著者
大塚 恵子 木村 肇 松本 明博
出版者
合成樹脂工業協会
雑誌
ネットワークポリマー (ISSN:13420577)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.24-30, 2014-01-10 (Released:2014-04-23)
参考文献数
19
被引用文献数
3

ジアリルフタレート樹脂の接着性と靭性向上を目的として,ポリエチレングリコールユニットの異なるアクリル酸エステルをジアリルフタレート樹脂に配合し,ラジカル重合で同時に反応させることで相互侵入高分子網目構造(IPN)を形成させた。破壊靭性値,およびはく離接着強度とせん断接着強度は,アクリル酸エステルのポリエチレングリコールユニットの分子量や配合割合が大きくなるに従って大きく向上した。特にポリエチレングリコールユニットの分子量が大きい場合に,破壊靭性値と接着強度はジアリルフタレート樹脂と比較して2 倍以上の値を示した。これは,ポリエチレングリコールユニットの導入による柔軟性付与,および柔軟性付与により硬化過程で生じる接着剤層の内部応力が緩和されるためであると考えられ,動的粘弾性挙動と一致した。また,ポリエチレングリコールユニットの分子量の小さいアクリル酸エステルを配合した場合やポリエチレングリコールユニットの分子量の大きいアクリル酸エステルの配合割合が小さい場合には,ジアリルフタレート樹脂にアクリル酸エステルが相溶したIPN を形成した。一方,ポリエチレングリコールユニットの分子量の大きいアクリル酸エステルを20 wt% 以上配合した場合には,ジアリルフタレート樹脂架橋構造中にアクリル酸エステルが分子レベルで微分散した相分離型IPN を形成した。
著者
木村 知宏
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.63-74, 2017 (Released:2019-10-01)

本研究では、情動・覚醒質問紙と唾液中コルチゾール、心拍数を用いて、デジタルゲームの異な る要素が感情経験と生理反応に与える影響についての検討を行う。大学生30名を対象として実験が行わ れ、唾液の採取と質問紙による主観的反応の測定がゲームプレイ前後に 2 回ずつ行われた。実験参加者 は、対戦格闘ゲームの操作技術を学習するゲームモード、またはコンピュータと対戦するゲームモード、 ゆっくりと村での生活を楽しむゲームのいずれかをプレイした(各ゲーム内容をプレイした群を、それ ぞれスキル学習群、対戦群、統制群とした)。その結果、コルチゾール分泌量と心拍数においてはゲー ム内容の違いによる差は見られなかったが、主観的反応において差が見られた。反応速度を要求するゲー ムの要素は、緊張感と活力感を生起させることが示された。
著者
木村 友紀 辻野 亮 鳥居 春己
出版者
奈良教育大学教育学部自然環境教育センター
雑誌
奈良教育大学自然環境教育センター紀要 = Bulletin of Center for Natural Environment Education, Nara University of Education (ISSN:21887187)
巻号頁・発行日
no.18, pp.31-36, 2017-03

東京都伊豆大島において、動物園から逸出して野生化しているキョン(偶蹄目反芻亜目シカ科)の繊毛虫種構成を明らかにするために、個体数管理のために捕獲された8頭の第一胃内容物を調査したところ、1属6種(Entodiniumdubardi,Ent.simplex,Ent.exiguum,Ent.ovinum,Ent.nanellum,Ent.parvum)の繊毛虫が検出され、これらの繊毛虫が伊豆大島のキョンに広く分布していることが示唆された。しかし、台湾での先行研究で見られたIsotrichidaeと中型のOphryoscolecidaeに属する種は見られなかった。これらのことは、伊豆大島では、動物園から逸出したキョンが十数頭であったために、創始者効果によってキョンの繊毛虫種構成が限定されたことを示していた。
著者
木村 暁 合田 真
出版者
国立遺伝学研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

細胞核はほとんどの細胞で細胞中央に配置する。しかしながら核が中央に配置する機構は未だに議論が別れている。本研究課題で、報告者は細胞骨格である微小管が細胞質全体において引っ張られることにより細胞核が細胞中央に移動する「細胞質引きモデル」を支持する知見を得ることに成功した。メカニズムの理解をさらに進めるために、生きたままの細胞内で細胞核を移動させるのに必要な力を測定することにも成功している。これらの知見により細胞核が細胞中央へ配置する機構の理解は大きく進展した。
著者
川西 泰夫 木村 和哲 入口 弘英 宮本 忠幸 田村 雅人 沼田 明 湯浅 誠 香川 征
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.83, no.10, pp.1655-1661, 1992-10-20 (Released:2010-07-23)
参考文献数
22
被引用文献数
4 4

