著者
木村 優里
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
科学教育研究 (ISSN:03864553)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.398-415, 2017

<p>In science education research so far, a kind of dichotomy between science experts and the lay public has often been popularly presupposed, and little attention has been paid to those in between, who continue to engage in scientific practices after finishing their schooling as non-professional scientists. They can be called 'amateur scientists', and are the target of this study. The purpose of this study is to explore possible or probable factors (internal motivation and socio-cultural contexts) by which amateur scientists can continue to commit themselves to their scientific practices, and generate a hypothetical model of these factors and their interrelationships. In order to tackle this issue, investigations were made to identify the motivations of amateur scientists and the socio-cultural factors around them through a semi-structured interview (using the Modified-Grounded Theory Approach). A hypothetical model was then generated, explaining the reasons why these amateur scientists could continue to devote themselves to their favorite scientific practices.</p>
著者
末武 康弘[訳] 木村 喜美代[訳] 酒井 茂樹[訳] 小田 友理恵[訳] 大迫 久美恵[訳] 宮尾 一憲[訳] 宮田 はる子[訳] 瀬戸 恵理[訳] 吉森 丹衣子[訳]
出版者
法政大学現代福祉学部現代福祉研究編集委員会
雑誌
現代福祉研究 = THE BULLETIN OF THE FACULTY OF SOCIAL POLICY AND ADMINISTRATION : Reviewing Research and Practice for Human and Social Well-being : GENDAIFUKUSHI KENKYU (ISSN:13463349)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.81-100, 2019-03-01

本稿は、Thinking Beyond Patterns: Body, Language, and Situation. (Gendlin, 1991) の日本語訳を試みるものである。原著については、The Presence of Feeling in Thought. (Ouden & Moen, 1991, New York: Peter Lang) の中に収録されていたジェンドリン執筆の同タイトルの章が抜粋され、The International Focusing Instituteより本の形で頒布されている。今回の訳出のテキストとして用いたのは、このThe International Focusing Instituteから頒布されている版である。心理臨床家としても哲学者としても名高いジェンドリン(1926~2017)は、2017年5月1日に90歳で亡くなったが、その哲学的な業績は多くの人に注目されながらも、まだ十分な解明が行われていない。私たちが訳出を試みる Thinking Beyond Patterns: Body, Language, and Situation. は、彼の哲学における初期の主著 Experiencing and the Creation of Meaning. (Gendllin, 1962/1997) と後期の代表作 A Process Model. (Gendlin, 1997/2018, この2冊はいずれもEvanston: Northwestern University Pressより新装版が出版されている) の中間に執筆された、これらに並ぶ重要な著作であり、特に彼が開発した理論構築法TAE (thinking at the edge) の哲学的な基礎を形成していると考えられるものである。A、Bのセクションと全11チャプター、計131頁(pp.21~151)からなる原著のうち、本稿ではセクションAのチャプターA-1の中の1~7節(pp.21~32)を訳出した。翻訳の作業は、法政大学大学院人間社会研究科末武研究室の博士後期課程ゼミの中で行った。初訳の担当を決め、その訳文をゼミにおいて全員で検討した。今回の初訳の担当者は、木村喜美代(1節、2節、3節)、酒井茂樹(4節)、小田友理恵(5節、6節)、大迫久美恵(7節)である。
著者
木村 定三
出版者
立教大学
雑誌
史苑 (ISSN:03869318)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.220-228, 1929-12
著者
木村清司 著
出版者
清水書店
巻号頁・発行日
1926

13 0 0 0 OA [お伽噺]

著者
木村文三郎 編
出版者
木村文三郎
巻号頁・発行日
vol.ねこの道行, 1882
著者
木村 信広 中尾 彰太 月木 良和 萬田 将太郎 松岡 哲也
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.455-461, 2019-06-30 (Released:2019-06-30)
参考文献数
6

