著者
村上 龍 小林 収
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1053, pp.82-85, 2000-08-07

問 同世代だということもあって、村上龍さんのお仕事にはずっと関心を持ってきました。ここ数年は経済に非常に着目されていますね。経済小説というと、多くは作者のサラリーマン時代の体験を踏まえた会社の内幕話ですが、村上さんの作品は違う。もっと広い世界を舞台にして、その中で経済というツールをうまく使っておられる。
著者
片本 隆二 村上 剛司
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.60, 2013

手指に不自由のある方の把持を目的に、携帯可能な簡易ジャミンググリッパーを考案した。対象物にグリッパーを押し当てると輪郭に沿った形に変形し、その状態で内部を吸引すると固定される。本考案は吸引にプラスチックシリンジを用いたことで、廉価・軽量・コンパクトである。また少量生産性と所有感から紙バンドを用いた点が特徴である。ネックストラップを付ければ常に携帯でき、咄嗟に利用可能となる。<br>本報告では著者によるグリッパーの研究内容を報告し、それを事例にエンジニアの興味を、医療スタッフと共有するための課題と対策を明らかにする。
著者
豊川 智之 村上 慶子 兼任 千恵 小林 廉毅
出版者
公益財団法人 医療科学研究所
雑誌
医療と社会 (ISSN:09169202)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.69-78, 2012
被引用文献数
11

医療への公平なアクセスを達成することによって,健康の社会的格差の縮小が期待される。本研究は,社会経済的障壁に焦点を当てて医療へのアクセスの公平性について検討した。東京都内および同近郊4自治体に居住する25~50歳を対象に行った「まちと家族の健康調査」の3,378名のデータを用いて,所得による医療受診の分布について集中度指標(CI)と,医療ニードについて調整した水平的不公平性指標(HI)を求めた。補助的分析として所得に対する受診控えの集中度指標を求めた。集中度指標によると,外来及び定期的外来は高所得層にアクセスが多かった(外来CI:0.038;定期的外来CI:0.053)。入院では低所得層にアクセスが偏っていた(CI:-0.032)。水平的不公平性指標でみると,外来(HI:0.043),定期的外来(HI:0.063),入院(HI:0.011)で高所得層に偏った結果となった。受診控えに関して同様に行った補助的分析では,集中度指標が-0.064となり,低所得層に多いことが示された。
著者
米口 遼一 村上 隆啓
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.138, no.4, pp.352-359, 2018-04-01 (Released:2018-04-01)
参考文献数
9

In recent years, a number of algorithms for controlling parameters of an acoustic signal have been realized according as hardware technologies have been developed. A phase vocoder is one of the widely known methods for time scale modification (TSM) and pitch scale modification (PSM). The phase vocoder converts the length and the pitch of the acoustic signal by increasing or decreasing an instantaneous angular frequency. However, due to the phase unwrapping problem that occurs when the instantaneous angular frequency is estimated, the phase vocoder distorts the waveform of the modified signal. In order to alleviate this problem, we present a new algorithm for the phase vocoder. Our method does not encounter the phase unwrapping problem since we directly use the difference of phases between adjacent analysis frames to avoid estimating the instantaneous angular frequency. Moreover, our approach is effective even when the characteristics of the acoustic signal, e.g., a frequency and amplitude, change rapidly.
著者
村上 弘治
出版者
日本土壌微生物学会
雑誌
土と微生物 (ISSN:09122184)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.129-137, 2000-10-01
被引用文献数
3

アブラナ科野菜根こぶ病は難防除土壌病害のひとつであり,その病原菌(Plasrnodiophora brassicae,根こぶ病菌)は絶対寄生菌であるため土壌中で腐生的に増殖することがない反面,培地上での培養,計数ができない。根こぶ病の発病と土壌中の休眠胞子密度との関係を示すDose Response Curve (DRC)は病原菌,土壌,植物により変動する。(1)根こぶ病菌:根こぶによる差だけでなく,1個の根こぶの中でさえ休眠胞子の発芽率,病原力が異なり,そのため圃場によって病原力が大きく異なった。(2)土壌:普通黒ボク土(福島)よりも淡色黒ボク土(福島)の方がDRCは全体に低く推移した。また,同じ淡色黒ボク土でも地域によりDRCは異なった。さらに,土壌pHの影響も受け,pHを高く矯正した土壌では元の土壌よりもDRCは低く推移した。(3)植物:ハクサイ,キャベツ,ブロッコリーの順でDRCは低く推移した。また,罹病的な品種と抵抗的な品種とでは後者の方がDRCは低くなった。以上のことから,現地農家圃場の正確な土壌評価を行うためには,土壌中の病原菌密度を把握するとともに,その圃場の病原菌(複数の根こぶ),土壌,植物(種類・品種)を用いて,DRCを作成することが必要である。現在根こぶ病の防除剤として広く使われているフルスルファミド粉剤は,休眠胞子の発芽や根毛感染を抑制するものの,土壌中の病原菌密度に対する影響はみられず,同剤の効果は殺菌的な作用ではなく,静菌的な作用によることが示唆された。さらに,残効性が認められるため,同剤の施用により根こぶ病の発生は抑制され,土壌中の病原菌密度が増大することはない反面,積極的な病原菌密度の減少もあまり期待できないことが示唆された。積極的に土壌中の休眠胞子密度を減少させる方法として,おとり植物の利用がある。即ち,おとり植物を前作として栽培し,土壌中の病原菌密度を積極的に低減させて,後作のアブラナ科植物の発病を軽減させることが可能であった。しかし,この発病抑制効果はDRCに依存し,病原菌密度が高くなるにつれて少なくなった。このように根こぶ病を防除する際には,土壌中の病原菌密度を把握し,対象とする圃場のDRCを十分考慮することが必要である。また,おとり植物以外にも病原菌密度低減効果を有する資材を利用するなど各種個別技術を組み合わせ,発病に伴う病原菌密度の増大を抑制しつつ,積極的に病原菌密度を低減させていくことが必要である。
著者
村上 友章 MURAKAMI Tomoaki
出版者
三重大学教養教育機構
雑誌
三重大学教養教育機構研究紀要 = BULLETIN OF THE COLLEGE OF LIBERAL ARTS AND SCIENCES MIE UNIVERSITY
巻号頁・発行日
vol.2, pp.1-20, 2017-03-31