陰茎海綿体内にプロスタグランディンE1を直接投与すると勃起が発現し, この薬剤による勃起反応は検査, 治療の目的で広く臨床応用されている. また, 末梢循環不全の治療薬として使用されている経口のプロスタグランディンE1誘導体であるリマプロストは, 陰茎を含む末梢の血流を増加させ, 皮膚温度を上昇させる作用がある. 今回, 51例のインポテンス患者を対象にリマプロストの勃起機能に対する効果を double blind cross over 法で評価した.リマプロストの投与により19.5%の有効率を得た. 全例を対象とした有効性には著しい差はなかったが, 心因性インポテンスの症例においては自覚症状の改善に有意な差が認められ, 有効な治療薬であると考えられた. 副作用は顔面紅潮や消化管の機能亢進による腹部膨満感が見られた.
著者
神沼 克伊 大滝 修 木村 勲
出版者
日本測地学会
雑誌
測地学会誌 (ISSN:00380830)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.241-243, 1997-12-25 (Released:2010-09-07)
参考文献数
4

A route for repeat leveling survey was established around Syowa Station (69° S, 39° E), East Ongul Island, Antarctica in 1979 and 1982. The leveling measurements were repeated in 1996. However only 2.3 km out of the total length of 5.3 km route was surveyed for the time limitation during the summer operation of the 37th Japanese Antarctic Research Expedition (DARE-37). The other part of the route was measured by DARE-38 in February 1997. In total, the discrepancy of forwardand backward leveling, and closing error of the measurement circuit, were obtained within the limitation of the first order leveling of the Geographical Survey Institute. However the measurement between BM 1029-BM 1030 was 0.6 mm out of the limitation. This was seemed to be caused by change of the field condition. There are two ponds named Midoriike and Kamome-ike between the two bench marks. Water overflowed from Kamome-ike to Midoriike during summer seasons in 1996 and 1997. Leveling survey had to be done in the water. This worst condition must be the reason of the measurement between BM 1029 and BM 1030 over the limitation. Except the results between BM 1029-BM 1030, no appreciable changes along the east-west direction (BM 1040-BM 1026) and the north-south direction (BM 1026-BM 1029) were observed for the last 15 years. It is inferred from geomorphological andgeophysical data that the crust around Syowa Station continues to uplift after deglaciation. The observations from repeat leveling measurements suggest no significant changes, which further supports the idea that the crustal uplift is a block movement. A route for repeat leveling survey was established around Syowa Station (69° S, 39° E), East Ongul Island, Antarctica in 1979 and 1982. The leveling measurements were repeated in 1996. However only 2.3 km out of the total length of 5.3 km route was surveyed for the time limitation during the summer operation of the 37th Japanese Antarctic Research Expedition (DARE-37). The other part of the route was measured by DARE-38 in February 1997. In total, the discrepancy of forwardand backward leveling, and closing error of the measurement circuit, were obtained within the limitation of the first order leveling of the Geographical Survey Institute. However the measurement between BM 1029-BM 1030 was 0.6 mm out of the limitation. This was seemed to be caused by change of the field condition. There are two ponds named Midoriike and Kamome-ike between the two bench marks. Water overflowed from Kamome-ike to Midoriike during summer seasons in 1996 and 1997. Leveling survey had to be done in the water. This worst condition must be the reason of the measurement between BM 1029 and BM 1030 over the limitation. Except the results between BM 1029-BM 1030, no appreciable changes along the east-west direction (BM 1040-BM 1026) and the north-south direction (BM 1026-BM 1029) were observed for the last 15 years. It is inferred from geomorphological and geophysical data that the crust around Syowa Station continues to uplift after deglaciation. The observations from repeat leveling measurements suggest no significant changes, which further sup-ports the idea that the crustal uplift is a block movement.
著者
木村 恒久 荒木 英一郎 横引 貴史
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2018年大会
巻号頁・発行日
2018-03-14

