著者
岩田 耕司 服部 裕一郎
出版者
全国数学教育学会
雑誌
数学教育学研究 : 全国数学教育学会誌 (ISSN:13412620)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.153-166, 2008 (Released:2019-01-17)
参考文献数
36

The purpose of this paper is to examine the possibility of the teaching via problem solving in high school mathematics. In this paper, we focused on the learning of the "addition theorems of trigonometric functions" in MAHTEMATICS II, and following was examined. 1) Through quantitative and qualitative investigations, the actual conditions of the activities of the students who worked on the theorems for the first time. 2) Through teaching practice, the effect and validity of the hypothetical ways of support based on the investigations. As a result, it has been understood that the hypothetical ways of support set in this paper worked effectively in the following three points: to understand the problem, to devise the plan for solving in the classroom, and to understand the proof method or meanings of the addition theorems of trigonometric functions. In a word, it is the main result of this paper to have suggested the possibility and the effectiveness of the teaching via problem solving in high school mathematics.
著者
服部 裕 HATTORI Hiroshi
出版者
秋田大学教育文化学部
雑誌
秋田大学教育文化学部研究紀要 人文科学・社会科学 = Memoirs of Faculty of Education and Human Studies, Akita University. The humanities & the social sciences (ISSN:1348527X)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.37-43, 1999-03-29

Die beiden Filme, "Modern Times" und "Metropolis" , teilen dasselbe Thema, das in der Kritik an der kapitalistischen modernen Zivilisation besteht. Im kritischen Licht stellen sie die mechanisierte Lage der Menschen in der hochindustrialisierten Gesellschaft dar, die Entfremdung und Manipulierung des Individuums verursacht. Welche Weltanschauung und welches Werturteil die beiden Filme in ihren Zivilisationskritiken zeigen, ist jedoch anders, ja sogar gegensä tzlich. Einerseits wurzelt die Zivilisationskritik in "Modern Times" im Glauben an den Individualismus, andererseits beruht diejenige in"Metropolis" auf dem Autoritarismus. Chaplin sucht in "Modern Times" ständig als Individuum seine Freiheit zu erringen, während die Menschen in "Metropolis" nur erwarten, aus ihrer unterdrückten Lagegerettet zu werden, indem sie sich "einen guten Herrscher" wünschen, der sie zu ihrer Befreiung führen sollte. Diese gegensätzlichen Einstellungen zum Leben, die trotz derselben Zeitlage parallel bestehen,werden nicht auf verschiedene persönliche Weltanschauungen der beiden Filmautoren, C. Chaplin und F. Lang, zurückgeführt, sondern spiegeln die gegensä tzlichen Weltanschauungen der Gesellschaften wider,in denen die beiden Regisseure lebten.
著者
鈴木 登紀子 酒井 麻里 山下 重幸 冨田 賢吾 服部 裕一
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.151, no.3, pp.111-116, 2018 (Released:2018-03-10)
参考文献数
55
被引用文献数
2 2

敗血症は,高齢者人口の増加,悪性腫瘍や移植時の化学療法などによる免疫機能の低下,多剤耐性菌の出現などにより,症例数は増加の一途をたどり,現在においてもなお高い死亡率を有している.敗血症の定義は,これまで「感染によって引き起こされた全身性炎症反応症候群」とされてきたが,2016年になって「感染に対する制御不能な宿主反応による生命に関わる臓器不全」として15年ぶりに改訂された.新しい定義における「臓器不全」には,急性肺傷害,播種性血管内凝固,脳症,肝障害,腎障害に加えて,心機能障害も含まれている.心機能障害により酸素の需要・供給のバランスが損なわれ,多臓器不全の進展につながることから,心機能障害の有無は,敗血症の予後に非常に重要である.実際,敗血症患者で心機能障害が存在した場合は,非常に高い死亡率に関係すると報告されている.国際敗血症ガイドラインで,敗血症性ショックにおいて推奨されている強心薬はドブタミンであるが,その臨床成績には限界が指摘されている.本稿では,敗血症性心機能障害について,これまで報告されてきた病態生理学的メカニズムについて概説し,ドブタミンに替わる新たな強心薬の治療効果の可能性について考察する.
著者
服部 裕一
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.152, no.1, pp.10-15, 2018 (Released:2018-07-11)
参考文献数
21

