著者
本田 卓 針谷 正祥
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.93, no.4, pp.93-98, 2023-08-25 (Released:2023-08-25)
参考文献数
8

Genome wide association study (GWAS) is a type of genetic analysis that looks for association between a particular disease or trait and single nucleotide polymorphism (SNP). The polygenic risk score is the sum of the number of risk alleles weighted the GWAS-estimated effect sizes of each SNP on a disease. Researchers have been exploring the use of polygenic risk score (PRS) to predict disease risk and personalize treatment plans, an approach known as precision medicine. Our study was the first to demonstrate that a PRS based on GWAS data for rheumatoid arthritis (RA) onset can also predict joint damage progression. In particular, we found that the PRS is more accurate for predicting joint damage progression in young-onset patients with RA. To facilitate large-scale validation of our findings, we developed an artificial intelligence-based joint damage scoring system. This system will enable us to further investigate the relationship between PRS and disease severity in a larger, more diverse population. Further research is needed to refine the PRS construction method, particularly in terms of identifying the most informative SNPs and optimizing the weighting scheme for risk alleles.
著者
山井 洋一 本田 健一郎
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会論文集 (ISSN:13446460)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.192-202, 2023 (Released:2023-08-05)
参考文献数
30

This paper proposes the evaluation methodology in early design phase for the feasibility of novel instrument layout to be applied for the next generation civil aircraft, based on the MIL-HDBK-46855A human engineering guideline that shows pilot evaluation and analysis method for military system. Airline pilots evaluation on mockup with this method facilitates to identify the critical design issue and its potential resolutions from visibility, its trajectory and crew coordination point of view and mitigate the risk for late finding of issue to avoid redesign in later design phase. The effectiveness of the evaluation method is potentially shown by the trial usage on the conventional instrument layout, and the achieved data can be used for a reference to compare it with the novel instrument layout design.
著者
水口 恵美子 中澤 浩一 萱場 桃子 近藤 正英 本田 靖
出版者
日本生気象学会
雑誌
日本生気象学会雑誌 (ISSN:03891313)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.9-21, 2014 (Released:2014-04-30)
参考文献数
27

冷房装置使用は住宅内の熱中症予防に有効であることが報告されている.2011 年に福島第一原子力発電所事故が発生し,節電対策が冷房装置使用の行動に影響を与えたことが推測される.本研究では,2010 年に調査した夏季における高齢者の冷房装置の使用状況と住宅内熱中症のリスク人口について追跡調査を行い,2011 年夏の冷房装置使用の状況を明らかにした.全国 8 都市(札幌市,仙台市,さいたま市,東京都 23 区,千葉市,神戸市,北九州市,長崎市)における 65 歳以上の高齢者を含む世帯を対象に 2010 年と 2011 年,インターネット調査を行った.2010 年と比べて 2011 年では夏季にエアコンを常に使用する者が減少し,部屋に設置されていても使用しない者が増加した.扇風機の設置割合は増加したが,使用頻度に変化はなかった.本研究では,各年の気温の差異が行動変容に及ぼす影響を制御できなかった.しかし,住宅内熱中症のハイリスク人口が増加傾向にあることから,高齢者に対しては夏季の冷房装置使用について節電の推奨は控え,適切な使用を促進することが望まれる.
著者
本田 俊樹 山極 芳樹
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会論文集 (ISSN:13446460)
巻号頁・発行日
vol.50, no.579, pp.150, 2002 (Released:2003-08-19)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

This paper reports results of an improved model of “ionospheric hole” caused by rocket exhaust injected into the F-region. We have investigated a practical “ionospheric hole” model by which a proper strategy of rocket launch can be examined from a view point of protection of the Earth’s environment. The analytical results of preceding models were published about 8 years ago. The model well included the trajectory of launch rocket and could evaluate the effect of rocket exhaust on the Earth’s environment for various trajectories. The analytical results, however, didn’t quantitatively agree with the observation data very well. The new model includes the effects of the exhaust velocity of effluents and the neutral wind that preceding model didn’t take into account, and the boundary conditions and parameters are improved. The analytical results by this improved model well agree with the observation data for Skylab–I and HEAO–C launching experiments not only qualitatively but also quantitatively.
著者
金 允姫 橋爪 真弘 本田 靖
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