DASテクノロジーは、2011年頃から石油・ガス産業において、パイプラインのモニタリングや侵入者を感知する目的で導入されている。近年では“heterodyne Distributed Vibration Sensing”(以下、hDVS)と呼ばれる位相差データを用いる最新の光ファイバーセンシング技術の適用により、Vertical Seismic Profile(以下、VSP)を含むサイスミックデータ取得ができるようになった1)。そのhDVS装置を使った自然地震に近いCross-well VSPのデータ、および波を観測したデータをJpGU-AGU2017にて紹介し、リアルタイムに地震と津波を同時に観測することができる可能性について述べた2)。2017年9月、海洋研究開発機構(以下、JAMSTEC)の協力の下、JAMSTEC所有の海底光ファイバーケーブルを使った地震観測の実証実験を行った。豊橋沖に敷設してある海底光ファイバーケーブルのうち、光学長が約17kmのシングルモードファイバーを実験に選んだ。そのファイバーに第三世代のhDVS取得装置をつなげ、バックグラウンドノイズを測定する目的でhDVSの連続測定を実施した。本稿では、その連続測定データを用い、自然地震波の観測が行えるか検証した結果を報告する。豊橋沖に敷設してあるJAMSTEC所有の海底光ファイバーケーブルは、本来、通信用のケーブルとして使われていたものである。一般的な通信用光ファイバー仕様のFC/PC型のコネクターが用いられていたが、このタイプのコネクターは、コネクターでの光パルスの反射が大きく、その反射がデータに影響を与える。それ故、ファイバーセンシングの分野では、その使用を極力避けるが、少なくとも2箇所にFC/PCが使われ、その一つを反射の少ないFC/APC型に交換し改善を図った。バックグラウンドノイズの連続測定は、9月25日夕方から26日朝にかけて、約14時間に渡り実施した。今回記録したデータを見ると海岸から水深の浅い5km近辺までのファイバーには、波の動きを示すデータが定常的に記録されていた。測定データを詳細に調べると、9月25日11:54:55 UTC(9月25日20:54:55 JST)に記録されたデータ、およびそれ以降のデータに自然地震波と思われる波形が確認できた。気象庁の震源リストのデータと参照したところ、駿河湾で発生した以下の地震記録と同一であると考えている。(2017年9月25日 20時54分49.7秒 緯度34°53.3'N 経度138°31.8'E 深さ215km M3.9 震央地名 駿河湾)今回記録された自然地震波を図1に示す。8.1kmより遠方のファイバーにノイズが目立つが、その原因は、FC/PC型のコネクターにおける強い反射とファイバーの末端での反射が原因と考えられる。測定パラメータは、ゲージ長40 m、空間サンプリング10 m、および、サンプリング周期が2 msであり、1ファイルのレコーディング時間を30秒とした。hDVS第三世代の装置を使って記録できる最大のファイバー長は16.5kmで、17km全てに渡っての記録はできなかった。観測されたデータから解析した海岸近辺においてのP波の到達時刻は9月25日20:55:21 JST、S波の到達時刻は20:55:44 JSTである。海底光ファイバーケーブルは、海岸線から真っ直ぐに太平洋を南に向かって敷設されているが、P波とS波の両者とも、16km先の沖に比べて海岸部の方にP波で0.4秒、S波で1.0秒早く到達したので、地震は海底光ファイバーケーブル対し、東西方向から若干北寄りで起きたことがうかがえる。つまり、震央が駿河湾であったことを裏付けることになる。防災科学技術研究所(以下、防災科研)が公開しているHi-netによる連続波形画像との比較も行った。愛知県には21の観測点が存在し、豊橋にも観測点があるが、その連続波形記録を参照したところ、hDVSの測定データとほぼ一致することを確認した。今回、海底光ファイバーケーブルで観測された海底地震の記録は、筆者が認知する限りでは、DASテクノロジーを使った世界で初めての事例である。本観測結果より、hDVSを用いた測定手法は、海底光ファイバーケーブルにつなげることによって、波のモニタリングを行いながら自然地震波の観測システムとしても利用できる可能性が示された。謝辞:リファレンスとなる地震情報は、気象庁、および防災科研のデータを用いました。これらの機関に対し感謝の意を表します。引用文献:1) Kimura, T., Lees, G., and Hartog, A. JpGU 2016 (RAEG 2016), Optical Fiber Vertical Seismic Profile using DAS Technology STT17-12, Extended Abstract.2) Kimura, T, JpGU-AGU 2017, Progress of Seismic Monitoring System using Optical Fiber and DAS Technology STT59-04, Potential for Real-Time Earthquake Monitoring using Optical Fiber Network and DAS Technology SCG72-P03, Potential for Real-Time Tsunami Monitoring using DAS Technology HDS16-P01.
著者
新井 利明 関口 知己 佐藤 雅英 木村 信二 大島 訓 吉澤 康文
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.10, pp.2492-2504, 2005-10-15