ヒスタミンは,生体内において,炎症,アレルギー反応,胃液分泌,神経伝達など,多岐にわたる生理活性作用を有し,これら作用はGタンパク質共役型ヒスタミン受容体を介して引き起こされるが,これまでにH1,H2,H3,H4の4種類のヒスタミン受容体が同定されている.1990年代の終わりから,次々と,これらヒスタミン受容体を欠損させた,あるいはヒスタミン合成酵素であるヒスチジン脱炭酸酵素(HDC)を欠損させた,ヒスタミン関連遺伝子のノックアウトマウスが開発され,ヒスタミンの新たな生理的,病態薬理学的役割が見出されている.敗血症は,高齢者人口の増加,悪性腫瘍や移植時の化学療法などによる免疫機能の低下,多剤耐性菌の出現などにより,症例数は増加の一途をたどり,現在においてもなお高い死亡率を有している.現在,敗血症は,感染に対する制御不能な宿主反応による生命に関わる臓器不全と定義されるようになったが,急性肺傷害をはじめとする敗血症性臓器不全の発症・進展機構は,未だ十分に理解されていない.敗血症病態においてヒスタミンの血中レベルが上昇するという報告は古くから知られており,ヒスタミンが敗血症病態の修飾に関与し,ヒスタミンが敗血症による主要臓器の組織傷害の進展に寄与している可能性が想定される.本稿では,HDCノックアウトマウスと,H1およびH2受容体ダブルノックアウトマウスを用いて,盲腸結紮穿孔により多菌性敗血症にしたときの主要臓器における組織傷害の程度の,ヒスタミンが欠損している場合,そして,H1およびH2受容体が欠損している場合での修飾的変化について紹介し,敗血症性臓器障害におけるヒスタミンの役割について考察する.
著者
服部 裕介 田中 彰人 星野 准一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.111, pp.85-90, 2007-11-13

格闘ゲームのような対戦型のアクションゲームにおいて,コンピュータが操作するキャラクタ(以下COM)の行動は変化に乏しく,プレイヤは繰り返しプレイすることによって COM の行動パターンを憶えてしまい,ゲームに飽きてしまうという問題がある.そこで,本稿ではプレイヤを模倣学習する手法を用いて,COM の行動パターンを拡張する手法を提案する.本手法では,プレイログを記録し,対戦相手であるプレイヤの行動パターンを分析し,そのプレイヤの行動パターンの一部を模倣することでCOMの行動パターンを拡張する.本手法を用いることで,試合ごとに行動パターンを拡張し,成長していけるCOMを生成することが可能となる.In action game, the computer's behavior lacks diversity and human players are able to learn how the computer behaves by playing the same game over and over again. As a result, human players eventually grow tired of the game. Therefore, this paper proposes technique to expand the behavior pattern of COM. To this end, we use imitation learning. In this technique, play log is recorded. And COM expands the behavior pattern by imitating a part of player's behavior pattern. In the result, COM is able to expand the behavior pattern every match and grow up.
著者
小林 傳司 山脇 直司 木原 英逸 藤垣 裕子 平川 秀幸 横山 輝雄 副田 隆重 服部 裕幸 沢登 文治
出版者
南山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

