川 悟 小柳 純也 田部井 優也 大谷 祐樹
出版者
一般社団法人 交通工学研究会
雑誌
交通工学論文集 (ISSN:21872929)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.A_108-A_113, 2022-02-01 (Released:2022-02-18)
参考文献数
7

幅員の狭い交差点の流入部では右折車線設置により自転車専用通行帯の幅員確保が困難である。本研究は単路部では自転車専用通行帯がある交差点を対象に、手引やガイドラインでも整備事例として示されている交差点流入部では右折車線が有り車道混在のタイプと、右折車線が無く自転車専用通行帯のタイプに分類した。そして、自転車の車道通行割合および停止位置、ならびに自動車の自転車通行空間への侵入等に関して自転車と自動車の両方の交通実態を把握した。その結果、自転車はどちらの整備形態においても停止位置のルールを遵守しているとは言い難く、自動車の自転車通行空間への侵入等においては、直進と左折で対応に変化が見られないことを明らかにした。
著者
大槻 麻衣 木下 裕介 小早川 真衣子 ホー バック 渡辺 健太郎
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2023-HCI-203, no.38, pp.1-5, 2023-05-24

ビジョン創出・参加者間の価値観理解のために,ビジョンを体現する状況を演劇形式で表現するアクティングアウトや,シンプルな積み木をヒトやモノに見立て,参加者がそれらを動かしながらストーリーを作る,といった表現活動がある.本研究では,働き手自らが新たな生活スタイル・働き方をデザインするにあたり,この活動に人間拡張技術を取り入れる試みを行った.具体的には,体験者同士が (1) AR 技術を活用した人形劇で自身の考えたストーリーを実現・記録し,(2) そのストーリーを,VR によって様々な視点から体験可能とした.AR 技術によって人形を拡張し,情報を付与することで参加者のイメージ構築に寄与し,また,VR の大きな特徴の 1 つである「没入感」を活用することで,参加者がストーリーを自分事として捉え,参加者間のストーリー共有がより深まり,議論を促進する効果が期待できる.また,これまで,VR 体験を構築するためにはある程度の専門知識やツールの習熟が必要であったが,本プロジェクトでは AR 人形劇という形にすることにより,一般の方でも簡単に体験を構築した点に新規性がある.本稿では,システムのプロトタイプの開発と,それを用いた予備実験について述べる.
著者
早川 浄
出版者
マテリアルライフ学会
雑誌
マテリアルライフ (ISSN:09153594)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.51-60, 1997-04-30 (Released:2011-04-19)
参考文献数
20
著者
石丸(飯尾) 麗子 岩室 嘉晃 地中 啓 高山 成明 早川 和一
出版者
日本法科学技術学会
雑誌
日本法科学技術学会誌 (ISSN:18801323)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.155-166, 2013 (Released:2013-07-30)
参考文献数
25
被引用文献数
1 1

Chiral analyses of methamphetamine (MA) and its metabolites of urine samples from 250 d-MA abusers were done by capillary electrophoresis/mass spectrometry (CE/MS) with direct injection of urine. We examined the relationships between the concentrations of unchanged MA and metabolites including the conjugates and the intake situations of MA (e.g. date, route) based on statements of abusers.
著者
早川 公
出版者
大阪国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2022-04-01

文化人類学界では、公共人類学に代表されるように、近年になって社会との具体的な関与のあり方やそのための理論の模索がさかんになってきた。本研究では、大きく2つの問題に応えるために以下の課題を設定する。第1に、これまで文化人類学者の余技とみなされてきた「アウトリーチ」の取組みに着目し、その具体的実践から制作の技法を抽出する。そして第2に、これまで文化人類学の学術的意義とみなされてきた他者理解とは別の仕方の特定を分析する。この2つの検討を通じて、公共領域の問題に関わる人文社会科学の具体的なあり様を提示することが本研究の目的である。
著者
早川 正士
出版者
電気通信大学
雑誌
電気通信大学紀要 (ISSN:09150935)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1-2, pp.1-9, 2005-01-31

There have been accumulated a lot of evidences on the presences of electromagnetic phenomenaassociated with earthquakes. This report reviews these seismo-electromagnetic phenomena takingplace not only in the lithosphere, but also in the atmosphere and ionosphere. Observational resultsand also theoretical hypotheses are presented, and we finally suggest the importance of a newscience field, " Lithosphere-atmosphere-ionosphre coupling" .
著者
早川 幸雄
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
1951

博士論文
著者
早川 照美 乾 宏子 市場 丈規
出版者
一般社団法人 日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3+, pp.110-113, 2017-05-01 (Released:2017-10-07)
被引用文献数
2

本研究は日本色彩学会第47回全国大会において,パーソナルカラー診断時にドレープが肌の色の見えに及ぼす影響について反射光の影響を除いた条件で観察した研究の続編である.前大会では「黄み」のピンクと「青み」のピンクのドレープにそれぞれ同時に手を置いたときの肌の色の見えが「同化」ではなく色相対比であることを報告した.今回はブラウン,イエロー,グリーン,ブルー(肌の色の類似~補色色相)の異なるドレープに手を置いて肌の色の見えを観察した.同時に異なるドレープの間にグレイのドレープを置いて単独で手の色の見えを観察した.その結果,肌の色と類似または対照色相のイエロー,グリーンでは色相対比が観察できた.一方,ブラウンでは肌と明度対比が起こり複雑な見えをした.肌の色の補色色相であるブルーのドレープに置いた手は色相的には複雑な見えを示したが,肌の色の彩度が高く感じられたことにより補色対比が起きていることが見て取れた.このように背景色に置いた肌に起こる主な視覚効果は色票における背景色と図色の関係と類似しているが,ドレープの明度が肌の明度と著しく異なり明度対比が生じる場合には肌独特の見え方をしたことを報告する.