オペレーティングシステム(OS)はこれまでに多くのものが開発されているが,ユーザの要求が多様であり,すべての要求を満足するOS開発は不可能に近い.そこで,1台のマシン上に汎用OSと特定の目的を持つ専用OSを共存させ各々機能補完する仮想計算機機能のナノカーネルを提案し,実現した.豊富なソフトウェア資産を活用できる汎用OSと特殊機能を有する専用OSを1台のマシン上に共存させ,互いに機能補完させることができる.ナノカーネルは,上記の目的を達成するために,(1)複数OS共存オーバヘッドを削減するための資源分割機能,(2)OS間の機能補完を可能とするOS間連携機能,(3)OSの信頼性を向上させる障害監視,回復機能と擬似不揮発メモリ機能などで構成する.これらの限定した機能を実現することで,ナノカーネルは複数OSの共存を可能とし,補完環境をオーバヘッド2%以内で達成できることを確認した.また,汎用OSとリアルタイムOSの共存環境を構築し,汎用OS環境では不可能であったマイクロ秒単位の応答性を確保できることを確認し,ナノカーネルの持つOS間機能補完を実証した.さらに,専用の高信頼OSからの汎用OS障害情報の収集や汎用OSの再起動処理を実現し,システムの信頼性向上にも有効であることを確認した.
著者
清原 一暁 中山 実 木村 博茂 清水 英夫 清水 康敬
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.117-126, 2003-09-20 (Released:2017-10-20)
参考文献数
11
被引用文献数
6

本研究では,印刷物による提示とコンピュータ画面の提示による文章理解の違いを調べ,わかりやすい文章提示の方法を検討した.文章の理解度を内容に関するテスト成績で調べた.その結果,表示メディアについては,提示方法によらず印刷物がディスプレイに比べて良いことが分かった.また,LCDがCRTよりも理解度において優れていることが分かった.さらに,すべての表示メディアにおいて,明朝体と比べてゴシック体の方が文章理解において成績が良い事を明らかにした.
著者
木村 友美 加藤 大輔 西村 拓矢 James Van Schyndle 宇野 慧 吉田 正貴
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.140, no.5, pp.701-710, 2020-05-01 (Released:2020-05-01)
参考文献数
45
被引用文献数
1

We previously reported that anticholinergic (AC) drug use increases with age in the elderly Japanese population. In this analysis, we investigated attribution for each AC drug type to total AC burden using different elderly age groups. Prescription records (from 09/23/2015 to 12/31/2016) for outpatients using any AC were extracted from pharmacy claims (primary source) and hospital-based databases. AC burden (number of AC drugs and AC score) and AC type were assessed using the Anticholinergic Cognitive Burden (ACB) scale, Anticholinergic Drug Scale (ADS), Anticholinergic Risk Scale (ARS), and Beers criteria. Age was categorized using three subgroups (65-74, 75-84, and ≥85 years). Overall, 125426, 140634, 35628, and 23149 of the pharmacy outpatients received ≥1 AC drug from the ACB scale, ADS, ARS, or Beers criteria, respectively. The number of AC drugs increased with age for the ACB scale and ADS groups; but decreased for the ARS and Beers criteria. Antihypertensives provided the biggest contribution to AC score using the ACB scale and ADS, and antihistamines for the ARS. Proportional attribution to AC score typically increased with age for antihypertensives (ADS highest proportion: 34.6% for ≥85 years) and cardiac agents, but decreased for antihistamines (ARS lowest proportion: 15.3% for ≥85 years), corticosteroids, and antiepileptics. Similar findings were typically observed for the hospital database. In conclusion, antihypertensives were the principal type of AC drugs using the ACB scale and ADS and their attribution to AC score increased with age. Antihistamines were the principal drug type for the ARS.
著者
北村 望美 鍋島 雅美 君塚 実和子 平井 竜二 山北 令子 鈴木 康仁 木村 黎史
出版者
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
雑誌
関東甲信越ブロック理学療法士学会 第36回関東甲信越ブロック理学療法士学会 (ISSN:09169946)
巻号頁・発行日
pp.2, 2017 (Released:2019-04-03)