現代社会における科学技術が、知的、物質的威力としてのみではなく、権力や権威を伴う政治的威力として機能していることの分析を行い、科学者共同体において確保される知的「正当性」と、科学技術が関連する社会的意思決定において科学知識が果たす「正統性」提供機能の錯綜した関係を解明し、論文集を出版した。また、このような状況における科学技術のガバナンスのあり方として、科学技術の専門家や行政関係者のみならず、広く一般人を含む多様なステークホルダーの参加の元での合意形成や意思決定様式の可能性を探求した。特に、科学者共同体内部で作動する合意形成様式の社会学的分析に関する著作、幅広いステークホルダー参加の元手の合意形成の試みのひとつであるコンセンサス会議の分析に関する著作が、その成果である。さらに具体的な事例分析のために、参加型のテクノロジーアセスメントにおける多様な試みを集約するワークショップを開催し、現状の成果と今後の課題を明らかにした。課題としては、全国的なテーマと地域的なテーマで参加手法はどういう違いがあるべきか、参加型手法の成果を政策決定とどのように接続する課などである。同時に、「もんじゅ裁判」を事例に、科学技術的思考と法的思考、そして一般市民の視点のずれと相克を記述分析し、社会的紛争処理一般にかかわる問題点や課題を明らかにした。本研究の結果到達した結論は、人々の現在及び将来の生活に大きな影響を与える科学技術のあり方に関しては、政治的な捕捉と検討という意味での公共的討議が必要であり、そのための社会的仕組みを構想していく必要があるということである。こういった活動の成果は、最終年度にパリで開催された4S(Society for Social Studies of Science)国際大会でセッションを組んで報告された。
著者
加藤 士雄 井野 秀一 永井 謙芝 渡邉 括行 堀 耕太郎 似鳥 寧信 高杉 弘子 服部 裕之 伊福部 達
出版者
Human Interface Society
雑誌
ヒューマンインタフェース学会研究報告集 : human interface (ISSN:13447270)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.65-70, 2002-11-22
被引用文献数
11

In order to enable the profoundly hearing impaired to recognize speeches talked at international conferences, we have designed an automatic captioning system using a speech recognition technology. This system was utilized at a Disabled Peoples' International conference (DPI) held in Sapporo this October. In this system, some speakers (shadowing speakers) including broadcast announcers repeated the same voices as the conference talker's or English interpreter's voices, while the speech recognition device converted the shadowing speaker's voices into JApanese letters or English letters. Where, before using the captioning system, the shadowing speakers have had completed an enrolling their voices into a voice dictionary of the speech recognition device. The conference talker's face images as well as the caption letters were displayed onto a large screen. The conference talker's images were delayed in order to be synchronized with the subtitles. Furthermore, incorrectly recognized words were corrected by humans before displaying them. We have evaluated the captioning system from a viewpoint of a comprehension of the subtitles, the optimal time delay of the talker's image, and a system usability. This report describes the evaluation results which were obtained from the above international conference.
著者
林 行雄 上林 卓彦 真下 節 松田 直之 服部 裕一
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

脳死状態は心臓が強い交感神経緊張状態にさらされた後中枢神経の支配が破綻した状態という観点に立ち、以下の研究を行った。(1)中枢神経による不整脈制御周術期不整脈のモデルであるハロセン-エピネフリン不整脈を用いて不整脈発生における中枢神経の役割を検討した。副交感神経の情報伝達物質であるアセチルコリンが不整脈抑制に関与し心臓のアセチルコリン受容体、PTX感受性Gタンパク、protein kinaseAを介して、最終的には心臓のATP感受性Kチャンネルを開口させ、抗不整脈作用をもたらすことを示した。また脳内のイミダゾリン受容体のタイプ1がこの制御に深く関与していることも明らかとなった。脳死による中枢神経の廃絶に伴う副交感神経機能の廃絶が脳死状態での不整脈制御の破綻の一因の可能性が示唆された。(2)脳死における揮発性麻酔薬の心筋感作作用Pratschkeらの方法(Transplantation 67:343-8,1999)に基づいてラット脳死モデルを確立した。脳死状態ではハロセンに心筋感作作用が認められたが、イソフルレン、セボフルレンの心筋感作作用は弱かった。しかし麻酔薬間の格差は縮まった。この結果は中枢神経機能が吸入麻酔薬の心筋感作作用に関与していることを示していると考えられる。(3)脳死に伴う心機能の変化ラット脳死モデルにより、コンダクタンスカテーテルを用いた心機能の評価を行った。脳死に伴い、血圧の低下は脳死後5-6時間を要するが、脳死導入後2,3時間でEjection Fractionの低下が認められる。っまり、脳死後の早期に現れるEjection Fractionの低下を抑制することで脳死後の心機能の維持につながると思われた。ATP感受性Kチャンネルの開口薬であるニコランジルはいわゆるpreconditioning作用で心筋保護に働くことが知られているが、これを脳死前から持続投与することでEjection Fractionの低下に至る時間を延長し、結果脳死後6時間での生存率の改善が見られた。またこのニコランジルの作用はミトコンドリアATP感受性Kチャンネル阻害薬で消失した。脳死による心機能の破綻にミトコンドリアATP感受性Kチャンネルが関与していると思われた。
著者
服部 裕一郎 上ヶ谷 友佑
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.59-64, 2019-12-21 (Released:2019-12-18)
参考文献数
13
被引用文献数
1