本稿は、明治末期に三重県に存在した近代的水産缶詰会社の先駆けたる東洋水産株式会社(以下、東洋水産)の興亡の全容を詳らかにし、その歴史的意義を再検討した。殖産興業の中でも缶詰産業の発展は他の諸産業に遅れをとっていた。だが日露戦争以後、中央(牧朴真・農商務省水産局長)・地方(石原圓吉・三重海産組合代表)の両方から軍需缶詰工場を輸出向鰮いわし油漬缶詰製造工場に転換する着想が芽生え、それが、両者の対立を経つつも妥協に転じて東洋水産設立に至る。だが鰮の不漁、輸出不振が続くや、大株主が離反し、同社は再編を余儀なくされる。加えて一九〇七年不況がこれに追い打ちをかけ、海外市場はおろか国内市場でも同社の水産缶詰は売れず、結果として同社は軍需缶詰工場へと再び回帰せざるをえなかった。こうした中、東洋水産の経営を支えたのが、農商務省から技師として派遣された高碕達之助であった。高碕は中央の最新技術を地方にもたらすと同時に、地方の窮状を中央に訴えるユニークな役割を果していく。また、同社が軍需缶詰工場に転換するや、その責任者(技師長)として経営再建に尽力した。だが刃折れ矢尽きた高碕は渡米を決断、石原もこれを快諾した結果、東洋水産は事実上の解散を迎えるに至った。このように東洋水産は時代の徒花に終わった。だが、その遺産は少なからぬ地方の人々の生活を支えたと同時に、後の日本缶詰産業発展のために不可欠な経験となった。
著者
久木田 水生 大澤 博隆 藤原 広臨 林 秀弥 平 和博 伊藤 孝行 大谷 卓史 笹原 和俊 中村 登志哉 村上 祐子 唐沢 穣
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究は、第一に、インターネット上の悪質な情報の流通とそれに起因する現代の諸問題の根本的な要因・メカニズム・影響を明らかにする。第二に、そのような問題に対処するための新しい情報リテラシーの概念を探求し、その基礎になる技術哲学理論を構築する。第三にその概念と理論に則した情報リテラシー向上のための方法を探求する。このことによって本研究は情報技術と社会が互いに調和しながら発展していくことに貢献する。
著者
能城 修一 佐々木 由香 鈴木 三男 村上 由美子
出版者
日本植生史学会
雑誌
植生史研究 (ISSN:0915003X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.29-40, 2012 (Released:2021-03-17)

近年,コナラ属アカガシ亜属のうちイチイガシの同定が木材組織から可能となり,それをもとに,関東地方で弥生時代中期から古墳時代の木製品を多数産出した7 遺跡を対象として,アカガシ亜属の木材を再検討した。その結果,この時期を通して鋤鍬にはイチイガシが選択的に利用されていた。海岸に近い神奈川県池子遺跡と,千葉県常代遺跡,国府関遺跡,五所四反田遺跡では,鋤鍬の完成品だけでなく,未成品や原材でもイチイガシとイチイガシの可能性の高い樹種が50 ~ 70%を占めており,遺跡周辺で原材の採取から加工までが行われていたと想定された。それに対し,内陸部の埼玉県小敷田遺跡と群馬県新保遺跡ではイチイガシの利用比率が下がり,イチイガシ以外のアカガシ亜属やコナラ属クヌギ節を鋤鍬に用いる傾向が認められた。もっとも内陸部の新保遺跡では,鋤鍬の完成品だけでなく未成品や原材でもイチイガシ以外のアカガシ亜属とクヌギ節がほとんどを占め,イチイガシの鋤鍬は完成品と未成品が少数しか出土せず,これらは関東地方南部から移入されたと想定された。鋤鍬以外の木製品では,神奈川県や千葉県の遺跡でもアカガシ亜属以外の樹種が70%以上を占め,アカガシ亜属の中でもイチイガシの比率は低い。このように,イチイガシが鋤鍬に限定して選択されていた理由は,イチイガシの木材がアカガシ亜属の他の樹種の木材に比べて柔軟性があり,軽いわりに強度があるためであると想定された。
著者
村上 康朗
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.35 Suppl. No.2 (第43回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.A0456, 2008 (Released:2008-05-13)