心停止症例に対する機械的CPRは,『JRCガイドライン2015』で胸骨圧迫の継続が困難な状況などにおける質の高い用手胸骨圧迫の代替手段として活用を提案されるなど,とくに傷病者の移動時や救急車の走行中の不安定な状況下における質の高い胸骨圧迫の継続が可能なデバイスとして期待されている。筆者の所属する消防機関では,CPA傷病者に対する病院前心肺蘇生中の胸骨圧迫中断時間の短縮を目的に,機械的CPR装置を導入しており,今回,実搬送症例データを基に機械的CPRの有用性を検証した。2013年1月からの3年6カ月間に,当消防本部の救急隊が対応した内因性院外心停止症例172例を,機械的CPR実施群107例と用手的CPR実施群65例に分けて比較分析した結果,機械的CPR実施群では用手的CPR実施群に比し,自己心拍再開率および社会復帰率に有意差を認めなかったが,Chest Compression Fraction(CCF)と特定行為実施率が有意に高かった(CCF;79.7% vs. 73.1%,p<0.01,特定行為実施率;43.9% vs. 24.6%,p<0.05)。欧米と比較して早期搬送が優先されるわが国の病院前救護体制においては,CCF改善とマンパワー確保の観点から,機械的CPRは有用である。
著者
木村 正俊
出版者
日本政治学会
雑誌
年報政治学 (ISSN:05494192)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.2_50-2_69, 2009 (Released:2013-02-07)

Between the 1950s and 1970s the world politics was dominated by revolutionary movements in the Third World and the hero of the age was Che Guevara. The Palestinian liberation movement emerged in that era. This article analyzes the evolution and devolution of the Palestinian liberation movement by regarding it as one of the revolutionary movements in the Third World.   After discussing general arguments over revolutions in the World Politics, this article treats the development of the Palestinian liberation movement and the change in its attitude toward armed struggle. Armed struggle by the Palestinian national movement and regional politics in the Middle East influenced each other. Armed struggle by Palestinian guerrilla groups stimulated the 1967 War, which resulted in changes in their attitude toward armed struggle and the shift in the agent of liberation.   The Palestinian Revolution encouraged the Lebanese Civil War. The coalition group between the Palestinian liberation movement and Lebanese progressive groups was opposed to the Lebanese conservative groups. The 1982 War had a crucial effect on the fate of the Palestinian Revolution.
著者
木村 聡
出版者
公益財団法人 史学会
雑誌
史学雑誌 (ISSN:00182478)
巻号頁・発行日
vol.128, no.8, pp.33-58, 2019 (Released:2021-09-02)

従来、ワシントン軍縮会議後の問題は、その後の海軍における統帥権独立の問題や海軍軍令部の独立問題、大臣人事の問題に注目が集まり、条約に対する具体的な対応策については十分に議論がなされなかった。本研究はその後の海軍の在り方に影響を与えたとして、連合艦隊の常置化とその役割の変遷を取り扱う。 海軍という組織は、軍政を掌る海軍省と軍令を掌る軍令部の二元組織と解釈されるが、正確には、軍政権と統帥権の並立の下に、最高機関として海軍大臣、艦隊・鎮守府の司令長官、海軍軍令部長(軍令部総長)が存在するという構造である。そして、艦隊司令長官や鎮守府司令長官の役割は指揮統率であった。 それが、ワシントン条約への対応策として精兵主義の方策がとられた。連合艦隊はその中で常置化された。これにより、海軍の主兵力が連合艦隊に一本化され、さらに連合艦隊司令長官の平時における権限や役割が明確に規定された。こうして連合艦隊は、非常時に指揮権を統一するための組織から、平時から海軍の指揮統率と実戦部隊の軍政を、その施行のみならず計画までも担う恒常的な組織へと変化した。 戦争の危機が認識されると連合艦隊の規模は急激に拡大した。そこで連合艦隊司令部とその麾下の各艦隊の司令部とが分離し、司令部は後方での全体の作戦指導と戦線の統合を担うようになる。軍令部と機能を同じくした連合艦隊司令部は、海軍中央で問題視される一方で、麾下の艦隊指揮官との間にも精神的に距離が生じるようになった。この結果、海軍の戦争指導は、後方での戦争指導を行う大本営海軍部、後方にあって作戦を練り、その指揮を執る連合艦隊司令部、そしてその戦場で戦う各艦隊や部隊の三者からなる遠心的な三重構造となった。 連合艦隊はワシントン条約後の常置化以来、その性質を全く異なるものに変化させ、それは海軍全体の組織の在り方にも影響を与えた。
著者
木村 典夫 志田 勝義 前村 誠
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
雑誌
Progress of Digestive Endoscopy (ISSN:13489844)
巻号頁・発行日
vol.83, no.1, pp.178-179, 2013-12-14 (Released:2013-12-21)
参考文献数
5