【目的】上腕骨外側上顆炎( 以下上顆炎) は, 短橈側手根伸筋を主体とする上腕骨外側上顆の伸筋付着部障害とされている.しかし病態は不明確な点が多く, 長期化する症例や再発する症例を多く経験する. この経験から, 上顆炎患者と健常者の間に身体特性の違いが影響していると考え, 両者の関節可動域の比較, 検討を行った.【方法】対象は上顆炎患者11 名22 肢( 男7 名, 女4 名, 平均年齢58.8 ± 11.5 歳) の上顆炎群及び, 上肢に既往の無い健常者11名22肢(男7名,女4名,平均年齢53.5±15.2歳)のControl群(以下C群)とした.上顆炎群患側(右9肢,左2肢),健側(右2肢,左9 肢)に合わせ,C群患側(右9肢,左2肢),C群健側(右2肢,左9 肢)を比較対象とした.関節可動域の測定項目は肘(屈曲,伸展),前腕(回外,回内),手(掌屈,背屈,橈屈,尺屈)とし,自動と他動をそれぞれ測定した.上顆炎群とC 群の患側・健側可動域をMann-Whitney のU 検定を用いて有意差を求めた( 有意水準5%未満).【倫理的配慮, 説明と同意】本研究はヘルシンキ宣言に準じ, 事前に対象者に研究の目的と方法, 個人情報の取り扱いについて説明し, 同意を得た.【結果】患側自動回外では上顆炎群(85 ±10°),C 群(92.7±17.3°)と上顆炎群が有意に低値を示した(p <0.05). 患側他動回内では上顆炎群(87.3 ±12.3°),C 群(92.3 ± 7.7°)と上顆炎群が有意に低値を示した(p <0.05). 健側自動回外では上顆炎群(82.7± 27.7°),C 群(92.7± 17.3°) と上顆炎群が有意に低値を示した(p <0.05).【考察】上顆炎群は患側自動回外・他動回内, 健側自動回外に有意差を認めた. 自動回外で制限がみられた事から, 上顆炎群は回外筋等の主動作筋の機能低下により, 補助筋である手根伸筋の負荷が増大している可能性が考えられる. また, 回内の制限因子である輪状靭帯, 外側側副靭帯には上顆炎の要因である短橈側手根伸筋が起始し, 更に回外筋等と共同腱となり付着している事から, 上顆炎に関与する筋や靭帯の影響を受けている可能性が示唆された.

1 0 0 0 ロシア

著者
木村浩 [ほか] 訳
出版者
集英社
巻号頁・発行日
1990
著者
間瀬 正啓 木村 啓二 笠原 博徳
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 計算機アーキテクチャ研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.184, pp.O1-O10, 2009-08-04
参考文献数
27
被引用文献数
11

本稿ではコンパイラによる自動並列化を可能とするための C 言語の記述方法として Parallelizable C を提案する.Parallelizable C で記述した科学技術計算およびマルチメディア処理の逐次プログラム 6 本に対して OSCAR コンパイラによる自動並列化を適用し,マルチコアシステム上での処理性能の評価を行った.その結果,逐次実行時と比較して,2 コア集積のマルチコアである IBM Power5+ を 4 基搭載した 8 コア構成のサーバである IBM p5 550Q において平均 5.54 倍,4 コア集積のマルチコアである Intel Core i7 920 プロセッサを搭載した PC において平均 2.43 倍,SH-4A コアベースの情報家電用マルチコア RP2 の 4 コアを使用した SMP 実行モードにおいて平均 2.78 倍の性能向上が得られた.This paper proposes Parallelizable C, a guideline for writing C programs which enables automatic parallelization by a compiler. 6 sequential programs written in Parallelizable C from numerical and multimedia application domains are automatically parallelized by OSCAR compiler. The parallel processing performance for these applications are evaluated on multicore systems. The evaluation results show that the compiler automatic parallelization achieves average 5.54 times speedup on a 8 cores server IBM p5 550Q with 4 dual-core Power5+ processors, average 2.43 times speedup on a 4 cores multicore processor PC with Intel Core i7 920, and average 2.78 times speedup on Renesas/Hitachi/Waseda RP2 with SH-4A cores in SMP execution mode using 4 cores compared with sequential execution, respectively.