【目的】端座位姿勢は理学療法中に多くみられる姿勢であり、また我々理学療法士がその姿勢について評価・指導することも多い。評価や指導においてはアライメントを観察することが多いが、実際理学療法プログラム中など長時間の座位となる場合、同一アライメントにおいても筋活動には変化があるのではないかと疑問を持った。しかし静的座位保持における筋活動を検討した先行研究は少ない。そこで本研究では同一アライメントにおける端座位姿勢保持においての筋活動の変化を検討することを目的とした。【方法】対象は健常人男性7名である。被験者には安楽座位を30秒間、骨盤中間位体幹正中位での端座位姿勢(以下中間位座位とする)を5分間保持させ、表面筋電図(Noraxon社製myoresearch)を用いて両側の内腹斜筋、腰部脊柱起立筋、大腿二頭筋、大腿直筋の筋活動を記録した。安楽座位は被験者が力を抜いて行う端座位とした。中間位座位では両側上肢は手部を膝関節の上に位置し、骨盤・体幹正中位、膝関節90°屈曲位、足底は床に接地し、同一アライメントの保持を意識させた。実験中の姿勢は矢状面より観察した。得られた筋電図波形は全波整流し、30秒間隔での筋積分値を求めた。安楽座位で得られた積分値を基準とし、端座位での10期の筋積分相対値を算出し、安楽座位に対して中間位座位における筋活動の変化の検討を行った。【結果】最も活動量が高くなる筋は腰部脊柱起立筋(以下背筋群)と内腹斜筋(腹筋群)に分かれ、その人数は背筋群2人、腹筋群5人であった。背筋群においては両側の腰部脊柱起立筋が高い活動を示し、内腹斜筋は低い活動を示した。腹筋群では、一側の内腹斜筋活動が高く両側の腰部脊柱起立筋にも活動が認められる傾向であった。下肢筋群の活動は被験者間で差があったが、安楽座位と比べて著明な増加はなかった。また、全ての筋活動において左右差は認められたが、特に内腹斜筋に差の大きい傾向が見られた。【考察】姿勢保持において、腰部脊柱起立筋は腰椎前弯を生じさせ、腹筋群は腹腔内圧を上げることにより横隔膜を下方から押し上げ、姿勢保持に影響する、とある。今回の実験では内腹斜筋を活動させて姿勢保持を行う被験者が多い結果であった。腹筋群では両側の腰部脊柱起立筋にも活動を認めたことから、中間位座位姿勢保持において、内腹斜筋が腹腔内圧の上昇、腰部脊柱起立筋が生理的腰椎前弯保持に関与して姿勢保持を行っていることが考えられる。一方背筋群においては内腹斜筋の活動は低い状況であったことから腰部脊柱起立筋に依存して姿勢保持を行っていることが考えられる。腰痛を有する患者や背部の筋緊張が高い患者においては腹筋群の収縮を意識させた座位姿勢を指導する必要があると考えられた。また、内腹斜筋には左右差が大きく出現したという結果から、細部にわたる姿勢の左右差も評価する必要性を再認識した。
著者
小西 史子 舘岡 良枝 村上 知子 香西 みどり
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.301-307, 2012-06-15 (Released:2013-10-10)
参考文献数
20
被引用文献数
1

We compared the antioxidative activity of roasted Adzuki bean flour and traditional boiled Adzuki beans, and evaluated the palatability of the roasted flour. The antioxidative activity of boiled Adzuki beans was significantly higher than that of the uncooked beans when determined by an ORAC assay, although itwas unchanged by a DPPH assay. More than 90% of the original antioxidative activity was retained in the roasted Adzuki bean flour when determined by both the DPPH and ORAC assays. Sixty-two elementary school pupils made roasted Adzuki bean flour and ate with rice cakes in a home economics class. Seventy nine percent of the pupils liked the roasted flour, and 87.1% showed their willingness to cook it again in their homes. These results indicate that roasted Adzuki bean flour could be quickly prepared without losing its antioxidative activity and that this flour was considered to be a favorable food among the pupils.
著者
村上 雄哉
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.111, no.11, pp.728-735, 2016

日本産食品の海外輸出は,国の施策の後押しもあって増加しているが,イスラーム食品市場では,ハラールやハラール認証への理解と対応が必要だ。しかし,ハラールやハラール認証については,なじみが薄くよく知られていない。また,国により詳細は異なっている。これらの実態に詳しい専門家に,ハラールやハラール認証,イスラーム圏のマーケットの実態について解説をいただいた。