A 70-year-old male visited our hospital complaining of diarrhea and hematochezia. Abdominal CT demonstrated multiple sigmoid colonic diverticula and inflammatory changes suggestive of diverticulitis. Colonoscopy revealed diverticula scattered in the sigmoid colon with localized mucosal edema and erosion. A colonoscope could not be passed through the sigmoid colon due to the presence of a stricture. Histological analysis of biopsy specimens showed areas of inflammatory cell infiltration, crypt abscesses and granuloma formation in the sigmoid colon, and normal rectal mucosa. We diagnosed the patient with diverticular colitis, and administered steroids and 5-aminosalicylic acid. Two months later, the inflammation and stricture were shown endoscopically to have improved.
著者
木村 正人
出版者
大阪府立大学大学院人間社会システム科学研究科
雑誌
空間・社会・地理思想 = Space, society and geographical thought (ISSN:13423282)
巻号頁・発行日
no.22, pp.139-156, 2019

本稿では、東京都渋谷区において現在進行している大規模再開発、ジェントリフィケーション過程について、公共領域の私有化による縮小と野宿者による抵抗運動に焦点を当てて考察する。その際、渋谷区が進める新宮下公園整備事業とその上位計画の沿革を概観するとともに、2000年代前半、宮下公園に集住していた野宿者による自治活動の取り組みを筆者自身の活動経験にもとづいて回顧し、路上共同体による生きる抵抗(プロテスト)の試みとして描く。抵抗は行政への要求運動に限られず、むしろ共に食べ、働き、寝る、共同生活の営みとしてあった。ほかに行き場を失った者たちが、寄り添いあって生きることがなぜ抵抗になるのか。それは大都市公共地の階級的転換が、集合的な生を孤立化し、規格に収まらない生を「法外な」者として拒絶する企てであるからにほかならない。公園が施錠管理されることによって、公園利用者は不法侵入者・不退去者に転化し、また公共地の私有化は、路上に体を横たえるなけなしの余地をも避難者から収奪する。渋谷の現況が指し示しているのは、改正された都市公園法に基づく公園単体の改造の問題ではなく、新自由主義グローバリズムと「所有者責任社会」の理念によって牽引された大都市再開発のひとつの理想化されたモデルなのである。
著者
多田 周平 木村 佳記 向井 公一 里田 由美子 中江 徳彦 近藤 さや花 小柳 磨毅
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11512, (Released:2019-06-21)
参考文献数
28