ユーモアを取り入れた数学教育の研究が,一般に,ユーモアが数学学習の情意的側面に肯定的な影響を与えることを期待する中,本研究は,ユーモアが数学学習の認知的側面に与える影響を検討する.とりわけ本稿の目的は,中等教育の文脈で「ユーモア」を意図的に取り入れた数学授業において,生徒達の数学的活動が真正となるためのユーモアの役割を明らかにすることである.理論的枠組みとして,ユーモアにおける不一致理論の立場に依拠し,中学校数学でユーモアを取り入れた数学授業の実践の具体から,生徒達の活動の様相を分析した.分析の結果,数学教育にユーモアを取り入れることにより,「生徒個々人の数学的な問題解決における思考の自由性の保障」,「授業者と生徒達によって交わされる教授学的契約の更新」,「生徒達の批判的思考の誘発」の3点をユーモアの役割として特定し,ユーモアが生徒達の真正な数学的活動の実現に貢献することを指摘した.
著者
服部 裕之 須田 純郎 秋山 広和 片柳 幸夫 山内 英夫 藤川 勝則 大場 省介 前澤 健司 渡部 敏明 寺内 裕史
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.19, no.11, pp.21-25, 1995

We would like to report the event "AVEX RAVE 94" which took place on August 1994 at Tokyo Dome. This program was recorded using four channel surround sound and three dimension high definitional video system was sent via satellite to Osaka. Our intention was for the audience to experience the exciting virtual reality effect.
著者
藤田 和生 黒島 妃香 服部 裕子 高橋 真 森本 陽 瀧本 彩加 佐藤 義明
出版者
一般社団法人 日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 (ISSN:09124047)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.241-263, 2009-03-31 (Released:2010-06-17)
参考文献数
85
被引用文献数
2 1

Capuchin monkeys are one of the most important primate subjects in understanding the evolution of kokoro (mind and heart), because of their outstanding intelligence and gentleness despite their phylogenetic distance from humans and apes. Here we report a series of experimental studies on various aspects of the kokoro of tufted capuchin monkeys (Cebus apella) conducted at the comparative cognition laboratory, Graduate School of Letters, Kyoto University. Briefly, for the physical intelligence, the monkeys amodally completed partly occluded figures basically like humans do. They also perceived never-presented contours by spatially and temporally integrating a sequence of fragmentary information just like humans do. They understood physical causality in a type of tool-use task involving tool, goal, and environment. In the social intelligence domain, they spontaneously took actions interpretable as tactically deceiving the conspecific opponent in an experimental food-competition contest. They also cooperated by dividing a sequence of actions leading to rewards. This cooperation continued when only one of the participants obtained a reward at a time. They were sensitive to attentional states of humans shown by eyes, though they might not try to control human attentional focus. They inferred a conspecific's behavior that they never directly observed and adaptively modified their next behavior based on the predicted consequence. They were also able to correct their actions by observing unsuccessful actions of their conspecific partner. One monkey of this species showed evidence that she recognized the knowledge status of humans suggested by their preceding actions toward the items in question. In the affective domain, this species was shown to utilize affective reactions of a conspecific against a hidden object to regulate their own actions toward it. Finally, the monkeys were sensitive to the benefit of their conspecific partner. They sometimes took thoughtful actions toward a low-ranking individual and in other times spiteful actions against a high-ranking individual. All of these results show that this New World species shares many characteristics of kokoro observed in humans.