気温は自殺との関連が高い気象因子として考えられ、気温の上昇と自殺リスクの増加に関する多くのエビデンスが報告されてきた。しかし、正確な気温-自殺の非線形関係を推定する研究は不足していた。本研究は、12カ国341都市・地域の自殺死亡者数と気象データを収集し、同一の統計解析法を用いて気温-自殺の非線形関係について包括的な研究を試みた。結果、気温-自殺の非線形関係は全体的に気温上昇に応じて自殺リスクの増加が観察されたが、非常に高い気温では、自殺リスクがもはや増加せず、水平状態に達したり、わずかに減少することが明らかになった。また、非線形推定曲線を介して自殺リスクが最大となる臨界温度範囲を確認した。
著者
本田 周二
出版者
東洋大学
巻号頁・発行日
2014

元資料の権利情報 : CC BY-NC-ND
著者
本田 進 木村 中 渡部 将伍 山口 瞳
出版者
道南医学会
雑誌
道南医学会ジャーナル (ISSN:2433667X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.39-42, 2023 (Released:2023-06-01)
参考文献数
13

症例は53歳男性。4年前より背部に疼痛、腫脹、色素沈着があり、排膿することがあった。慢性膿皮症の診断にて他院で外用薬の塗布と抗菌薬の内服による治療を行っていた。改善がないため当院皮膚科を受診し、手術治療の適応と判断され当科に紹介となった。初診時、背部に大きさ11cm×9cmの範囲で点在する茶色の色素沈着と膨隆を認めた。全身麻酔下に病変部を切除し、皮膚欠損に対しては分層植皮術を施行した。病理結果はTufted angioma(房状血管腫)であった。術後8か月、再発はなく経過は良好である。Tufted angiomaは比較的稀な血管内皮細胞性腫瘍である。報告では大半が幼少期に発症するが、成人での発症例もみられる。今回われわれは成人のTufted angiomaの1 例を経験したため、文献的考察を踏まえ報告する。
著者
杉尾 孝 川添 大輔 清水 明彦 神野 寧 横山 昭一 嘉久 和孝 本田 公康 佐野 光宏 中川 英明 馬場 雅浩 久保 次雄 坂本 尚希
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.102-109, 2007-02-25 (Released:2010-09-30)
参考文献数
3

当社は, 現在, 「エコも, 使いやすさも」をコンセプトに商品を提供している.すなわち, 「環境・家計にやさしい」, かつユニバーサルデザイン (Universal Design: UD) として, 「使う人に優しい」商品の開発・販売に取り組んでいる.このような背景の中で, 筆者らは, フィルター掃除の自動化に取り組み, 世界初「フィルターお掃除ロボット」搭載エアコンを開発し, 市場から高い評価を得た.今回, UDの更なる進化として, 新開発の空気清浄ユニット, 除菌熱交換器, 脱臭フィルターを「フィルターお掃除ロボット」と組み合わせることで, 従来, 半年ごと (脱臭フィルター) や3年ごと (空気清浄ユニット) に必要としていたお手入れや, 熱交換器クリーニングなどのメンテナンスを不要とした「10年間手間なしで清潔・省エネ・パワフルなメンテナンスフリーエアコン」を開発した.
著者
嶋 大樹 川井 智理 柳原 茉美佳 大内 佑子 齋藤 順一 岩田 彩香 本田 暉 熊野 宏昭
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.1-13, 2017-01-31 (Released:2017-10-11)
参考文献数
25
被引用文献数
1

本研究では、第三世代の認知・行動療法で重視される行動的プロセスである“アクセプタンス”を測定するAcceptance Process Questionnaire(APQ)を作成し、その信頼性と妥当性を検討することを目的とした。学生を対象に調査を実施し、因子分析を実行した結果、APQはアクセプタンスの中長期的結果を測定する【行動レパートリーの拡大】と【現実の感受】、行動内容を測定する【私的出来事から回避しない選択】と【リアクションの停止】の4因子パタンをもつ、13項目で構成された。APQは、十分な構造的妥当性、内的整合性を有し、全体でアクセプタンスを測定すると判断されたが、収束的妥当性、再検査信頼性に課題を残した。今後、再検査信頼性についてはサンプルサイズを増やして検討を進めるともに、日常生活下での行動傾向とAPQの尺度得点の関係性を検討し、その有効性を確認する必要がある。
著者
本田 浩也 大河原 健伍 吉本 好延
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.85-89, 2021 (Released:2021-02-24)
参考文献数
19