【目的】前後に開脚して片側の殿部を着座したHalf sitting にて,体幹を前傾する運動(以下,HSE)の運動力学的特性を,スクワット(以下,SQ)との比較から明らかにすることを目的とした。【方法】健常成人10 名を対象に,右下肢を前方に接地して体重の1/2 を負荷するHSE とSQ を実施した。三次元動作解析装置と床反力計,表面筋電計を用いて運動計測を行い,右下肢の関節角度,床反力,関節モーメント,筋活動電位(%MVC)を算出し,両課題間で比較した。【結果】HSE はSQ に比較して股関節の屈曲角度と伸展モーメント,床反力後方成分,内側広筋と半腱様筋の筋活動が有意に高値を示した。一方,膝関節の伸展モーメントと外部内反モーメント,床反力内方成分は有意に低値を示した。【結論】HSE は膝関節運動がなく,SQ に比較して外部内反モーメントも有意に小さく安全である一方,膝伸展モーメントは小さいながらも,内側広筋と半腱様筋の活動が有意に高まる。
著者
原口 雅人 木村 恵 大谷 雅人 平岡 宏一 高橋 誠
出版者
森林遺伝育種学会
雑誌
森林遺伝育種 (ISSN:21873453)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.70-79, 2021-04-25 (Released:2021-05-01)
参考文献数
29

要旨:埼玉県内に生育するブナの天然集団と植栽集団について葉緑体DNAと核マイクロサテライトを解析し、天然集団の分布パターンと植栽集団で使用された苗木の由来に着目して、それらの遺伝的特徴について評価した。調査した天然13集団の主要な葉緑体ハプロタイプはFであったが、うち1個体では長野県南部・山梨県東部・静岡県東部などに分布し、これまで埼玉県では報告のないハプロタイプEが検出された。また、4植栽地のうち3 か所で主に日本海側に分布するが埼玉県内の天然集団では報告がないハプロタイプBが検出された。これらはいずれも群馬県北部の多雪地域の天然林由来の実生苗が植栽された集団であった。核マイクロサテライトにより解析した天然集団の遺伝的多様性は、集団の分布パターンに着目すると面状、帯状、点状の順に低下し、面状と点状の集団間で有意差が認められた。点状の天然集団のうちいくつかでは、集団の縮小に伴い、遺伝的多様性の低下と近親交配が生じたことが示唆された。植栽実生苗の遺伝的多様性は県内の面状・帯状の天然集団とほぼ同等であった。現時点では移入ハプロタイプの苗木に先枯れ被害などの生育阻害は確認されていないが、異なる遺伝グループに属する植栽木による遺伝子撹乱が将来的に生じる恐れがある。植栽の際には植栽地および種苗の遺伝的特徴について十分配慮する必要があろう。
著者
小林 武志 長島 裕二 木村 凡 藤井 建夫
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 = Journal of the Food Hygienics Society of Japan (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.76-80, 2004-04-25
参考文献数
14

フグ毒テトロドトキシンを滅菌したぬか漬けに添加すると毒性が低下することを見いだし,この原因を明らかとするために,テトロドトキシンを添加した滅菌無機培地を弱酸性下に放置し,経時的にマウス試験を行ったところ,マウス致死活性が消失した.このことから,無機培地中にテトロドトキシンの毒性を低下させる要因があると考え,高速液体クロマトグラフィーと併用して検討したところ,培地成分の無機塩溶液を除去したとき,毒性の減少が抑制された.そこで,無機塩溶液に含まれる各成分の影響を検討したところ,ホウ酸がテトロドトキシンの毒性減少に深く関与していることが判明した.
著者
三澤 遼 木村 克也 水町 海斗 服部 努 成松 庸二 鈴木 勇人 森川 英祐 時岡 駿 永尾 次郎 柴田 泰宙 遠藤 広光 田城 文人 甲斐 嘉晃
出版者
一般社団法人 日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
pp.20-023, (Released:2020-10-02)
参考文献数
192

New distributional records of forty-five fish species off the Pacific coast of Tohoku District, northern Japan are reported, based on specimens trawled by the R/V Wakataka-maru (Japan Fisheries Research and Education Agency) during surveys in autumn of each year from 1995 to 2019. The records include northern distribution range extensions of 19 species, distribution gaps filled for 17 species, and northern and southern limits along the Pacific coast of Japan for eight and one species, respectively. Twenty-seven species were recorded off Tohoku District for the first time. In addition, taxonomic notes for each species, including some meristic and morphometric data from the collected specimens, are also provided.