〔目的〕本研究の目的は,地域在住高齢者のTether-release法を用いたステップ動作能力が転倒に関連するか明らかにすることであった.〔対象と方法〕対象は,独歩可能な地域在住高齢者36名とし,過去1年間の転倒の有無から転倒群(8名)と非転倒群(28名)に分けた.ステップ動作能力は,最大身体前傾時牽引量の体重比を測定した.〔結果〕群間比較の結果,転倒群と非転倒群で最大身体前傾時牽引量の体重比に有意差を認めた(p=0.038).ロジスティック回帰分析の結果,転倒と最大身体前傾時牽引量の体重比は有意な関連を示した(オッズ比:0.840,95%信頼区間:0.711-0.992).〔結語〕地域在住高齢者のTether-release法を用いたステップ動作能力と転倒に関連がある可能性が示唆された.
著者
本田 沙貴 吉岡 和子
出版者
ヨシミ工産株式会社
雑誌
福岡県立大学心理臨床研究 (ISSN:18838375)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.3-13, 2021-03-31

本研究の目的は、まず、自己愛的脆弱性の特徴によって調査対象者が6つのサブタイプに分類されることを確認することである。次に、自己愛的脆弱性サブタイプによって友人関係の在り方にどのような違いがあるのかを検討し、各サブタイプが友人関係にどの程度満足しているのかを明らかにすることである。自己愛的脆弱性の得点によりクラスター分析を行った結果、6つのサブタイプを見出し、想定した2つのうち1つが抽出された。次に、自己愛的脆弱性サブタイプと友人関係の在り方について検討した。友人と自分の役割を対等と考えている一方で、「自分で不安や衝動をコントロールできないので誰かに調整してもらおうとする」特徴を持つサブタイプは、友人の方が自分よりも役割を果たしていると感じており、実際に自分がしていることに自信がないことが推察され、自分が役割を果たせていないと考えていることが示唆された。そのため、友人との関係を深めることに戸惑いを感じている可能性がある。そして、各サブタイプが友人関係にどの程度満足しているのかについては、有意差は見られなかった。友人関係への満足感が60点以上の者が大半であり、思い浮かべた友人は、親密度が高い者であったことが理由の1つであると思われる。
著者
本田 拓也 谷村 厚子
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.299-308, 2023-06-15 (Released:2023-06-15)
参考文献数
19

本研究の目的は,作業療法効果の測定に適切と考えられるアウトカム指標とその選択理由を,グループインタビュー技法を用いて検討し,合意形成されたものを高齢者の急性期作業療法発展の資料として提示することである.対象は急性期病院に従事した経験のある作業療法士8名で,分析はノミナルグループテクニックと質的統合法を用いた.結果,30項目のアウトカム指標が採択された.定量的なものからは握力など,定性的なものからは生活行為に関わる質的な改善などが採択された.高齢者を対象とした急性期作業療法では,対象や環境の特性を踏まえた上で生活行為に焦点を当てた支援の効果を測定することができるアウトカム指標が重要と考えられた.
著者
影山 玲子 中澤 慎介 青島 正浩 藤山 俊晴 伊藤 泰介 戸倉 新樹 本田 哲也
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.131, no.4, pp.707-711, 2021-04-20 (Released:2021-04-21)
参考文献数
9

特発性後天性全身性無汗症(AIGA)の診断には,ミノール法を代表とするヨードデンプン反応を利用した温熱発汗試験が一般的である.通常,同試験では全身皮膚への試薬塗布が行われるが,全身への試薬塗布は患者・医療者双方にとって肉体的・時間的負担が大きい.当科ではそれらの問題を解決するため,同試験を12カ所のスポットで施行している(スポット法).スポット法により診断されたAIGA 30例の解析から,AIGAでの無汗・低汗部位として上腕・前腕・大腿・下腿の四肢で最も頻度が高いことが示唆された.